JPH0317772Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、口紅やアイシヤドー、あるいはマス
カラ塗布具等の棒状化粧具を着脱自在に備えたコ
ンパクトに関する。

〔従来の技術〕

従来、この種のコンパクトとして、実開昭59−
7711号公報や、実開昭59−16510号公報に記載さ
れたものが知られている。

実開昭59−7711号公報に記載されたものは、第
３図に示すように、化粧料を収納すべき受皿３１
に蓋体３２を蝶番で回動自在に取り付けるととも
に、受皿３１の一側に筒体３３を一体に形成し、
この筒体３３内に口紅等の棒状化粧具３４を着脱
自在に嵌挿するものである。

これに対し実開昭59−16510号公報に記載され
たものは、第４図に示すように、受皿３１に蓋体
３２を蝶番で回動自在に取り付けるとともに、受
皿３１と蓋体３２との間に棒状化粧具３４を挾持
できるようにするため、棒状化粧具３４の太さや
形状に合わせた凹部を受皿３１と蓋体３２の対向
面に形成したものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、これらはコンパクト本体と棒状化粧
具とを一体的に持ち運びができるようにしたもの
であるが、時にはそれらを別々にして携帯したい
場合もある。この点、実開昭59−7711号公報に記
載されたものは、棒状化粧具３４自体を外して
も、筒体３３は受皿３１に一体となつているまま
であるから、コンパクト本体のみを携帯したい場
合に、筒体３３のぶんだけ嵩張つてしまい、単独
での携帯に不便である。

また、実開昭59−16510号公報に記載されたも
のは、棒状化粧具３４を受皿３１と蓋体３２とで
挾持するものであるため、蓋体３２を開いた時に
棒状化粧具３４が外れて落下し、壊れるおそれ等
がある。

本考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、コンパクト本体と棒状化粧具とを一体的に携
帯することができるのみならず、別々に携帯する
にも便利で、しかも、コンパクト本体への棒状化
粧具の着脱が確実に行えて棒状化粧具が不用意に
外れて落下等したりしないコンパクトとすること
を技術的課題とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、前記技術的課題を解決するため、受
皿１内に化粧料を収容するとともに、この受皿１
に開閉自在の蓋体１１を取り付け、さらに、受皿
１の一側に棒状化粧具１５を着脱自在に取り付け
たコンパクトにおいて棒状化粧具１５の着脱係止
手段を次のように形成した。

すなわち、前記棒状化粧具１５の着脱係止手段
を、棒状化粧具１５側のクリツプ２１と、このク
リツプ２１を着脱自在に嵌合させる受皿１の嵌合
溝１６とで形成する。

前記クリツプ２１は、棒状化粧具から突出した
後、棒状化粧具の軸方向に沿つて形成してあり、
前記嵌合溝１６はクリツプ２１の形状に合わせて
形成する。

そして、嵌合溝１６を形成する部分は、棒状化
粧具１５を受皿１の一側に取付られれば、受皿１
の下面側でもよいが、この嵌合溝１６を受皿１の
上面側に形成し、上面側からクリツプ２１を嵌合
するように形成して、その上に蓋体１１が覆い被
さるようにすれば、棒状化粧具１５の係止が確実
となる。

なお、棒状化粧具１５としては、口紅やアイシ
ヤドー、マスカラ塗布具等それ自体化粧料を備え
ているものの他に、それ自体は化粧料を備えてい
ない、例えば軸の先端にブラシを設けた化粧料筆
等も考えられる。

〔作用〕

嵌合溝１６にクリツプ２１を嵌合することで、
受皿１に棒状化粧具１５を取り付け、この状態で
コンパクト本体と棒状化粧具１５とを携帯する。
また、別々に携帯する場合はクリツプ２１を嵌合
溝１６から外しておけばよい。その際、棒状化粧
具１５は万年筆のようにクリツプ２１で胸ポケツ
トに係止しておくことができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を第１図及び第２図に
基づいて説明する。

