JP2583898Y2

JP2583898Y2 - 浴槽洗浄装置

Info

Publication number: JP2583898Y2
Application number: JP1990088541U
Authority: JP
Inventors: 雅博安西; 龍雄藤本; 富志夫深山; 俊也岡野
Original assignee: 株式会社ガスター
Priority date: 1990-08-24
Filing date: 1990-08-24
Publication date: 1998-10-27
Anticipated expiration: 2005-08-24
Also published as: JPH0449047U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、浴槽を自動的に洗浄する浴槽洗浄装置に関
するものである。

〔従来の技術〕

浴槽を自動的に洗浄する装置として、実開昭63−7186
9号公報が知られている。この装置は、浴槽の蓋に洗剤
を含有させた洗浄液を噴射する１個の洗浄ノズルと、水
道等の洗浄水を噴射する１個のノズルとを設け、浴槽の
洗浄に際しては、洗剤タンクから洗浄液を洗浄ノズルに
供給して浴槽内に噴射して汚れを落とし、その後に、洗
浄水の供給源から他方のノズルに洗浄水を供給して浴槽
内に噴射させ、前記洗浄液によって落とされた浴槽の汚
れ成分と洗浄液とを洗い流し、排水孔から排出させるも
のである。

しかし、この従来の装置は、洗浄液を１個の洗浄ノズ
ルから噴射する方式であるため、噴射される洗浄液が浴
槽内壁面の隅々まで行き届かず、洗浄むらが生じ易く、
また、洗浄液は常温の状態で噴射しているため、洗浄液
の化学的洗浄能力が劣り、浴槽内壁面の洗浄を効率的に
行うことができないという問題があった。また、洗浄ノ
ズルから噴射された洗浄液は繰り返し使用されず、次に
噴射される洗浄水とともに排水孔から流出する方式であ
るので、洗剤使用の上で無駄があった。

本考案者等は試作研究を重ねこれらの問題点を解決す
ることができる洗浄装置を開発することに成功した。こ
の開発装置は、浴槽内壁面の異なる位置に複数の洗浄ノ
ズルを配置し、この洗浄ノズルから加熱した洗浄液を浴
槽内に同時に噴射し、洗浄液を浴槽内壁面の隅々まで行
き渡らせるとともに、浴槽の底面側に溜まる洗浄液を循
環させて繰り返し洗浄ノズルから噴射し、しかる後に、
各洗浄ノズルから水道等の洗浄水を噴射し、浴槽壁面の
汚れ成分と洗浄液とを浴槽の排出口から排出させるもの
である。

この開発装置によれば、異なる位置に配置されている
複数の洗浄ノズルから洗浄液が浴槽内壁面に向けて噴射
されることで、洗浄液が浴槽の内壁面の隅々まで行き渡
ることとなり、しかも、洗浄液が加熱されているので化
学的洗浄力も高まり、浴槽内壁面を効果的に洗浄でき、
しかも、洗浄液を循環させて繰り返し使用するため、洗
浄液の無駄遣いを防止できるものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、前記開発装置は、各洗浄ノズルから同
時に洗浄液が噴射される方式であるため、大きなポンプ
容量を必要とし、一般家庭に普及しているガス燃焼式等
の加熱器を洗浄液の加熱循環装置としてシステム展開が
できないという新たな問題が生じた。通常の加熱器は内
部に熱交換器とポンプを備えており、この熱交換器を洗
浄液の加熱源として利用し、加熱器のポンプを、洗浄液
の循環供給用のポンプとして利用できれば装置構成が簡
易になるばかりでなくシステム展開が容易となる。とこ
ろが、周知のように、加熱器は設置スペースをできるだ
け小さくする観点から小型化の傾向にあり、これに伴
い、加熱器に内蔵されるポンプも小型のものが使用さ
れ、そのポンプの容量も小さくなっている。したがっ
て、加熱器のポンプを洗浄液噴射用（洗浄液の循環供給
用）のポンプとして利用すると、ポンプ容量が不足し、
複数の洗浄ノズルに同時に洗浄液を供給すると、浴槽壁
面に噴射される洗浄液の衝突力が小さくなり、洗浄能力
が低下するという新たな問題が生じる。もちろん、洗浄
液供給用のポンプとして専用の大型のポンプを設置すれ
ば、洗浄ノズルから噴射される洗浄液の衝突力も大きく
なり、洗浄能力を高めることができるが、そうすると、
ポンプが大型化するため、その設置場所に困り、これを
浴室内に設置すると、浴室空間が狭められ、浴室空間の
有効利用を図れなくなるという問題が生じる。

