JPH07241399A

JPH07241399A - 脱水兼用洗濯機

Info

Publication number: JPH07241399A
Application number: JP6035675A
Authority: JP
Inventors: Shunji Imai; 俊次今井; Mikio Nakano; 美喜男中野; Fumio Ota; 文夫太田
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1994-03-07
Filing date: 1994-03-07
Publication date: 1995-09-19

Abstract

(57)【要約】【目的】水道水を洗濯兼脱水槽の上部より洗濯物に散
水してすすぎを行い、すすぎ時におけるすすぎ水を節約
する。【構成】洗濯兼脱水槽３に給水する注水装置１１と、
注水装置１１と独立して洗濯兼脱水槽３内の洗濯物に散
水する散水装置１２とを設け、給水弁１０により注水装
置１１および散水装置１２への給水を制御する。すすぎ
時に、洗濯兼脱水槽３の回転状態または回転停止状態に
おいて、散水装置１２より洗濯物に散水して洗濯物の中
の洗剤成分を水と置換することですすぐように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水道水を洗濯兼脱水槽
の上部より洗濯物に散水してすすぎを行う脱水兼用洗濯
機に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、地球環境保護が大変重要な課題と
なってきた。省資源もその中で重要なテ−マであり、洗
濯機においては、節水、節洗剤が強く望まれている。節
水、節洗剤については、色々な方法が提案されている。

【０００３】たとえば、特開平１−１４６５８４号公報
に示されているように、洗濯槽の内壁の一部に水路形成
用カバ−を設けて洗濯槽との間に水路を形成し、パルセ
−タ−下部の羽根によるポンプ作用で、洗濯槽の下側の
洗濯液を水路を通して洗濯槽の上部に導き、洗濯物の上
にふりそそぐ洗濯方法がある。この方法によれば、洗濯
物に常に洗濯液が注がれているので、洗濯時の水位が少
々低くても十分洗浄できるので、節水・節洗剤が可能で
あり、きわめて有用な方法である。

【０００４】また、従来のすすぎ方法について説明をす
ると、従来、全洗濯行程において洗濯が終了し、高濃度
の洗濯液を排水した後、洗濯兼脱水槽に水を溜めて、洗
濯物についている洗剤成分をすすぎ水の中で拡散、希釈
を行うことで、すすぎを行っていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の洗濯
機では、洗濯時の節水の効果を高めるため洗濯液の循環
量を高めると、水受け槽内の洗濯液の流れが激しくな
り、水受け槽内の泡立ちが激しくなる。泡立ちの量が増
加すると、泡による脱水時の負荷の増加、洗剤の残存増
加によるすすぎ効率の低下などの弊害が起きるという問
題があった。本発明の請求項１に示す脱水兼用洗濯機
は、上記課題を解決するもので、洗濯時以外での節水、
すなわちすすぎ時の節水を目的とし、洗濯槽内に水を溜
めずに、水を洗濯兼脱水槽の上部に配設した散水装置よ
り洗濯物に散水して、すすぎ時に節水を行うことを第１
の目的としている。

【０００６】また、水を洗濯兼脱水槽の上部より洗濯物
に散水して、すすぎ時の節水を行う構成において、上部
から真下に向けて落下水を供給する場合に注水時の音が
大きくなり、少量の洗濯物を投入した場合には洗濯物に
水が当たらなくなることがあるという問題があった。本
発明の請求項２に示す脱水兼用洗濯機は、上記課題を解
決するもので、少量の洗濯物でも散水が当たり、且つ、
水のぶつかり音を抑制しつつ、洗濯槽内に水を溜めず
に、水を洗濯兼脱水槽の上部に配設した散水装置より洗
濯物に散水して、すすぎ時に節水を行うことを第２の目
的としている。

【０００７】また、水を洗濯兼脱水槽の上部より洗濯物
に散水して、すすぎ時の節水を行う構成において、特に
大量の洗濯物を投入した際に、散水した水が布によって
跳ね返って槽内に飛びちり、場合によって槽外に漏れる
ことがあるという問題があった。本発明の請求項３に示
す脱水兼用洗濯機は、上記課題を解決するもので、散水
の布による跳ね返りを抑制しつつ、洗濯兼脱水槽内に水
を溜めずに、水を洗濯兼脱水槽の上部に配設した散水装
置より洗濯物に散水して、すすぎ時に節水を行うことを
第３の目的としている。

