JPS6411725B2 - - Google Patents

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JPS6411725B2
JPS6411725B2 JP12505184A JP12505184A JPS6411725B2 JP S6411725 B2 JPS6411725 B2 JP S6411725B2 JP 12505184 A JP12505184 A JP 12505184A JP 12505184 A JP12505184 A JP 12505184A JP S6411725 B2 JPS6411725 B2 JP S6411725B2
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JP
Japan
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polybutylene terephthalate
discharge hole
cross
hollow
filament
Prior art date
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Application number
JP12505184A
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English (en)
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JPS616309A (ja
Inventor
Masato Yoshimoto
Shinji Oowaki
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
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Publication of JPS616309A publication Critical patent/JPS616309A/ja
Publication of JPS6411725B2 publication Critical patent/JPS6411725B2/ja
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明はポリブチレンテレフタレートマルチフ
イラメント及びその製造法に関し、更に詳しくは
断面方向及び長手方向に収縮差を有し、且つ長手
方向に太さ斑を有するポリブチレンテレフタレー
トフイラメントから成るマルチフイラメント及び
その製造法に関する。 (従来技術) 従来からポリブチレンテレフタレート(以下、
PBTと示すことがある)は、その機能面、例え
ば成形性、寸法安定性、耐薬品性等の優れた性能
でエンジニアリングプラスチツク材料として周く
使用されている。そして、近年、衣料用素材とし
ても、PBTから成るマルチフイラメントは高染
色性、低ヤング率、良好な弾性回復率等の優れた
性能を有するので種々検討されている。 しかしながら、PBTマルチフイラメントを用
いて得られる織編物は、ポリエチレンテレフタレ
ート(以下、PETと示すことがある)から成る
マルチフイラメントを用いたものに比較して、
“ぬめり”感が極めて強く、且つ、光沢もギラギ
ラした金属光沢の外観を呈するため、審美性及び
風合いの面で極めて劣り、安物のイメージが強か
つた。 このため、PBTマルチフイラメントは、PET
マルチフイラメントが適用できない分野、例えば
高弾性回復率が要求されるパンテイストツキン
グ、体育衣料用等の分野にしか用いられていない
のが現状である。 一方、最近、衣料分野の個性化、多様化に対応
し、前記の如きPBTマルチフイラメントの長所
を生かし、且つ審美性を高める試みがなされてい
る。 例えば、特開昭59−30910号公報では、PBTと
実質的に相溶性のない熱可塑性重合体(スチレン
及び/又はメタアクリレート)がブレンドされて
いるPBTを溶融紡糸して得られる紡出糸を不均
一延伸することによつて、長手方向に太さ斑を有
するフイラメントから成るPBTマルチフイラメ
ント(以下、PBT太細糸と称することがある)
が提案されている。 かかるPBT太細糸は、フイラメントの長手方
向の太さ斑と、太さ斑に基づく収縮差による若干
の嵩高性とを有しているため、従来のPBTマル
チフイラメントのものに比較して審美性及び風合
いは共に改良されているものの、その程度は未だ
充分とは言える水準ではなかつた。 しかも、PBTと前記熱可塑性重合体とをブレ
ンドするため、ブレンド斑が生じやすく、製造工
程も複雑になるので工業生産的見地からも好まし
くない。 これに対し、前記不均一延伸を施すことなく実
質的に単一ポリエステルから長手方向に太さ斑と
収縮差とを有するフイラメントから成るマルチフ
イラメントを製造する方法が特開昭54−42415号
公報及び特開昭55−51809号公報(米国特許第
4332757号及び米国特許第4349604号)にて提案さ
れている。 この方法は単一の紡糸口金に配置されている或
る角度で対向し、且つ吐出断面積が異る1対の吐
出孔を通して2つの流速差を有するポリエステル
の流れを吐出し、口金面直下で、前記1対の吐出
