JPS61146808A - 潜在嵩高性マルチフイラメント及びその製造法 - Google Patents

潜在嵩高性マルチフイラメント及びその製造法

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JPS61146808A
JPS61146808A JP26536984A JP26536984A JPS61146808A JP S61146808 A JPS61146808 A JP S61146808A JP 26536984 A JP26536984 A JP 26536984A JP 26536984 A JP26536984 A JP 26536984A JP S61146808 A JPS61146808 A JP S61146808A
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multifilament
discharge hole
cross
polymer
filament
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JP26536984A
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Kenkichi Nose
能勢 健吉
Kenji Iwashita
岩下 建二
Masakazu Fujita
正和 藤田
Masato Yoshimoto
正人 吉本
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は潜在嵩高性マルチフィラメント及びその製造法
に関し、更に詳しくは、収縮性の異る少くとも2種の重
合体で形成されており、断面方向及び長手方向に収縮差
を有するフィラメントから成る潜在嵩高性マルチフィラ
メント及びその製造法に関する。
(従来技術) 熱処理を施すことによって嵩高性を呈し得る潜在嵩高性
マルチフィラメントは、収縮差を有するフィラメント同
志を混繊することによって得ることができる(例えば、
米国特許第3,200,576号明細口参照)。
かかるマルチフィラメントは、熱処理時に高収縮フィラ
メントが収縮し、これにより低収縮フィラメントが張り
出すことによって嵩高性を付与するものである。
そして、この際に高収縮フィラメントを太デニールとし
、低収縮フィラメントを細デニールとすると、熱処理後
の嵩高マルチフィラメントの風合は腰があると共に、柔
かなタッチを呈するものとなる。
ところで、かかる収縮差を有するフィラメントから成る
マルチフィラメントを得るには、予め収縮差を付与され
た複数の糸条を混繊する方法が多く採用されており、例
えば特開昭54−82423号公報(米国特許第4,1
53,660号明細書)には次の様な方法が提案されて
いる。
即ち、この方法は、同一紡糸口金から“吐出された重合
体流を急冷して得られる紡出糸条を2つの糸束に分割し
て、その1つの糸束には水が主体である紡糸仕上剤を付
与し、他の1つの糸束には水よりも高温の沸点を有する
剤を付与してから、両糸束を別々に同一条件下で熱処理
しつつ延伸を施してから混繊するものである。
かかる方法は紡糸仕上剤の沸点差を利用して糸束間に収
縮差を付与するものであるが、この様に2種類の紡糸仕
上剤を付与する等の極めて繁雑な操作を施す必要がある
また、この様な同一紡糸口金から吐出される紡出糸条に
おいて糸条を構成するフィラメント間にデニール差を付
与せんとすると、糸揺れによるフィラメントの密着、或
いは断糸等のトラブルが発生し易く、ドラフト率、冷却
風量等の紡糸条件を厳密に管理することが必要である。
これに対して、かかる繁雑な操作を施すことなく潜在嵩
高性マルチフィラメントを製造する方法が特開昭54−
42415号公報及び特開昭55−51809号公報(
米国特許第4.332,757号及び米国特許第4.3
49,604号)にて提案されている。
この方法は単一の紡糸口金において、成る角度で対向し
且つ孔径差を有する吐出孔を通して2つのポリエステル
の流れを吐出し、口金面直下でこの2つの流れを衝突・
振動させつつ接合せしめてから、これを急冷して捲き取
るものであって、得られるマルチフィラメント(以下、
パルシングヤーンと称することがある)は断面方向及び
長手方向に収縮差を有しているフィラメントから成る。
しかしながら、この様な潜在嵩高性マルチフィラメント
は織編物と成してから熱処理を施されることが一般的で
あるが、前記パルシングヤーンは織編物、特に織物での
嵩高性が不足すると古う欠点を有している。
即ち、織物の織組織による拘束力が強く、しかもパルシ
ングヤーンの有する収縮力が低いため、パルシングヤー
ンの収縮が制限されて嵩高性が不足することに因る。
また、かかるパルシングヤーンは紡糸してから更に延伸
を施すと、前記収縮差が消失する欠点を有しているので
、極めて大きな収縮率のものでも延伸を施すことなく使
用せざるを得ない。このため、パルシングヤーンを用い
た織編物ではシボ状の収縮斑や染色斑が発生することが
あり、染色条件及び仕上条件が大巾に制約を受け°るた
め実用に供し得なかった。
かかる従来の問題点に対して、本発明者の1人は、先に
特願昭59−5699号明細書及び特願昭59−360
97号明細書にて、単一重合体から成る扁平中空フィラ
メントであって、フィラメント間及びフィラメント内に
大きな収縮差を有する潜在嵩高性マルチフィラメントを
提案した。
この潜在嵩高性マルチフィラメントから成る織編物では
、収縮斑や染色斑のない均一で且つ従来のパルシングヤ
ーンよりも大きな嵩高性を呈することができるが、カー
ペット等に用いる太デニール銘柄では、依然として嵩高
性が不足することが判明した。
このため、より一層の嵩高性を呈し得る潜在嵩高性マル
チフィラメントが要求されている。
(発明の目的) 本発明の第1の目的は織編物、特に織物において収縮斑
や染色斑のない、均一で且つ充′分な嵩高性を呈し得る
潜在嵩高性マルチフィラメント及びその製造法を提供す
ることにある。
本発明の第2の目的は延伸熱セットを施して実用に供し
得る力学的性質を付与しても充分な嵩高性(収縮差)を
呈し得る潜在嵩高性マルチフィラメント及びその製造法
を提供することにある。
本発明の第3の目的は独特な光沢を呈し得る潜在嵩高性