本考案は上記課題を解決するためになされたものであ
り、その目的は、小型のポンプを使用しても洗浄能力を
低下させることなく、浴槽をきれいに洗浄することがで
きる浴槽洗浄装置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記目的を達成するために、次のように構成
されている。すなわち、第１の考案の浴槽洗浄装置は、
互いに異なる場所に設けられて浴槽の壁面に洗剤含有の
洗浄液を噴射する複数の洗浄ノズルと、この洗浄ノズル
から浴槽内に噴射された洗浄液を加熱源を介して洗浄ノ
ズルに循環供給するポンプ内蔵の循環管路およびその洗
浄液の循環噴射を制御する制御部と、この循環管路に給
水開閉弁を介して接続される給水管とを備え、前記循環
管路は浴槽から洗浄液をポンプに導く戻り管と、ポンプ
から供給される洗浄液を各洗浄ノズルに導く分岐供給管
とを有し、この循環管路には洗剤を導く洗剤供給管を介
して洗剤供給源が接続され、前記戻り管の入口端は浴槽
底壁に直接連通され、この戻り管には戻り管開閉弁が介
設され、前記各分岐供給管にはノズル開閉弁が介設され
ており、前記制御部は前記給水開閉弁を開動作させて洗
剤と混合する洗浄水を浴槽底面に前記ポンプ運転に必要
な量溜める制御構成と、洗浄水と洗剤が混合した洗浄液
の循環噴射に際し前記各ノズル開閉弁の開閉を制御して
複数の洗浄ノズルを１個ずつ選択的に切り換え前記循環
管路から供給されてくる洗浄液の全てを選択された唯１
個の洗浄ノズルから循環噴射させる制御構成とを備えて
いることを特徴として構成されている。

また、第２の考案の浴槽洗浄装置は、互いに異なる場
所に設けられて浴槽の壁面に洗剤含有の洗浄液を噴射す
る複数の洗浄ノズルと、この洗浄ノズルから浴槽内に噴
射された洗浄液を加熱源を介して洗浄ノズルに循環供給
するポンプ内蔵の循環管路およびその洗浄液の循環噴射
を制御する制御部と、この循環管路に給水開閉弁を介し
て接続される給水管とを備え、前記循環管路は浴槽から
洗浄液をポンプに導く戻り管と、ポンプから供給される
洗浄液を各洗浄ノズルに導く分岐供給管とを有し、この
循環管路には洗剤を導く洗剤供給管を介して洗剤供給源
が接続され、前記戻り管の入口端は浴槽底壁に直接連通
され、この戻り管には戻り管開閉弁が介設され、前記各
分岐供給管にはノズル開閉弁が介設されており、前記制
御部は前記加熱源を制御して洗浄ノズルに供給される循
環洗浄液を化学的洗浄力を発揮させる設定温度に加熱制
御する構成と、洗浄液の循環噴射に際し前記各ノズル開
閉弁の開閉を制御して複数の洗浄ノズルを１個ずつ選択
的に切り換え前記循環管路から供給されてくる洗浄液の
全てを選択された唯１個の洗浄ノズルから循環噴射させ
る制御構成とを備えていることを特徴として構成されて
いる。

さらに、第３の考案の浴槽洗浄装置は、互いに異なる
場所に設けられて浴槽の壁面に洗剤含有の洗浄液を噴射
する複数の洗浄ノズルと、この洗浄ノズルから浴槽内に
噴射された洗浄液を加熱源を介して洗浄ノズルに循環供
給するポンプ内蔵の循環管路およびその洗浄液の循環噴
射を制御する制御部と、この循環管路に給水開閉弁を介
して接続される給水管とを備え、前記循環管路は浴槽か
ら洗浄液をポンプに導く戻り管と、ポンプから供給され
る洗浄液を各洗浄ノズルに導く分岐供給管とを有し、こ
の循環管路には洗剤を導く洗剤供給管を介して洗剤供給
源が接続され、前記戻り管の入口端は浴槽底壁に直接連
通され、この戻り管には戻り管開閉弁が介設され、前記
各分岐供給管にはノズル開閉弁が介設されており、前記
制御部は前記給水開閉弁を開動作させて洗剤と混合する
洗浄水を浴槽底面に前記ポンプ運転に必要な量溜める制
御構成と、前記加熱源を制御して洗浄ノズルに供給され
る循環洗浄液を化学的洗浄力を発揮させる設定温度に加
熱制御する構成と、洗浄水と洗剤が混合した洗浄液の循
環噴射に際し前記各ノズル開閉弁の開閉を制御して複数
の洗浄ノズルを１個ずつ選択的に切り換え前記循環管路
から供給されてくる洗浄液の全てを選択された唯１個の
洗浄ノズルから循環噴射させる制御構成とを備えている
ことを特徴として構成されている。

