JP3696421B2 - 複合繊維の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた捲縮発現性能を有するサイドバイサイド型複合繊維及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、優れた捲縮発現性能を有しながら、繊維の太さ斑が少なく、且つ使用時の接合面剥離や染色時の染め斑が発生し難いサイドバイサイド型複合繊維及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
互いに粘度の異なる2種の繊維形成性熱可塑性重合体を複合紡糸して潜在捲縮発現能を有する複合繊維を製造する方法としては、従来様々な方法が提案されている。しかしながら、より優れた潜在捲縮発現能を付与するために重合体間の溶融粘度差を大きくすると、該粘度差により、紡糸口金から吐出された重合体の複合流が曲がってしまう、いわゆるニーリング現象が発生しやすくなるため、単糸切れが多発して安定に紡糸することができなくなるだけでなく、得られる複合繊維の太さ斑や染色時の染め斑等の品質が悪化するという問題があった。
【0003】
かかる溶融粘度差に起因する問題を解消するために、従来、低粘度側の重合体に増粘剤を配合するか又は高粘度側の重合体に減粘剤を配合して溶融粘度差を減少させる方法、それぞれの重合体を別々に紡糸口金から吐出し、その直後に両吐出流を衝突接合させる方法、あるいは、高粘度側の重合体流に横から低粘度側重合体流を挿入して両重合体流の線速度を揃える方法等が提案されている。しかし、増粘剤や減粘剤を配合する方法では、得られる複合繊維が着色したり潜在捲縮発現能が低下するという問題がある。また、吐出直後に両重合体流を接合させる方法では、紡糸ノズル孔を斜めに穿孔する必要があるために口金コストが高くなるだけでなく、接合後の断面形状が団子状のくびれた形状になりやすいため該接合部で剥離しやすいという問題がある。さらに、高粘度側の重合体流に横から低粘度側重合体流を挿入する方法では、ニーリングの抑制効果は未だ不十分なレベルである。
【0004】
また別の方法として、互いに粘度の異なる2種の繊維形成性熱可塑性重合体をサイドバイサイド型中空複合繊維となして捲縮発現能を向上させる方法(特公昭47−17089号公報)、その際紡糸ノズル孔のスリット形状を特定するとともに該スリットから吐出される複合重合体流の位置関係をも特定してニーリング現象の発生を抑制する方法(特公平5−65604号公報、特開平8−226008号公報)が提案されている。しかしながら、これらの方法はいずれも、中空率の変動及びU%の変動が大きいため、それに伴う捲縮発現能のばらつきや染色時の染め斑が大きくなるという問題があり、より品質の均一化した複合繊維の開発が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術に鑑みなされたもので、その目的は、捲縮発現性能に優れ、しかも、製糸時にはニーリング現象が発生し難いために太さ斑が少なく、且つ使用時の接合面剥離や染色時の染め斑も少ないサイドバイサイド型複合繊維を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らの研究によれば、上記課題は、「互いに粘度の異なる2種の繊維形成性熱可塑性重合体をサイドバイサイド型に溶融紡糸するに際し、
(i) 前記2種の繊維形成性熱可塑性重合体のサイドバイサイド型接合複合流が導入される側の紡糸ノズル孔中心点に対し、吐出される側の紡糸ノズル孔中心点が高粘度重合体流側に偏心している紡糸ノズル孔から溶融紡糸し、
(ii)その際紡糸ノズル孔の開口部は実質的に同一円周上に間隔(d)で配置された2個の円弧状スリットA及びBで構成され、該円弧状スリットAの面積SA、スリット幅A1 、円弧状スリットBの面積SB、スリット幅B1 、並びに円弧状スリットA及びBの内周面で囲まれた面積SCが下記式(イ)〜(ニ)を同時に満足する紡糸ノズル孔であり、且つ、
(イ) B1 <A1
(ロ) 1.1≦SA/SB≦1.8
(ハ) 0.4≦(SA+SB)/SC≦10.0
(ニ) d/A1 ≦3.0