マルチフィラメント及びその製造法を提供することにあ
る。
本発明の第4の目的は六デニール銘柄においても、均一
で且つ充分な嵩高性を呈し得る潜在嵩高性マルチフィラ
メント及びその製造法を提供することにある。
(構 成) 本発明者はかかる目的を達成するには、フィラメントの
断面方向の収縮差を拡大することが極めて有利ではない
かと考えて検討した結果、収縮性の異る少くとも2種の
重合体から成る扁平中空フィラメントであって、長手方
向に太さ斑を有するフィラメントで構成されている潜在
嵩高性マルチフィラメントが極めて大きな収縮力を呈し
得ることを見い出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、収縮性の異る少くとも2種の重合体か
ら成るフィラメントで構成されているマルチフィラメン
トにおいて、構成フィラメントが扁平で且つ長軸方向の
外周部に該長軸を挾んで互いに対向する1対の凹部を有
していると共に、前記1対の凹部間に在る短軸に対して
非対称である断面形状と、フィラメント長手方向に太さ
斑とを有する偏心中空フィラメントであって、該短軸に
よって分割される中空部を含む部分の断面積がこれに隣
接する中実部分よりも大であり、且つ前記中空部存在部
分を形成する少くとも1部の重合体が中実部分を形成す
る少くとも1部の重合体よりも高収縮性であることを特
徴とする潜在嵩高性マルチフィラメントであり、収縮性
の異る少くとも2種の重合体を溶融して紡糸口金の吐出
断面積が異る1対の吐出孔から流速差を有する1対の重
合体流として吐出し、紡糸口金直下で前記1対の吐出孔
の吐出断面積が大なる吐出孔から吐出した低速重合体流
に、他方の吐出断面積が小なる吐出孔から吐出した高速
重合体流を衝突・パウンドさせつつ接合せしめ、次いで
冷却固化させた後に引取るマルチフィラメントの製造法
において、該1対の吐出孔を連結スリットにより互いに
連結せしめ、且つその吐出断面積の大なる吐出孔を複数
のスリットで中空部を形成する中空吐出孔とし、他方の
吐出断面積の小なる吐出孔を単一吐出孔とすると共に、
前記中空吐出孔から吐出する少くとも1部の重合体を単
一吐出孔から吐出する少くとも1部の重合体よりも高収
縮性とすることを特徴とする潜在嵩高性マルチフィラメ
ントの製造法である。
ここで、本発明においていう「収縮性具る少くとも2種
の重合体」とは、夫々の重合体を単独で且つ実施せんと
する紡糸条件と同一条件で紡糸したとき、得られる紡出
糸の収縮率が互いに異るものである。
本発明を図面により説明する。
第1図は本発明のマルチフィラメントを構成するフィラ
メントの断面図、第2図は本発明のマルチフィラメント
を構成するフィラメントの長手方向の側面図及び前記側
面図を90°回転せしめた正面図、第3図(ω及び(b
)は夫々後述する実施例−1及び比較例−2で得られた
本発明のマルチフィラメント及び従来のパルシングヤー
ンのウースター斑を夫々示すグラフ、第4図は本発明の
マルチフィラメントの断面図、第5図は本発明のマルチ
フィラメントの応力(St ”)−伸度(El)曲線、
第6図の(ω及び(b)は本発明のマルチフィラメント
を得るための紡糸口金の吐出孔断面図、第7図は第6図
(ωの吐出孔からフリーフォールで重合体を吐出した直
後のフィラメントを横断面に沿って切断した際のフィラ
メント斜視図を夫々示す。
第1図において、nは長軸、Cは短軸、 x、 x’は
長軸(n)を挾んで互いに対向する1対の凹部。
eは中空部、lはフィラメント断面で短軸(C)に平行
な直線のうちで最大値を示す直線の長さ。
σは中空部(e)を含む断面において、短軸<O)で分
割される中空部分、hは同じ短軸(−C)で分割される
中実部分であって、gの部分の断面積はh部分のそれよ
りも常に大である。
そして、本発明のマルチフィラメントにおいて、その構
成するフィラメントの断面形状が第1図(ω(b)に示
す如く扁平であって長軸(n)を挾嬶互いに対向する1
対の凹部(x、 x’ )を結ぶことによって形成され
る短軸(C)に対して非対称で、且つ9部分、即ち最大
直線(II )を有する側に中空部(e )が存在する
ものである。
そして、前記断面形状を有するフィラメント断面の0部
分を形成する少くとも一部の重合体がh部分を形成する
少くとも一部の重合体よりも高収縮性であると共に、フ
ィラメントの長手方向に第2図に示す様な太さ斑を有し
ている。
第2図(a)(b)は本発明のマルチフィラメントを構
成するフィラメントの側面図及び前記側面図を90°回
転せしめた正面図を夫々示す。
本発明のマルチフィラメントを構成するフィラメントの
長手方向の太さ斑は、第2図(ω+b+に示す様に、長
手方向に対してh部分の断面積が0部分の断面積よりも
大巾に変化しつつ接合しているのである。
この様に、本発明のマルチフィラメントを構成するフィ
ラメントは、その断面において、g部分は第1図に示す
如くh部分よりも大きい断面積(中空部を含む)を有し
、且つ後述する様に9部分が中実である場合よりも紡糸
時に大きな剪断力を受けて高配向度(中実の場合と比較
して)になると共に、h部分よりも高収縮性の重合体で
形成されているので、長手方向の太さ斑と相俟つて単一
重合体で形成されている前述の扁平中空フィラメントよ
りも極めて大きな収縮力を有することができる。その結
果、織組織による拘束力が強い織物でも本発明のマルチ
フィラメントを用いた織物は均一で充分な嵩高性を呈し
得ることは勿論のこと、カーペット等に用いる太デニー
ル銘柄(フィラメントデニール3de以上)においても
、充分な嵩高性を呈することができるのである。
本発明において、フィラメント断面形状のこの好ましい
態様としては、第1図(田に示す様な略まゆ形を呈する
もの、或いは第1図市)に示す様な略二等辺三角形を呈
するものが好ましい。特に、略二等辺三角形の断面形状
を有するフィラメントでは独−特な光沢を呈することが
でき好ましい。
そして、かかる扁平中空フィラメントにおけるg部分の
中空率は2〜30%、特に好ましくは10〜15%であ
って、9部分の中空部(e )を含む断面積SQとh部
分の断面積shとの比(So /Sh )は1.2〜3
、特に1.5〜2であることが好ましい。
但し、前記中空率及び断面積Sg及びshはフィラメン
ト断面の顕微鏡写真から求めたものである。