〔作用〕

浴槽洗浄に際しては、浴槽が空になった状態で、別途
設けられる浴槽の排水弁が閉じられ、この状態で、洗剤
供給源から少量の洗剤が循環管路に供給される。次に、
制御部により給水開閉弁が開けられ、水道等の洗浄水が
循環管路を通って浴槽に所定量だけ供給され、浴槽の底
面側には洗浄水と洗剤とが混合した洗浄液が溜まる。

次に複数のノズル開閉弁のうちの１つが開けられた状
態で、ポンプを起動すると、浴槽底面側に溜まっていた
洗浄液が戻り管を通してポンプに吸引され、この吸引さ
れた洗浄液は加熱源で所定の温度に保たれた後、ノズル
開閉弁が開けられている分岐供給管を通って洗浄ノズル
に圧送され、この洗浄ノズルから浴槽内壁面に向けて洗
浄液が噴射される。この噴射に際し、制御部の制御信号
により、例えば、所定時間間隔でノズル開閉弁が１個ず
つ選択的に開けられることにより、その開けられた分岐
供給管を通って洗浄液が対応する洗浄ノズルに供給され
ることとなり、洗浄液は必ず１個のノズルから順々に噴
射され、浴槽内壁面の汚れは洗浄液の化学的洗浄力と浴
槽内壁面への衝突力の相互作用によりきれいに落とされ
る。

この洗浄液の噴射が所定時間経過したときに、戻り管
開閉弁が閉じられ、給水開閉弁が開かれる。そして、給
水管から循環管路を通って噴射ノズルに導かれた水道等
の洗浄水は同様に１個の洗浄ノズルから順次切り換え噴
射されることで、浴槽内壁面に付着している汚れ成分と
洗浄液が洗浄水により洗い流されて、浴槽の排水孔から
排出され、目的とする浴槽洗浄が完了する。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。第
１図には本考案に係る浴槽洗浄装置の一実施例のシステ
ム構成が示されている。

同図において、浴槽１の底部には排水管２が接続され
ており、この排水管２には電磁弁等からなる排水弁３が
設けられている。浴槽１の対向内壁面には一対の洗浄ノ
ズル4a,4bが設けられている。本実施例では、この洗浄
ノズル4a,4bはノズル圧0.8kg/cm²で6l/分以上の流量が
噴射できるようにそのノズル径が設計されている。この
洗浄ノズル4a,4bは分岐供給管5a,5bに接続されており、
また、分岐供給管5a,5bは電磁弁等からなるノズル開閉
弁6a,6bを介してガス燃焼式の加熱器７の熱源出口管８
に接続されている。また、浴槽１の底部側（底壁）に接
続されている戻り管10は電磁弁等の戻り管開閉弁11を介
して加熱器に内蔵されるポンプ12の吸込側に接続されて
いる。そして、戻り管開閉弁11とポンプ12との間の管路
には水流センサ13と戻り管10を流れる洗浄液の温度を検
出する温度センサ14が設けられている。

ポンプ12の吸込側の管路には洗剤供給管15が接続され
ており、この洗剤供給管15は電磁弁等からなる洗剤開閉
弁16を介して洗剤タンク（洗剤供給源）17に接続されて
いる。この洗剤タンク17内には液状の洗剤が収容され
る。ポンプ12の吐出側は管路18を介して加熱源として機
能する加熱器の熱交換器20の入口側に接続されており、
熱交換器20の出口側は前記加熱器の熱源出口管８に接続
されている。これら戻り管開閉弁11を含む戻り管10と、
ポンプ12と、管路18と、熱交換器20と、熱源出口管８
と、ノズル開閉弁6a,6bを介して洗浄ノズル4a,4bに至る
分岐供給管5a,5bとは循環管路を構成している。前記管
路18には給水管22の一端側が接続されており、給水管22
の他端側は電磁弁等からなる給水開閉弁21を介して水道
等の洗浄水供給源に接続される。