【０００８】また、水を洗濯兼脱水槽の上部より洗濯物
に散水して、すすぎ時の節水を行う構成において、特に
中量の洗濯物を投入した際に、洗濯物が洗濯兼脱水槽の
壁面に略円筒上に貼り付き、散水が洗濯物全体にかから
ない場合があるという問題があった。本発明の請求項４
に示す脱水兼用洗濯機は、上記課題を解決するもので、
洗濯兼脱水槽内壁に洗濯物が貼り付いた場合でも散水を
全体に当てつつ、洗濯槽内に水を溜めずに、水を洗濯兼
脱水槽の上部に配設した散水装置より洗濯物に散水し
て、すすぎ時に節水を行うことを第４の目的としてい
る。

【０００９】また、水を洗濯兼脱水槽の上部より洗濯物
に散水して、すすぎ時の節水を行う構成において、一箇
所に散水が集中した場合に、洗濯物の表面を水が流れ
て、散水量の割に、すすぎ力を発揮できないという課題
があった。本発明の請求項５に示す脱水兼用洗濯機は、
上記課題を解決するもので、洗濯兼脱水槽内の洗濯物の
表面を散水が流れてしまうのを抑制しつつ、洗濯槽内に
水を溜めずに、水を洗濯兼脱水槽の上部に配設した散水
装置より洗濯物に散水して、すすぎ時に節水を行うこと
を第５の目的としている。

【００１０】また、水を洗濯兼脱水槽の上部より洗濯物
に散水して、すすぎ時の節水を行う構成において、給水
弁により注水装置と散水装置からの給水を同時に制御す
る場合、散水時に同時に注水も行い、特に水道水圧が低
い場合において、一定の割合で注水側に水が流れて散水
量が低下し、すすぎ力を発揮できないという課題があっ
た。本発明の請求項６に示す脱水兼用洗濯機は、上記課
題を解決するもので、水道水圧が低い場合においても、
散水量の低下を抑制しつつ、洗濯槽内に水を溜めずに、
水を洗濯兼脱水槽の上部に配設した散水装置より洗濯物
に散水して、すすぎ時に節水を行うことを第６の目的と
している。

【００１１】また、水を洗濯兼脱水槽の上部より洗濯物
に散水して、すすぎ時の節水を行う構成において、給水
弁により注水装置と散水装置からの給水をそれぞれに独
立制御する場合、特に水道水圧が高い場合において、す
すぎに必要な水量以上に散水を行い、すすぎに寄与しな
い無駄な水が発生するという課題があった。本発明の請
求項７に示す脱水兼用洗濯機は、上記課題を解決するも
ので、水道水圧が高い場合においても、散水の水量を制
御し、すすぎに寄与しない無駄水の発生を抑制しつつ、
洗濯槽内に水を溜めずに、水を洗濯兼脱水槽の上部に配
設した散水装置より洗濯物に散水して、すすぎ時に節水
を行うことを第７の目的としている。

【００１２】また、水を洗濯兼脱水槽の上部より洗濯物
に散水して、すすぎ時の節水を行う構成において、散水
装置を内部中空箱状に構成した場合において、給水弁か
ら散水口までの流水経路内に溜った水が、脱水時に滴下
して、脱水むらを発生する場合があるという課題があっ
た。本発明の請求項８に示す脱水兼用洗濯機は、上記課
題を解決するもので、給水弁から散水口までの流水経路
内にたまった水が、脱水時に滴下するのを抑制しつつ、
洗濯槽内に水を溜めずに、水を洗濯兼脱水槽の上部に配
設した散水装置より洗濯物に散水して、すすぎ時に節水
を行うことを第８の目的としている。

【００１３】さらに、水を洗濯兼脱水槽の上部より洗濯
物に散水して、すすぎ時の節水を行う構成において、散
水装置を内部中空箱状に構成し、且つ給水弁から散水口
までの流水経路内にたまった水が脱水時に滴下するのを
抑制する構成において、給水弁から注水中に一定の割合
で排水口に流れ、すすぎに寄与しない無駄な水が発生す
るという課題があった。本発明の請求項９に示す脱水兼
用洗濯機は、上記課題を解決するもので、給水弁から散
水口までの流水経路内にたまった水が、脱水時に滴下す
るのを抑制しつつ、且つすすぎに寄与しない無駄な水の
発生を抑制しつつ、洗濯槽内に水を溜めずに、水を洗濯
兼脱水槽の上部に配設した散水装置より洗濯物に散水し
て、すすぎ時に節水を行うことを第９の目的としてい
る。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１に示す
第１の発明は、上記第１の目的を達成するために、洗濯
兼脱水槽に給水する注水装置と、前記注水装置と独立し
て設け前記洗濯兼脱水槽内の洗濯物に散水する散水装置
と、前記注水装置および散水装置への給水を制御する給
水弁とを備え、すすぎ時に、前記洗濯兼脱水槽の回転状
態または回転停止状態において、散水装置より散水をす
るようにしたことを第１の課題解決手段としている。

