JPS643645Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、石材、コンクリート、アスフアルト
舗装等の切削に用いられる切削用刃物に関する。

（従来技術） 従来のこの種の切削用刃物は、例えば円盤状に
形成してなる基板の外周縁に、細粒のダイヤモン
ドを混入した焼結合金からなり且つ前記基板より
も硬質とした切削刃を、所定間隔あけてロウ付け
により固着している。

ところが以上の刃物では、使用時、前記切削刃
で切削された石材等の被切削片が該切削刃の基部
周辺に廻り込むため、前記基板における前記切削
刃の取付部周辺が、前記被切削片により削られて
摩耗し、前記切削刃よりもその肉厚が薄くなり易
すく、従つて、前記切削刃の切削効果が今だ有効
であるにもかかわらず、刃物として使用出来なく
なるという問題があつた。

以上の問題に対し、前記基板における前記切削
刃の取付部近くで、かつ隣接する切削刃間に、別
途形成した超硬合金のチツプを設けたものも見受
けられるが、以上のものでは、部品点数も多くな
るばかりか、前記チツプを更にロウ付けする必要
があり、それだけ組付手間を要するものであつ
た。

（考案の目的） 本考案はこのような実情に鑑みて考案したもの
で、目的とするところは、極めて簡単な構造で従
来よりも耐久性に優れた主として石材の切削用刃
物を提供せんとするにある。

（考案の構成） 而して本考案は、円盤状の基板１の外周縁に、
細粒のダイヤモンドを混入した焼結合金からなる
前記基板１よりも硬質の切削刃２を、多数固着し
た主として石材の切削刃物において、前記各切削
刃２を、細粒のダイヤモンドを混入した刃部３と
該ダイヤモンドを混入しない支持部４とから形成
し、前記支持部４を前記基板１の外周縁に固着し
て、前記刃部３と基板１との間に前記支持部４を
介装させ、かつ、前記刃部３の外周に、該外周か
ら前記支持部４に至り、前記基板１には介入しな
い多数の隙間部ｓを形成したことを特徴とするも
のである。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

図において１は、円盤状に形成した鉄板からな
る基板であつて、該基板１の中央には切削装置へ
の取付孔１１と、セツトピンの挿嵌孔１２とを穿
設している。

又２，２…は、前記基板１の外周縁に固着する
切削刃であつて、該切削刃２，２…を次の如く形
成するのである。即ち、前記切削刃２，２…は、
刃部３と前記基板１への支持部４とから成り、該
支持部４の長さ方向両端を前記刃部３の両側より
一部突出させて突出片４１，４１を設け、該切削
刃２，２…の前記基板１への周設に伴ない、第１
図に示す如く前記突出部４１，４１をして隣接す
る刃部３，３間に、これら各刃部３の外周から前
記支持部４に至り、前記基板１には介入しない所
定の隙間部ｓを形成する如く成している。

而して以上の切削刃２は、金型内に、例えば
鉄、タングステン、チタンなどからなる金属パウ
ダーを充填するとともに、前記金型内の前記刃部
３に該当する部位にのみ細粒の工業ダイヤモンド
を混入して、前記支持部４には前記工業ダイヤモ
ンドを混入せずにおき、前記金属パウダーを、加
圧成形後に焼結させることで、前記基板１よりも
硬質の刃部３と支持部４とを備えた焼結合金から
なる切削刃２と成したものである。

又図に示す実施例では、第２図に示す如く、前
記支持部４の肉厚を基板１の肉厚と同一に形成す
る一方、刃部３の肉厚を前記基板１の肉厚よりも
厚く形成しているのであつて且つ以上の如く構成
した切削刃２，２…を前記基板１の外周に連続状
に配置して、前記支持部４，４の端縁を前記基板
１の外周縁にロウ付けにより固定したのである。

以上の構成からなる刃物によれば、使用時、前
記刃部３で切削された被切削片の一部が、前記隙
間部ｓを介して前記刃部３から前記基部周辺に向
かつて廻り込もうとしても、前記隙間部ｓの深さ
を、特に刃部３の外周から該刃部３と基板１との
間に介装する前記支持部４に至り、前記基板１に
は介入しない深さに形成したので、前記支持部４
が前記被切削片の基板１周辺への回り込みを阻止
して、前記被切削片による前記基板１の摩耗を防
止できるのである。

また、前記被切削片の一部は前記隙間部ｓを介
して、前記刃部３から前記支持部４に向つて廻り
込み、該支持部４の外側面が前記被切削片によつ
て削られるが、該支持部４は、前記刃部３と同
様、硬質の焼結合金から形成されているので、摩
耗の度合が極めて小さく、従つて長期に亘つて使
用するも、前記刃部３は、前記支持部４を介して
前記基板１に対し常に強固に保持され、それだけ
効率よく該刃物を使用することが出来るのであ
る。

尚以上の実施例では、前記支持部４の肉厚を基
板１の肉厚と同一に形成し、刃部３の肉厚を前記
基板１の肉厚よりも厚く形成したが、前記支持部
４と刃部３を同一肉厚としかつ、これら支持部４
及び刃部３の肉厚を前記基板１の肉厚よりも厚く
形成してもよい。

（考案の効果） 以上の如く本考案によれば、基板よりも硬質で
ある切削刃を、細粒のダイヤモンドを混入した刃
部と該ダイヤモンドを混入しない支持部とから形
成し、前記支持部を前記基板の外周縁に固着し
て、前記刃部と基板との間、換言すれば、該刃物
の使用時において被切削片により削られ易すい前
記基板の外周部位に、硬質の支持部を、かつ、前
記刃部の外周に、該外周から前記支持部に至り、
前記基板には介入しない多数の隙間部を形成した
ので、前記支持部４が前記被切削片の基板１周辺
への回じ込みを阻止して、前記被切削片により前
記基板１の摩耗を防止できるのであり、しかも、
前記支持部４は前記刃部３と同様、硬質の焼結合
金から形成されているので、該支持部４の前記切
削片による摩耗の度合いが極めて小さく、これに
より、長期に亙つて使用するも前記刃部３は前記
支持部４を介して前記基板１に強固に保持され、
それだけ効率よく該刃物を使用することができる
のである。

従つて、従来の如くすぐに切削刃の取付部近傍
が摩耗するようなことがなく、刃物として長期に
亘つて使用することが可能となるに至つたのであ
り、それでいながら従来の如く超硬合金のチツプ
を別途形成して組付けるものに比して、構成部品
の点数も少なく、それだけ組付手間も簡単とな
り、全体として極めて簡単な構造でありながら耐
久性に優れた切削用刃物を提供することが出来る
に至つたのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる切削用刃物の１実施例
をを示す正面図、第２図は第１図−線拡大断
面図、第３図は切削刃の正面図である。 １……基板、２……切削刃、３……刃部、４…
…支持部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円盤状の基板１の外周縁に、細粒のダイヤモン
   ドを混入した焼結合金からなる前記基板１よりも
   硬質の切削刃２を、多数固着した主として石材の
   切削刃物において、前記各切削刃２を、細粒のダ
   イヤモンドを混入した刃部３と該ダイヤモンドを
   混入しない支持部４とから形成し、前記支持部４
   を前記基板１の外周縁に固着して、前記刃部３と
   基板１との間に前記支持部４を介装させ、かつ、
   前記刃部３の外周に、該外周から前記支持部４に
   至り、前記基板１には介入しない多数の隙間部ｓ
   を形成したことを特徴とする主として石材の切削
   用刃物。