孔の吐出断面積が大なる吐出孔から吐出した低速
重合体流に、吐出断面積が小なる吐出孔から吐出
した高速重合体流を衝突・振動させつつ接合せし
めてから、これを急冷して巻き取るものであつ
て、得られるマルチフイラメント(以下、パルシ
ングヤーンと称することがある)を構成するフイ
ラメントは、その長手方向に太さ斑と収縮差とを
有し、且つ断面方向にも収縮差を有しているた
め、PBT太細糸の製造に応用しても前記PBT太
細糸よりも嵩高性を呈することができる。 しかしながら、かかるフイラメントから成る
PBTマルチフイラメントでも、依然として審美
性及び風合いを共に満足し得る水準の織編物は得
られなかつた。 しかも、前記パルシングヤーンは紡糸してから
更に延伸を施すと、長手方向及び断面方向の収縮
差が消失する欠点を有しているので、極めて大き
な収縮率の紡出糸でも延伸を施すことなく使用せ
ざるを得ない。このため、パルシングヤーンを用
いた織編物ではシボ状の収縮斑や染色斑が発生す
ることがあり、染色条件及び仕上条件が大巾に制
約を受けるため実用に供し得なかつた。 (発明の目的) 本発明の第1の目的は、審美性及び風合いを共
に満足し得る水準の織編物が得られるPBTマル
チフイラメント及びその製造法を提供することに
ある。 本発明の第2の目的は、延伸を施して実用に供
し得る力学的性質を付与し、且つ審美性及び風合
を共に満足し得る水準の織編物が得られるPBT
マルチフイラメント及びその製造法を提供するこ
とにある。 (構成) 本発明者等は、前記目的を達成すべく検討した
ところ、PBTマルチフイラメントから成る織編
物の“ぬめり”感及び金属光沢を解消せしめるに
は、熱処理によつて充分な嵩高性を発現できると
共に、フイラメントの長手方向に太さ斑を有し、
且つ不透明感を呈するPBTマルチフイラメント
が有利であることを知つた。 本発明者等は、かかるPBTマルチフイラメン
トについて更に検討した結果、長手方向に太さ斑
を有していると共に、長手方向及び断面方向に大
きな収縮差を有している扁平中空フイラメントで
構成されているPBTマルチフイラメントが有効
であることを見い出し、本発明に到達した。 即ち、本発明は、ポリブチレンテレフタレート
から成るフイラメントで構成されているマルチフ
イラメントにおいて、構成フイラメントが扁平で
且つ長軸方向の外周部に該長軸を挾んで互いに対
向する1対の凹部を有していると共に、前記1対
の凹間部に在る短軸に対して非対称である断面形
状と、フイラメントの長手方向の太さ斑とを有す
る偏心中空フイラメントであつて、該中空部が前
記フイラメント断面において短軸に平行な直線が
最大になる側に在り、且つ該短軸によつて分割さ
れる前記中空部存在部分の配向度がこれに隣接す
る中実部分の配向度よりも大であることを特徴と
するポリブチレンテレフタレートマルチフイラメ
ントであり、吐出断面積が異る1対の吐出孔をス
リツトにより互いに連結せしめ、且つその吐出断
面積の大なる吐出孔を複数のスリツトで中空部を
形成する中空吐出孔とし、他方の吐出面積の小な
る吐出孔を単一吐出孔とした紡糸口金の吐出孔を
通して溶融せしめたポリブチレンテレフタレート
重合体を吐出し、その際、前記1対の吐出孔のう
ち吐出断面が大なる吐出孔から吐出したPBT重
合体流の吐出速度を、他方の吐出断面積が小なる
吐出孔から吐出したPBT重合体流のそれよりも
低速とせしめることにより、前記低速PBT重合
体流に高速PBT重合体流を衝突、バウンドさせ
つつ接合させ、次いで冷却固化させてから引取る
ことを特徴とするポリブチレンテレフタレートマ
ルチフイラメントの製造法である。 本発明を図面により説明する。 第1図は本発明のマルチフイラメントを構成す
るフイラメントの断面図、第2図は本発明のマル
チフイラメントを構成するフイラメントの長手方
向の側面図及び前記側面図を90゜回転せめた正面
図、第3図は本発明のマルチフイラメントのウー
スター斑を示すグラフ、第4図は本発明のマルチ
フイラメントの断面図、第5図は本発明のマルチ
フイラメントを得るための紡糸口金の吐出孔断面
図、第6図は第5図の吐出孔からフリーフオール
でPBTを吐出した直後のフイラメントを横断面
に沿つて切断した際のフイラメント斜視図を夫々
示す。 第1図において、nは長軸、cは短軸、x,
x′は長軸nを挾んで互いに対向する1対の凹部、
eは中空部、mはフイラメント断面で短軸cに平
行な直線のうちで最大値を示す直線の長さ、gは
中空部eを含む断面において短軸cで分割される
中空部分、hは同じく短軸cで分割される中実部
分であつて、gの部分の断面積はh部分のそれよ
りも常に大である。 本発明のマルチフイラメントにおいて、その構
成するフイラメントの断面形状が第1図a,bに
示す如く扁平であつて長軸nを挾み互いに対向す
る1対の凹部(x,x′)を結ぶことによつて形成
される短軸cに対して非対称で、且つg部分、即
ち最大直線長mを有する側に中空部eが存在する
ものである。 そして、前記断面形状を有するフイラメント断
面のg部分の配向度がh部分の配向度よりも高い
と共に、フイラメントの長手方向に第2図に示す
様な太さ斑を有している。 第2図a,bは本発明のマルチフイラメントを
構成するフイラメントの側面図及び前記側面図を
90゜回転せしめた正面図を夫々示す。 本発明のマルチフイラメントを構成するフイラ