(iii) 粘度の高い方の繊維形成性熱可塑性重合体は円弧状スリットA側から、一方粘度の低い方の繊維形成性熱可塑性重合体は円弧状スリットB側から主として吐出されるように溶融紡糸する、ことを特徴とする複合繊維の製造方法」により達成できることが見出された。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の方法を図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明で使用される2個の円弧状スリットA及びBで構成される紡糸ノズル孔の開口部形状を示す一例であり、粘度の高い方の繊維形成性熱可塑性重合体は円弧状スリットA側から、一方粘度の低い方の繊維形成性熱可塑性重合体は円弧状スリットB側から主として吐出される。また図2は、紡糸ノズル孔内を流動する高粘度側重合体流と低粘度側重合体流の位置関係と、紡糸ノズル孔を重合体複合流の接合面に対して直角な面で切断したときの断面図を模式的に示した概略図である。
【0008】
図1において、SA及びA1 はそれぞれ円弧状スリットAの面積及びスリット幅を表し、SB及びB1 はそれぞれ円弧状スリットBの面積及びスリット幅を表し、SCは円弧状スリットA及びBの内周面で囲まれた面積を表し、dは円弧状スリットAとBの間隔を表す。本発明では、これらが下記式(イ)〜(ニ)を同時に満足していることが大切である。
(イ) B1 <A1
(ロ) 1.1≦SA/SB≦1.8
(ハ) 0.4≦(SA+SB)/SC≦10.0
(ニ) d/A1 ≦3.0
【0009】
本発明においては、上記式のうち特に(ハ)式が肝要で、この比が0.4未満の場合には得られる複合繊維は高中空率の複合繊維になり、両重合体の接合が不十分となって剥離(中空割れ)しやすくなり、また中空率の変動や捲縮発現能のばらつき、U%斑等が増大するため好ましくない。一方10.0を越える場合にはニーリング現象の抑制効果が不十分となって紡糸工程調子が悪化し、得られる複合繊維のU%及び染色時の染め斑が増大するので好ましくない。特に好ましい範囲は1.5〜6.0である。
【0010】
一方、スリットAの幅A1 がスリットBの幅B1 以下である場合には、高粘度ポリマーが低粘度側に流れ込んでニーリング現象の抑制効果が不十分となるので好ましくない。なかでもA1 /B1 が1.2〜1.6の範囲にあるとき、スリット間での分割吐出を行いやすくなるのでより好ましい。
【0011】
スリット面積比SA/SBは、1.1未満の場合にはニーリング現象の抑制効果が不十分となり、一方1.8を越える場合には曳糸性が低下して安定に紡糸することができなくなるので好ましくない。特に好ましい面積比の範囲は1.2〜1.6である。
【0012】
さらに、円弧状スリットAとBの間隔dが該円弧状スリットAの幅A1 の3倍を越える場合には、両スリットから吐出されるポリマー流の接合が不十分となって剥離しやすくなるので好ましくない。特に好ましいd/A1 の範囲は0.2〜2.0である。
【0013】
なお、円弧状スリットAの中心角は、円弧状スリットAとBの面積比、使用する重合体の粘度差、複合重量比等により適宜変更すればよいが、複合重量比が40/60〜60/40の範囲で、高粘度重合体成分の方に中空率8%以下、好ましくは1〜6%の中空部が形成されるように中心角を大きくすると捲縮発現性能が特に向上し、他方中心角を小さくすれば、低粘度側重合体の粘度を選択(より低粘度化)することによって捲縮発現性能の均一性に特に優れた中実複合繊維を得ることができるので好ましい。
【0014】
本発明の紡糸ノズル孔は、上記の要件に加えて、互いに粘度の異なる2種の繊維形成性熱可塑性重合体がサイドバイサイド型接合した複合流が導入される側の紡糸ノズル孔中心点に対し、吐出される側の紡糸ノズル孔開口部中心点が、高粘度重合体側に偏心していることが必要であり、特に図2(a)に示されるように、紡糸ノズル孔の縦断面図において、粘度の高い方の繊維形成性熱可塑性重合体が流れる側が略直線であるのが好ましい。図2の(b)又は(c)に示されるように、紡糸ノズル孔開口部の中心点が偏心していないか、あるいは低粘度重合体側に偏心している場合には、ニーリング現象は抑制することができず、本発明の目的は達成できない。
【0015】
本発明においては、上記の紡糸ノズル孔を使用し、サイドバイサイド型接合した、互いに粘度の異なる2種の繊維形成性熱可塑性重合体の複合流を、前記のように、粘度の高い方の繊維形成性熱可塑性重合体が円弧状スリットA側から、また粘度の低い方の繊維形成性熱可塑性重合体が円弧状スリットB側から主として吐出されるように溶融紡糸する必要があり、特に、高粘度重合体が円弧状スリットA側から吐出されるようにするのが好ましい。また、繊維形成性熱可塑性重合体の粘度差、紡糸ノズル孔の各部寸法を適宜選択することにより、両重合体の接合面形状が略平面となるようにするのが、捲縮発現性能の点から好ましい。