また、第2図(ω<b>に示す如く、フィラメントの長
手方向にh部分が9部分に巻付くことなく接合している
フィラメントは、その長手方向の変形度、即ち太さ斑が
大きく好ましいものである。
そして、この様な長手方向に大きな太さ斑を有するフィ
ラメトで構成されている本発明のマルチフィラメントは
当然その断面方向にも大きな太さ斑有している。
このことは、第3図(ωに示す後述の実施例−1で得ら
れた本発明のマルチフィラメントのウースター斑のグラ
フから明らかであり、第3図(b)に示す後述の比較例
−2で得られた従来のパルシングヤーンのウースター斑
のグラフと比較しても、本発明のマルチフィラメントの
断面方向の太さ斑は大きい。
尚、かかるウースター斑はツエルベーガーウースター社
製のウースターイプネステスターモデルCにより測定し
たものである。
また、本発明によって得られるマルチフィラメントを構
成するフィラメントの長手方向には第2図に示す様な大
きな太さ斑[山から山の長さくL)が0.5〜37FL
]がランダムに存在するため、かかるフィラメントから
成るマルチフィラメントの任意断面においては、第4図
に示す様に、あたかもデニール差を有するフィラメント
が混繊されているのと同様な効果を呈する。
一般的に、第4図に示す様な断面積が異るフィラメント
、即ち、デニール差を有するフィラメントが混繊されて
いる場合、断面積の大きい(太デニール)フィラメント
は断面積の小さい(細デニール)フィラメントよりも収
縮率が大きいため、熱処理辷よって、太デニールフィラ
メントは収縮して張力担持体となり、細デニールフィラ
メントはマルチフィラメントの外側に張り出すので、腰
があり且つ柔なタッチの風合を呈することができる。
更に、本発明で得られるマルチフィラメントはその断面
方向及び長手方向に前述した様に大きな斑、即ち大きな
収縮差を有しているため、あたかもフィラメント間及び
フィラメント内に収縮差を有するフィラメントを混繊し
た構造となっている。
このために、本発明で得られるマルチフィラメントの応
力−伸度曲線は第5図に示すものとなる。
ここで、第5図(ωは紡糸して得られた本発明のマルチ
フィラメントの応力(St )−伸度(El)曲線であ
り、第5図<b+は紡糸後、更に延伸熱セットを施して
得られた本発明のマルチフィラメントの応力(St )
−伸度(El)曲線である。
第5図において、Llは最終破断伸度?L2は最大応力
を示すときの伸度を夫々示す。
この様に、Ll及びLlの伸度が見られるのは前述した
収縮差を有するフィラメントを混繊せしめた混繊糸の特
徴であって、かかる収縮差の穫めて小さい、或いは収縮
差のないフィラメントから成るマルチフィラメントでは
通常L2のみが見られるに過ぎないのである。
この点、本発明で得られるマルチフィラメントでは、混
繊等の操作を行うことなく、あたかも収縮差のあるフィ
ラメントから成る混繊糸と同等の効果を呈することがで
きる。
そして、(L+  Lz)の値が大である程、前記収縮
差が大であることを示し、かかる(L+ −Ll)の値
が下記[I]式を満足するマルチフィラメントが充分な
嵩高性を呈す織編物を得ることができ好ましい。
L  L2≧20%    ・・・・・・[I]本発明
で得られるマルチフィラメントにおいては、未延伸糸の
状態では勿論のこと、延伸し熱セットを施して実用に耐
え得る力学的性質を付与しても充分に上記[、I]式を
満足するものを得ることができる。
尚、本発明のマルチフィラメントの任意断面における各
フィラメントの断面形状は第1図に示すものとなるが、
中には断面形状が扁平であっても、第1図に示すフィラ
メント断面における凹部(X。
x′)のない形状のフィラメントが存在している。
かかる断面形状のフィラメントが存在していてもその数
が小数本であるマルチフィラメントでは、本発明の目的
を充分に達成することができる。
また、本発明で得られるマルチフィラメントを衣料用と
して使用するためには、フィラメントのデニールを0.
5〜8de、特に好ましくは1.0〜5、Ode、総デ
ニールを30〜200de、特に好ましくは40〜15
odeに設定することが風合上好ましい。
また、カーペット用として使用するためには、フィラメ
ントのデニールを0.5〜8 de、特に好ましくは3
.0〜5.Ode、−デニールを150〜1500de
特に好ましくは300〜1200deに設定することが
風合上好ましい。
以上、述べてきた本発明のマルチフィラメントは、第6
図の如き中空吐出孔と単一吐出孔とを連結スリットで連
結した吐出孔を有する紡糸口金を用いて収縮性の異る少
くとも2種の重合体を溶融紡糸することによって得るこ
とができる。
第6図において、18〜1c、2.3は夫々重合体流を
吐出する吐出孔であって、4は18〜1Cで示される複
数のスリットで形成される中空部、2は単一吐出孔、3
は18〜1Cのスリット及び中空部(4)からなる中空
吐出孔と、単一吐出孔(2)とを連結する連結スリット
、uA2は単一吐出孔の内径、磨及びWはスリット(3
)の長さ及び幅、交A1及びiB+は第6図(ωの中空
吐出孔の外径及び内径を夫々示す。
かかる吐出孔の特徴は、吐出断面積が異なる1対の吐出
孔として、吐出断面積の大なる吐出孔に複数のスリット
(18〜1c)で構成される中空吐出孔を、他方の吐出
断面積の小なる吐出孔に単一吐出孔(2を夫々採用した
ことと、中空吐出孔と単一吐出孔(aとを連結スリット
(3)で連結したことにある。
そして、本発明のマルチフィラメントの製造法では、第
6図の吐出孔の中空吐出孔から吐出する少くとも1部の
重合体を単一吐出孔から吐出する少くとも1部の重合体
よりも高収縮性とし、且つ紡糸口金面直下で中空吐出孔
から吐出された重合体流に、前記重合体流の流速よりも
高速である単一吐出孔(2)から吐出された重合体流を
衝突、バウンドさせつつ接合せしめることが必要である
この様な本発明のマルチフィラメントの製造法を採用す
ることによって、得られるマルチフィラメント内及びフ
ィラメント間の収縮差を大にすることができ、かかるフ
ィラメントから成るマルチフィラメントの収縮力を著し
く向上せしめることができるのである。
ここで、前記第6図の吐出孔において、中空吐出孔のス
リット(1a〜lc)の合計吐出断面積(Sl)と単一
吐出孔(2)の吐出断面積(Sl)とを等しくすると、