メントの長手方向の太さ斑は、第2図a,bに示
す様に、長手方向に対してh部分の断面積がg部
分の断面積よりも大巾に変化しつつ接合している
のである。 この様に、本発明のマルチフイラメントを構成
するフイラメントは、その断面において第1図に
示す如く中空部を含む断面積がh部分よりも大き
いg部分の配向度が高く、且つ後述する様に紡糸
時に大きな剪断力を受けるためにg部分が中実で
ある場合よりも極めて高い配合度となると共に、
PBTの特性を充分に利用できるので、長手方向
の太さ斑と相俟つて従来のPBT太細糸は勿論の
こと、パルシングヤーンよりも一層大きな収縮力
を有することができる。 しかも、かかるフイラメントは長手方向に大き
な太さ斑のある中空フイラメントであるため、従
来の中実フイラメントに比較してより一層不透明
感(ダル効果)を呈することができる。 このため、本発明のマルチフイラメントから成
る織編物は、前記収縮差による大きな嵩高性と、
フイラメント自身のダル効果とを併せ有すること
ができるので、PBTマルチフイラメント特有の
“ぬめり”感及び金属光沢を著しく減少すること
ができる。 本発明において、フイラメント断面形状の好ま
しい態様としては、第1図aに示す様な略まゆ形
を呈するもの、或いは第1図bに示す様な略二等
辺三角形を呈するものが好ましい。特に、略二等
辺三角形の断面形状を有するフイラメントでは独
特な光沢を呈することができ好ましい。 そして、かかる扁平中空フイラメントにおける
g部分の中空率は2〜40%、特に好ましくは10〜
35%が好ましい。 ここで、前記中空率が2%未満の場合にはマル
チフイラメントのダル効果が不足する傾向がある
と共に、断面方向の配向度差が小さくなる傾向が
ある。一方、中空率が40%を越える場合には製糸
時に中空割れが生じて断糸が発生し易くなる傾向
がある。 この様な扁平中空フイラメントの断面における
g部分の中空部eを含む断面積Sgとh部分の断
面積Shとの比(Sg/Sh)は1.2〜3、特に1.5〜
2であることが好ましい。 但し、前記中空率及び断面積Sg及びShはフイ
ラメント断面の顕微鏡写真から求めたものであ
る。 また、本発明のマルチフイラメントを構成する
フイラメントの長手方向には、第2図a,bに示
す如く、フイラメントの長手方向にh部分がg部
分に巻付くことなく接合しているため、その長手
方向の変形度、即ち太さ斑が大きく好ましいもの
である。 そして、この様な長手方向に大きな太さ斑を有
するフイラメントで構成されている本発明のマル
チフイラメントは当然その断面方向にも大きに太
さ斑を有している。このことは第3図に示す、本
発明のマルチフイラメントのウースター斑のグラ
フ(u%と称す)からも明らかである。 尚、かかるウースター斑はツエルベーガーウー
スター社製のウースターイブネステスターモデル
Cにより測定したものである。 この様に測定したマルチフイラメントのu%は
2〜20%、特に好ましくは3〜15%が好ましい。
ここで、マルチフイラメントのu%が2%未満の
場合には、長手方向の太さ斑が少ないため、充分
な嵩高性が得られない傾向にあり、u%が20%を
越えると、紡糸時にフイラメント間の密着による
フイラメント切れ及び/又は断糸が発生し易い傾
向がある。 また、本発明のマルチフイラメントを構成する
フイラメントの長手方向には第1図に示す様な大
きな太さ斑〔山から山の長さ(L)が0.5〜3m〕が
ランダムに存在するため、かかるフイラメントか
ら成るマルチフイラメントの任意断面において
は、第4図に示す様に、あたかもデニール差を有
するフイラメントが混繊されているのと同様な効
果を呈する。 一般に、第4図に示す様なデニール差を有する
フイラメントが混繊されている場合、断面積の大
きい(太デニール)フイラメントは断面積の小さ
い(細デニール)フイラメントよりも収縮率が大
きいため、熱処理によつて、太デニールフイラメ
ントは収縮して張力担持体となり、細デニールフ
イラメントはマルチフイラメントの外側に張り出
すので、腰があり且つ柔なタツチの風合を呈する
ことができる。 以上、述べてきた本発明のマルチフイラメント
は、第5図に示す吐出孔を有する紡糸口金を採用
する本発明の製造法によつて初めて得ることがで
きる。 第5図は本発明の製造法で採用する紡糸口金の
吐出孔断面図であつて、1a〜1c,2,3は
夫々重合体流を吐出する吐出孔であつて、4は1
a〜1cで示される複数のスリツトで形成される
中空部、2は単一吐出孔、3は1a〜1cのスリ
ツト及び中空部4からなる中空吐出孔と、単一吐
出孔2とを連結するスリツト、lA2は単一吐出孔
の内径、l及びWはスリツト3の幅及び長さ、
lA1及びlB1は中空吐出孔の外径及び内径を夫々示
す。 かかる吐出孔の特徴は、吐出断面積が異なる1
対の吐出孔として、吐出断面積の大なる吐出孔に
複数のスリツト1a〜1cで構成される中空吐出
孔を、他方の吐出断面積の小なる吐出孔に単一吐
出孔2を夫々採用したことと、中空吐出孔と単一
吐出孔2とをスリツト3で連結したことにある。 そして、本発明のマルチフイラメントの製造法
では、紡糸口金面直下で第5図の吐出孔の中空吐
出孔から吐出されたPBT重合体流に、前記PBT
重合体流の流速よりも高速である単一吐出孔2か
ら吐出されたPBT重合体流を衝突、バウンドさ
せつつ接合せしめ、冷却固化後に引取ることが必
