JPH0433056Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、化粧筆を内装した化粧料容器に関す
るものである。

〔従来の技術〕

従来より、口紅等の練状あるいは粉状の化粧料
を充填した皿体及び化粧料を塗布する塗布具を収
納したコンパクトケースは数多く提案されてい
る。この種のコンパクトケースは、多種の化粧
料、及びそれに対応した塗布具を収納しなければ
ならない為、容器が大型にならざるを得なかつ
た。

そこで、実開昭58−171617号公報、実開昭60−
2414号公報等の、収納する化粧料及び対応した塗
布具を限定し、収納するケースを小型化する構成
が数多く提案されている。この種の構成は、限ら
れたスペースを有効に利用していなかつたり、ス
ペースを無駄なく使用したため使用しにくいもの
となつてしまつたりしていた。

しかし、実公昭60−38414号公報及び、実開昭
58−68216号公報等に見られる構成は、塗布具の
柄を容器の蓋体に利用しており、容器の大きさの
割に大きな塗布具を収納でき、塗布具を抜脱する
とすぐに化粧料が塗布できる為、使用し易い容器
となつていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、この容器は塗布具の先端を収納するス
ペースが必要な為、スペースの有効利用という点
から見ると、化粧料を収納するスペースが小さく
なつてしまつていた。また、この種の化粧料は鏡
を見ながら塗布する為、化粧料を収納したコンパ
クトケースには、鏡が必要不可欠であつた。しか
し、前述した構成では、化粧料を収納した面と同
一面には、鏡を設ける事が不可能であり、実公昭
60−38414号公報に見られる様に、化粧料と異な
る面に鏡を設けなければならず、使用しにくいも
のとなつていた。

〔課題を解決する為の手段〕 本体１は、横断面が半円形状で平面部のほぼ全
体に化粧料５が収容される凹所７を刻設する。

蓋体８は、横断面が半円形状で全長を本体１よ
り短く構成する。この蓋体８の端面は、前記本体
１の端面と開閉自在に蝶着する。また蝶番１３の
反対の端面には収納孔１２を穿設する。そして、
蓋体１の平面部に鏡１１を貼着する。

塗布具１４は、先端に前記蓋体８の収納孔１２
に挿入される塗布部１５と、透明の合成樹脂で構
成され横断面が半円形状で、蓋体８との長さの和
が本体１と同じ長さとなり、蓋体８とともに本体
１の平面部を被う柄１７とより構成する。

本考案は、上記本体１、蓋体８、及び塗布具１
４より構成し、塗布具１４の塗布部１５を蓋体８
の収納孔１２に挿入した状態の塗布具１４の柄を
本体１に係止させる化粧筆を内装した化粧料容器
である。

〔作用〕

携帯時には、蓋体８の収納孔１２に塗布具１４
の塗布部１５が収納された状態で蓋体８が閉じて
おり、本体１に塗布具１４の柄１７が係止してい
る。その結果、本体１の平面部と蓋体８及び塗布
具１４の柄７の平面部とが合わさつて容器体外形
状が円柱形状になつている。

使用時には、本体１と塗布具１４の柄１７の係
止を解除して、蓋体８及び塗布具１４を開く。そ
の結果、本体１の化粧料５と蓋体８の鏡１１が露
出し、塗布具１４を蓋体８より抜脱して、鏡１１
を見ながら化粧する事ができる。

使用後、塗布部１５の先端を蓋体８の収納孔１
２に挿入した後、蓋体８を閉じて、本体１に塗布
具１４の柄１７を係止させ、塗布部１５、化粧料
５、鏡１１を容器内に収納する。

〔実施例〕

本体１は、下蓋外殻２と、枠部材３とから成つ
ている。下蓋外殻２は、金属製のパイプを長手方
向に半分に切断した形状をしており、この下蓋外
殻２の内部に枠部材３を止着している。この枠部
材３は、合成樹脂製で半円柱形状をしており、平
面部４のほぼ全面には、口紅、リツプグロウ等の
化粧料５を充填した中皿６を収嵌する凹所７を刻
設している。

蓋体８は、上蓋外殻９と、収納部材１０とから
成つている。上蓋外殻９は、金属製のパイプを長
手方向に半分に切断した形状をしており、全長が
下蓋外殻２の約1/3程度になつている。この上蓋
外殻９の内壁に止着される収納部材１０は、平面
部に鏡１１を貼着している。また、収納部材１０
の一端面には、収納孔１２を穿設している。更
に、収納部材１０の収納孔１２の反対面は、本体
１の枠部材３の一端面と蝶番１３によつて約180
度開閉可能に蝶着している。そして、本体１の平
面部４と蓋体８の平面部とが合わさる様構成され
ている。