【００１５】また、請求項２に示す第２の発明は、上記
第２の目的を達成するために、上記第１の課題解決手段
の散水装置は、洗濯兼脱水槽の回転軸中心方向に対して
角度を有して散水する散水口を備えたことを第２の課題
解決手段としている。

【００１６】また、請求項３に示す第３の発明は、上記
第３の目的を達成するために、上記第１または第２の課
題解決手段の散水装置の散水口は、複数個の穴によって
構成したことを第３の課題解決手段としている。

【００１７】また、請求項４に示す第４の発明は、上記
第４の目的を達成するために、上記第２の課題解決手段
の散水装置の散水口は、複数個の穴によって構成し、且
つ複数の角度を有したことを第４の課題解決手段として
いる。

【００１８】また、請求項５に示す第５の発明は、上記
第５の目的を達成するために、上記第１から第４の課題
解決手段の散水装置からの散水形態を、水平方向に対し
て略扇状に設定したことを第５の課題解決手段としてい
る。

【００１９】また、請求項６に示す第６の発明は、上記
第６の目的を達成するために、洗濯兼脱水槽に給水する
注水装置と、前記注水装置と独立して設け前記洗濯兼脱
水槽内の洗濯物に散水する散水装置と、前記注水装置お
よび散水装置への給水をそれぞれ独立して制御する給水
弁とを備え、すすぎ時に、前記洗濯兼脱水槽の回転状態
または回転停止状態において、散水装置より散水をする
ようにしたことを第６の課題解決手段としている。

【００２０】また、請求項７に示す第７の発明は、上記
第７の目的を達成するために、上記第６の課題解決手段
の散水装置の散水口と給水弁との間に散水量を一定にす
る流量制御手段を配設したことを第７の課題解決手段と
している。

【００２１】また、請求項８に示す第８の発明は、上記
第８の目的を達成するために、上記第１の課題解決手段
の散水装置は、内部中空の箱状に形成し、前記箱状の散
水装置内および給水弁から散水装置までの流水経路にた
まった水を排水する排水口を備えたことを第８の課題解
決手段としている。

【００２２】さらに、請求項９に示す第９の発明は、上
記第９の目的を達成するために、上記第８の課題解決手
段の排水口の経路内に、給水時に給水弁から流れこむ水
が排水口に流れこむのを防止する手段を備えたことを第
９の課題解決手段としている。

【００２３】

【作用】本発明は上記した第１の課題解決手段により、
洗濯終了後に、洗濯液を排水してすすぎ工程に入った
際、高濃度の洗濯液に浸されていた洗濯物に対して、洗
濯兼脱水槽の回転状態または回転停止状態において、散
水装置より散水を行うことで、従来のすすぎ方法による
洗濯液の拡散、希釈とは違って、洗濯兼脱水槽内に水を
溜めずに、洗剤成分とすすぎ水との置換によって、すす
ぎを行うことができ、洗濯時以外での節水、すなわちす
すぎ時の節水を実現することができる。

【００２４】また、第２の課題解決手段により、洗濯終
了後に、洗濯液を排水してすすぎ行程に入った際、洗濯
兼脱水槽の回転状態または回転停止状態において、所定
の角度を有する散水口より散水を行うことができ、特に
少量の洗濯物場合で、洗濯兼脱水槽のコ−ナ−部分に洗
濯物が溜った場合でも、散水が洗濯物に向かって飛び、
且つ洗濯物に当たることで、水の落下音を抑制しつつ、
洗濯時以外での節水、すなわちすすぎ時の節水を実現す
ることができる。

【００２５】また、第３の課題解決手段により、洗濯終
了後に、洗濯液を排水してすすぎ行程に入った際、洗濯
兼脱水槽の回転状態または回転停止状態において、複数
の穴によって構成した散水口より略シャワ−状の散水を
行うことができ、特に大量の洗濯物の場合で、散水時に
水が洗濯物の表面で跳ね返り槽内に飛び散るのを防止し
つつ、洗濯時以外での節水、すなわちすすぎ時の節水を
実現することができる。これは、シャワ−状でない散水
の場合、洗濯物に散水が当たった瞬間に洗濯物とすぐ後
から来る散水に挟まれて、行き場がなくなり弾かれるこ
とで、水飛びを起こすが、散水をシャワ−状にした場
合、洗濯物に散水が当たった瞬間には、水と水の間に隙
間があり、弾かれることなく洗濯物の中に浸透させるこ
とができるからである。