前記排水弁３と、ノズル開閉弁6a,6bと、戻り管開閉
弁11と、洗剤開閉弁16と、給水開閉弁21との管路開閉
（弁開閉）と、ポンプ12の運転と、熱交換器20の燃焼制
御は制御部23により行われている。この制御部23にはリ
モコン24が接続されており、このリモコン24には洗浄運
転を指令する洗浄ボタン25が設けられている。前記制御
部23は洗浄ボタン25からの指令と、水流センサ13および
温度センサ14からの検出信号を受け、前記各種弁の開閉
と、ポンプ運転と、熱交換器20の燃焼制御とを行い、目
的とする浴槽の自動洗浄を運転制御する。

本実施例は上記のように構成されており、以下、第２
図に示すフローチャートに基づきその洗浄作用を説明す
る。まず、リモコン24の洗浄ボタン25がオンされると、
このオン信号が制御部23に加えられ、制御部23からの制
御信号により排水弁３が開かれ浴槽１内に汚れた湯水が
張られているときはこれを排水する。同様に、制御部23
からの制御信号によりノズル開閉弁6a,6bと戻り管開閉
弁11が開けられ、循環管路内に洗剤タンク17からの洗剤
を入り易くするために循環管路内が大気圧に解放され
る。そして前記湯水の排水が完了したか否かがステップ
103で判断される。

すなわち、制御部23はステップ102で各弁6a,6b,11の
開信号を送出した後、浴槽１内の湯水が完全に流出する
までに要するＴ時間が経過したか否かの判断を例えば内
部タイマを利用して行う。Ｔ時間が経過しない間は排水
弁３を開けたままにしておき、Ｔ時間が経過したときに
浴槽１内の湯水が完全に排出されたものと判断し排水弁
３を閉じる。そして、ステップ105で洗剤開閉弁16を開
け、それと同時に、ステップ106で所定のT₁時間が経過
したか否かの判断を行う。すなわち、制御部23は洗剤開
閉弁16に開信号を加えた後、内部タイマを利用してタイ
ムをカウントし、T₁時間が経過しない間は洗剤開閉弁16
を開いたままにしておき、T₁時間が経過したときに所定
量の洗剤が洗剤タンク17から洗剤供給管15を通って管路
18に供給されたものと判断し、洗剤開閉弁16を閉じる。

次に、ノズル開閉弁6a,6bをともに閉じ、給水開閉弁2
1を開ける。そうすると、給水管を通って水道等の洗浄
水が管路18から戻り管10を通って洗剤とともに浴槽の底
面側に供給される。ステップ110では給水開閉弁21を開
けてから所定のT₂時間経過したか否かの判断を行う。す
なわち、所定のT₂時間が経過しない間は給水開閉弁21を
開いた状態に維持しておき、所定のT₂時間経過したとき
に給水開閉弁を閉じる。このT₂時間洗浄水が浴槽に供給
されることで、浴槽の底部側にはポンプ12を円滑に運転
するのに必要な洗浄液が溜められる。この洗浄液が少な
すぎると、ポンプ12を起動したとき、戻り管10から浴槽
１内の空気が吸い込まれてポンプ運転の円滑性を害する
ことになる。これに対し、本実施例のように給水開閉弁
21をT₂時間だけ開けて洗浄水を供給することによりポン
プ運転に支障をきたさない量の洗浄液が確保され、ポン
プの円滑な運転を可能にする。

前記T₂時間が経過した後、給水開閉弁21が閉じられ、
ノズル開閉弁6aが開けられる。そして、ステップ113で
ポンプ12の起動が行われる。このポンプ12の起動によ
り、浴槽１の底部に溜まっている洗浄液は戻り管10を通
ってポンプ12に吸引され、さらにこの吸引された洗浄液
はポンプ12の吐出側から管路18を通って熱交換器20に入
り込み、ここで、洗浄液は化学的洗浄能力を発揮するの
に適した温度、本実施例では50〜60℃に加熱され、この
加熱された温水の洗浄液は熱源出口管８からノズル開閉
弁6aを通って分岐供給管5aに入り込み、洗浄ノズル4aか
ら浴槽内に噴射される。

そして、この噴出された洗浄液が浴槽１の底面側に流
れ落ち、その底面側に流れ落ちた洗浄液は再び戻り管10
からポンプ12に吸引され、同様に熱交換器20を通った後
分岐供給管5aを経て洗浄ノズル4aから浴槽内に噴出され
る。このように、循環管路を介して洗浄液の循環噴射が
繰り返し行われる。この循環噴射中に、洗浄液の温度制
御がステップ114から117にかけて行われる。