塗布具１４は、ブラシ毛、スポンジチツプ等を
植設した塗布部１５、塗布部１５を先端に設けた
軸１６、及び軸１６に連設した柄１７とより成つ
ており、この全長は本体１の全長より僅かに短い
ものとなつている。塗布部１５及び軸１６は、蓋
体８の収納部材１０に穿設された収納孔１２に挿
入可能に細く構成されている。柄１７は、透明の
合成樹脂製で蓋体８と同形状の半円柱形状をして
おり、本体１の全長の約2/3程度の長さとなつて
いる。つまり、蓋体８の長さと塗布具１５の柄１
７の長さの和は、本体１の長さと同じとなつてい
る。そして、蓋体８に塗布具１４を装着して、蓋
体８を閉じた場合、本体１、蓋体８、塗布具１４
を合わせた形状が円柱状になる様構成されてい
る。

枠部材３の先端面には、上方に係止爪１８が立
設されている。この係止爪１８の先端内壁には、
係止突起１９が突出している。そして、塗布具１
４の後端面に、前記係止突部１９が脱出可能に係
合する係止溝２０が刻設されており、蓋体８に装
着した塗布具１４が係合して、蓋体８を閉じた状
態で係止させる係止機構２１ａになつている。

この係止機構２１としては、本体１の枠部材３
の平面部４及び、塗布具１４の柄１７の平面部に
吸着し合う磁石２２を埋設した係止機構２１ｂで
も良い。また、係止爪１８′を本体１の枠部材３
の端面に枢軸２３により回動可能に軸着し、係止
爪１８′の下端をスプリング２４によつて弾発さ
せ、係止爪１８′の下端を押圧する事により塗布
具１４の係止溝２０との係合を解除可能にした係
止機構２１ｃでも良い。この場合、本体１の枠部
材３の平面部４に蓋体８の収納部材１０あるいは
塗布具１４の柄１７によつて圧縮されるゴム等の
弾性材２５を設けておけば、係止爪１８′の係止
を解除した時、蓋体８及び塗布具１４が弾性材２
５の弾発力により僅かに浮き上がり、蓋体８及び
塗布具１４が開き易くなる。

また、本体１の下蓋外殻２に板状に成形した枠
部材３′を止着して、枠部材３′の下方に空洞２６
を構成し、この空洞２６に鉄、鉛等の比重の大き
い重金属の重り２７を内装する。そして、この化
粧料容器の重心を本体１下方に移動させ起き上が
りこぼしの効果を持たせても良い。

〔考案の効果〕

本考案は以上の様に、塗布具１４の先端を収納
するスペースを蝶番１３で開閉可能に蝶着した蓋
体８に設ける事によつて、このスペースの裏面に
鏡１１を蝶着する事が出来、従来の塗布具１４の
収納スペースがあつた場所にも化粧料５を収納で
きる様になつている。従つて、容器内に無駄なス
ペースがなく、限られたスペースを最大限に利用
した容器となつている。

更に、使用時に於いては、本考案実施例の様に
蓋体８を約180度開閉可能にしておけば、蓋体を
開いた時、化粧料５の収納された面と同一面に鏡
１１が並び、塗布する際、障害となる凸凹もなく
なり、大変使用し易いものとなる。また、塗布具
１４の柄１７が透明な合成樹脂で成形されてお
り、外壁が曲面で構成されている為、柄１７が凸
レンズ状となり、容器に収容された化粧料５を外
部から拡大して見る事ができる。また、携帯時に
於いては、蓋体８及び塗布具１４を閉じた状態で
容器の外形状が円柱形状となる為、通常の棒状化
粧料容器と同じ形状となり違和感なく携帯できる
ものとなつている。

本体１内に重り２７を内装して起き上がりこぼ
しとした場合には、使用時に容器を机上等に置い
た場合、転がり落ちる事なく使用する事ができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、本考案実施例の斜視図。
第３図、第４図及び第５図は、それぞれその他の
実施例の部分拡大断面図。 １……本体、２……下蓋外殻、３……枠部材、
４……削除面、５……化粧料、６……中皿、７…
…凹所、８……蓋体、９……上蓋外殻、１０……
収納部材、１１……鏡、１２……収納孔、１３…
…蝶番、１４……塗布具、１５……塗布部、１６
……軸、１７……柄、１８……係止爪、１９……
係止突部、２０……係止溝、２１……係止機構、
２２……磁石、２３……枢軸、２４……スプリン
グ、２５……弾性材、２６……空洞、２７……重
り。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 横断面が半円形状で平面部のほぼ全体に化粧料
   ５が収容される凹所７を刻設した本体１と、横断
   面が半円形状で全長が本体１より短く構成され、
   前記本体１と端面で開閉自在に蝶着し、外蝶番１
   ３の反対の端面に収納孔１２を穿設し、平面部に
   鏡１１を貼着した蓋体８と、 先端に前記蓋体８の収納孔１２に挿入される塗
   布部１５を有し、透明の合成樹脂で構成され横断
   面が半円形状で、蓋体８との長さの和が本体１と
   同じ長さとなり、蓋体８とともに本体１平面部を
   被う柄１７を有した塗布具１４と、 より構成され、前記本体１に、蓋体８の収納孔１
   ２に塗布部１５を挿入した状態の塗布具１４の柄
   １７を係止させる事を特徴とする化粧筆を内装し
   た化粧料容器。