要である。 この様な本発明のマルチフイラメントの製造法
を採用することによつて、得られるマルチフイラ
メントを構成するフイラメント内及びフイラメン
ト間の収縮差を大にしてマルチフイラメントの収
縮力を向上せしめることができると共に、マルチ
フイラメントの長手方向の高収縮部分及び低収縮
部分を分散せしめることができるのである。 ここで、前記第5図の吐出孔において、中空吐
出孔のスリツト1a〜1cの合計吐出断面積
(S1)と単一吐出孔2の吐出断面積(S2)とを等
しくすると、紡糸口金直下での重合体流の衝突・
バウンドがあまりにも激しくなるため安定な紡糸
が困難となる。 また、中空吐出孔と単一吐出孔2とがスリツト
3で連結されてない吐出孔を用いた場合には、得
られるマルチフイラメントのフイラメント内及び
フイラメント間の収縮差は不充分となる。 本発明の製造法によつて得られるマルチフイラ
メントを構成するフイラメントは、第1図a,b
に示す断面形状を有する扁平中空フイラメントで
あつて、断面方向には、第5図の中空吐出孔から
吐出されたPBT重合体流に単一吐出孔3から吐
出されたPBT重合体流が接合した接合部で分割
される中空部存在部分の配向度がこれに隣接する
中実部分の配向度よりも大であると共に、第2図
a,bに示す如く長手方向には太さ斑を併せ有し
ているのである。 尚、第1図にいて、x,x′で示される1対の凹
部は第5図の中空吐出孔から吐出されるPTB重
合体流に単一吐出孔2から吐出されるPBT重合
体流が接合した接合部である。 そして、かかるフイラメント断面において断面
積がh部分よりも大であるg部分の配向度をh部
分の配向度よりも大とできると共に、PBTの特
性を充分に利用できることが本発明の製造法の特
徴の1つであり、この様なフイラメントに弛緩熱
処理が施されると、断面積の大なるg部分の収縮
がh部分の収縮よりも大となる結果、大きな収縮
力を呈することができることは前述の通りであ
る。 本発明の製造法によつて、かかるフイラメント
が得られる理由は次の様に考えられる。 即ち、一般的に、中空吐出孔を構成している各
スリツト、及び単一吐出孔を通過するPBT重合
体流の流速が互いに等しいならば、中空吐出孔の
複数スリツトの合計圧力損失は単一吐出孔よりも
大となる。 しかしながら、中空吐出孔と単一吐出孔2とを
スリツト3を介して同一吐出孔内に併有している
第5図に示す吐出孔においては、両孔の圧力損失
が等しくなる様に両孔を通過するPBT重合体流
間に流速差が生じる。このため、中空吐出孔のス
リツト巾、単一吐出孔2の内径lA2等を調整する
ことによつて、中空吐出孔の1a〜1cのスリツ
トよりも単一吐出孔2から吐出されるPBT重合
体流の時速が速くなる様に流速差を付与すると共
に、その流速差を容易に大きくすることができる
のである。 この様に、中空吐出孔のスリツト1a〜1cを
通過する重合体流の流速は単一吐出孔2を通過す
るPBT重合体流よりも遅いため、紡糸ドラフト
は中空吐出孔のスリツト1a〜1cから吐出され
た重合体流に主に集中する。特に、高速紡糸で
は、高ドラフトが中空吐出孔のスリツト1a〜1
cから吐出されたPBT重合体流に集中する結果
かかるPBT重合体流が形成する中空部分は中空
吐出孔が単一吐出孔である場合よりも大きな剪断
力を受けて、PBT重合体流が中実である場合よ
りも極めて高い配向度となるのである。 しかも、この際にPBT得有の結晶構造に基づ
く収縮差を併せ有することができる。 即ち、PBTの結晶構造としてはα型及びβ型
の2つの型を有し、外力が加わり緊張した状態で
はβ型、弛緩した状態ではα型の結晶構造を夫々
有する。そして、かかる結晶構造は外力の作用に
よつて可逆的にαβ型に変化し、その分子鎖長
の変化は約13%程度である〔H.Tadakoroらの報
告−Macromolecules、、266(1976)参照〕。 このため、大きな剪断力を受けつつ形成された
第1図のg部分ではβ型の結晶構造が多く、一方
比較的剪断力を受けることなく形成された第1図
のh部分ではα型の結晶構造が多いので、フイラ
メントの断面方向に結晶構造に基づく収縮差を有
することができる。 このことは、紡糸して得られたマルチフイラメ
ントを弛緩するだけで嵩高性が発現することかも
理解される。 尚、かかる結晶構造はPBT特有のものであつ
て、PETには見られないものである。 また、単一吐出孔2の吐出断面積(S2)は中空
吐出孔のスリツト1a〜1cの合計吐出孔断面積
(S1)よりも小さいため、得られるフイラメント
断面において中空を含むg側の断面積が小さくな
るのである。 更に、中空吐出孔及び単一吐出孔2から吐出さ
れる重合体流流速が異なると共に、スリツト3か
ら吐出される重合体流で前記2つの重合体流が連
結されているために、中空吐出孔から吐出された
重合体流に単一吐出孔2から吐出された重合体流
が衝突・バウンドしつつ接合する結果、第2図
a,bに示す如く長手方向に太さ斑を有するフイ
ラメントが得られるのである。 このため、本発明の製造法によつて得られるマ
ルチフイラメントを構成するフイラメントは、そ
の断面において、第1図に示す如く中空部を含む
断面積がh部分よりも大きいg部分の配向度が高
く、且つg部分が中実である場合よりも極めて高
い配向度となるので、前記結晶構造に基づく収縮
差及び長手方向の太さ斑と相俟つた従来のパルシ