すなわち、制御部23は温度センサ14から得られる温度
検出信号に基づき、洗浄液の温度がT₃℃（例えば60℃）
以下であるか否かの判断をステップ114で行う。洗浄液
の温度がT₃℃以下のときには熱交換器20のガスバーナの
燃焼をステップ115で行い、洗浄液を加熱する。そして
ステップ116で洗浄液の温度がT₃℃以上であるか否かが
判断され、T₃℃以下のときには熱交換器20のバーナの燃
焼を引き続き行って加熱し、洗浄液の温度がT₃以上にな
ったときに熱交換器20のバーナ燃焼を停止する。

また、ステップ118で、ポンプ12が起動されてからT₄
時間経過したか否かの判断を行う。T₄時間を経過してい
ないときにはステップ114から117の動作を繰り返し行
い、循環噴射する洗浄液の温度をT₃の温度に制御し続け
る。時間がT₄時間経過したときにステップ119でポンプ1
2を停止し、ステップ120でノズル開閉弁6aを閉じる。そ
してステップ121でノズル開閉弁6bを開け、ステップ122
でポンプ12を起動する。そうすると、浴槽１から戻り管
10を経て循環される洗浄液は同様に熱交換器20を通り分
岐供給管5bを経て洗浄ノズル4bから浴槽内に噴射される
こととなり、この洗浄液の循環噴射が繰り返し行われる
のである。このとき、ステップ123から126では前記ステ
ップ114から117の動作と同様に洗浄液の温度制御が行わ
れ、洗浄液はT₃℃の温度に保たれて浴槽１内に噴射され
る。

ステップ127ではステップ122のポンプ起動時からT₄時
間が経過したか否かの判断が前記ステップ118と同様に
行われ、T₄時間経過したときにポンプ12が停止され、ス
テップ129でノズル開閉弁6bが閉じられる。そしてステ
ップ130で排水弁３が開けられ、続いてステップ131で給
水開閉弁21が開けられる。この結果、給水管22から供給
される洗浄水は管路18、戻り管開閉弁11、戻り管10を順
に通って底面側から浴槽１内に入り込み、浴槽１の底部
に溜まった洗浄液と汚れ成分を排水管２から排出する。
このとき、ステップ132では給水開閉弁21が開けられて
から所定のT₅時間経過したか否かの判断が行われ、T₅時
間経過したときにステップ133で給水開閉弁21が閉じら
れ、次にステップ134で戻り管開閉弁11が閉じられる。

次に、ステップ135,136で、ノズル開閉弁6aと給水開
閉弁21が開けられる。そうすると、給水管22から供給さ
れる洗浄水は熱交換器20を通り熱源出口管８からノズル
開閉弁6aを通って分岐供給管5aに入り、洗浄ノズル4aか
ら浴槽内壁面に向けて噴射され、浴槽内壁面に付着して
いる洗浄液と浴槽内壁面から分離している汚れ成分が洗
い流され排水管２から排出される。

この洗浄ノズル4aからの洗浄水噴射が所定のT₆時間経
過したことがステップ137で判断されたときに給水開閉
弁21が閉じられ引き続きノズル開閉弁6aが閉じられる。
そして、ステップ140でノズル開閉弁6bが開けられ続い
てステップ141で給水開閉弁21が開けられる。そうする
と、今度は給水管20を通って供給される洗浄水はノズル
開閉弁6bから分岐供給管5bを通って洗浄ノズル5bに導か
れ、この洗浄ノズル4bから浴槽内壁面に向けて噴射され
る。そして、浴槽内壁面に付着している洗浄液と汚れ成
分が同様に洗い流されて排水弁３から排出される。この
洗浄ノズル4bからの噴射時間がステップ142で前記ステ
ップ137の場合と同様に判断され、噴射時間が所定のT₆
時間経過したときに給水開閉弁21が閉じられ、続いてノ
ズル開閉弁6bが閉じられる。そして最後にステップ145
で排水弁３が閉じられて浴槽１の自動洗浄が完了する。

本実施例によれば、各分岐供給管5a,5bにノズル開閉
弁6a,6bを設け、洗浄液の噴射時には、制御部23の弁開
閉制御により洗浄ノズル4a,4bからの同時噴射を避ける
ように構成されているから、加熱器の小型のポンプ12を
用いて洗浄液の噴射を行っても、各洗浄ノズル4a,4bか
ら噴射される洗浄液の噴出圧、つまり、洗浄液が浴槽壁
面に衝突する衝突力を大きくすることができ、浴室壁面
の汚れを効果的に落とすことができる。