紡糸口金直下での重合体流の衝突・バウンドがあまりに
も激しくなるため安定な紡糸が困難となる。
また、中空吐出孔と単一吐出孔(2)とがスリット(3
)で連結されてない吐出孔を用いた場合には、得られる
マルチフィラメントのフィラメント内及びフィラメント
間の収縮差は不充分となる。
本発明のマルチフィラメントの製造法によって、フィラ
メント内及びフィラメント間の収縮差を著しく向上でき
る理由は次の様に考えられる。
即ち、中空吐出孔のスリット(1a〜1c)を通過する
重合体流の流速は単一吐出孔(2を通過する重合体流よ
りも遅いため、紡糸ドラフトは中空吐出孔のスリット(
1a〜1c)から吐出された重合体流に主に集中する結
果、かかる重合体流が形成する中空部分は中空吐出孔が
単一吐出孔である場合よりも大きな剪断力を受けて、重
合体流が中実である場合よりも極めて高い配向度となる
のである。
また、単一吐出孔(′2Jの吐出断面積(S2)は中空
吐出孔のスリット(1a〜lc)の企計吐出断面積(S
+ )よりも小さいため、得られるフィラメント断面(
第1図)において中空部を含むg側の断面積よりもh側
の断面積が小さくなるのである。
更に、中空吐出孔及び単一吐出孔(′2Jから吐出され
る重合体流の流速が異なると共に、連結スリット(3)
から吐出される重合体流で前記2つの重合体流が連結さ
れているために、中空吐出孔から吐出された重合体流に
単一吐出孔[2)から吐出された重合体流が衝突・バウ
ンドしつつ接合する結果、第2図に示す如く長手方向に
太さ斑を有するフィラメントが得られるのである。
しかも、中空と吐出孔から吐出する重合体が単一吐出孔
から吐出する重合体よりも高収縮性であるため、得られ
るフィラメント断面において、9部分を形成する重合体
がh部分を形成する重合体よりも高収縮性となる。
このため、本発明の製造法によって得られるマルチフィ
ラメントを構成するフィラメントは、その断面において
、第1図に示す如く中空部を含む断面積がh部分よりも
大きく且つ9部分が中実である場合よりも極めて高い配
向度を有すると共に、重合体に暴く収縮差とを併有でき
、長手方向の太さ斑と相俟って、極めて大きな収縮力を
有することができる。その結果、織組織による拘束力が
強い織物でも本発明で得られるマルチフィラメントを用
いた織物では均一で充分な嵩高性を呈し得ると共に、カ
ーペット等に用いる六デニール銘柄においても充分な嵩
高性を呈することができる。
ここで、中空吐出孔の一部のスリット、例えば第6図に
示す1a〜1Cのスリットのうち1乃至2個のスリット
から高収縮性重合体を吐出することによって、フィラメ
ント中に占める高収縮性重合体の割合及びフィラメント
断面での位置を任意に変更できる。
本発明において採用する中空吐出孔のスリットの配列形
状、及び単一吐出孔の断面形状は特に限定する必要はな
く、目的に応じて最適なものを採用すればよい。
例えば、中空吐出孔のスリットの配列形状としては、英
国特許第853,062号明細書に記載されている非円
形状のものを採用でき、中でも第6図(b)に示す三角
形状の配列のものが好ましい。
かかる、三角形状の中空吐出孔を用いた第6図(b>の
吐出孔によると、第1図(b)に示す略二等辺三角形の
断面形状を有するフィラメントが得られ、このフィラメ
ントから成るマルチフィラメントは独特な光沢を呈する
ことができる。
また、中空吐出孔のスリット配列形状及び単一吐出孔の
断面形状を第6図(ωの如く円形状とすると、第1図(
ωに示す略まゆ型の断面形状となる。
第6図(ωの吐出孔は工作が容易で好ましい。
更に、第6図において、単一吐出孔(2)と中空吐出孔
とを単一の連結スリット(3)で連結することによって
、驚くべきことに単一吐出孔(2)から吐出される重合
体流は中空吐出孔から吐出される重合体流の片側で衝突
・バウンドしつつ接合するので、中空部分(Φに中実部
分(h)がまきつくことなく接合している第2図に示す
フィラメントが得られ、フィラメントの長手方向に大き
な太さ斑を付与することができる。
この様に、フィラメント間及びフィラメント内に極めて
大きな収縮差を有するフィラメントから成るマルチフィ
ラメントは、紡糸後、更に延伸し熱セットを施して実用
に供し得る力学的特性を付与しても、充分な収縮力を呈
することができ好ましい。かかるスリット(3)の形状
は第6図に示す直線状の他に、カギ形、或いは湾曲して
いてもよい。
要は中空吐出孔と単一吐出孔(2とが連結スリットで連
結されていることである。
また、連結スリット(3)の長さを、得られるフィラメ
ント断面において第2図に示す凹部(x、 x’ )が
形成されるよう設定することによっても、中空吐出孔及
び単一吐出孔(′2Jから吐出される両型合体流の衝突
・バウンドによる振動周期をより大きくすることができ
、得られるフィラメントの長手方向に極めて大きな太さ
斑を付与することができる。
そして、第6図の吐出孔を用いて第1図の断面形状を有
する扁平中空フィラメントを得ることができるが、その
際にかかるフィラメント−断面の顕微鏡写真から求めた
g部分の中空率を2〜30%、特に好ましくは10〜1
5%とし、0部分の中空部(e)を含む断面積Sgと1
部分の断面積shとの比(Sg/Sh )を1.2〜3
、特に1.5〜2とすることが好ましい。
尚、本発明で採用する吐出孔では第6図に示す単一吐出
孔+21が1ヶ以上中空吐出孔に連結されていてもよく
、単一吐出孔(2の形状も三角形、四角形。
Y字形等の非円形であってもよい。
これまで述べてきた本発明の吐出孔の具体的な寸法を、
第6図(田の吐出孔について下記に示す。
1.5≦S+/Sz≦15 0.04≦(uA+−リB1)/2≦0.300.10
≦uAz <Jl!B+ <旦A1≦1.50.05≦
文≦ 1.30 0.03≦W < IL A 2≦ 1.0[但し、旦
A+ 、uB+ 、 リAz、u、Wの夫々の単位は(
m)である。1 そして、この様な吐出孔から成る紡糸口金を採用するこ
とによって、あたかも異デニールフィラメントが混繊さ
れた如きマルチフィラメントを容易に得ることができる
また、本発明のマルチフィラメントの製造法において、
中空吐出孔から吐出される重合体流の流速(Vl)と、
単一吐出孔(2)から吐出される重合体流の流速(Vl
)との吐出速度比(Vl / V2 )・ を1/1.