ングヤーンを構成するフイラメント内及びフイラ
メント間よりも大きな収縮差を有することができ
る。 しかも、かかるフイラメントは長手方向に太さ
斑を有する中空フイラメントであるため従来の中
実フイラメントに比較して一層ダル効果を奏する
ことができる。 本発明の製造法において採用する中空吐出孔の
スリツトの配列形状、及び単一吐出孔の断面形状
は特に限定する必要はなく、目的に応じて最適な
ものを採用すればよい。 例えば、中空吐出孔のスリツトの配列形状とし
ては、英国特許第853062号明細書に記載されてい
る非円形状のものを採用でき、中でも三角形状の
配列のものが好ましい。 かかる、三角形状の中空吐出孔を用いると、第
1図bに示す略二等辺三角形の断面形状を有する
フイラメントが得られる。 また、中空吐出孔のスリツト配列形状及び単一
吐出孔の断面形状を第5図の如く円形状とする
と、第1図aに示す略まゆ型の断面形状となる。
第5図の吐出孔は工作が容易で好ましい。 更に、第5図において、単一吐出孔2と中空吐
出孔とを単一スリツト3で連結することによつ
て、驚くべきことに単一吐出孔2から吐出される
PBT重合体流は中空吐出孔から吐出されるPBT
重合体流の片側で衝突・バウンドしつつ接合する
ので、中空部分gに中実部分hがまきつくことな
く接合している第2図a,bに示すフイラメント
が得られ、フイラメントの長手方向に大きな太さ
斑を付与することができる。 この様に、フイラメントの断面方向に大きな配
向度差を有すると共に、フイラメントの長手方向
に大きな太さ斑を有するフイラメントから成るマ
ルチフイラメントは、紡糸後、更に延伸を施して
実用に供し得る力学的特性を付与しても、充分な
収縮力を呈することができ好ましい。かかるスリ
ツト3の形状は第5図に示す直線状の他に、カギ
形、或いは湾曲していてもよい。要は中空吐出孔
と単一吐出孔2とがスリツトで連結されているこ
とである。 これに対して、本発明者等の実験によると特開
昭55−51809号(米国特許第4332757号及び米国特
許第4349604号明細書)に記載されている紡糸口
金を用いてパルシングヤーンを得る場合には、吐
出面積の大なる吐出孔から吐出されたPBT重合
体流に、吐出断面積の小なる吐出孔から吐出され
たPBT重合体流が巻付きつつ接合したフイラメ
ントから成るマルチフイラメントしか得られず、
フイラメントの長手方向に大きな太さ斑を付与す
ることは困難であつた。 また、スリツト3の長さを、得られるフイラメ
ント断面において第1図に示す凹部x,x′が形成
されるよう設定することによつても、中空吐出孔
及び単一吐出孔2から吐出される両PBT重合体
流の衝突・バウンドによる振動周期をより大きく
することができ、得られるフイラメントの長手方
向に極めて大きな太さ斑を付与することができ
る。 そして、第5図の吐出孔を用いて第1図の断面
形状を有する扁平中空フイラメントを得ることが
できるが、その際にかかるフイラメント断面の顕
微鏡写真から求めたg部分の中空率を2〜40%、
特に好ましくは10〜35%とし、g部分の中空部e
を含む断面積Sgとh部分の断面積Shとの比
(Sg/Sh)を1.2〜3、特に1.5〜2とすることが
好ましい。 尚、本発明で採用する吐出孔では第5図に示す
単一吐出孔2が1ケ以上中空吐出孔に連結されて
いてもよく、単一吐出孔2の形状も三角形、四角
形、Y字形等の非円形であつてもよい。 これまで述べてきた本発明の吐出孔の具体的な
寸法を、第5図の吐出孔について下記に示す。 1.5≦S1/S2≦15 0.04≦(lA1−lB1)/2≦0.30 0.10≦lA2<lB1<lA1≦1.5 0.05≦l≦1.30 0.03≦W<lA2≦0.20 〔但し、lA1、lB1、lA2、l、Wの夫々の単位は
(mm)である。〕 そして、この様な吐出孔から成る紡糸口金を採
用することによつて、あたかも異デニールフイラ
メントが混繊された如きマルチフイラメントを容
易に得ることができる。 また、本発明のマルチフイラメントの製造法に
おいて、中空吐出孔から吐出される重合体流の流
速(V1)と、単一吐出孔2から吐出される重合
体流の流速(V2)との吐出速度比(V1/V2)を
1/1.5〜1/7、特に1/2.3〜1/3.4に設定す
ることが好ましく、この時の重合体の吐出量比
〔中空吐出孔の吐出量/単一吐出孔2の吐出量〕
は3/1〜1/5、特に1.5/1〜1/3.3に設定
することが好ましい。 ここで、速度比が1/1.5未満のときは、速度
比が小さ過ぎるために両PBT重合体流の衝突・
バウンドが極めて小さく、有効な太さ斑を付与す
る事は出来ない。一方、速度比が1/7を超える
ときは、両PBT重合体流の衝突・バウンドが極
めて激しくなり、断糸が発生する傾向がある。 今、第5図に示す吐出孔であつて、前記寸法の
範囲内にある吐出孔を有する紡糸口金面直下で得
られる紡出フイラメントの形状を第6図に示す。 第6図はフリーフオールで得たものであり、中
空吐出孔から吐出された側の断面積はほとんど変
化せずに、単一吐出孔から吐出された側の断面積
が変化していることを示している。また、第6図
より単一吐出孔から吐出されたPBT重合体流は
中空吐出孔から吐出されたPBT重合体流に捲き
付くことなく一方向で振動していることも併せて
示している。 唯、第6図に示す紡出フイラメントは紡出ドラ
