JPH0420394Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、自動洗浄浴槽の濯ぎ機構に関するも
のである。

〔従来の技術〕

従来、浴槽に自動洗浄機能が無い場合は、浴槽
の濯ぎは人がホースを持つて浴槽各部に残つた汚
れや泡を洗い流す方法が一般に行われていた。

そこで、浴槽の濯ぎを自動化する方法として、
浴槽上縁面に濯ぎノズルを設け、このノズルが取
付けられた上縁面と相対する浴槽内壁面に水を噴
出させて濯ぐ方法が考えられる。

また、バスタブ内の掃除が容易になるものとし
て、周囲を外周板と側壁とで導水道を設けたバス
タブの内壁（側壁）に上記導水道と連通する噴水
孔を多数設け、この噴水孔より水乃至湯を相対す
る側の内壁にシヤワー状に吹きつけるようにした
ものが知られている（例えば、実開昭48−73129
号公報参照）。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来の技術で述べたもののうち前者の浴槽上縁
面に濯ぎノズルを設ける方法においては、一つの
濯ぎノズルで濯ぎ可能な面積が狭いため、多くの
濯ぎノズルを設けるか、または濯ぎノズル自体の
首を振らせるか、あるいは濯ぎノズルの開口部を
幅広として吐水に広がりを持たせる必要があり、
従つて濯ぎノズルを多く設けるのはコスト的、外
観的にも好ましくなく、また濯ぎノズルの首を振
らせる方法では濯ぎノズルの向きにより相対する
浴槽の内壁面までの距離が異なつてくるので給水
圧を変化させなければ常に浴槽内壁面の喫水線付
近に水が届かず、制御が複雑となり、さらに濯ぎ
ノズルの開口部を幅広にして吐水に広がりを持た
せる方法においても、濯ぎノズル取付位置と浴槽
内壁面までの距離が異なるので水の届く高さが喫
水線以上になつてしまうところがでる不都合があ
るとともに、上記３種の方法共に、浴槽上縁面か
ら相対する浴槽内壁面に水を多量に噴出するため
水跳ねが浴槽外に飛び出すという問題点もある。

また、後者のバスタブ内壁に設けた噴水孔より
水乃至湯をシヤワー状に噴出するようにしたもの
においては、噴水孔が設けられた内壁と相対向す
る内壁に水を吹きつけて洗い流す方式であるの
で、水圧が低いと距離のある反対側の内壁面にま
で水が届かずに洗浄できなかつたり、水圧が高く
ても両内壁からの噴出水同士が干渉しあつて結局
対向する内壁面に水が届かなかつたり、また多数
の噴水孔から噴出するので多くの洗浄水量を必要
とし、さらには浴槽内壁面に対して垂直の噴出水
であるので、水跳ねや泡切れが悪い等の問題点を
有していた。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題
点に鑑みてなされたものであり、その目的とする
ところは、それほど高い水圧を必要とすることな
く、少ないノズル数及び水量で確実に浴槽内壁面
の洗浄ができ、且つ水跳ねがなく、泡切れもよい
自動洗浄浴槽の濯ぎ機構を提供しようとするもの
である。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案における自
動洗浄浴槽の濯ぎ機構は、実施例に対応する第１
図〜第４図を用いて説明すると、浴槽１の内壁面
に濯ぎノズル２を取付け、この濯ぎノズル２から
の吐出水の方向が、第２図に示すように概ね水平
方向となるようにし、且つ第３図に示すように浴
槽１内壁面に概ね平行としてなるものである。

そして、濯ぎ配管の途中に電動弁を設けるよう
にするのが好ましい。

また、洗浄のための総流量を少なくするため
に、上記電動弁は、三方弁とし、給水を２本の濯
ぎ配管へ接続するようにしてもよい。

さらに、同様の目的で、上記電動弁を、電動２
方弁としてＮ個設け、この電動２方弁の弁開度の
位相を2π／Ｎだけずらすようにすることもでき
る。

〔実施例〕

以下に本考案の実施例を第１図〜第１１図によ
り説明する。

第１図は本考案の濯ぎ機構を示す自動洗浄浴槽
の一部切欠き平面図、第２図は第１図の縦断面
図、第３図は第１図の要部拡大図、第４図は第３
図のＰ矢視図で、浴槽１の内壁面には第１図に示
すように、濯ぎノズル２取付け用の穴が設けられ
この穴に濯ぎノズル２を、パツキン３、ワツシヤ
４、ナツト５等を用いて、浴槽１に水平よりα°
（5°〜10°の角度が好ましいが、−5°〜20°の角度で
もよい）上向きの角度に固定する。さらに第３図
に示すように、濯ぎノズル２は、この濯ぎノズル
２の通水路１２にも角度θ°（5°〜10°の角度が好ま
しいが、0°〜20°の角度でもよい）がつけられ、
吐出水が浴槽内壁面に概ね平行に吐出するように
している。