【００２６】また、第４の課題解決手段により、洗濯終
了後に、洗濯液を排水してすすぎ行程に入った際、洗濯
兼脱水槽の回転状態または回転停止状態において、複数
の穴によって構成し、且つそれぞれがある複数の種類の
角度に設定した散水口より、略シャワ−状の散水を行う
ことができ、特に中量の洗濯物の場合で洗濯兼脱水槽の
内壁に、洗濯物が円筒状に張り付いた場合でも、上下方
向に広がりがある散水を洗濯物に全体的にかけることが
でき、洗濯時以外での節水、すなわちすすぎ時の節水を
実現することができる。

【００２７】また、第５の課題解決手段により、洗濯終
了後に、洗濯液を排水してすすぎ行程に入った際、洗濯
兼脱水槽の回転状態または回転停止状態において、複数
の穴によって構成し、且つ水平方向に対して略扇状で、
略シャワ−状の散水を行うことで、洗濯兼脱水槽の水平
方向に対して広範囲の散水ができ、１箇所に散水が集中
するのを防止しつつ、洗濯時以外での節水、すなわちす
すぎ時の節水を実現することができる。

【００２８】また、第６の課題解決手段により、洗濯終
了後に、洗濯液を排水してすすぎ行程に入った際、洗濯
兼脱水槽の回転状態または回転停止状態において、散水
装置のみから散水を行うことができ、特に低水圧時に一
定の割合で注水装置側に流れることにより発生していた
散水量の低下を防止しつつ、洗濯時以外での節水、すな
わちすすぎ時の節水を実現することができる。

【００２９】また、第７の課題解決手段により、洗濯終
了後に、洗濯液を排水してすすぎ行程に入った際、洗濯
兼脱水槽の回転状態または回転停止状態において、散水
装置のみから散水を行い、且つ散水量を一定に制御する
ことができ、特に水道水圧が高い場合に、散水時の水の
かけすぎによって発生するすすぎに寄与しない無駄水の
発生を防止しつつ、洗濯時以外での節水、すなわちすす
ぎ時の節水を実現することができる。

【００３０】また、第８の課題解決手段により、洗濯終
了後に、洗濯液を排水してすすぎ行程に入った際、洗濯
兼脱水槽の回転状態または回転停止状態において、内部
中空の箱状の形成した散水装置から散水を行い、且つ、
給水弁から散水装置までの間に溜った水を排水口より排
水し、脱水時に散水口から残水が滴下するのを防止し、
脱水むらの発生を抑制しつつ、洗濯時以外での節水、す
なわちすすぎ時の節水を実現することができる。

【００３１】さらに、第９の課題解決手段により、洗濯
終了後に、洗濯液を排水してすすぎ行程に入った際、洗
濯兼脱水槽の回転状態または回転停止状態において、内
部中空の箱状の形成した散水装置から散水を行い、且
つ、給水弁から散水口までの間に溜った水を排水口より
排水し、脱水時に散水口から残水が滴下するのを防止
し、脱水むらの発生を抑制しつつ、さらに、散水時に
は、排水口側に設けた逆流防止手段によって、一定の割
合で排水口に流れていたすすぎに寄与しない無駄水の発
生を防止しつつ、洗濯時以外での節水、すなわちすすぎ
時の節水を実現することができる。

【００３２】

【実施例】以下、本発明の請求項１に対応する第１の実
施例を図１を参照しながら説明をする。

【００３３】図１に示すように、水受け槽１は、底部に
パルセーター２を回転自在に配設した洗濯兼脱水槽（以
下、脱水槽という）３を内包し、吊り棒４によって洗濯
機外枠５に吊り下げられている。モ−タ６は、Ｖベルト
７および減速機構兼クラッチ、（以下、クラッチとい
う）８を介して、パルセーター２または脱水槽３を駆動
する。排水弁９は、水受け槽１内の洗濯液を排水する。
給水弁１０は水道水などを注水装置１１および散水装置
１２への給水を制御する。注水装置１１は、脱水槽３内
に水を給水するものであり、散水装置１２は、脱水槽３
の上方に注水装置１１とは独立に配設し、脱水槽３内の
洗濯物に散水するようにしている。

【００３４】上記構成において動作を説明すると、脱水
槽３内に被洗濯物を投入し洗剤を適量加えて、給水弁１
０を開いて水を適量注水して洗濯液を作り、パルセ−タ
２を左右に反転させて洗濯を行う。洗濯行程が終了した
時点で、排水弁９を開いて洗濯液を排水し、脱水槽３を
回転させつつ、給水弁を１０を開いて脱水槽３内に散水
装置１２より散水しつつ、脱水を行う。これによって、
被洗濯物に含まれる洗剤成分は、徐々に給水された水に
置換されて、この効果によって「すすぎ」を行う（以
後、このような「すすぎ」を『散水すすぎ』という）。
この散水すすぎを、すすぎ行程の少なくとも１回以上行
い、すすぎ時に脱水槽３に溜める水を省くことで、水の
節水ができる。その後、脱水槽３を高速で回転させ、被
洗濯物の水分を遠心力によって分離することで脱水を行
い、以上で全洗濯行程を終了する。