フトの作用を受けないフリーフオールで得られた
ものであるため、本発明で得られるマルチフイラ
メントを構成するフイラメントの断面形状と差異
が認められるが、紡糸ドラフト作用下では中実部
分が中空部分にバウンドしつつ接合しているため
に中実部分の長さは中空部分よりも長くなるの
で、第1図aに示すフイラメント断面形状を有す
るフイラメントが得られるものである。 この様にして吐出、接合せしめたPBT重合体
流を冷却固化した後に引取る。この際の引取速度
としては通常の引取速度、例えば1000m/分程度
で本発明の目的を達成し得るが、引取速度として
は高引取速度ほど紡糸ドラフトが高くなつて得ら
れるフイラメントの中空部分gの配向度が高く、
且つβ型結晶構造が多くなり、中実部分hとの収
縮差を拡大することができるため、2500m/分以
上の引取速度であれば500以上の高紡糸ドラフト
を与えることができ好ましい。 更に、この様に引取られたマルチフイラメント
を延伸後の破断伸度が30〜30%になる様に通常の
延伸倍率で延伸してもよく、延伸温度も通常の
PBTと同様な温度を採用できる。かかる延伸に
よつて、得られるマルチフイラメントの力学的特
性を実用に供し得る程度に高めても依然として大
きな収縮力を有している。 一方、PBTはPETに較べて配向結晶化が速く
紡糸引取速度が3000m/分以上になると、得られ
るマルチフイラメントの破断伸度が80%以下にな
るのでそのまま実用に供し得るものであり、必ず
しも延伸は必要ではない。しかも、かかるマルチ
フイラメントに弛緩・熱処理を施すことによつて
充分な嵩高性を呈し得ることは言うまでもない。 この様にして得られるマルチフイラメントの任
意断面における各フイラメントの断面形状は第1
図に示すものとなるが、中には断面形状が扁平で
あつても、第1図に示すフイラメント断面におけ
る凹部x,x′のない形状のフイラメントが存在し
ている。かかる断面形状のフイラメントが存在し
ていてもその数が小数本であるマルチフイラメン
トでは、本発明の目的を充分に達成することがで
きる。 以上、述べてきた本発明のマルチフイラメント
を得るための溶融紡糸において、通常の溶融紡糸
の如く紡糸口金から吐出した重合体流を冷却風に
より冷却して引取つても、冷却してから更に加熱
を施してから引取つてもよい。 また、溶融紡糸の後に延伸を施す方法として
は、溶融紡糸してから一旦捲き取つてから別工程
で延伸を施しても、或いは溶融紡糸してから一旦
捲き取ることなく延伸を施してもよい。 尚、本発明において対象とするPBTとは繰り
返し単位の85モル%以上がテトラメチレンチレフ
タレートから成るものである。そして、かかる
PBT中に15モル%未満の共重合成分、例えばエ
チレングリコール、ジエチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、シクロヘキサン1,4ジメ
タノール、イソフタル酸、フタル酸、スルホイソ
フタル酸、ポリアルキレングリコール等の共重合
成分が共重合されていてもよく、更に艶消剤、安
定剤、顔料、制電剤等の有機物質及び/又は無機
物質が配合されていてもよい。 また、かかるPBTの固有粘度〔η〕は0.5〜
1.2、特に0.7〜1.1が好ましい。 ここで、〔η〕が0.50未満のときは、溶融粘度
が低すぎて幾性の面で好ましくなく、〔η〕が
1.20を越えると溶融粘度が高くなり過ぎて好まし
くはない。 そして、本発明にて用いる溶融紡糸装置は、通
常用いられている装置を使用できることは言うま
でもない。 (作用) 一般に、PBTはPETに比較して紡糸の際の配
向結晶化が速いため、低引取速度で引取つても得
られるマルチフイラメントの配向度が極めて高い
ものとなる。例えばPETマルチフイラメントで
は低引取速度である引取速度1000m/分でPBT
マルチフイラメントを引取つても、分子配向度
(△n)は90×10-3以上の値を示す。この数値は
PETマルチフイラメントの紡糸引取速度に換算
すると5000m/分近傍にも相当するものである。
従つて、このように極めて高い△nを有する未延
伸糸を低延伸倍率で延伸しても、PETマルチフ
イラメントの如く有効な太さ斑を付与する事がで
きないのである。 また、従来のパルシングヤーンを得るための紡
糸口金の吐出孔は吐出断面積が異る1対の吐出孔
が或る角度で対向して設けられていると共に、吐
出断面積の小さい吐出孔のポリマー導孔の長さ
(ランド長)が吐出断面積の大きい吐出孔のポリ
マー導孔の長さ(ランド長)よりも短く設定さ
れ、吐出断面積の小さい吐出孔から吐出される重
合体流の流速は他方の吐出孔から吐出される重合
体流よりも速くなるのである。 この様に、流速差を有する1対の重合体流が紡
糸口金面直下で衝突・振動しつつ接合するために
フイラメントの断面方向及び長手方向に一応の収
縮差を付与することができるのである。 しかしながら、前述した様にかかるパルシング
ヤーンの収縮力は不充分であるため、フイラメン
ト断面方向の収縮力を大にすべく、吐出断面積の
差を大として得られるフイラメントの高配向度側
の断面積を大にせんとしても、両孔から吐出され
る重合体流の流速差は吐出孔のランド長等を調整
することによつて付与しているものであるため、
吐出断面積の差が大になる程流速差を付与するこ
とは困難になるのでかかる1対の吐出孔では限界
