JPS647292Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は車輌等の走行試験に用いられるベルト
走行道路に関する。

車輌等の走行試験を行なう装置として第１図に
示すベルト式の走行道路がある。この走行道路
は、二台のプーリー１と２との間にスチール製で
エンドレスタイプのベルト３が懸架され、駆動モ
ータ４にて駆動側のプーリー１を回転することに
よりベルト３が回転される。また、試験時には上
側のベルト３上に車輌が載置されるため、これを
支持するために荷重を受ける上側のベルト３の直
下には複数個のサポートローラ５が配置された構
造となつている。尚、図中６は外枠、７は軸受で
ある。

ところが、上記従来の走行道路においては、ベ
ルトを高速に運転しようとすると、ベルトが上下
に振動してしまい、この上下振動に起因して運転
中にベルトのエツジにクラツクが発生する場合が
ある。このクラツクはさらに成長し、そのまま運
転を続けるとベルトの切断に至る。また、ベルト
のエツジに発生した小さなクラツクは日常点検で
も見逃してしまう場合があり高速運転する場合に
は大へん危険なものであつた。

そこで、本考案は上記従来技術に鑑み、ベルト
の上下振動を防止して高速走行に耐え得る構造と
したベルト走行道路を提供することを目的とす
る。かかる目的を達成する本考案の構成は、車輌
等の走行試験に用いられるベルト走行道路であつ
て、二台のプーリー間にベルトが懸架され、かつ
上側のベルト直下にベルトを支える複数のサポー
トローラが設けられたものにおいて、前記ベルト
の荷重を受ける部分の両側にベルトを上下から挾
持する一組の上下振動防止ローラを夫々配設した
ことを特徴とする。

以下に本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。尚、従来技術と同一部分には同一番
号を附す。

本実施例の走行道路は、正面図を第２図ａに、
その平面図を第２図ｂに示すように、二台のプー
リー１と２との間にスチール製のベルト３が懸架
され、駆動モータにてプーリー１を回転すること
によりベルト３が走行する構成となつており、負
荷載置部である上側のベルト３の直下にサポート
ローラ５が複数個配設されている。また、複数個
並設されたサポートローラ５の両側にはベルト３
を上下から挾持してベルト３の上下振動を抑える
上下一組の上下振動防止ローラ１０，１１が夫々
配設されている。また、本実施例においては、駆
動モータに連結していない従動側のプーリー２の
外周にはクラツク検出装置１８が設置されてい
る。

更に、上記上下振動防止ローラ１０，１１およ
びクラツク検出装置１８について詳述すると、ま
ず上下振動防止ローラ１０，１１は、第２図ａ，
ｂに示す如く、支持台１２上に設置されたローラ
軸受１３によつて軸支されている。本実施例にお
いては、第３図に要部を抽出して示す如く、支持
台１２上には移動方向（前後方向）に沿つてガイ
ド溝１４が設けられており、各ローラ軸受１３は
ガイド溝１４上に前後方向に移動できるように設
置されている。また、ローラ軸受１３にはガイド
溝１４に沿う方向にめねじが設けられ、このめね
じに送りネジ１５が挿通されている。この送りネ
ジ１５は一端が支持台１２上に固設された駆動モ
ータ１６にカツプリング１８を介して連結され、
他端が軸受１７にて軸支されている。したがつ
て、ローラ軸受１３は、駆動モータ１６にて送り
ネジ１５を回転することにより、前後方向に移動
できる構造となつている。

尚、本実施例の如くローラ軸受、即ち上下振動
防止ローラを前後方向に移動できる構造としたの
は次の如き理由に因る。

即ち、上下振動防止ローラを配設する位置は、
ベルトの走行速度やプーリー間の長さに応じて、
ベルト振動を抑えるのに効果的な位置が決定する
ため、上下振動防止ローラを一定位置に固定して
おくと、上記条件が異なる場合にはベルトの上下
振動を最も効率よく抑止することが困難となる。
そのために、これを防止するためベルトの走行速
度等の条件に応じてベルトの上下振動を最適な状
態で抑止できる位置に自在に移動できる構造とし
たものである。

次に、上記クラツク検出装置について詳述する
と、クラツク検出装置はベルトに発生したクラツ
クを早期発見するために設けられたものであり、
第４図および第５図ａに示す如く、従動側のプー
リー２に巻懸けられたベルト３に向けてベース上
に設置されている。本実施例ではクラツク検出装
置１８としては、ギヤツプセンサ１９を用い、こ
れを固定支持具２０に取付けて構成され、ベルト
３の各エツジ部に向けて設定間隙ｇを保つて設置
されている。

このようなクラツク検出装置１８においては、
ベルト３が正常な状態では第４図に示す如く、ギ
ヤツプセンサ１９とベルト３との設定隙間ｇがほ
ぼ一定値を保持しており、ベルト３のエツジ部分
に第５図ａに示す如きクラツク２１が生ずると、
ギヤツプセンサ１９とベルト３との隙間g′が第５
図ｂに示す如く狭まるため、これをギヤツプセン
サ１９により検出してベルト３に生じたクラツク
２１を発見する構成となつている。つまり、エツ
ジ部にクラツク２１が生じると、ベルト３がプー
リー２の外周にて曲げられることにより、クラツ
ク２１が生じたエツジ部分が直線的に折れ曲がつ
て突出しキヤツプセンサ１９との隙間g′が狭くな
るため、この隙間の変化をギヤツプセンサ１９に
より検出することによつてクラツク２１の早期発
見を可能している。

尚、クラツクは主にベルトのエツジ部分から発
生しやすいため、本実施例ではギヤツプセンサを
ベルトのエツジ部に向け配置したが、これに限ら
ず、ベルトの性質に応じて適切な部分に向け設置
すればよい。

以上、説明したように本考案によれば走行する
ベルトの荷重載置部の両側にベルトを上下から挾
持する上下振動防止ローラを夫々一組設けベルト
の上下振動を防止する構造であるため、この上下
振動に起因するクラツクの発生を抑止でき、高速
走行に耐え得るものとすることができる。

また、本実施例の如く、ベルトの外周にクラツ
ク検出装置を設置したことにより、たとえベルト
にクラツクが生じても早期発見でき、危険防止を
図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例に係る走行道路の斜視図、第２
図〜第５図ｂは本考案の一実施例に係り、第２図
ａ，ｂは走行道路の正面図およびその平面図、第
３図は上下振動防止ローラのローラ軸受構造を抽
出して示す正面図、第４図はクラツク検出装置の
設置例を示す概略正面図、第５図ａ，ｂはクラツ
クの検出を説明する概略側面図および概略正面図
である。 図面中、１，２はプーリー、３はベルト、１
０，１１は上下振動防止ローラ、１２は支持台、
１３はローラ軸受、１８はクラツク検出装置、１
９はギヤツプセンサ、２０は固定支持具、２１は
クラツクである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車輌等の走行試験に用いられるベルト走行道路
   であつて、二台のプーリー間にベルトが懸架さ
   れ、かつ上側のベルト直下にベルトを支える複数
   のサポートローラが設けられたものにおいて、前
   記ベルトの荷重を受ける部分の両側にベルトを上
   下から挾持する一組の上下振動防止ローラを夫々
   配設したことを特徴とするベルト走行道路。