四角形の受皿１の上面に円形凹部２が形成さ
れ、その中に固形化粧料が充填されている。そし
て、円形凹部内の固形化粧料上には円形のパフ２
が収納されるようになつている。

この受皿１の後辺に、四角形の蓋体１１が蝶番
付けにより回動開閉自在に取り付けられて直方体
をしたコンパクト本体を形成している。この蓋体
１１の内面には鏡１２が張り付けられているとと
もに、内面の前端部分に係止突起１３が突設され
ている。

そして、この係止突起１３に対応して、受皿１
の前辺中央部分に係止突起１３に係脱する係止部
１４が形成されている。また、受皿１の一側たる
右辺にはコンパクト本体の高さに合わせて四角柱
に形成された棒状化粧具１５たる口紅を着脱自在
に取り付けられるようになつており、その着脱係
止手段として受皿１の右辺に嵌合溝１６が形成さ
れている。

この嵌合溝１６は受皿１の上面側から穿設され
ており、受皿１の右辺に直行して、受皿１の右側
面側を開放した第１溝１７と、この第１溝１７に
直行して連続するとともに受皿１の右辺に沿い、
受皿１の上面側を開放したやや長い第２溝１８と
で形成されている。

また、棒状化粧具１５の側部にも、着脱係止手
段としてクリツプ２１が突設されており、このク
リツプ２１は前記嵌合溝１６に対応して、棒状化
粧具１５の一側面に直行して突設された突出片２
２の先端に棒状化粧具１５の軸方向に沿う係止片
２３を連設したもので、突出片２２が前記嵌合溝
１６の第１溝１７内に嵌合し、係止片２３が第２
溝１８内に嵌合するようになつている。

そして、蓋体１１を閉じると、蓋体１１は嵌合
溝１６の上側を塞いで、嵌合溝１６内のクリツプ
２１が外れないように押さえるようになつてい
る。但し、蓋体１１で押さえなくとも、嵌合溝１
６内に密嵌している限り、クリツプ２１は嵌合溝
１６から容易には外れない。

〔考案の効果〕

本考案によれば、クリツプ２１を嵌合溝１６に
嵌合するだけでコンパクト本体と棒状化粧具１５
とを連結でき、携帯に便利であるとともに、コン
パクト本体たる受皿１側に着脱係止手段として嵌
合溝１６を形成するだけであるから、棒状化粧具
１５を取り外し、コンパクト本体と別々に携帯す
る場合であつても、コンパクト本体に着脱係止手
段が突出していたりすることがなく嵩張らず、
別々の携帯に便利である。

また、別々に携帯する際、クリツプ２１により
棒状化粧具１５を胸ポケツト等に係止しておくこ
とができ、この点でも別々の携帯に便利である。

さらに、クリツプ２１を嵌合溝１６に嵌合して
係止するため、不用意に外れることは無く、蓋体
１１の開閉により、棒状化粧具１５外れて落下す
るようなことはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す蓋体を開いて
棒状化粧具を外した状態の斜視図、第２図はその
組立斜視図、第３図及び第４図は従来例を示す斜
視図である。 １……受皿、１１……蓋体、１５……棒状化粧
具、１６……嵌合溝、２１……クリツプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 受皿１内に化粧料を収容するとともに、この受
   皿１に開閉自在の蓋体１１を取り付け、さらに、
   受皿１の一側に棒状化粧具１５を着脱自在に取り
   付けたコンパクトにおいて、 前記棒状化粧具１５の着脱係止手段は、棒状化
   粧具１５から突出した後、棒状化粧具１５の軸方
   向に沿つて形成したクリツプ２１と、このクリツ
   プ２１の形状に合わせて受皿１に形成され、前記
   クリツプ２１を着脱自在に嵌合させる嵌合溝１６
   であることを特徴とするコンパクト。