JPS645720Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、製氷機、特に、清浄な製氷用水を
得るために有効に洗浄されるように構成された製
氷機に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、この種の製氷機では、水皿の開閉動作ご
とに水タンク内の残水を排出して水タンク内を清
浄にすると共に、新しく給水する場合に傾斜した
水皿の表面に清水を流し、水皿のもどり穴から清
水を水タンク内に落下させて、水タンク内を洗浄
していた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来のように水皿の開閉動作ごとに水タンク内
にある残水の排出方法、すなわち、水タンク内の
清水をただ単に排出するだけでは、水タンクの底
部の沈殿物までは排出できず、また、新しく給水
される清水を傾斜した水皿表面に流しても、もど
り穴が小さいために、水皿表面を流れて、水タン
ク内へは流れ込みにくく、更に、これらのもどり
穴が水皿係止部側の水タンク側壁から離れている
ために、この側の水タンク内を洗浄することは、
水量の少ないこととあいまつて、きわめて困難で
あつた。

従つて、水タンク内の沈殿物等不純物は完全に
は排出されず、製氷に際して循環ポンプ等により
かき回されて、製氷用水を不純にしたり、あるい
は、氷表面に不純物を付着させたりするという問
題点があつた。

この考案は、このような問題点を解決するため
になされたものであつて、水皿表面と共に、水タ
ンクの水皿係止部側も強制的に洗浄するようにす
ることを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案にかゝる製氷機は、散水管に流体連絡
して配設され、水タンク内の水皿係止部側に上記
洗浄水の一部を分配供給する洗浄水分配供給手段
を備えてなるものである。

〔作 用〕

この考案によれば、水皿の開閉動作ごとに、水
タンク内はその水皿係止部側も、洗浄水分配供給
手段により、洗浄水の一部を散水され洗浄され
る。

〔実施例〕

以下、この考案をその一実施例を示す図面に基
づいて説明する。

第１図および第２図において、符号１は下向き
に開口を有する多数の製氷小室、２は上記製氷小
室１の開口に対向して設けられ、一端に水皿係止
部３が設けられてこの水皿係止部３を支点として
傾動可能に構成された水皿であつて、水皿２に
は、製氷小室１の開口に対向して開口し、製氷用
水を噴水する噴水穴４が配設され小さな距離をも
つてもどり穴５が形成されている。水皿２の下方
には、水皿２に固定した水タンク６が設けられて
いる。また、符号７は水皿２の水皿係止部３に近
接して形成された水皿開口部であり、８は水皿開
口部７の上方に設けられた散水管８であつて、散
水管８には水皿開口部７に向かつて多数の散水口
９が形成されており、洗浄時には、水皿２内を洗
浄する散水管８に給水された水の一部が少なくと
も水皿２が第３図に示すように傾動して開放した
場合には水タンク６内の水皿係止部３側にも散水
するように構成されている。更に、符号１０は水
皿開口部７の下方に設けられた水案内部材例えば
水案内板であつて、散水口９から散水された水が
一層効果的に水タンク６の水皿係止部３側内壁お
よび底面に散水されるようにするための案内部材
であり、水案内パイプによつてこの水案内部材を
構成してもよい。なお、この水案内部材は水タン
ク側面の両側にわたつて延びているのが好まし
い。また、上記水皿開口部７、散水口９及び水案
内部材１０によつて洗浄水分配供給手段の一例が
構成されている。

なお、符号１１は蒸発器、１２は圧力室、１３
は排水案内板、１４は水タンク６中の製氷用水を
噴水穴４に給水して製氷小室１に噴水させる循環
ポンプであり、矢印は水の流れを示す。

この実施例は上記のように構成されるので、第
３図に示すように、除氷時に水皿２が開放された
ならば、清水が散水管８による水皿２内部への散
水と共に散水口９からも散水され、その一部は水
皿２の表面を流れて前方の開口から排水案内板１
３を通つて排水され、他は水皿開口部７から水案
内部材１０に案内されて、水タンク６の水皿係止
部３側の内壁および底面を洗浄し、製氷中の残水
で排出できなかつた沈殿物を押し出すようにして
流し、排水案内板１３を通つて排水される。