【００３５】なお、上記実施例では、脱水槽３を回転さ
せつつ散水装置１２より散水を行うようにしているが、
脱水槽３を回転させずに散水を行い、散水を停止した後
に、脱水槽３を回転して散水のかかる位置を変え、再び
脱水槽３を回転させずに散水をするようにしてもよく、
また、脱水槽３を回転させずに散水を行い、散水を行い
つつ脱水槽３を回転して、散水のかかる位置を変ながら
散水をするようにしてもよく、いずれの場合において
も、その効果は同様である。

【００３６】つぎに、本発明の請求項２に対応する第２
の実施例を図２を参照しながら説明する。なお、上記第
１の実施例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を
省略する。

【００３７】図に示すように、散水装置１３は、脱水槽
３の上方に注水装置１１とは独立に配設し、脱水槽３の
回転軸中心方向に対して角度θを有して散水する散水口
１４を設けている。具体的には、脱水槽３のコ−ナ−部
１５の近傍部分をねらって散水できる角度に散水口１４
を設定する。

【００３８】上記構成において動作を説明すると、全洗
濯行程で、特に少量の洗濯物の場合には、脱水槽３のコ
−ナ−部１５の近傍に洗濯物が集まりやすい。このた
め、脱水槽３のコ−ナ−部１５の近傍をねらって散水す
る角度に散水口１４を設定することにより、少量の洗濯
物でも散水が当たり、しかも水のぶつかり音を抑制しつ
つ、脱水槽３内に水を溜めずに散水口１４より洗濯物に
散水して、洗濯物をすすぐことができ、すすぎ時の節水
ができる。

【００３９】つぎに、請求項３に対応する第３の実施例
を図３(a)〜(d)を参照しながら説明する。なお、上記第
２の実施例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を
省略する。

【００４０】図に示すように、散水口１４は、図４に示
すように複数の穴１４ａによって構成している。

【００４１】上記構成において動作を説明すると、複数
の穴１４ａによって構成した散水口１４より略シャワ−
状の散水を行うことができ、大量の洗濯物を投入した
際、散水時に水が洗濯物の表面で跳ね返り槽内に飛び散
るのを防止することができ、脱水槽３内に水をためず
に、散水口１４より洗濯物に散水して、すすぎ時の節水
ができる。これは、シャワ−状でない散水の場合、洗濯
物に散水が当たった瞬間に洗濯物とすぐ後から来る散水
に挟まれて、行き場がなくなり弾かれることで、水飛び
を起こすが、散水をシャワ−状にした場合、洗濯物に散
水が当たった瞬間には、水と水の間に隙間があり、弾か
れることなく洗濯物の中に浸透させることができるから
である。

【００４２】なお、本実施例では、散水口１４は、上記
第２の実施例に示すように、角度を有して設定している
が、角度を有していなくてもよいことはいうまでもな
い。

【００４３】つぎに、請求項４に対応する第４の実施例
を図４および図５(a)〜(d)を参照しながら説明する。な
お、上記第２の実施例と同じ構成のものは同一符号を付
して説明を省略する。

【００４４】図に示すように、散水装置１６は、脱水槽
３の上方に注水装置１１とは独立に配設し、散水口１７
は、図５(a)〜(d)に示すように複数の穴１７ａによって
構成され、且つ複数の角度α、β、γを有して設定して
いる。具体的には、洗濯行程で、特に少量の洗濯物の場
合に洗濯物が集まりやすい脱水槽３のコ−ナ−部１５の
近傍と、脱水槽３の円筒部の略中央部１８と、これらの
略中央部とに散水できるようにしている。

【００４５】上記構成において動作を説明すると、図４
に本実施例における散水の様子を示しており、散水口１
７の複数の穴１７ａを、洗濯行程で、特に少量の洗濯物
の場合に被洗濯物が集まりやすい、脱水槽３コ−ナ−部
１５の近傍をねらって散水するものと、脱水槽３の円筒
部の略中央部１８をねらって散水するものと、これらの
略中央部をねらって散水するものの各角度に設定するこ
とにより、広範囲に散水をすることができ、脱水槽３の
内壁に洗濯物が貼り付いた場合でも散水を全体に当てる
ことができ、脱水槽３内に水を溜めずに、散水口１７よ
り洗濯物に散水して、すすぎ時の節水ができる。