このように、本実施例の装置では、ポンプ12の容量を
小さくしても効果的な洗浄が確保されるから、家庭に普
及している小型の加熱器を用いて浴槽洗浄装置を容易に
構築することができる。また、ポンプ12を小型化できる
ので、これを含む洗浄装置も小型となり、この洗浄装置
を浴室に設置しても、浴室の有効利用空間を大幅に狭め
るということがなく、非常に好都合である。

また、戻り管10に戻り管開閉弁11を介設したので、洗
浄液の循環噴射後、給水開閉弁21を開けて洗浄水を洗浄
ノズル4a,4bに切り換え供給するときに、この戻り管開
閉弁11を閉じることにより、洗浄水は１個のノズルから
切り換え噴射できるので、噴射圧力が強くなり、浴槽内
壁面に付着している洗浄液と汚れ成分を効率的に洗い流
すことができる。戻り管開閉弁11を設けないときには、
給水管22から供給される洗浄水は制御部23の制御信号に
よって開かれている方のノズル開閉弁、例えばノズル開
閉弁6aと戻り管10を通って浴槽内に供給されるが、この
とき、洗浄ノズル4aでは流路が絞ってあるので負荷抵抗
が大きく、このため、洗浄水の大部分は負荷抵抗の小さ
い戻り管10を通って浴槽１内に入り込むこととなり、洗
浄ノズル4aから噴射される洗浄水の噴出圧（噴出流量）
が極めて小さくなり、浴槽壁面に付着した洗浄液や汚れ
成分を効果的に洗い流すことができないとう問題が生じ
るが、本実施例では前記のように、戻り管10に戻り管開
閉弁11を介設してあるのでこの問題点は効果的に解消さ
れる。

なお、本考案は上記実施例に限定されることはなく、
様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実施例で
は、洗浄液の加熱源をガス燃焼式の熱交換器により構成
したが、この加熱源は洗浄液を洗剤の化学的洗浄力が最
適となる温度に加熱することができるものであれば、電
気ヒータ等、他の様々な加熱器を用いて構成することが
できる。

また、上記実施例では、加熱器のポンプを洗浄液噴射
用のポンプとして構成しているが、この洗浄液噴射用の
ポンプ12は加熱器のポンプと別個に循環噴射専用のポン
プとして設けることもできる。この場合も、ポンプ12は
小型のものでよいので、浴室の有効利用空間をそれほど
狭めないで洗浄装置を構成することができる。

さらに、上記実施例では洗浄ノズルを２個浴槽１の内
壁面に対向状態で設けたが、この洗浄ノズルは３個以上
浴槽１の内周面に沿って設けることも可能であり、また
この洗浄ノズルは浴槽１の蓋側に設けることもできる。

〔考案の効果〕

本考案は洗浄液を噴射する洗浄ノズルを複数配置し、
この各洗浄ノズルに洗浄液を導く個々の分岐供給管にそ
れぞれノズル開閉弁を設け、このノズル開閉弁を制御部
により制御して唯１個の洗浄ノズルから選択的に洗浄液
の全循環液量を切り換え噴射するように構成したもので
あるから、洗浄液を供給するポンプの容量を小さくして
も洗浄液の浴槽内壁面に対する衝突力を大きくすること
ができ、大きな洗浄能力を発揮することができる。

また、前記のように、ポンプを小型化できるので、こ
のポンプを組み込んだ洗浄装置を小型にすることがで
き、本考案の優れた装置を浴室の有効利用空間を大きく
狭めることなく設置することが可能となる。

さらに、本考案は洗浄液を浴槽側からポンプ側に戻す
戻り管に戻り管開閉弁を介設しているから、洗浄液の循
環噴射後、給水管から供給される洗浄水を洗浄ノズルに
供給するとき、戻り管開閉弁を閉めることで、洗浄水が
戻り管を通って浴槽内に入り込むのを防止することがで
き、これにより、洗浄ノズルから強い噴出圧で洗浄水を
浴槽内壁面に向けて噴射することができ、洗浄液と汚れ
成分を効果的に洗い流すことができる。さらに、洗浄ノ
ズルから浴槽内に噴射された洗浄液を加熱源を介して洗
浄ノズルに循環供給するポンプ内蔵の循環管路およびそ
の洗浄液の循環噴射を制御する制御部を設けたので、洗
浄液を化学的洗浄能力が高まる最適温度に維持しながら
ポンプ駆動により循環させて繰り返し使用することが可
能となり、浴槽を効果的に洗浄でき、しかも、上記の如
く、洗浄液を繰り返し使用するので、洗浄液を繰り返し
使用せずに排出してしまうというような洗浄液（洗剤）
使用上の無駄を省くことができ、非常に経済的である。
さらに、上記の如く、洗浄液を繰り返し使用するので、
洗剤の使用量が少なくて済み、浴槽洗浄の度に多量の洗
剤が使用されて排出され環境汚染の問題となることが回
避され、環境汚染防止に貢献するという優れた効果を奏
することができる。さらに、前記の如く、循環管路を洗
浄液がポンプ駆動により循環するので、浴槽洗浄を行う
度に循環管路も良好に洗浄することができる。