【0016】
次に、本発明で使用される繊維形成性熱可塑性重合体としては、溶融紡糸により繊維を形成し得る重合体であれば特に限定されず、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン等の任意の熱可塑性重合体を挙げることができ、なかでも繊維形成性ポリエステルが好ましい。
【0017】
かかる繊維形成性ポリエステルの具体例としては、主たる繰返し単位がエチレンテレフタレートであるポリエチレンテレフタレート系ポリエステル、又は主たる繰返し単位がブチレンテレフタレートであるポリブチレンテレフタレート系ポリエステルが好ましく、捲縮の耐久性に優れた複合繊維を得ることができる。
【0018】
なお、上記のポリエチレンテレフタレート系又はポリブチレンテレフタレート系ポリエステルは、必要に応じて少量(通常30モル%未満)の共重合成分を有していてもよく、例えば共重合酸成分としては、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸等を、またオキシカルボン酸成分としては、パラヒドロキシ安息香酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等を、さらにジオール成分としてはトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールA(フェノール性水酸基にエチレンオキサイドを付加したものでもよい)、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を挙げることができる。特に粘度が高い方のポリエステルにイソフタル酸及び/又はビスフェノールAが5〜25モル%、好ましくは8〜15モル%共重合されている場合には、得られる複合繊維の捲縮発現性能がさらに向上するので望ましい。
【0019】
またポリアミド及びポリオレフィンの具体例としては、ナイロン−6、ナイロン−66、ポリプロピレン等、及びこれらに少量の共重合成分を含有するものを挙げることができる。
【0020】
本発明においては、互いに粘度の異なる2種の上記繊維形成性熱可塑性重合体(高粘度重合体、低粘度重合体)を組み合わせて使用するが、高粘度重合体と低粘度重合体の接合面の接着性に優れ、剥離が発生し難くなるので同種重合体の組み合わせが好ましい。
【0021】
高粘度重合体と低粘度重合体との間の粘度差は、溶融紡糸時の温度で100〜1800ポイズ、好ましくは300〜900ポイズの範囲が適当であり、この粘度差が100ポイズ未満では潜在捲縮発現能が低下する傾向にあり、一方、1800ポイズを越える場合には本発明のニーリング現象抑制効果を十分に発揮することができなくなる。
【0022】
特に好ましい高粘度重合体と低粘度重合体の組合わせは、高粘度重合体がイソフタル酸又はビスフェノールAを5〜25モル%、好ましくは8〜15モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステル、低粘度重合体が実質的にエチレンテレフタレートからなるポリエステルの組合わせである。その際固有粘度に0.1〜0.5、特に0.15〜0.3の差がある場合が好ましく、さらには高粘度ポリエステルの固有粘度が0.4〜0.8の範囲に有り、低粘度ポリエステルの固有粘度が0.3〜0.7の範囲にある場合が好ましく、かかる組合わせによれば本発明の目的を高度に達成することができる。なお、ここでいう固有粘度は、オルソクロロフェノール溶媒中温度30℃で測定したものである。
【0023】
本発明では、上記の高粘度重合体と低粘度重合体をサイドバイサイド型に接合された複合繊維となすが、その複合重量比率は高粘度重合体/低粘度重合体を60/40〜40/60、好ましくは55/45〜45/55の範囲にするのが適当である。高粘度重合体の割合が多すぎる場合には、得られる複合繊維の捲縮発現能が低下する傾向にあり、一方、低粘度重合体の割合が多すぎる場合には、捲縮発現能が低下するだけでなく、機械的特性も低下して製糸安定性も低下する傾向にある。
【0024】
本発明の複合繊維を製造する際の溶融紡糸方法、紡糸装置、紡糸条件、延伸条件等は、本発明で必須の要件としている上記の要件を満足していれば、従来採用されている方法、装置、条件を採用することができる。
【0025】