【００４６】なお、本実施例では、３つの角度を配設し
た場合について示したが、複数の角度において、少なく
とも１つが脱水槽３のコ−ナ−部１５の近傍をねらって
散水するものであれば、効果としては同様である。

【００４７】つぎに、請求項５に対応する第５の実施例
を図６(a)〜(d)を参照しながら説明する。なお、上記第
２の実施例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を
省略する。

【００４８】図に示すように、散水装置１９は、脱水槽
３の上方に注水装置１１とは独立に配設し、散水口２０
は、複数の穴２０ａによって構成され、且つ散水が水平
方向に対して略扇状に散水できるようにしている。

【００４９】上記構成において、散水口２０を散水が水
平方向に対して略扇状に散水できるように設定すること
により、脱水槽３の水平方向に対して高範囲に散水を行
うことができて、１箇所に散水が集中するのを防止で
き、脱水槽３内に水を溜めずに、散水口２０より洗濯物
に散水して、すすぎ時の節水ができる。

【００５０】なお、本実施例においては、複数の穴２０
ａで構成された散水口２０の開いている面２０ｂを略扇
状にすることで、略扇状に散水できるように構成してい
るが、散水口２０が開いている面は略扇形をしていなく
とも、穴２０ａ自身の開いている角度が水平方向に対し
て複数の角度を有することで略扇状に散水する構成とし
ても、同様であることはいうまでもない。

【００５１】つぎに、請求項６に対応する第６の実施例
を図７を参照しながら説明する。なお、上記第４の実施
例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を省略す
る。

【００５２】図に示すように、給水弁１０ａは注水装置
１１に接続され、給水弁１０ｂは散水装置１６に接続さ
れており、給水弁１０ａと給水弁１０ｂとは互いに独立
に制御されるようにしている。

【００５３】上記構成において、洗濯終了後に、洗濯液
を排水してすすぎ行程に入った際、散水装置１６のみか
ら散水を行うことができ、特に低水圧時に一定の割合で
注水装置１１側に流れることにより発生していた散水量
の低下を防止することができ、しかも、散水量を一定に
でき、すすぎ時の節水を実現することができる。

【００５４】なお、本実施例では、散水装置１６は、複
数の穴によって散水口を構成しているが、上記第１の実
施例または第２の実施例のように構成してもよいことは
いうまでもない。

【００５５】つぎに、請求項７に対応する第７の実施例
を図８(a)〜(d)を参照しながら説明する。なお、上記第
６の実施例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を
省略する。

【００５６】図に示すように、流量制御手段２１は、水
圧の変化によって内部のゴム部品が変形することで水路
の断面積を調節できるようにした定流量弁で構成し、給
水弁１０ｂと散水装置１６の間に配設している。

【００５７】上記構成において、洗濯終了後に、洗濯液
を排水してすすぎ行程に入った際、散水装置１６のみか
ら散水を行い、且つ流量制御手段２１により散水量を一
定に制御することができ、特に水道水圧が高い場合に、
散水時の水のかけすぎによって発生するすすぎに寄与し
ない無駄水の発生を防止でき、すすぎ時の節水ができ
る。

【００５８】つぎに、請求項８に対応する第８の実施例
を図９(a)〜(d)を参照しながら説明する。なお、上記第
４の実施例と同じ構成のものは同一符号を付して説明を
省略する。

【００５９】図に示すように、散水装置１６は、内部中
空の箱状に形成し、箱状の散水装置１６内および給水弁
１０から散水装置１６までの流水経路にたまった水を排
水する排水口２２を設けている。

【００６０】上記構成において、洗濯終了後に、洗濯液
を排水してすすぎ行程に入った際、内部中空の箱状の形
成した散水装置１６から散水を行い、且つ、散水装置１
６内および給水弁１０から散水装置１６までの間に溜っ
た水を排水口２２より排水する。このため、脱水時に散
水口１７から残水が滴下するのを防止できて、脱水むら
の発生を防止でき、しかも、すすぎ時の節水ができる。

【００６１】つぎに、請求項９に対応する第９の実施例
を図１０(a)〜(d)を参照しながら説明する。なお、上記
第８の実施例と同じ構成のものは同一符号を付して説明
を省略する。

【００６２】図に示すように、弁２３は、給水時には閉
じ、給水が終了して圧力が低下した際に開くもので、給
水時に給水弁１０から流れてくる水が排水口２２に流れ
こむのを防止し、すなわち、すすぎ性能に寄与しない無
駄な水が発生するのを防止する。

