JPS645536Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は化粧料を収容する容器体およびこれと
蝶番結合されたふたからなり、化粧用コンパクト
として周知の携帯用化粧品容器に関するものであ
り、詳しくは口紅などの別用途の棒状化粧用品を
併せて収納する部分を具えた携帯用化粧品容器に
関するものである。

従来技術とその問題点 練り或いは固形化粧料を入れた中皿およびその
塗布用パフのほかに、口紅，アイペンシル，刷毛
などの別用途の棒状化粧用品を収納する携帯用化
粧品容器はよく知られている。この従来品におい
て、中皿は本体の凹部に接着剤などで固定されて
いるので動いたり脱落したりする心配がないが、
棒状化粧用品を収納する凹所を前記凹部に並べて
設けるとその中で自由に動くものが多いので不用
意にふたを開き或いはふたを開いた後に傾けると
脱落するという不都合がある。このため凹所を小
さく作つて棒状化粧品との隙間をごく小さくする
か、またはばね力で押え固定することも考えられ
ているが、却つてとり出しにくいという欠点があ
つた。また、この欠点をなくすため凹所の側方に
押釦を設け、この押釦を押すことによつてふたが
開かれると同時に棒状化粧用品が持ち上げられる
ようにしたものもあるが（実開昭58−84008号公
報）、容器体の開放された面に露出して持ち上げ
られるので脱落しやすく、中皿の化粧料に用いる
化粧ブラシなどの収納には適するが別用途の棒状
化粧用品の収納には不適当である。

更に、容器体とふたとの蝶番部に筒状の収納部
を設けて別用途の棒状化粧用品を収納できるよう
にしたものもあるが（実開昭53−113800号公報）、
蝶番長手方向へ引き抜くものであるため収納部と
の嵌合状態が緩いと抜け落ちる心配があり、反対
に緊密であると引き抜きが困難である。

考案の目的 本考案は別用途の棒状化粧用品を安定よく収納
し、且つふたを開いたときに容易にとり出すこと
が可能となり或いはふたを開いたまま収納部に固
定することができ、従つて別用途の棒状化粧用品
を動き或いは脱落させる心配なく収納し且つ容易
にとり出すことができる携帯用化粧品容器を提供
することを目的としている。

考案の構成 前記の目的を達成するため本考案は、化粧料を
収容する容器体およびこれと蝶番結合されたふた
からなる携帯用化粧品容器において、蝶番部に隣
接して容器体に設けられた蝶番長手方向へ延びる
筒状の収納部と、この収納部の交叉方向へ可動に
配置されふたの開き動作に連動して収納部の棒状
化粧用品をとり出し方向へ移動させる可動部片
と、ふたを全開位置から少し閉じる方向へ回動す
るように働くばね部片とを具えた構成とした。

実施例 本考案の実施例を図面に基いて説明する。

練りまたは固形化粧料を入れた中皿が嵌装する
凹部１および収納部８を形成する端面半円状のく
ぼみ２を有する容器体３と鏡４を有するふた５と
が蝶番６によつて結合され、前記くぼみ２は容器
体３に組付け固定した端面半円状のカバー７で覆
われていて蝶番６に隣接し且つその長手方向へ向
つて延びる円筒状の収納部８を構成している。収
納部８の一つの端面は棒状化粧用品Ａを出し入れ
する開口部９によつて開放され、反対側の端面は
容器体３の側壁１０およびカバー７の側壁１１に
よつて閉塞され、またくぼみ２とカバー７には棒
状化粧用品Ａを収納部８に最も深く差込んだとき
その外側周面に設けた環状溝ａと係合する環状突
条１２が形成されている。

容器体３の蝶番６が設けられている側壁１３に
は蝶番ピン受６ａを挟んで窓孔１４およびばね部
片１５が設けられて居り、窓孔１４に続く案内溝
１６がくぼみ２の底に形成され、カバー７の側壁
１１の下面によつてとび出しを規制された可動部
片１７が案内溝１６に嵌装している。可動部片１
７は案内溝１６に従つて収納部８の長手方向に直
交して動くもので、棒状化粧用品Ａの先端面ｂに
接する傾斜面１８と、窓孔１４の縁に係合して脱
落を防ぐ段部１９とを有し、基端面２０は窓孔１
４から常時突出している。また、ばね部片１５は
側壁１３に片持ち式に一体形成された板ばねで構
成されている。