なお、本発明で使用される前記繊維形成性熱可塑性重合体には、本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、着色防止剤、熱安定剤、難燃剤、蛍光増白剤、艶消剤、着色剤、帯電防止剤、吸湿剤、抗菌剤、無機微粒子等を1種又は2種以上を添加してもよい。
【0026】
次に、上記製造方法等により製造される本発明の複合繊維の全捲縮率(TC:測定方法は実施例の欄参照)は4.0%以上、好ましくは5.0〜15.0%である必要があり、4.0%未満の場合には、捲縮性能が不十分となって伸縮性能に優れた布帛等の製品を得ることが困難になるので好ましくない。また、太さ斑を表すU%(測定方法は実施例の欄参照)は0.8%以下、好ましくは0.5%以下であることが大切で、0.8%を越える場合には染色時に染色斑が発生しやすく、また潜在捲縮性能を熱処理して顕在化させた捲縮にばらつきが大きく、織物等の製品にしたときの品位が悪化するので好ましくない。
【0027】
さらに、複合繊維に中空率8%以下の中空部が、好ましくは高粘度重合体成分の方に中空率5%以下、特に3%以下の中空部が存在している場合には、捲縮性能に優れていると共に太さ斑(繊度斑及び中空率の斑)も小さいために、品位及び伸縮性能に優れた布帛を得ることができる。一方、複合繊維に中空部が存在しない場合には、捲縮性能の均一性が特に良好となるので品位に優れた布帛を得ることができ好ましい。
【0028】
本発明の複合繊維の単繊維繊度は、あまりに小さすぎると捲縮発現性能が低下し、一方大きくなりすぎると柔軟性が低下して風合が悪化する傾向にあるので、1.5〜10デニール、特に2.0〜6.0デニールの範囲が適当である。フィラメントカウント数は限定されるものではないが、10〜50程度が適当である。
【0029】
また破断伸度は、20%未満になると製糸工程において単糸切れ等の工程調子悪化を招きやすく、一方50%を越えると染色斑が発生しやすくなるので、20〜50%、特に25〜40%の範囲が適当である。
【0030】
さらに複合繊維の破断強度は、小さすぎると製糸工程での工程調子が悪化しやすく、一方高すぎると織物にした際の柔軟な風合が得難いので、2.5〜5.0g/deの範囲、特に3.0〜4.0g/deの範囲が適当である。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中の各評価項目は、下記の方法にしたがって測定した。
【0032】
<中空割れ>
得られた中空複合繊維(24フィラメント)の任意のセクション(50本)を撮り、中空割れが全く無い場合を○、5%以下を△、5%超を×で表した。
【0033】
<中空率>
得られた中空複合繊維(24フィラメント)の任意のセクション(50本)を撮り、その顕微鏡写真より中空率を求めた。
【0034】
<U%>
イヴネステスターを使用し、検出端に供給速度100m/分で、3000r/mの撚りをかけながら試料を供給して測定した。
【0035】
<全捲縮率(TC)>
試料に50mg/デニールの張力をかけてカセ枠に巻取り、約3,000deのカセを作る。カセ作製後、カセの一端に2mg/de+200mg/deの荷重を付加し1分間経過後の長さL0 (cm)を測定する。次いで、200mg/deの荷重を除去した状態で、100℃の沸騰水中にて20分間処理する。沸水処理後2mg/deの荷重を除去し、24時間自由な状態で自然乾燥する。自然乾燥した試料に、再び2mg/de+200mg/deの荷重を負荷し、1分間経過後の長さL1 (cm)を測定する。次いで、200mg/deの荷重を除去し、1分間経過後の長さL2 を測定し、次の算式で全捲縮率を算出した。
TC(%)=[(L1 −L2 )/L0 ]×100
なお、測定は10回行い、その平均値を求めた。
【0036】
<紡糸調子>
4ポジションにて5日間、捲き時間2時間半で捲量約7kg程度になるよう紡糸した。紡糸調子は断糸本数/糸掛け本数で算出した。
【0037】
<延伸調子>
24ポジションにて5日間、延伸時間52時間で捲量約2kg程度になるよう延伸した。延伸調子は断糸本数/糸掛け本数で算出した。
【0038】
<編地の風合>
延伸糸をメリヤス編に製編し、得られた編地を50人の官能検査により、下記のとおり3段階評価した。
35人以上が風合良好であると判定:○
34〜15人が風合良好であると判定:△
14人以下が風合良好であると判定:×
【0039】
<染斑>
上記の編地を染色し、全く染斑の無い場合:○、一部に5mm程度の単ピッチ濃淡斑があって全体的に薄い斑がある場合:△、濃い濃淡斑がある場合:×で表した。
【0040】
[実施例1〜6、比較例1〜6]
