JPS647293Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌等の走行試験に用いられるベルト
走行道路に関する。

車輌等の走行試験を行なう装置として第１図に
示すベルト式の走行道路がある。この走行道路
は、二台のプーリー１と２との間にスチール製で
エンドレスタイプのベルト３が懸架され、駆動モ
ータ４にて駆動側のプーリー１を回転することに
よりベルト３が回転される。また、試験時には上
側のベルト３上に車輌が載置されるため、これを
支持するために荷重を受ける上側のベルト３の直
下には複数個のサポートローラ５が配置された構
造となつている。尚、図中６は外枠、７は軸受で
ある。

このような走行道路では運転時にベルト３には
第２図に示すＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄの張力が働く。Ａは
ベルト３にたるみを持たせないための初張力であ
り、大きさは一定でベルト全周に亘りかかる。Ｂ
は、ベルト３をプーリー１，２に懸けるために生
ずる曲げ張力であり、プーリー１，２の半径によ
つて決定され、ベルト３のプーリー１および２に
接触している部分にかかる。Ｃはベルト３の回転
運動によつて生ずる遠心力による張力であり、回
転速度に応じて非常に大きくなり、プーリー１，
２間のベルトにかかる。Ｄは負荷（駆動力）によ
つて生ずる張力（負荷耐力）であり、負荷に応じ
てその大きさは変化し、駆動側のプーリー１から
引張られる上側のベルト３に亘り従動側のプーリ
ー２に接触している部分にまで働いている。

そのため、プーリー１および２に巻き懸けられ
たベルト部分、即ちプーリー１および２に夫々接
しているベルト部分にはＡ，Ｂ，Ｄの張力が加わ
つて非常に大きな張力が働くことになるため、ベ
ルト３に亀裂等を生ずる虞があり、このため高負
荷および高速運転が制限されていた。

そこで、本考案は上述した従来技術に鑑み、プ
ーリーに巻懸けられるベルト部分に働く張力を軽
減して高負荷およ高速回転に耐えうるベルト走行
道路の提供を目的とする。かかる目的を達成する
本考案の構成は、車輌等の走行試験に用いられる
ベルト走行道路であつて、二台のプーリー間にベ
ルトが懸架され、かつ上側のベルト直下にベルト
を支える複数のサポートローラが設けられたもの
において、前記ベルトの上下から挾持する二組の
ローラを、前記ベルトの荷重を受ける部分に互い
に所用間隔を保つて配置し、これら各組のローラ
の一方に回転駆動装置を連結したことを特徴とす
る。

以下に本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。尚、従来例と同一部分には同一番号を附す。

本実施例の走行道路はその概略斜視図を第３図
に示す如く、二台のプーリー１と２間にベルト３
が懸架され、車輌等を載置して荷重を受ける上側
のベルト３の直下に多数のサポートローラ５が配
設されている。さらに、並設されたサポートロー
ラ５の両側には、上側のベルト３の直線部分を上
下から挾持する駆動ローラ１０と押えローラ１１
とが夫々一組ずつ配設されており、各駆動ローラ
１０には外枠６等に固定された駆動モータ１２
（回転駆動装置）が連結されている。つまり、駆
動ローラ１０と押えローラ１１とが二組、負荷載
置部である上側のベルト３の直線部分に互いに所
用間隔を保つて配設され、各駆動モータ１２を動
作して各組の駆動ローラ１０を回転することによ
り、ベルト３を走行させる構成となつている。

このような走行道路においては、運転時に、負
荷によつて生ずる張力Ｄの働く範囲は第４図に示
す如くなる。即ち、負荷によつて生ずる張力Ｄは
駆動ローラ１０間のベルト３の直線部分だけに働
くこととなつて他の部分には働かないため、最も
張力が集中するプーリー１および２に接するベル
ト３の曲り部分では負荷によつて生ずる張力が軽
減されることになる。その結果、ベルトを高負
荷・高速回転に耐え得るものとすることができ
る。

尚、両方の駆動ローラ又は一方の駆動ローラに
動力計１３を連結することにより、第５図ａに示
すベルト式シヤシダイナモメータや第５図ｂに示
すベルト式タイヤ試験機として応用することがで
きる。この場合にも駆動ローラ間のベルト部分だ
け車輌の駆動力が働くこととなり、他の部分に張
力が働かない。なお、第５図ａ，ｂ中、１４は車
輌、１５はタイヤ、１６はタイヤ回転駆動機であ
る。

以上、説明したように本考案によれば、二台の
プーリー間に懸架されたベルトの負荷載置部に、
ベルトを上下から挾持する二組のローラを互いに
所用間隔を保つて配設し、各組のローラの一方に
回転駆動装置を連結しこれによつてベルトを走行
させる構造にしたことにより、運転時に負荷によ
つて生ずる張力がベルトを駆動するローラ間だけ
に働くため、各プーリーに接するベルトの曲り部
分の張力が軽減される。その結果、高負荷・高速
回転に耐え得る構造とすることが可能となつた。

【図面の簡単な説明】

第１〜２図は従来例に係り、第１図は走行道路
の斜視図、第２図はベルトに働く張力を説明する
概略斜視図、第３図〜第５図ｂは本考案の実施例
に係り、第３図は走行道路を説明する概略斜視
図、第４図は負荷によつて生る張力を説明する概
略図、第５図ａ，ｂはベルト式シヤシダイナモメ
ータおよびベルト式タイヤ試験機としての応用例
を示す概略図である。 図面中、１，２はプーリー、３はベルト、１０
は駆動ローラ、１１は押えローラ、１２は駆動モ
ータ（回転駆動装置）、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輌等の走行試験に用いられるベルト走行道路
   であつて、二台のプーリー間にベルトが懸架さ
   れ、かつ上側のベルト直下にベルトを支える複数
   のサポートローラが設けられたものにおいて、前
   記ベルトを上下から挾持する二組のローラを、前
   記ベルトの荷重を受ける部分に互いに所用間隔を
   保つて配置し、これら各組のローラの一方に回転
   駆動装置を連結したことを特徴とするベルト走行
   道路。