がある。 しかも、両重合体流の衝突による振動を激しく
してフイラメントの長手方向の太さ斑を大にせん
としても、両孔の設置距離を大にすると逆に振動
は減少、或いは消滅してしまうのである。 これに対し、本発明のマルチフイラメントの製
造法においては、第5図に示す如き吐出孔を有す
る紡糸口金を採用するため、PBT重合体流の衝
突・バウンドによる大きな振動の発生と、中空吐
出孔から吐出された重合体流に紡糸ドラフトの作
用点が遍在化する効果を併せ奏することができる
結果、フイラメントの長手方向に大きな太さ斑
と、第1図に示す如くフイラメント断面におい
て、g側の配向度がh側よりも高くなる断面方向
の配向度差と共に、PBT特有の結晶構造差とを
併せ有するフイラメントから成るマルチフイラメ
ントが得られるのである。 即ち、中空吐出孔を構成する複数スリツトのス
リツト巾及び単一吐出孔の孔径等を調整すること
によつて、かかる1対の吐出孔から吐出される重
合体流の流速差を充分に大きくすることができ
る。このため、紡糸ドラフトを中空吐出孔から吐
出される重合体流に集中せしめることができ、中
空吐出孔から吐出された重合体流に大きな剪断力
が作用するので中空部分の配向度が中実部分の配
向度よりも高く、且つ前記中空部分が中実である
場合よりも極めて高い配向度とすることができる
のである。 しかも、かかる剪断力が作用する中空部分の結
晶構造はβ型が多くなり、剪断力が比較的作用し
ない中実部分の結晶構造はα型が多くなるのであ
る。 更に、中空吐出孔を構成する複数スリツトの合
計吐出断面積が単一吐出孔の吐出断面積よりも大
きいため、得られるフイラメントの断面において
中実部分よりも中空部分の断面積が大きいのであ
る。 また、両孔間の距離を大にしても、スリツトで
両孔を連結しているために、両重合体流は衝突・
バウンドによる大きな振動を発生しつつ接合せし
めることができる。 この様にして得られる本発明のマルチフイラメ
ントを構成するフイラメントは、その断面におい
て、中空部を有する断面積が中実部分よりも大き
い中空部分の配向度は極めて高いと共に、β型の
結晶構造が多いため、中空部分が中実部分よりも
大きな収縮率を有しており、且つフイラメントの
長手方向にも大きな太さ斑を有しているので、か
かるフイラメントから成るマルチフイラメントで
はフイラメント間、フイラメント内に大きな収縮
差を有しており、弛緩熱処理の際に大きな収縮力
を呈し得るのである。 そして、かかるマルチフイラメントは長手方向
に大きな太さ斑を有する中空フイラメントで構成
されているため、従来の中実フイラメントで構成
されているマルチフイラメントに比較して一層ダ
ル効果を呈することができる。 従つて、本発明のマルチフイラメントを用いた
織編物では、弛緩熱処理によつて充分な嵩高性を
呈するため、構成マルチフイラメントのダル効果
と併せて“ぬめり”感及び金属光沢を著しく減少
せしめることができ、充分に満足し得る水準の審
美性及び風合を呈することができるのである。 また、溶融紡糸で得られる未延伸糸に更に延伸
を施して実用に供し得る力学的特性を付与したマ
ルチフイラメントでも、依然として充分な収縮差
を有しているため、かかるマルチフイラメントを
用いた織編物も弛緩熱処理によつて充分な嵩高性
を呈することができるので、充分に満足し得る水
準の審美性及び風合を呈することができる。 (発明の効果) 本発明で得られるPBTマルチフイラメントは
単に熱処理を施すだけで大きな嵩高性を呈し得る
ので、織編工程ではフラツトヤーンの状態で扱う
ことができるため良好な工程通過性を有する。 しかも、実質的に単一PBTから繁雑な操作を
施すことなく得られるので、その工業的意義は極
めて大きいものである。 また、本発明のPBTマルチフイラメントは従
来の高弾性回復率が要求される分野は勿論のこ
と、通常の衣料分野にも用いることができる。 (実施例) 以下、本発明を実施例にて更に説明するが本実
施例で用いる物性は下記の方法で測定したもので
ある。 (1) マルチフイラメントの強度、伸度 通常の引つ張り型試験機にて、室温25℃、湿
度60%で、試料長10cm、引つ張り速度200mm/
minの条件で応力−伸度曲線を求め、応力が最
大点を示す点の伸度を(破断)伸度とし、最大
応力を試料のデニールで割つた後を、強度とし
た。測定はn=5で行ない、その平均の値を採
用した。 (2) 中空率 マルチフイラメントの任意の断面について、
560倍の倍率で断面写真をとり、扁平断面の中
空部を有する部分において、真円と仮定した時
の、最大直径(A)、中空部の直径(B)を読みとり、
以下の式より中空率を求めた。 中空率(%)=(B/2)2π/(A/2)2π×
100 (3) マルチフイラメントのu% u%(ウースター斑)は、ツエルベーガーウ
ースター社製のウースターイブネステスターモ
デルCを使用し糸速25m/分として常法に従い
約3000rpmの回転を与えて仮撚しつつ、3分間
測定し、u%を求めた。 (4) 風合い及び外観 得られたPBTマルチフイラメントを筒編み
し、分散染料を使用して常法で染色し水染乾燥
後180℃で1分間セツトして風合い及び外観評
価用試料とした。風合い及び外観は肉眼観察並
びに触感によつて評価した。 (5) 嵩高性 糸条をかせ(周長1.125m)に320回転をと
り、2つ折りにしたサンプルの1端に6gの荷
