JPS646158Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は座席等のクツシヨンパツドと表皮材と
の接合構造に関し、更に詳細に説明すると、クツ
シヨンパツドの表面側に第１の面フアスナを取付
け、前記クツシヨンパツドを被覆する表皮材の裏
面側に第２の面フアスナを取付け、前記第１及び
第２の面フアスナを係合させてクツシヨンパツド
と表皮材とを密接させるようになされた座席等の
クツシヨンパツドと表皮材との接合構造に関す
る。

従来より、クツシヨンパツドを表皮材で被覆す
る座席等が存在するが、長期間の使用によつてク
ツシヨンパツドがヘタリを生じ、また表皮材が延
びてしまいクツシヨンパツドと表皮材との間に空
間が生じ、表皮材が浮いた状態となり外観を著し
く損なう欠点を有していた。このため、クツシヨ
ンパツドの表面側に第１の面フアスナを取付け、
表皮材の裏面側に第２の面フアスナを取付け、前
記第１及び第２の面フアスナを相互に係合させて
クツシヨンパツドと表皮材との間に空間が生じる
のを防止している。

然し乍ら、発泡合成樹脂よりクツシヨンパツド
を成形する場合には、成形時に発泡成形型の成形
面に離型剤を塗布しているので、この離型剤がク
ツシヨンパツドの表面に付着し、第１の面フアス
ナの接着を著しく困難なものにしている。そこ
で、第１の面フアスナを取付ける場合にはクツシ
ヨンパツドの表面仕上げ処理を行い、離型剤部分
を取除かなければならなかつた。

またクツシヨンパツドを発泡合成樹脂より発泡
成形する場合に面フアスナを発泡成形型に挿入し
てクツシヨンパツドに一体に固着させるものが存
在するが、発泡合成樹脂が面フアスナのフアスナ
面に含浸し、面フアスナの機能を損なう虞れが多
いものであつた。

本考案の目的はクツシヨンパツドと表皮材とを
密接させる事が出来、長期間の使用によつても外
観を損なう虞れがなく、面フアスナの取付が表面
仕上げ処理を行う事なく簡易に行えると共に面フ
アスナを強固に取付けられ剥離する虞れがなく、
面フアスナの機能を損なう虞れのない座席等のク
ツシヨンパツドと表皮材との接合構造を提供する
もので、以下図面を参照して詳述する所より明ら
かとなるであろう。

第１図には本考案に係る座席等のクツシヨンパ
ツドと表皮材との接合構造の一実施例の概略が示
されており、本実施例においては車両等の座席の
シートクツシヨンに適用した場合が示されている
が、これに限定されるものではなく、クツシヨン
パツドとこのクツシヨンパツドの外周を被覆する
表皮材とを備えるもの全般に適用し得るものであ
る。

クツシヨンパツド１は発泡ウレタン等の発泡合
成樹脂１′等から発泡成形されており、このクツ
シヨンパツド１の表面側の略々中央には基布５
と、この基布５の表面側に形成されたフアスナ面
６とからなる第１の面フアスナ２がカバーシート
９を介して取付けられている。またクツシヨンパ
ツド１を被覆するに十分な大きさの表皮材３の裏
面側には第１の面フアスナ２と相互に係合し得る
第２の面フアスナ４が取付けられている。

前記カバーシート９は第１の面フアスナ２の裏
面側に縫製等により固着され、前記第１の面フア
スナ２及びカバーシート９の一体品はクツシヨン
パツド１の発泡成形の際に、後述する発泡成形型
１１内に予じめ挿入され、発泡合成樹脂１′の成
形時に一体に接合されており、また第２の面フア
スナ４は表皮材３に接着または縫製等により取付
けられている。

従つて、発泡合成樹脂１′よりクツシヨンパツ
ド１を成形した後、シートフレーム８等に取付
け、クツシヨンパツド１の外周を表皮材３で被覆
すれば、第１及び第２の面フアスナ２，４が相互
に係合し、クツシヨンパツド１と表皮材３とを密
接させる事が出来る。