5〜1/7、特に1/2.3〜1/3.4に設定するこ
とが好ましく、この時の重合体の吐出量比[中空吐出孔
の吐出量/単一吐出孔(2)の吐出量]は3/1〜11
5、特に1.5/ 1〜1/3.3に設定することが好
ましい。
今、第6図(ωに示す吐出孔であって、前記寸法の範囲
内にある吐出孔を有する紡糸口金面直下で得られる紡出
フィラメントの形状を第7図に示す。
第7図はフリーフォールで得たものであり、中空吐出孔
から吐出された側の断面積はほとんど変化せずに、単一
吐出孔から吐出された側の断面積が変化していることを
示している。また、第7図より単一吐出孔から吐出され
た重合体流は中空吐出孔から吐出された重合体流に捲き
付くことなく一方向で撮動していることも併せて示して
いる。
唯、第7図に示す紡出フィラメントは紡出ドラフトの作
用受けないフリーフォールで得られたものであるため、
本発明で得られるマルチフィラメントを構成するフィラ
メントの断面形状と差異が認められるが、紡糸ドラフト
作用下では中実部分が中空部分にバウンドしつつ接合し
ているために中実部分の長さは中空部分よりも長くなる
ので、第2図(Jに示すフィラメント断面形状を有する
フィラメントが得られるのである。
この様にして吐出、接合せしめた重合体流を冷却固化し
た後に700m /分以上の速度で引取り、更に延伸し
100℃以上の温度で熱セットを施すことによって、得
られるマルチフィラメントの力学的特性を実用に供し得
る程度までに高めることができる。この様にしても本発
明で得られるマルチフィラメントでは依然として断面方
向及び長手方向に大きな収縮差を有しているため、熱処
理によって充分な嵩高性を呈することができる。
以上、述べてきた本発明のマルチフィラメントの製造法
において、通常の溶融紡糸の如く紡糸口金から吐出した
重合体流を冷却風により冷却して引取っても、冷却して
から更に加熱を施してから引取ってもよい。
また、溶融紡糸の後に延伸し熱セットを施す方法として
は、溶融紡糸してから一旦捲き取ってから別工程で延伸
し熱セットを施しても、或いは溶融紡糸してから一旦捲
き取ることなく延伸し熱セットを施してもよい。
尚、本発明において採用する収縮差を有する重合体の組
合せとしては、収縮差が165%以上であるものが好ま
しい。
かかる重合体の組合せとしては、互いに相溶性を有する
重合体、例えば低結晶性ポリエステルと高結晶性ポリエ
ステルとのポリエステル同志、或いはナイロンJイイロ
ン66とのポリアミド同志との組合せが好ましく、特に
ポリエステルであるものが好ましい。
ポリエステル同志の組合せの際に、成分の1つが実質的
に繰り返し単位の85モル%以上がエチレンテレフタレ
ートから成るポリエチレンテレフタレート(以下、PE
Tと称することがある)であることが好ましい。
そして、PETを1つの成分とする組合せの場合、他方
の成分としては、PETよりも高収縮性ポリエステルと
してイソフタル酸、オキシ安息香酸等を共重合せしめた
ポリエステル、ポリメチルメタアクリレート及び/又は
ポリスルホン等を配合せしめたポリエステル、又はポリ
ブチレンテレフタレートが、PETよりも低収縮性ポリ
エステルとしてスルホン酸等を共重合せしめたポリエス
テルが代表的に挙げられる。
勿論、PETよりも高収縮性ポリエステルと、PETよ
りも低収縮性ポリエステルとを組合せてもよいことは言
うまでもない。
また、前記組合せの他に、極限粘FIF[η]のみが互
いに異るポリエステルの組合せであってもよい。この場
合、低[η]ポリエステルは高[η]ポリエステルより
も高収縮性である。
この様なポリエステルの組合せにおいて、特にPETと
イソフタル酸共重合ポリエステルとの組合せ、或いは極
限粘度[η]のみが異るPETの組合せが経済的でもあ
り好ましい。
(作 用) 従来のパルシングヤーンを得るための紡糸口金の吐出孔
は孔径が異る2つの吐出孔が成る角度で対向して設けら
れており、孔径の大なる吐出孔から吐出する重合体流の
流速を他方の小なる吐出孔から吐出する重合体流を遅く
することによって、流速差を有する2つの重合体流を紡
糸口金直下で衝突、撮動させつつ接合することができる
ため、得られるフィラメントの断面方向及び長手方向に
一応の収縮差を付与することができる。
しかしながら、かかる吐出孔から吐出される自重合体流
を衝突、振動させつつ接合するには、自重合体流の流速
差及び吐出方向を常に最適条件に維持することが大切で
あって、これらの条件が微かに最適条件から外れると、
自重合体流の衝突。
撮動が極めて減少するか、或いは発生しなくなる。
このため、自重合体流の吐出量を極めて厳密に管理する
と共に、吐出孔の孔径差2両吐出孔の交差角、及び設置
位置を極めて精密に工作することが要求されるのである
また、自重合体流の衝突による振動を激しくしてフィラ
メントの長手方向の太さ斑を大にぜんとしても、両孔の
設置距離を大にすると逆に振動は減少、或いは消滅して
しまうのである。
この点、本発明では、第6図に示す両吐出孔が連絡スリ
ットで連結されている1対の吐出孔を採用するため、自
重合体流の流速差及び吐出方向が多少変動しても、或い
は両吐出孔の設置間隔を大にしても、連結スリットから
吐出される重合体流によって自重合体流が連結されてい
るので、自重合体流は衝突、バウンドによる大きな1t
i!71を発生しつつ接合せしめることができるのであ
る。
更に、吐出面積の大なる中空吐出孔から吐出する重合体
流が吐出断面積の小なる単一吐出孔から吐出する重合体
流よりも遅いため、紡糸ドラフトを中空吐出孔から吐出
される重合体流に集中せしめることができ、中空吐出孔
から吐出された重合体流に大きな剪断力が作用するので
中空部分が中実である場合よりも極めて高い配向度とす
ることができるのである。
しかも、中空吐出孔の中空部を含む断面積が単一吐出孔
の断面積よりも大きいため、得られるフィラメントの断
面において中実部分よりも中空部分の断面積が大きいの
である。
また、本発明では、中空吐出孔から吐出する重合体を単
一吐出孔から吐出する重合体よりも高収縮性とするため
、得られるフィラメントの断面において、中空部分(第
1図に示す0部分)を形成する重合体を、中実部分(第
1図に示すh部分)を形成する重合体よりも高収縮性と
することができる。
こ゛の様にして得られる本発明のマルチフィラメントで
は、構成するフィラメントの断面において、中空部を有
する断面積が中実部分よりも大きいと共に、中空部分を
形成する重合体が中実部分を形成する重合体よりも高収