ふた５の両側端部に形成されている蝶番ピン受
６ｂ，６ｃは可動部片１７の基端面２０およびば
ね部片１５の自由端部２１にそれぞれ衝るように
なつている。

このように構成した本実施例は、棒状化粧用品
Ａを収納部８に差込んで環状溝ａを環状突条１２
と係合することによつて固定し携帯するもので、
ふた５を回動して開くとき全開からほぼ90度乃至
120度まで開いたときにふた５の一方の蝶番ピン
受６ａが可動部片１７の基端面２０に接触し、
180度回動して全開するまでに可動部片１７を収
納部８に深く押し込んで傾斜面１８が棒状化粧用
品Ａを押し、環状溝ａを環状突条１２から離脱し
て棒状化粧用品Ａを開口部９から少し突出させと
り出しやすい状態とするのである。

また、ふた５が全開近くなつたときもう一つの
蝶番ピン受６ｃがばね部片１５の自由端部に衝つ
て全開するまでにばね部片１５を押圧変位させ
る。従つて、ふた５を全開したときに手を離す
と、ばね部片１５の弾性復原力によつてふた５は
閉じる方向へ少し回動し、可動部片１７は収納部
８から抜け出す方向へ動くことができるようにな
る。このため、ふた５を開いたとき棒状化粧用品
Ａを収納部８からとり出すことができ、或いは不
要のときは押込んで再び固定することができる。

尚、棒状化粧用品Ａを収納部８に固定する手段
は、環状溝ａと環状突条１２との係合以外に部分
的な凹凸による係合、一部分で互いに緊密に接触
させることによる係合、ばね力を利用した固定な
どによることができる。また、ばね部片１５はふ
た５に設けてもよい。

考案の効果 本考案によると、蝶番部に隣接してその長手方
向へ延びる収納部を設け、この収納部に収納され
た棒状化粧用品をふたの開き動作に連動する可動
部片によつてとり出し方向へ移動させるようにし
たので、収納部との嵌合状態を緊密にして動き或
いは脱落させる心配なく収納しても、ふたを開く
動作によつて機械的な抜き出し力を発生して棒状
化粧用品を容易にとり出すことができる状態とす
るのである。また、ふたを全開としたとき少し閉
じる方向へばね部片によつて回動するので、可動
部片はふたに押されることなく自由に動き得る状
態となり、このため不要のときはふたを開いたま
ま棒状化粧用品を押込んで固定状態で収納するこ
とができ、別用途の棒状化粧用品の取扱いに便利
なものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
ふたを開いた斜視図、第２図はふたを閉じた斜視
図、第３図は容器体の斜視部分図、第４図はふた
の斜視部分図、第５図は第２図Ｘ−Ｘ線に沿う断
面図、第６図は第５図の横断面部分図、第７図は
第５図Ｙ−Ｙ線に沿う断面図、第８図、第９図は
その動作状況を示す図、第１０図は第５図Ｚ−Ｚ
線に沿う断面図、第１１図、第１２図はその動作
状況を示す図である。 １……凹部、３……容器体、５……ふた、６…
…蝶番、６ｂ，６ｃ……蝶番ピン受、７……カバ
ー、８……収納部、１５……ばね部片、１７……
可動部片、１８……傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 化粧料を収容する容器体およびこれと蝶番結合
   されたふたからなる携帯用化粧品容器において、
   蝶番部に隣接して容器体に設けられた蝶番長手方
   向へ延びる筒状の収納部と、この収納部の交叉方
   向へ可動に配置されふたの開き動作に連動して収
   納部の棒状化粧用品をとり出し方向へ移動させる
   可動部片と、ふたを全開位置から少し閉じる方向
   へ回動するように働くばね部片とを具えたことを
   特徴とする携帯用化粧品容器。