第２図，第３図及び第４図には本考案に係る座
席等のクツシヨンパツドと表皮材との接合構造の
うちクツシヨンパツド１とカバーシート９、即ち
第１の面フアスナ２とを接合する場合の一実施例
の工程が夫々示されている。まず、第２図に示す
如く、発泡成形型１１に第１の面フアスナ２の基
布５側を上面に、微小な多数の突起状部を有する
フアスナ面６側を下面にして配置する。第１の面
フアスナ２の基布５はフアスナ面６と同一材質の
ものより形成される場合が多いが異なるものでも
よい。カバーシート９は不織布、クレモナ等の接
着性の良い部材より形成されている。次に第１の
面フアスナ２に接合されたカバーシート９の外周
縁に粘着剤７を取付け、外周縁よりフアスナ面６
に後述する発泡合成樹脂１′が含浸するのを防止
する。尚第１の面フアスナ２の外周縁に粘着剤７
を取付けた状態で、発泡成形型１１に第１の面フ
アスナ２を挿入して取付けてもよい。

次に第３図に示す如く、発泡成形型１１に発泡
合成樹脂１′を注入し、第４図に示す如く上蓋１
２を載置して発泡成形してクツシヨンパツド１を
形成する。発泡合成樹脂１′はカバーシート９に
含浸してもフアスナ面６まで含浸せず、また第１
の面フアスナ２の外周縁は粘着剤７でカバーされ
ているので、この外周縁より含浸する虞れがな
い。第１の面フアスナ２の基布５側に接合されて
いるカバーシート９は発泡合成樹脂１′と接合し、
発泡成形後もクツシヨンパツド１と強固に接合し
た状態となる。

第１の面フアスナ２がカバーシート９を介して
一体に発泡成形されたクツシヨンパツド１を発泡
成形型１１より取出せば、第１図に示すクツシヨ
ンパツド１が得られ、このクツシヨンパツド１を
シートフレーム８に載置固定し、第２の面フアス
ナ４を取付けた表皮材３を被覆すれば第１及び第
２の面フアスナ２，４が係合し、クツシヨンパツ
ド１と表皮材３とを密接させる事が出来る。尚表
皮材３の端末はシートフレーム８等に係止して処
理する。

以上が本考案に係る座席等のクツシヨンパツド
と表皮材とを接合構造の一実施例の構成である
が、斯る構成に依れば、クツシヨンパツドと表皮
材とを密接させる事が出来、長期間の使用によつ
ても座席等の外観を損なう虞れがなく、クツシヨ
ンパツド側の面フアスナを別途取付ける作業が不
要で、クツシヨンパツドの表面仕上げ処理が不要
で且つ面フアスナが剥離する虞れがなく、また一
体発泡の際に面フアスナのフアスナ面に発泡合成
樹脂が含浸する事がなく面フアスナの機能を損な
う虞れのない座席等のクツシヨンパツドと表皮材
との接合構造を得る事が出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る座席等のクツシヨンパツ
ドと表皮材との接合構造の一実施例の概略を示す
断面説明図、第２図、第３図及び第４図はクツシ
ヨンパツドと面フアスナとの接合工程を夫々示す
もので、第２図は面フアスナ及びカバーシートを
発泡成形型に取付けた状態の断面図、第３図は発
泡合成樹脂を注入している状態の断面図、第４図
はクツシヨンパツドを発泡成形した状態の断面図
である。 図中、１……クツシヨンパツド、１′……発泡
合成樹脂、２……第１の面フアスナ、３……表皮
材、４……第２の面フアスナ、５……基布、６…
…フアスナ面、７……粘着剤、８……シートフレ
ーム、９……カバーシート、１１……発泡成形
型。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) クツシヨンパツドの表面側に第１の面フアス
   ナをカバーシートを介して取付け、前記クツシ
   ヨンパツドを被覆する表皮材の裏面側に第２の
   面フアスナを取付け、前記第１及び第２の面フ
   アスナを係合させてクツシヨンパツドと表皮材
   とを密接させるようになされ、前記クツシヨン
   パツドが発泡合成樹脂からなり、前記第１の面
   フアスナが基布と、該基布の表面側に形成され
   たフアスナ面とからなり、基布の裏面側に前記
   カバーシートが接合され、クツシヨンパツドの
   発泡成形の際に前記カバーシートの外周縁に発
   泡合成樹脂がフアスナ面に含浸するのを防止す
   る粘着剤が配設されてクツシヨンパツドの表面
   側に一体に接合されて形成されている事を特徴
   とする座席等のクツシヨンパツドと表皮材との
   接合構造。 (2) 第１及び第２の面フアスナがクツシヨンパツ
   ド及び表皮材の着座位置に夫々設けられている
   事を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項
   記載の座席等のクツシヨンパツドと表皮材との
   接合構造。