特に、浴槽洗浄時に給水開閉弁を開動作させて洗剤と
混合する洗浄水を浴槽底面にポンプ運転に必要な量溜め
る制御構成を備えることにより、洗浄水と洗剤が混合し
た洗浄液が浴槽底面に溜まる量はポンプ運転に必要な少
量となるので、洗浄ノズルから浴槽底面に噴射される洗
浄液の噴射衝突力は浴槽底面に溜まっている洗浄液によ
って大きく弱められることがなく、強い衝突力を浴槽底
面におよぼすことができることとなり、これにより、浴
槽内壁面の全領域にわたって汚れをきれいに落とすこと
ができることになる。

また、加熱源を制御して洗浄ノズルに供給される循環
洗浄液を化学的洗浄力を発揮させる設定温度に加熱制御
する構成を備えることによって、洗浄ノズルから噴射さ
れた洗浄液が再び循環管路に回収されるまでの温度低下
分を加熱源によって再び化学的洗浄力を発揮する最適温
度に加熱補償して洗浄ノズルから循環噴射できるので、
洗浄液の温度の低下に起因する洗浄能力の低下を防止で
き、これにより、洗浄の開始から終了に至るまで高い洗
浄能力を維持して効率よく浴槽洗浄を行うことができ、
浴槽洗浄の信頼性を十分に高めることができる。

さらに、洗剤供給源が洗剤供給管を介して循環管路に
接続され、給水管から供給される水道水等の洗浄水と洗
剤とが循環管路内で混合されて浴槽に達するまでに洗浄
液が作り出される構成であるので、洗浄水と洗剤とを混
合するための容器（タンク）をわざわざ浴槽底部側に設
ける必要がなく、洗浄装置を取り付ける際に上記容器を
設ける手間が省け、施工工事が簡単になるばかりでな
く、上記の如く、洗浄水と洗剤を混合するための容器を
設けない分、装置の小型化を図ることができる。さらに
また、上記の如く、洗浄水と洗剤とを循環管路で混合さ
せるので、洗剤が循環管路に投入されて洗浄水と共に浴
槽に達するまでの間に、水流によって洗剤は攪拌され、
均一な洗浄液が作り出されることとなることから、洗剤
が沈澱して洗浄水とよく混ざらない等の問題が回避さ
れ、洗剤と洗浄水とが均一に混ざり合った洗浄液を洗浄
液の循環駆動を行う前に短時間で浴槽内に作り出すこと
ができるという優れた効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る浴槽洗浄装置の一実施例を示すシ
ステム構成図、第２図は同実施例の洗浄動作の一例を示
すフローチャートである。１…浴槽、２…排水管、３…排水弁、4a,4b…洗浄ノズ
ル、5a,5b…分岐供給管、6a,6b…ノズル開閉弁、７…加
熱器、８…熱源出口管、10…戻り管、11…戻り管開閉
弁、12…ポンプ、13…水流センサ、14…温度センサ、15
…洗剤供給管、16…洗剤開閉弁、17…洗剤タンク、18…
管路、20…熱交換器、21…給水開閉弁、22…給水管、23
…制御部、24…リモコン、25…洗浄ボタン。

フロントページの続き (72)考案者深山富志夫神奈川県大和市深見台３丁目４番地株式会社ガスター内 (72)考案者岡野俊也神奈川県大和市深見台３丁目４番地株式会社ガスター内 (56)参考文献特開平２−86884（ＪＰ，Ａ) 特開昭49−116869（ＪＰ，Ａ) 特開昭53−145365（ＪＰ，Ａ) 実開昭62−4272（ＪＰ，Ｕ) 実開昭62−73872（ＪＰ，Ｕ) 実開昭58−71372（ＪＰ，Ｕ) 実開平４−17755（ＪＰ，Ｕ) 実公昭48−13185（ＪＰ，Ｙ１)

