JPS647236Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （考案の目的） 産業上の利用分野 本考案は、各種多気筒内燃機関へ燃料混合気を
供給する多連気化器の連結装置に係り、特に連装
気化器間の連結を強固とし、ちよう形絞弁の同調
にくるいを生じないものである。

従来の技術 従来の多連気化器の連結装置を説明すると、
（例えば、実公昭49−40178号公報、実公昭52−
12820号公報、特開昭58−162755号公報に開示さ
れているように、）隣接する多連気化器の連結部
材は気化器のちよう形絞弁の軸心線と平行方向に
配置されていたので、この場合連結部材に曲げ応
力が加わると隣接する気化器間でちよう形絞弁の
同調が変化してしまうという欠点があつた。特に
自動２輪車のように振動、衝撃を受け易い多連気
化器においては連結部材に曲げ応力が作用し、各
気化器間のちよう形絞弁の同調が変化してしまう
と各気筒への供給混合気にバラツキを生じ、アイ
ドリング不調、機関加速性の低下、排気ガス公害
等の発生原因となるものであつた。又、特に自動
２輪車の横巾は小さい方が乗員にとつて運転上好
ましいもので多連気化器の隣接する気化器の横巾
寸法は小さいものが望まれていたものである。

考案が解決しようとする問題点 本考案は、かかる点に鑑み成されたもので、そ
の目的とするところは、多連気化器間の連結を強
固で確実に行ない得ると共に、各気筒へバラツキ
のない混合気を供給できる多連気化器を提供し、
且つ、隣接する浮子室の構成部品と連結部品を兼
用した板状の連結部材を採用し、多連気化器の横
巾寸法を大巾に低減し得る、小型で安価な多連気
化器の連結装置を提供することにある。

（考案の構成） 問題点を解決するための手段 本考案は、この課題を解決するために、互いに
隣接する第１の気化器本体１と第２の気化器本体
２との間に挾持され、且、第１の浮子室３と第２
の浮子室４の少なくとも一部の側壁を形成する板
状連結部材５を備え、該板状連結部材の両側面に
対して第１の気化器本体の側面と第２の気化器本
体の側面とを対面配置し、それぞれ面結合させる
と共に、該結合面を前記気化器本体のちよう形絞
り弁の軸心線に対して、略直交する平面とする多
連気化器の連結装置を構成したものである。

作 用 第１の気化器本体と第２の気化器本体との間に
挾持された板状の連結部材５は浮子室の側壁構成
機能と隣接する気化器の連結機能とを兼用すると
共に気化器本体と板状連結部材とは面結合によつ
て強固で確実に連結される。