ところで、通常は浴槽１全体を濯ぐのに一つの
濯ぎノズル２でまかなうことは困難であり、複数
個の濯ぎノズルが必要となるが、これら複数の濯
ぎノズルへ同時に給水すると膨大な流量（約20
／分×濯ぎノズルの個数）が必要となる。

そこで、第５図及び第６図に示すように、例え
ば、濯ぎノズルを２系統の濯ぎノズル２ａ，２ｂ
とに分け、給水イを電動三方弁６（電動二方弁２
つの組合わせでもよい）によつて、濯ぎ配管ａ７
と濯ぎ配管ｂ８に流量が第７図に示すように分配
すれば、総流量は1/2で済むようになり、同様に
濯ぎ配管を３系統に分ければ総流量は1/3という
ように総流量を減少させることも可能である。そ
して、上記のように複数個の濯ぎノズルを使用す
る場合は、全てのノズルに同時に給水するのでは
なく第５図及び第６図に示すように給水系統を分
割しこれを電動弁で切換え、第７図に示すような
流量変化を与えるようにすれば、総流量は少なく
て済み、さらに、電動弁の特性上流量変化がゆつ
くりしているということにより第６図に示すよう
に濯ぎノズルの近くから遠くまでを確実に濯ぐこ
とが可能となる。

また、濯ぎノズルを第８図〜第１０図に示すよ
うに、水平方向濯ぎ用の開口部(1)９と、下方濯ぎ
用の開口部(2)１０との２ヶ所の開口部９，１０を
持つ下部開口付濯ぎノズル１１とし、この下部開
口付濯ぎノズル１１を浴槽の内壁面に取付けるよ
うにすれば、濯ぎノズルの下方の濯ぎも確実に行
え、またこの下部開口付濯ぎノズル１１を、第５
図中において浴槽１の短辺側に位置する部分の濯
ぎノズル２ａ，２ｂとして用い、２個の下部開口
付濯ぎノズル１１の水平方向濯ぎ用の開口部(1)９
が相対向するように浴槽に取付ければ、濯ぎノズ
ル間の濯ぎも行うことができるようになり、濯ぎ
残しがなくなる。

〔考案の効果〕

本考案は上記の如く、浴槽内壁面に取付けた濯
ぎノズルを、濯ぎノズルからの吐出水の方向が概
ね水平方向で且つ浴槽内壁面に概ね平行とした濯
ぎ機構であるので、それほど高い水圧を必要とす
ることなく、少ないノズル数及び水量で、吐出水
を浴槽内壁面に沿つて流すことができるようにな
つて確実に浴槽内壁面の洗浄ができ、また吐出水
は浴槽内壁面に沿つて流れるので、浴槽外への水
跳ねがなく、泡切れもよい効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第１１図は本考案の実施例を示し、第
１図は濯ぎ機構を示す自動洗浄浴槽の一部切欠き
平面図、第２図は第１図の縦断面図、第３図は第
１図の要部拡大図、第４図は第３図のＰ矢視図、
第５図は配管系統図、第６図は第５図の縦断面
図、第７図は流量変化特性を示す図面である。第
８図〜第１０図は濯ぎノズルの別の実施例を示
し、第８図は下部開口付濯ぎノズルの正面図、第
９図は第８図の右側面図、第１０図は第８図の底
面図である。第１１図は第８図〜第１０図に示し
た下部開口付濯ぎノズルを用いた場合の水の吐出
状況を示す縦断面図である。 符号の説明、１……浴槽、２，２ａ，２ｂ……
濯ぎノズル、３……パツキン、４……ワツシヤ
ー、５……ナツト、６……電動三方弁、７……濯
ぎ配管ａ、８……濯ぎ配管ｂ、９……開口部(1)、
１０……開口部(2)、１１……下部開口付濯ぎノズ
ル、１２……通水路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 濯ぎノズル、給水配管及び給水の開閉手段と
   からなる自動洗浄浴槽の濯ぎ機構において、前
   記濯ぎノズルからの吐出水の方向が概ね水方向
   で且つ浴槽内壁面に概ね平行であることを特徴
   とする自動洗浄浴槽の濯ぎ機構。 ２ 濯ぎ配管の途中に電動弁を設けたものである
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の自動洗浄浴槽の濯ぎ機構。 ３ 電動弁が三方弁とされ、給水を２本の濯ぎ配
   管へ接続したものであることを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第２項記載の自動洗浄浴槽
   の濯ぎ機構。 ４ 濯ぎ配管の途中にＮ個の電動２方弁が設けら
   れ、これら電動２方弁の弁開度の位相を、
   2π／Ｎ個だけずらしたことを特徴とする実用
   新案登録請求の範囲第２項記載の自動洗浄浴槽
   の濯ぎ機構。