縮性であり、且つフィラメントの長手方向にも大きな太
さ斑を有しているので、かかるフィラメントから成るマ
ルチフィラメントではフィラメント間、フィラメント内
に極めて大きな収縮差を有しており、熱処理の際に大き
な収縮力を呈し得るのである。
かかるマルチフィラメントを用いた織物では、熱処理に
よって均一で且つ充分な嵩高性を呈することができると
共に、従来、熱処理だけでは充分な嵩高性を付与できな
かったカーペット等に用いる太デニール銘柄でも、熱処
理だけで充分な嵩高性を付与できる。また、溶融紡糸で
得られる未延伸糸に更に延伸し熱セットを施して実用に
供し得る力学的特性を付与したマルチフィラメントでも
、依然として充分な収縮差を有しているため、かかるマ
ルチフィラメントを用いた織物も熱処理によって充分な
嵩高性を呈することができる。
更に、本発明において、フィラントの断面形状を略二等
辺三角形にすると、独特な光沢を呈することもできる。
〈発明の効果) 本発明で得られるマルチフィラメントは単に熱処理を施
すだけで極めて大きな嵩高性を呈し得るので、衣料用は
勿論のこと、3デニ一ル以上の太デニールフィラメント
で構成されているカーペット等の太デニール銘柄に好適
に用いることができる。
(実施例) 、  以下、本発明を実施例にて更に説明するが、本実
施例で用いる物性は下記の方法で測定したものである。
(1)最大応力を呈するときの伸度(L2)及び最終破
断伸度(Ll) 通常の引っ張り型試験機にて、温室25℃、湿度60%
で、試料長10α、引っ張り速度200m/#lIの条
件で応力−伸度曲線を求め、応力が最大となる伸度(L
2)、応力が零となる伸度を最終破断伸度(L+ )と
した。
(a 収縮率 マルチフィラメントの「カサ」を作り、この[カサJに
2.5ay/dの相当する荷重をかけ、120℃で5分
間乾熱処理した時の収縮率を以下の式より求めた。
[Jllo−It /no]x  100(%)=収縮
率(%)(旦0:処理前の「カサ」の長さ) (文I :処理後の「カサ」の長さ) (3)  71合い(嵩高感) 得られた潜在嵩高性マルチフィラメントを筒編みし、分
散染料を使用して常法で染色し、水洗乾燥後、180℃
で1分間セットし風合いく嵩高感)評価用の試料とした
。風合い(嵩高感)は、肉眼観察並びに触感によって評
価した。
4)重合体の収縮性 吐出する重合体を夫々に単独で、ノズル口径0.27.
φ、ランド長0.6111111.ノズル数36個の紡
糸口金を用いて紡糸(紡糸口金の他は実施例と同一紡糸
条件)し、得られる清水収縮率の差で示す。
[実施例−1] 高収縮性重合体とし、イソフタル酸5mo1%を共重合
した極限粘度[η]が0.64のポリエチレンテレフタ
レート(艶消剤としてT!Ozを0.3重量%含有)を
Aポリマーとし、低収縮性重合体として、極限粘度[η
]が0.71のポリエチレンテレフタレート(艶消剤と
してT! 02を0.3重置%含有)を8ポリマーとし
て、各々のポリマーを溶融してから更に300℃に昇温
し、第6図(ωに示す吐出孔の中空吐出孔側にAポリマ
ー、単一吐出側にBポリマーを導いた後、から37.5
g/分の吐出量で吐出した。
ここで使用した吐出孔の各部の寸法を第1表に示す。
(以下余白) かかる吐出孔において、中空吐出孔及び単一吐出孔(2
1から吐出されAポリマー及びBポリマーの吐出量比及
び吐出速度比は夫々1/L7及び1/3.3であった。
そして、紡糸口金直下で中空吐出孔から吐出されtc 
Aポリマー流の片面に、単一吐出孔(2から吐出された
Bポリマー流が衝突・バウンドしつつ接合する。
次いで、接合したポリマー流には温度26℃湿度60%
の冷却風を300/秒の線速度で吹きつけて冷却同化後
、オイリングローラ−で油剤を付与してから引取速度4
500TrL/#I11で捲き取って75de/ 36
filのマルチフィラメントを得た。
尚、Aポリマーから成る紡出糸の清水収縮率は35%、
Bポリマーから成る紡出糸の清水収縮率は15%であっ
た。
かかるマルチフィラメントを構成するフィラメントは第
1図(田に示す断面形状であって且つ0部分の中空率は
12%であった。しかも、フィラメントの長手方向にも
大きな太さ斑を有しており、このマルチフィラメントの
ウースター斑は第3図(ωに示す如く大きなものであっ
た。
そして、得られたマルチフィラメントについて、0部分
の中空部(e)を含む断面積Sgと、1部分の断面積s
hとの比(S(II /Sh ) 、応力−伸度曲線、
及び糸物性を測定し第2表に示した。
(以下余白) 第2表 (以下余白) このマルチフィラメントの[2は70%と低い値である
ため、更に延伸熱セットを施すことなくそのまま実用に
供し得るものである。
このため、前記マルチフィラメントを筒編みにして、下
記条件下で分散染料で染色を施した。
[染色染付] 染     料 :  p o+yester   E
 astlllan   31ue染 料 比二筒編み
重量に対して4% 助   剤:モノゲン■(0,5%/J2)浴    
 比 :1/100 温度X時間:100℃x60分 染色した試料を水洗、乾燥後、180℃で1分間熱セツ
トした。
この様にして得られた試料は、均一で染色性の良いもの
であり、又、風合いは腰があり且つ通常のウーリー糸を
用いた試料と同等のすぐれた嵩高感があった。
このことは、かかるマルチフィラメントのフィラメント
間及びフィラメント内に大きな収縮差を有しており、こ
れらフィラメントから成るマルチフィラメントは大きな
収縮力を有していることを示す。
[実施例−2] 引取速度を3000711 /分とした他は実施例−1
と同様に紡糸して未延伸糸を得た。
この紡糸条件下ではAポリマーから成る紡出糸の清水収
縮率は60%、Bポリマーから成る紡出糸の清水収縮率
は55%であった。
次いで、この未延伸糸を予熱し延伸を行ないつつスリッ
トヒータで熱セットしてから引取る延伸熱セットを下記
条件で行ない、75de/ 36f i lのマルチフ
ィラメントを得た。
[延伸熱セツト条件] 予熱温度     80℃ 熱セツト温度  180℃ (スリットヒータ一温度) 延伸倍率    1.4 延伸引取速度  3oom /分 このマルチフィラメントの特性を第3表に示す。
第3表 (以下余白) この様に本発明によって得られるマルチフィラメントは
延伸熱セットを施しても依然として大きな収縮差を有し
ている。
そして、かかるマルチフィラメントを用いた筒編を実施