実施例 本考案の一実施例を第１図〜第４図によつて説
明するとＶ型２気筒機関に使用される２連気化器
の場合を開示し、互いに隣接する第１の気化器本
体１と第２の気化器本体２との間に板状の連結部
材５が挾持配置されている。第１の気化器本体１
内には機関へ連通する吸気路１０が貫通し、該吸
気路を開閉制御するちよう形絞弁１１と吸気路内
の負圧によつて上下に摺動するピストン１２が気
化器本体に配置されている。ピストン１２に固着
されたダイヤフラム１３によつて気化器本体上部
には大気室１４と負圧室１５とが区画形成され、
負圧室内にはピストン１２を下方向へ押圧付勢す
るばね１６が縮設される。ピストン１２に固着さ
れたニードル１７は、気化器本体下部に形成され
た第１の浮子室３から吸気路１０へ連通する燃料
通路１８内に挿入配置される。第１の浮子室３内
には燃料が収容され、燃料ジヨイント１９、燃料
入口２０から供給される燃料は、板状連結部材の
固定支軸２１に回動自在に装着された第１の浮子
２２該浮子に装着されたニードル弁２３より成る
第１の定液面制御装置６によつてその流入量が制
御され浮子室内の燃料液面は一定に制御される。
そして、この定液面制御装置６は板状連結部材５
に配置され、該板状連結部材５は浮子室３の側壁
を形成すると共に、第１およ第２の気化器本体の
連結機能も果すものである。該板状連結部材の両
側面には気化器本体側面に対向してそれぞれ円形
嵌合部２４が配置され、該円形嵌合部２４に対応
して気化器本体側面にも円形の嵌合部が配置され
ているので、連結部材に対する気化器本体の取付
角度はこの円形の嵌合部によつて任意に回動変更
できるものである。なお、連結部材に対して気化
器本体を固定するため、それぞれ３本のボルト２
５、ボルト孔２６が配置されるが、これは適宜設
計変更が可能である。更に板状連結部と気化器本
体とを平面フランジで結合することによつて、隣
接する気化器間の取付位置、取付ピツチは任意に
変更でき、又、板状の連結部材の厚さを変更すれ
ば、隣接する気化器間の間隙が変更できる。特に
実施例では、連結部材５を板状部材としたので製
作が容易であり、第１、第２の定液面制御装置が
該板状部材から露出して配置されたので、組立、
保守が容易で浮子の油面調整が楽となる特有の効
果を生ずる。なお、連結部材５は浮子室を形成す
る側部２７，２８を２本のリブ２９，３０にて接
続し、一体成型した実施例に限定されることな
く、その形状は適宜設計変更が可能である。そし
て、連結部材５は浮子室３，４の側壁部を形成す
る板状部材にて構成し、両側面に２個の気化器本
体１，２を直接接続できたので２連気化器の横巾
Ｗは大巾に小さくでき、自動２輪車に配置した場
合は特に乗員の運転（足部）が楽になるものであ
り、更に板状連結部材と気化器本体とをちよう形
絞弁１１の絞弁軸３１の軸心線と直交する平面に
おいて面結合したので、連結は強固であり、隣接
する気化器間に曲げ応力が作用した場合も面結合
にて強固に気化器本体がそれぞれ接続されている
ので、それぞれのちよう形絞弁の同調が変化する
ことがない。従つて、自動２輪車のように振動、
衝撃を受け易い多連気化器に対して採用しても同
調が狂わず、各気筒への供給混合気がバラツキを
生じないものである。

なお、本考案は実施例のＶ型２気筒機関にのみ
限定されることなく、４連気化器、６連気化器直
列４気筒その他の機関に対しても適用でき、気化
器構造は定真空式気化器に限定されることなくち
よう形絞弁式気化器、摺動絞弁式気化器にも適用
できるものである。

（考案の効果） 本考案の板状連結部材はその両側面に気化器本
体１，２を直接結合させると共に該結合面を気化
器本体のちよう形絞り弁の軸心線に対して、略直
交する平面としたので、多連気化器の横巾Ｗを大
巾に小さくすることができると共に、その多連気
化器の連結強度を強固で確実なものとできたの
で、機関の各気筒へバラツキのない混合気を供給
できる多連気化器を提供でき、更に、浮子室の側
壁を兼用したので多連気化器の横巾Ｗの減少効果
を更にもたらし、小型で安価なる多連気化器の連
結装置を提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の多連気化器の一実施例を示す
説明図、第２図は第１図の上面図、第３図は第１
図の連結部材の正面図、第４図は第３図の上面図
である。 １……第１の気化器本体、２……第２の気化器
本体、３……第１の浮子室、４……第２の浮子
室、５……連結部材、６……第１の定液面制御装
置、７……第２の定液面制御装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 互いに隣接する第１の気化器本体１と第２の気
   化器本体２との間に挟持され、且つ、第１の浮子
   室３と第２の浮子室４の少なくとも一部の側壁を
   形成する板状連結部材５を備え、該板状連結部材
   の両側面に対して第１の気化器本体の側面と第２
   の気化器本体の側面とを対面配置し、それぞれ面
   結合させると共に、該結合面を前記気化器本体の
   ちよう形絞り弁の軸心線に対して、略直交する平
   面としたことを特徴とする多連気化器の連結装
   置。