【００６３】なお、本実施例では、シ−ト状の弁による
無駄水防止装置を示したが、電磁弁などにより無駄水を
防止するようにしてもよいことはいうまでもない。

【００６４】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、第１
の発明によれば、洗濯兼脱水槽に給水する注水装置と、
前記注水装置と独立して設け前記洗濯兼脱水槽内の洗濯
物に散水する散水装置と、前記注水装置および散水装置
への給水を制御する給水弁とを備え、すすぎ時に、前記
洗濯兼脱水槽の回転状態または回転停止状態において、
散水装置より散水をするようにしたから、給水弁を開い
て脱水槽内に散水しながらすすぎを行うことで、洗濯物
に含まれる洗剤成分は徐々に給水された水に置換され、
通常の希釈、拡散することで行う「ためすすぎ」に対し
て、半分以下の水量で同程度のすすぎ性能を発揮でき
る。つまり、洗濯以外での節水を実現することができ
る。

【００６５】また、第２の発明によれば、散水装置は、
洗濯兼脱水槽の回転軸中心方向に対して角度を有して散
水する散水口を備えたから、給水弁を開いて脱水槽内に
角度を有して散水する散水口より散水しながらすすぎを
行うことで、少量の洗濯物を投入しても、水の落下音を
抑制しつつ、すすぎ効果を発揮し、洗濯以外での節水を
実現することができる。

【００６６】また、第３の発明によれば、散水装置の散
水口は、複数個の穴によって構成したから、給水弁を開
いて脱水槽内に複数の穴によって構成された散水口より
散水しながらすすぎを行うことで、水の飛びちりを抑制
しつつ、すすぎ効果を発揮し、洗濯以外での節水を実現
することができる。

【００６７】また、第４の発明によれば、散水装置の散
水口は、複数個の穴によって構成し、且つ複数の角度を
有したから、給水弁を開いて脱水槽内に複数の穴によっ
て構成され、且つ複数の角度を持つように設定した散水
口より散水しながらすすぎを行うことで、中量の洗濯物
を投入し、脱水槽内に円筒状に張り付いた場合でも、す
すぎ効果を発揮し、洗濯以外での節水を実現することが
できる。

【００６８】また、第５の発明によれば、散水装置から
の散水形態を、水平方向に対して略扇状に設定したか
ら、給水弁を開いて脱水槽内に散水形態が、水平方向に
対して略扇状に設定した散水装置によって散水しながら
すすぎを行うことで、洗濯物に含まれる洗剤成分は、徐
々に給水された水に置換されて、通常の希釈、拡散する
ことで行うためすすぎに対して、半分以下の水量で同程
度のすすぎ性能を発揮できる。つまり、洗濯以外での節
水を実現することができる。

【００６９】また、第６の発明によれば、洗濯兼脱水槽
に給水する注水装置と、前記注水装置と独立して設け前
記洗濯兼脱水槽内の洗濯物に散水する散水装置と、前記
注水装置および散水装置への給水をそれぞれ独立して制
御する給水弁とを備え、すすぎ時に、前記洗濯兼脱水槽
の回転状態または回転停止状態において、散水装置より
散水をするようにしたから、散水口につながる給水弁の
みを開いて脱水槽内に散水しながらすすぎを行うこと
で、水道水圧が低水圧時においても注水口側に流れる水
をなくすことで散水量の低下を防止でき、洗濯以外での
節水を実現することができる。

【００７０】また、第７の発明によれば、散水装置の散
水口と給水弁との間に散水量を一定にする流量制御手段
を配設したから、散水口につながる給水弁のみを開き、
且つ流量制御手段によって一定の流量に制御された散水
を脱水槽内に散水しながらすすぎを行うことで、水道水
圧が高水圧時においてもすすぎに寄与しない無駄水の発
生を防止でき、洗濯以外での節水を実現することができ
る。

【００７１】また、第８の発明によれば、散水装置は、
内部中空の箱状に形成し、前記箱状の散水装置内および
給水弁から散水装置までの流水経路にたまった水を排水
する排水口を備えたから、給水弁を開いて脱水槽内に散
水しながらすすぎを行うことで、洗濯物に含まれる洗剤
成分は、徐々に給水された水に置換されて、通常の希
釈、拡散することで行うためすすぎに対して、半分以下
の水量で同程度のすすぎ性能を発揮でき、且つ、脱水行
程にて、散水口から散水経路内にたまった残水が滴下し
て、脱水むらが発生するのを防止できる。

【００７２】さらに、第９の発明によれば、排水口の経
路内に、給水時に給水弁から流れこむ水が排水口に流れ
こむのを防止する手段を備えたから、脱水行程にて、散
水口から、散水経路内にたまった残水が滴下して、脱水
むらが発生するのを防止できる上、給水時に排水口にす
すぎに寄与しない無駄な水が流れるのを防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例の脱水兼用洗濯機の断面
図