図1(a)に示される開口部形状で、各部寸法が表1記載の紡糸ノズル孔を24ホール有する紡糸口金から、高粘度ポリエステルとしてイソフタル酸成分が全酸成分を基準として10モル%共重合された固有粘度が0.63のポリエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルを、また低粘度ポリエステルとして固有粘度が0.36のポリエチレンテレフタレートを、複合重量比50/50でサイドバイサイド型に複合溶融紡糸(溶融紡糸温度:285℃、溶融粘度差:700ポイズ)し、巻取速度1450m/分で巻き取った。なお、紡糸ノズル孔内を流動する高粘度側重合体流と低粘度側重合体流の位置関係は、比較例1は図2(b)、比較例2は図2(c)、その他は図2(a)に示されるようにし、また吐出量は得られる延伸糸の総繊度が100デニールとなるようにした。
【0041】
得られた未延伸糸を、延伸温度85℃、延伸速度600m/分、得られる延伸糸の伸度が約30%となる倍率で延伸した。得られた結果を表2に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003696421
【0043】
【表2】
Figure 0003696421
【0044】
[実施例7〜10]
表3記載の高粘度ポリエステルと低粘度ポリエステルとを、表3記載のとおり複合重量比で溶融紡糸する以外は、実施例1と同様に複合紡糸・延伸して複合繊維を得た。結果を表4に示す。
【0045】
【表3】
Figure 0003696421
【0046】
【表4】
Figure 0003696421
【0047】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、高い捲縮発現性能を有しながら、繊維の太さ斑が小さく、しかも使用時の接合面剥離や染色時の染め斑の発生し難いサイドバイサイド型複合繊維を生産性よく製造することができる。
また、本発明の複合繊維は織編物等の製造に適しており、ストレッチ性が良好で着用快適性に優れ、しかも良好なドレープ性を有する布帛を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用される紡糸ノズル孔の開口部形状の一例を示す概略図である。
【図2】 紡糸ノズル孔内を流動する高粘度側重合体流と低粘度側重合体流の位置関係と、紡糸ノズル孔を重合体複合流の接合面に対して直角な面で切断したときの断面図を模式的に示した概略図である。

Claims (4)

  1. 互いに粘度の異なる2種の繊維形成性熱可塑性重合体をサイドバイサイド型に溶融紡糸して複合繊維を製造するに際し、
    (i) 前記2種の繊維形成性熱可塑性重合体のサイドバイサイド型接合複合流が導入される側の紡糸ノズル孔中心点に対し、吐出される側の紡糸ノズル孔中心点が高粘度重合体側に偏心している紡糸ノズル孔から溶融紡糸し、
    (ii)その際紡糸ノズル孔の開口部は実質的に同一円周上に間隔(d)で配置された2個の円弧状スリットA及びBで構成され、該円弧状スリットAの面積SA、スリット幅A1 、円弧状スリットBの面積SB、スリット幅B1 、並びに円弧状スリットA及びBの内周面で囲まれた面積SCが下記式(イ)〜(ニ)を同時に満足する紡糸ノズル孔であり、且つ、
    (イ) B1 <A1
    (ロ) 1.1≦SA/SB≦1.8
    (ハ) 0.4≦(SA+SB)/SC≦10.0
    (ニ) d/A1 ≦3.0
    (iii) 粘度の高い方の繊維形成性熱可塑性重合体は円弧状スリットA側から、一方粘度の低い方の繊維形成性熱可塑性重合体は円弧状スリットB側から主として吐出されるように溶融紡糸する、ことを特徴とする複合繊維の製造方法。
  2. 紡糸ノズル孔の縦断面形状が、粘度の高い方の繊維形成性熱可塑性重合体が流れる側が直線である請求項1記載の複合繊維の製造方法。
  3. 互いに粘度の異なる2種の繊維形成性熱可塑性重合体が共にポリエステルである請求項1又は2記載の複合繊維の製造方法。
  4. 高粘度ポリエステルが、イソフタル酸又はビスフェノールAを5〜25モル%共重合したエチレンテレフタレート系共重合ポリエステルであり、他方低粘度ポリエステルが、実質的にエチレンテレフタレートからなるポリエステルで、その固有粘度差が0.1〜0.5であり、且つこれらの複合重量比が40/60〜60/40である請求項3記載の複合繊維の製造方法。
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