重を吊し、乾熱180℃で5分間処理し、冷却後
一定の重量(Wg)の体積(Vcm3)を6.4gの
荷重下で測定し、以下の式で算出する。 嵩高性(cm3/g)=V(cm3)/W(g) 実施例 1 極限粘度〔η〕が0.87のPBTを溶解して、紡
糸温度280℃にて、第5図に示す吐出孔から押し
出した。ここで、使用した吐出孔の各部の寸法を
第1表に示す。
【表】 〓 2 〓 〓 2 〓
〓 lA
S=π

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリブチレンテレフタレートから成るフイラ
    メントで構成されているマルチフイラメントにお
    いて、構成フイラメントが扁平で且つ長軸方向の
    外周部に該長軸を挾んで互いに対向する1対の凹
    部を有していると共に、前記1対の凹部間に在る
    短軸に対して非対称である断面形状と、フイラメ
    ントの長手方向に太さ斑とを有する偏心中空フイ
    ラメントであつて、該中空部が前記フイラメント
    断面において短軸に平行な直線が最大になる側に
    在り、且つ該短軸によつて分割される前記中空部
    存在部分の配向度がこれに隣接する中実部分の配
    向度よりも大であることを特徴とするポリブチレ
    ンテレフタレートマルチフイラメント。 2 該フイラメント断面形状が略まゆ型で且つ短
    軸に対して非対称である特許請求の範囲第1項記
    載のポリブチレンテレフタレートマルチフイラメ
    ント。 3 該フイラメントの断面形状が略二等辺三角形
    で且つ互いに対向する長辺部に1対の凹部を有し
    ていると共に、前記1対の凹部間に在る短軸に対
    して非対称である特許請求の範囲第1項記載のポ
    リブチレンテレフタレートマルチフイラメント。 4 該フイラメントの長手方向において、中空部
    存在部分に中実部分が巻付くことなく接合してい
    る特許請求の範囲第1項記載のポリブチレンテレ
    フタレートマルチフイラメント。 5 該フイラメント断面の中空部存在部分におけ
    る中空率が2〜20%である特許請求の範囲第1項
    記載のポリブチレンテレフタレートマルチフイラ
    メント。 6 該マルチフイラメントの長さ方向のウースタ
    ー斑(u%)が少くとも2%である特許請求の範
    囲第1項記載のポリブチレンテレフタレートマル
    チフイラメント。 7 吐出断面積が異る1対の吐出孔をスリツトに
    より互いに連結せしめ、且つその吐出断面積の大
    なる吐出孔を複数のスリツトで中空部を形成する
    中空吐出孔とし、他方の吐出面積の小なる吐出孔
    を単一吐出孔とした紡糸口金の吐出孔を通じて溶
    融せしめたポリブチレンテレフタレート重合体を
    吐出し、その際、前記1対の吐出孔のうち吐出断
    面が大なる吐出孔から吐出したポリブチレンテレ
    フタレート重合体流の吐出速度を、他方の吐出断
    面積が小なる吐出孔から吐出したポリブチレンテ
    レフタレート重合体流のそれよりも低速とせしめ
    ることにより、前記低速ポリブチレンテレフタレ
    ート重合体流に高速ポリブチレンテレフタレート
    重合体流を衝突、バウンドさせつつ接合させ、次
    いで冷却固化させてから引取ることを特徴とする
    ポリブチレンテレフタレートマルチフイラメント
    の製造法。 8 該低速ポリブチレンテレフタレート重合体流
    に高速ポリブチレンテレフタレート重合体流がま
    きつくことなく接合する特許請求の範囲第7項記
    載のポリブチレンテレフタレートマルチフイラメ
    ントの製造法。 9 中空吐出孔を構成する複数のスリツトの配
    列、及び単一吐出孔の断面形状が共に円形である
    特許請求の範囲第7項記載のポリブチレンテレフ
    タレートマルチフイラメントの製造法。 10 中空吐出孔を構成する複数のスリツトの配
    列が非円形である特許請求の範囲第7項記載のポ
    リブチレンテレフタレートマルチフイラメントの
    製造法。 11 中空吐出孔を構成する複数のスリツトの配
    列が三角形である特許請求の範囲第7項、又は第
    10項記載のポリブチレンテレフタレートマルチ
    フイラメントの製造法。 12 スリツトにより互いに連結せしめた1対の
    吐出孔から成る紡糸口金である特許請求の範囲第
    7項記載のポリブチレンテレフタレートマルチフ
    イラメントの製造法。 13 1対の吐出孔を互いに連結するスリツトが
    単一である特許請求の範囲第7項、又は第11項
    の記載のポリブチレンテレフタレートマルチフイ
    ラメントの製造法。 14 中空吐出孔から吐出されるポリブチレンテ
    レフタレート重合体流の流速(V1)及び単一吐
    出孔から吐出されるポリブチレンテレフタレート
    重合体流の流速(V2)が下記〔〕式を満足す
    る流速である特許請求の範囲第1項記載のポリブ
    チレンテレフタレートマルチフイラメントの製造
    法。 1/1.5≦V1/V2≦1/7 ……〔〕
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