例−1と同様な染色条件下で染色を施して、得られる試
料の染色性及び嵩高感について評価した結果、均一で染
色性良好なもので、且つ通常のウーリー糸を用いた試料
と同等の嵩高感があった。
また、前記延伸熱セツト条件の中で熱セツト温度を第4
表の如く変更して得られるマルチフィラメントの嵩高性
評価を実施例−1と同様に行なった結果を第4表に併せ
て示す。
(以下余白) 第4表 ○:標準よりやや劣るが満足し得る嵩高感(以下余白) この様に本発明によって得られるマルチフィラメントで
は延伸熱セットにより清水収縮率を20%   1以下
としても、依然として充分な嵩高感を呈し得るものであ
る。このことは、本発明で得られるマルチフィラメント
のフィラメント間及びフィラス   1ント内に大きな
収縮差を有しており、かかるフィ   ゛ラメントは大
きな収縮力を有していることを意味   “する。  
                     ([比較
例−1]1 極限粘度0.64のポリエチレンテレフタレート   
−(艶消剤としてTi 02を0.3%含有する)を溶
融して、更に300℃に昇温し、特開昭55−5180
9号   1公報(米国特許第4,332,757号及
び米国特許第    14.349,604号)に記載
されている吐出孔から37.5    (g/分の吐出
口で吐出した。
かかる吐出孔は、孔径0.15a、ランド長     
lO,30#l#lの丸孔(1)と、孔径0.27rm
、ランド長1.3#lIIの丸孔(2とが、紡糸口金面
直下で両孔の中心線が5°で交差する様に設けられてい
る。
また、かかる丸孔(1)と丸孔(2との吐出量比及び1
出速度比を夫々1.9及び1.6とするのが限界でちっ
た。
この吐出孔から吐出されたPET流は紡糸口金面直下で
丸孔(1)から吐出されたPET流に丸孔(2)から吐
出されたPET流が巻付つつ衝突・振動して接合する。
引き続き、接合したPET流は実施列−2同様に冷却し
30007FL /分の引取速度で巻き収った。次いで
、この未延伸糸を実施例−2の延[中熱セット条件(但
し、熱セツト温度は180℃)で延伸熱セットを施した
この様にして得られたマルチフィラメントを構成するフ
ィラメントは偏平ではあるものの、中空隼が存しなく、
且つ長手方向の太さ斑も小さなもってあった。
次に、このマルチフィラメントの特性を第5表こ示す。
(以下余白) 第5表 (以下余白) このマルチフィラメントを用いた筒編を実施例−2と同
様な染色条件で染色して得られた試料は、嵩高感が極め
て少なく、フラットヤーンを用いて筒編・染色を施した
如きベーパーライクな風合であった。
このことは、かかるパルシングヤーンのフィラメント間
及びフィラメント内の収縮差が小さく、この様なフィラ
メントから成るマルチフィラメントの収縮力は小さいこ
とを意味するものである。
[比較例−2] 引取速度を4500R/分とした他は比較例−1と同様
紡糸して、第6表に示す特性を有する75de/36f
ilのマルチフィラメントを得た。
(以下余白) 第6表 (以下余白) かかるマルチフィラメントを構成するフィラメントの断
面は偏平であるものの、中空部が存しない形状で且つ長
手方向の太さ斑は小さいものであった。このマルチフィ
ラメントのウースター斑は第3図(b)に示す如く小さ
なものであった。次に、このマルチフィラメントを用い
て筒編みし、実施例−1と同様な条件で染色を施したと
ころ、ある程度の嵩高感を呈するものであった。
しかしながら、かかる嵩高性の堅牢性は乏しく、張力等
の外力の付与によって容易に嵩高感が消滅する。このこ
とは、かかるマルチフィラメントのフィラメント間及び
フィラメント内の収縮差が小さく、この様なフィラメン
トから成るマルチフィラメントの収縮力は小さいことを
意味する。
[実施例−3] 実施例−1及び比較例−2で得られたマルチフィラメン
トを夫々3000デニールの[カサjにし、この「カサ
」を0. 2,5. 5.0. 7.5.10.15r
Itg/deの荷重を付与しつつ 120℃の乾熱下で
熱処理を施した。この熱処理後にマルチフィラメントの
呈する嵩高窓を肉眼で判定し、その結果を第7表に示し
た。
(以下余白) 第7表 ◎:立体感のある嵩高窓 ○:立体感には欠けるが、通常ウーリー糸並の嵩高窓 Δ:通常ウーリー糸の嵩高窓よりもやや劣るX:嵩高窓
が全くなく、ペーパーライクなもの第7表からも明らか
な様に、本発明によって得られるマルチフィラメントの
有する嵩高性の堅牢性は従来のパルシングヤーンに比較
して優れており大きな収縮力を有していることが判る。
[実施例−4] 第6図(a)に示す吐出孔を用いて、吐出孔の寸法及び
紡糸引取速度を第8表に変更する他は実施例−2と同様
に紡糸し延伸熱セットを行ない、75de/36ril
のマルチフィラメントを得た。かかる延伸熱セットの条
件を第8表に併せて示す。
また、紡糸におけるポリマー流の衝突・バウンドの運動
状態、紡糸断糸の有無、得られるマルチフィラメントの
特性を第9表に示す。かかるマルチフィラメントを用い
た筒編を実施例−1と同様な染色条件下で染色を施して
、得られる試料の嵩高窓についても第9表に併せて示す
第8〜第9表から明らかな様に、本発明によってフィラ
メント内及びフィラメント間の収縮差が大きく、収縮力
が大きなマルチフィラメントを容易に得られることが判
る。
(以下余白) [実施例−5] 実施例1−1のAポリマー及びBポリマーを第10表の
ポリマーに変更する他は、実施例−1と同様に紡糸を行
い、75de/ 24f i Iのマルチフィラメント
を得た。
かかるポリマー単独から成る紡出先夫々の清水収縮率及
び得られるマルチフィラメントの特性を第10表に併せ
て示す。
第10表から明らかなように、本発明によってフィラメ
ント内及びフィラメント間の収縮差が大きく、収縮力が
大きなマルチフィラメントを容易に得られる事が判る。
(以下余白)
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のマルチフィラメントを構成するフィラ
メントの断面図、第3図は本発明によって得られるマル
チフィラメントを構成するフィラメントの長手方向の側
面図及び該側面図を90°回転した正面図、第3図の(
′2J及び(b)は夫々後述する実施例−1及び比較例
−2で得られた本発明のマルチフィラメント及び従来の
パルシングヤーンのウースター斑を夫々示すグラフ、第
4図は本発明によって得られるマルチフィラメントの断
面図、第5図は本発明によって得られるマルチフィラメ