なお、上記実施例では、水案内部材１０とし
て、水案内板を設けたものについて説明したが、
これに限らず、第４図に示すように散水穴を有す
る水案内パイプによつてもよく、あるいは、第５
図に示すように、特に水案内部材１０を設けるこ
となく、散水口９を水皿開口部７を介して直接水
タンク６の水皿係止部３側内壁に対向させ、散水
口９からの散水を水皿開口部７を通つて直接水タ
ンク６の水皿係止部３側内壁および底面に散水さ
せるようにしてもよく、この場合散水口の一部は
水皿に散水し一部は水皿開口部に散水するよう構
成するのが好ましい。更には、散水管に連通して
配設されると共に先端が水皿係止部近傍に延びて
設けられている導出管によつて洗浄水分配供給手
段を構成して水皿係止部側に散水するようにして
もよい。また、上記のいずれのものにおいても、
上記実施例と同様の効果を奏する。

〔考案の効果〕

この考案の製氷機によれば、水皿開閉動作ごと
に、散水管８の散水口９から清水を水タンク６の
水皿係止部３側内壁および底面に一部を散水する
ようにしたので、沈殿物等も洗い流され、常に水
タンク６内も清潔に保たれて製氷用水も常時清浄
となり、良質の氷が得られるという効果を有して
いる。

また、水案内部材として水案内パイプを設けた
場合に、その散水口を多数設けると、散水も水タ
ンク内に平均して散水され、従つて、一様に洗浄
水が流れて洗浄されるという効果を上記効果に付
加することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の製氷開始時の概
略縦断面図、第２図は第１図の一部拡大斜視図、
第３図は第１図の除氷時における概略縦断面図、
第４図および第５図はこの考案の他の実施例の概
略縦断面図である。 １……製氷小室、２……水皿、３……水皿係止
部、４……噴水穴、５……もどり穴、６……水タ
ンク、７……水皿開口部、８……散水管、９……
散水口、１０……水案内部材（水案内板、水案内
パイプ）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 下向きに開口している多数の製氷小室１と、
   上記開口に対向して開口し製氷用水を噴水する
   噴水口４ともどり穴５が配設されかつ一端にお
   いて水皿係止部３により係止されて傾動可能に
   構成されている水皿２と、水皿２の下方に水皿
   ２に固定して設けられていると共に水皿係止部
   ３と反対側が開口している水タンク６と、上記
   水皿係止部３の近傍に配設され洗浄水を受け入
   れて上記水皿２上に散水する散水管８とを備え
   てなる製氷機において、上記散水管８に流体連
   絡して配設され、水タンク６内の水皿係止部３
   側に上記洗浄水の一部を分配供給する洗浄水分
   配供給手段を備えてなることを特徴とする製氷
   機。 (2) 洗浄水分配供給手段が、散水管８と連通し、
   かつ、先端が水皿係止部３側に導かれて水皿係
   止部３側に洗浄水の一部を分配供給する導水管
   である実用新案登録請求の範囲第１項記載の製
   氷機。 (3) 洗浄水分配供給手段が、水皿係止部３に近接
   して水皿２に形成の水皿開口部７と、上記水皿
   開口部７を介して、洗浄水が水皿２の洗浄と共
   に水タンク６内の水皿係止部３側に向かつて放
   出されるように形成されている散水口９とを備
   えてなる実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   製氷機。 (4) 水皿開口部７は、水皿開口部７の下方に散水
   管８からの散水を受けて水タンク６の側壁に散
   水を案内する水案内部材１０が設けられている
   実用新案登録請求の範囲第３項に記載の製氷
   機。 (5) 水案内部材１０が、水案内板である実用新案
   登録請求の範囲第４項に記載の製氷機。 (6) 水案内部材１０が、水案内パイプである実用
   新案登録請求の範囲第５項に記載の製氷機。 (7) 散水管８の散水口９および水皿開口部７は、
   散水口９からの散水が水皿開口部７を通つて直
   接水タンク６の水皿係止部３側の内壁に散水さ
   れるように配設されている実用新案登録請求の
   範囲第３項に記載の製氷機。