【図２】本発明の第２の実施例の脱水兼用洗濯機の断面
図

【図３】(a) 本発明の第３の実施例の脱水兼用洗濯機の
注水装置と散水装置の切欠平面図 (b) 同脱水兼用洗濯機の注水装置と散水装置の正面図 (c) 同脱水兼用洗濯機の注水装置と散水装置の右側断面
図 (d) 同脱水兼用洗濯機の散水装置の部分拡大断面図

【図４】本発明の第４の実施例の脱水兼用洗濯機の断面
図

【図５】(a) 同脱水兼用洗濯機の注水装置と散水装置の
切欠平面図 (b) 同脱水兼用洗濯機の注水装置と散水装置の正面図 (c) 同脱水兼用洗濯機の注水装置と散水装置の右側断面
図 (d) 同脱水兼用洗濯機の散水装置の部分拡大断面図

【図６】(a) 本発明の第５の実施例の脱水兼用洗濯機の
注水装置と散水装置の切欠平面図 (b) 同脱水兼用洗濯機の注水装置と散水装置の正面図 (c) 同脱水兼用洗濯機の注水装置と散水装置の右側断面
図 (d) 同脱水兼用洗濯機の散水装置の部分拡大断面図

【図７】本発明の第６の実施例の脱水兼用洗濯機の断面
図

【図８】(a) 本発明の第７の実施例の脱水兼用洗濯機の
注水装置と散水装置の切欠平面図 (b) 同脱水兼用洗濯機の注水装置と散水装置の正面図 (c) 同脱水兼用洗濯機の注水装置と散水装置の右側断面
図 (d) 同脱水兼用洗濯機の散水装置の部分拡大断面図

【図９】(a) 本発明の第８の実施例の脱水兼用洗濯機の
注水装置と散水装置の切欠平面図 (b) 同脱水兼用洗濯機の注水装置と散水装置の正面図 (c) 同脱水兼用洗濯機の注水装置と散水装置の右側断面
図 (d) 同脱水兼用洗濯機の散水装置の部分拡大断面図

【図１０】(a) 本発明の第９の実施例の脱水兼用洗濯機
の注水装置と散水装置の切欠平面図 (b) 同脱水兼用洗濯機の注水装置と散水装置の正面図 (c) 同脱水兼用洗濯機の注水装置と散水装置の右側断面
図 (d) 同脱水兼用洗濯機の散水装置の部分拡大断面図

【符号の説明】

３洗濯兼脱水槽１０給水弁１１注水装置１２散水装置

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】洗濯兼脱水槽に給水する注水装置と、前
記注水装置と独立して設け前記洗濯兼脱水槽内の洗濯物
に散水する散水装置と、前記注水装置および散水装置へ
の給水を制御する給水弁とを備え、すすぎ時に、前記洗
濯兼脱水槽の回転状態または回転停止状態において、散
水装置より散水をするようにした脱水兼用洗濯機。
【請求項２】散水装置は、洗濯兼脱水槽の回転軸中心
方向に対して角度を有して散水する散水口を備えた請求
項１記載の脱水兼用洗濯機。
【請求項３】散水装置の散水口は、複数個の穴によっ
て構成した請求項１または２記載の脱水兼用洗濯機。
【請求項４】散水装置の散水口は、複数個の穴によっ
て構成し、且つ複数の角度を有した請求項２記載の脱水
兼用洗濯機。
【請求項５】散水装置からの散水形態を、水平方向に
対して略扇状に設定した請求項１から４のいずれか１項
に記載の脱水兼用洗濯機。
【請求項６】洗濯兼脱水槽に給水する注水装置と、前
記注水装置と独立して設け前記洗濯兼脱水槽内の洗濯物
に散水する散水装置と、前記注水装置および散水装置へ
の給水をそれぞれ独立して制御する給水弁とを備え、す
すぎ時に、前記洗濯兼脱水槽の回転状態または回転停止
状態において、散水装置より散水をするようにした脱水
兼用洗濯機。
【請求項７】散水装置の散水口と給水弁との間に散水
量を一定にする流量制御手段を配設した請求項６記載の
脱水兼用洗濯機。
【請求項８】散水装置は、内部中空の箱状に形成し、
前記箱状の散水装置内および給水弁から散水装置までの
流水経路にたまった水を排水する排水口を備えた請求項
１記載の脱水兼用洗濯機。
【請求項９】排水口の経路内に、給水時に給水弁から
流れこむ水が排水口に流れこむのを防止する手段を備え
た請求項８記載の脱水兼用洗濯機。