ント応力(St )−伸度(El)曲線、第6図は本発
明のマルチフィラメントを得るための紡糸口金の吐出孔
断面図、第7図は第6図(ωの吐出孔からフリーフォー
ルで重合体を吐出した直後のフィラメントを横断面に沿
って切断した際のフィラメント斜視図を夫々示す。 第1図 第2図 (α)(b) 第3図 第4図 第5図 (α) 第6図 1a 1α 第7図 手続補正書 昭和60年1月76日

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)収縮性の異る少くとも2種の重合体から成るフィ
    ラメントで構成されているマルチフィラメントにおいて
    、構成フィラメントが扁平で且つ長軸方向の外周部に該
    長軸を挾んで互いに対向する1通の凹部を有していると
    共に、前記1対の凹部間に在る短軸に対して非対称であ
    る断面形状と、フィラメントの長手方向に太さ斑とを有
    する偏心フィラメントであつて、該短軸によって分割さ
    れる中空部を含む部分の断面積がこれに隣接する中実部
    分よりも大であり、且つ前記中空部存在部分を形成する
    少くとも1部の重合体が中実部分を形成する少くとも1
    部の重合体よりも高収縮性であることを特徴とする潜在
    嵩高性マルチフィラメント。 (2)該フィラメント断面形状が略まゆ型で且つ短軸に
    対して非対称である特許請求の範囲第(1)項記載の潜
    在嵩高性マルチフィラメント、 (3)該フィラメントの断面形状が略二等辺三角形で且
    つ互いに対向する長辺部に1対の凹部を有していると共
    に、前記1通の凹部間に在る短軸に対して非対称である
    特許請求の範囲第(1)項記載の潜在嵩高性マルチフィ
    ラメント。 (4)該フィラメントの長手方向において、中空存在部
    分に中実部分が巻付くことなく接合している特許請求の
    範囲第(1)項記載の潜在嵩高性マルチフィラメント。 (5)該マルチフィラメントが下記[ I ]式を満足す
    る特許請求の範囲第(1)項記載の潜在嵩高性マルチフ
    ィラメト。 L_1−L_2≧20%・・・・・・[ I ]但し、L
    _1はマルチフィラメトンの最終破断伸度、L_2は最
    大応力を呈するときの伸度を夫々示す。 (6)重合体がポリエステルである特許請求の範囲第(
    1)項記載の潜在嵩高性マルチフィラメント。 (7)収縮性の異る少くとも2種の重合体を溶融して紡
    糸口金の吐出断面積が異る1対の吐出孔から流速差を有
    する1対の重合体流として吐出し、紡糸口金面直下で前
    記1対の吐出孔の吐出面積が大なる吐出孔から吐出した
    低速重合体流に、他方の吐出断面積が小なる吐出孔から
    吐出した高速重合体流を衝突、バウンドさせつつ接触せ
    しめ、次いで冷却固化させた後に引取るマルチフィラメ
    ントの製造法において、該1対の吐出孔を連結スリット
    により互いに連結せしめ、且つその吐出断面積の大なる
    吐出孔を複数のスリットで中空部を形成する中空吐出孔
    とし、他方の吐出断面積の小なる吐出孔を単一吐出孔と
    すると共に、前記中空吐出孔から吐出する少くとも1部
    の重合体を単一吐出孔から吐出する少くとも1部の重合
    体よりも高収縮性とすることを特徴とする潜在嵩高性マ
    ルチフィラメントの製造法。 (8)中空吐出孔を構成する複数のスリットの配列、及
    び単一吐出孔の断面形状が共に円形である特許請求の範
    囲第(1)項記載の潜在嵩高性マルチフィラメトの製造
    法。 (9)中空吐出孔を構成する複数のスリットの配列が非
    円形である特許請求の範囲第(7)項の記載の潜在嵩高
    性マルチフィラメントの製造法。 (10)中空吐出孔を構成する複数のスリットの配列が
    三角形である特許請求の範囲第(7)項、又は第(9)
    項記載の潜在嵩高性マルチフィラメントの製造法。 (11)スリットにより互いに連絡せしめた1対の吐出
    孔から成る紡糸口金である特許請求の範囲第(7)項記
    載の潜在嵩高性マルチフィラメントの製造法。 (12)1対の吐出孔を互いに連結するスリットが単一
    である特許請求の範囲第(7)項、又は第(11)項記
    載の潜在嵩高性マルチフィラメントの製造法。 (13)中空吐出孔から吐出される重合体流の流速(V
    _1)及び単一吐出孔から吐出される重合体流の流速(
    V_2)が下記[II]式を満足する流速である特許請求
    の範囲第(7)項記載の潜在嵩高性マルチフィラメント
    の製造法。 1/1.5≦V_1/V_2≦1/7・・・・・・[I
    I](14)冷却固化させた後に引取つて一旦巻取るか
    、或いは一旦巻取ることなく延伸を施す特許請求の範囲
    第(7)項記載の潜在嵩高性マルチフィラメントの製造
    法。 (15)重合体がポリエステルである特許請求の範囲第
    (7)項、又は第(13)項記載の潜在嵩高性マルチフ
    ィラメントの製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0284512A (ja) * 1988-09-20 1990-03-26 Toyobo Co Ltd ポリエステル系複合繊維
WO2003046266A1 (fr) * 2001-11-30 2003-06-05 Teijin Limited Fibre synthetique frisee machine presentant une aptitude a la frisure latente en trois dimensions, et procede de production associe
JP2013538947A (ja) * 2010-09-02 2013-10-17 ロンシェン ペトロケミカル カンパニー リミテッド 確率的熱膠着形状化フィラメント

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JP2013538947A (ja) * 2010-09-02 2013-10-17 ロンシェン ペトロケミカル カンパニー リミテッド 確率的熱膠着形状化フィラメント

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