JPS647003Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は例えばプレス加工されたワークを次工
程に送り出す際、該ワークが回転するのを防止す
るための装置に関するものである。

イ 従来技術 第１図は例えばプレス加工されたワーク１を次
工程に送り出すための一般的な装置を示したもの
で、同図において、２は一端部にＬ字型の折曲部
３を有する複数の棒状部材４を所定の間隔を隔て
て設けたシユートで、このシユート２はその一端
部たる角部５がピン６を介してフレーム等の適宜
の取付部材に回動可能に枢着されている。７は適
当な手段で支持されたエアシリンダで、このエア
シリンダ７のロツド８の先端は上記シユート２の
棒状部材４の折曲部３下端に取付けられており、
プレス加工時にはロツド８が伸長してシユート２
は水平状態に保持され、又プレス加工が終了する
とロツド８が退入してピン６を支点に上記シユー
ト２が所定角度傾動する様に構成されている。９
はプレス機械に取替可能に装着された所定長さの
下型で、この下型９の幅方向両側対称位置には所
定幅寸法の溝（図示省略）が形成されており、上
記シユート２の棒状部材４はこの溝に嵌め込まれ
る。そして、フランジ部１ａを有し且つ幅方向に
延びた長尺な所定形状の上記ワーク１が下型９に
被嵌されてシユート２上に載置され、所定のプレ
ス加工が終了すると、エアシリンダ７が作動して
上記シユート２がピン６を支点に第２図の如く上
方に所定角度傾動し、この傾動によりワーク１は
シユート２上を滑つて落下し次工程に送り出され
る。ところが、上記の装置であると、シユート２
を傾動させるのにスピード調整の困難なエアシリ
ンダ７を使用しているので、該シユート２は急激
に傾動し、これが為ワーク１はシユート２上で回
転して跳ね出されその外表面に打傷等が生じると
いう欠点があつた。

ロ 考案の目的 本考案の目的は、所定の加工を施したワークの
次工程への送り出し時に該ワークが回転してその
外表面に打傷等が生じるのを防止することにあ
る。

ハ 考案の構成 本考案は、複数の棒状部材４を所定の間隔を隔
てて設けてなるシユート２をその一端部を支点に
上方に回動可能に枢着支持し、上記シユート２の
傾動動作に関連して該シユート２上に載置された
フランジ部１ａを有するワーク１を次工程に送り
出すようにしたものにおいて、上記シユート２の
棒状部材４の先端部１１に、シユート２の傾動時
にワーク１のフランジ部１ａと衝合してその浮き
上がりを抑える扇形状のストツパ部材１４を揺動
可能に装着したものである。

ニ 実施例 第３図乃至第５図は本考案の実施例を示すが、
第１及び第２図と同一部分は同一符号で示し、そ
の説明は省略する。すなわち、本実施例は、前記
シユート２の各棒状部材４の先端部１１上面に取
付ブラケツト１２を固設すると共に、上記取付ブ
ラケツト１２にピン１３を介して下広がりの扇形
状をしたストツパ部材１４を揺動可能に垂下枢着
し、シユート２の傾動時、ストツパ部材１４の円
弧状下端面１５に上記ワーク１のフランジ部１ａ
が衝合して、該フランジ部１ａが浮き上がるのを
防止する様にしたものである。

而して、上記ワーク１に所定のプレス加工を施
す場合、シユート２は下型９の溝（図示省略）内
に嵌入して水平状態に保持されている。そして、
ワーク１を下型９に上方より被嵌させると、スト
ツパ部材１４はワーク１のフランジ部１ａにより
押されてピン１３を支点に第４図の如く時計方向
に揺動し、ワーク１の下型９への嵌め込みはスム
ーズに行われる。上記ワーク１が下型９に被嵌さ
れてシユート２上に載置されると、ストツパ部材
１４は元の位置に復帰して垂下する。そして、所
定のプレス加工が終了すると、前記エアシリンダ
７が作動してそのロツド８が退入し、シユート２
はピン６を支点に上方に所定角度傾動して下型９
の溝より離脱する。このシユート２の傾動により
ストツパ部材１４は垂下状態を維持したままその
内側縁部１６が取付ブラケツト１２より内側方向
に大きく突出し、かつ下端面１５が上記ワーク１
のフランジ部１ａの真上に位置する。このときシ
ユート２はエアシリンダ７の作動により急激に傾
動するため、該シユート２上のワーク１は跳ね上
がつて回転しようとするが、その際ワーク１のフ
ランジ部１ａの上方にストツパ部材１４の下端面
１５が存在するので、該ワーク１のフランジ部１
ａは上記ストツパ部材１４の下端面１５に衝合す
る。したがつて、ワーク１のフランジ部１ａはそ
の浮き上がりが防止され、ワーク１は回転するこ
となく傾斜したシユート２上を滑つて落下し、次
工程に送り出される。そして、ワーク１が送り出
されると、エアシリンダ７のロツド８が伸長して
シユート２は元の位置に復帰し、かつストツパ部
材１４も元の垂下状態に保持され、次のワーク１
に備えて待機する。

尚、上記実施例では、プレス加工したワークを
次工程に送り出す場合について説明したが、本考
案はこれに限定されるわけではなく、シユートを
傾動させることによりワークを次工程に送り出す
ように構成したあらゆる装置に適用することがで
きるのは勿論である。

ホ 考案の効果 本考案によれば、シユートを傾動させることに
よりワークを次工程に送り出す際、該ワークが回
転するのを防止することができ、したがつて、ワ
ーク外表面に打傷等が生じることがなく、製品の
歩留まりの向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図はプレス加工されたワークを
次工程に送り出すのに一般的に使用されている装
置の説明図である。第３図は本考案に係る装置の
実施例を示した説明図、第４図及び第５図はその
動作説明図である。 １…ワーク、１ａ…フランジ部、２…シユー
ト、４…棒状部材、１４…ストツパ部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 複数の棒状部材を所定の間隔を隔てて設けてな
   るシユートをその一端部を支点に上方に傾動可能
   に枢着支持し、上記シユートの傾動動作に関連し
   て該シユート上に載置されたフランジ部を有する
   ワークを次工程に送り出すようにしたものにおい
   て、上記シユートの棒状部材の先端部に、シユー
   トの傾動時にワークのフランジ部が衝合してその
   浮き上がりを抑える扇形状のストツパ部材を揺動
   可能に装着したことを特徴とするワーク跳ね出し
   回転防止装置。