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】互いに異なる場所に設けられて浴槽の壁面
に洗剤含有の洗浄液を噴射する複数の洗浄ノズルと、こ
の洗浄ノズルから浴槽内に噴射された洗浄液を加熱源を
介して洗浄ノズルに循環供給するポンプ内蔵の循環管路
およびその洗浄液の循環噴射を制御する制御部と、この
循環管路に給水開閉弁を介して接続される給水管とを備
え、前記循環管路は浴槽から洗浄液をポンプに導く戻り
管と、ポンプから供給される洗浄液を各洗浄ノズルに導
く分岐供給管とを有し、この循環管路には洗剤を導く洗
剤供給管を介して洗剤供給源が接続され、前記戻り管の
入口端は浴槽底壁に直接連通され、この戻り管には戻り
管開閉弁が介設され、前記各分岐供給管にはノズル開閉
弁が介設されており、前記制御部は前記給水開閉弁を開
動作させて洗剤と混合する洗浄水を浴槽底面に前記ポン
プ運転に必要な量溜める制御構成と、洗浄水と洗剤が混
合した洗浄液の循環噴射に際し前記各ノズル開閉弁の開
閉を制御して複数の洗浄ノズルを１個ずつ選択的に切り
換え前記循環管路から供給されてくる洗浄液の全てを選
択された唯１個の洗浄ノズルから循環噴射させる制御構
成とを備えている浴槽洗浄装置。
【請求項２】互いに異なる場所に設けられて浴槽の壁面
に洗剤含有の洗浄液を噴射する複数の洗浄ノズルと、こ
の洗浄ノズルから浴槽内に噴射された洗浄液を加熱源を
介して洗浄ノズルに循環供給するポンプ内蔵の循環管路
およびその洗浄液の循環噴射を制御する制御部と、この
循環管路に給水開閉弁を介して接続される給水管とを備
え、前記循環管路は浴槽から洗浄液をポンプに導く戻り
管と、ポンプから供給される洗浄液を各洗浄ノズルに導
く分岐供給管とを有し、この循環管路には洗剤を導く洗
剤供給管を介して洗剤供給源が接続され、前記戻り管の
入口端は浴槽底壁に直接連通され、この戻り管には戻り
管開閉弁が介設され、前記各分岐供給管にはノズル開閉
弁が介設されており、前記制御部は前記加熱源を制御し
て洗浄ノズルに供給される循環洗浄液を化学的洗浄力を
発揮させる設定温度に加熱制御する構成と、洗浄液の循
環噴射に際し前記各ノズル開閉弁の開閉を制御して複数
の洗浄ノズルを１個ずつ選択的に切り換え前記循環管路
から供給されてくる洗浄液の全てを選択された唯１個の
洗浄ノズルから循環噴射させる制御構成とを備えている
浴槽洗浄装置。
【請求項３】互いに異なる場所に設けられて浴槽の壁面
に洗剤含有の洗浄液を噴射する複数の洗浄ノズルと、こ
の洗浄ノズルから浴槽内に噴射された洗浄液を加熱源を
介して洗浄ノズルに循環供給するポンプ内蔵の循環管路
およびその洗浄液の循環噴射を制御する制御部と、この
循環管路に給水開閉弁を介して接続される給水管とを備
え、前記循環管路は浴槽から洗浄液をポンプに導く戻り
管と、ポンプから供給される洗浄液を各洗浄ノズルに導
く分岐供給管とを有し、この循環管路には洗剤を導く洗
剤供給管を介して洗剤供給源が接続され、前記戻り管の
入口端は浴槽底壁に直接連通され、この戻り管には戻り
管開閉弁が介設され、前記各分岐供給管にはノズル開閉
弁が介設されており、前記制御部は前記給水開閉弁を開
動作させて洗剤と混合する洗浄水を浴槽底面に前記ポン
プ運転に必要な量溜める制御構成と、前記加熱源を制御
して洗浄ノズルに供給される循環洗浄液を化学的洗浄力
を発揮させる設定温度に加熱制御する構成と、洗浄水と
洗剤が混合した洗浄液の循環噴射に際し前記各ノズル開
閉弁の開閉を制御して複数の洗浄ノズルを１個ずつ選択
的に切り換え前記循環管路から供給されてくる洗浄液の
全てを選択された唯１個の洗浄ノズルから循環噴射させ
る制御構成とを備えている浴槽洗浄装置。