JPS61239009A - 太細糸及びその製造方法 - Google Patents

太細糸及びその製造方法

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JPS61239009A
JPS61239009A JP7535485A JP7535485A JPS61239009A JP S61239009 A JPS61239009 A JP S61239009A JP 7535485 A JP7535485 A JP 7535485A JP 7535485 A JP7535485 A JP 7535485A JP S61239009 A JPS61239009 A JP S61239009A
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JP
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discharge hole
cross
thin
hollow
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JP7535485A
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English (en)
Inventor
Masato Yoshimoto
正人 吉本
Shinji Owaki
大脇 新次
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は太細糸及びその製造方法に関し、更に詳しくは
、染着差が極めて小さく、且つスパンライクな風合を呈
し得る太細糸及びその製造方法に関する。
(従来技術) 従来、ポリエステルに代表される熱可塑性重合体から成
る太細糸を製造する方法は、主として、延伸工程で製造
する方法が主体である。即ち、紡速500〜3500m
 /分で得られる未延伸糸に不均一(低倍率)延伸を施
すことにより延伸斑を発生させて太細糸を製造する方法
である。そして、得られる太細糸を構成するフィラメン
トの長手方向に有する太細の程度(太細比)は、延伸に
供する未延伸糸の紡速成いは延伸条件(延伸倍率或いは
延伸温度)の選択によって決定されるものである。
例えば、紡速500〜1000m/分で得られる比較的
低い配向度(Δn)の未延伸糸からは、太細比の大きい
太細糸が得られ、紡速2500〜3500m/分で得ら
れる比較的へ〇の高い未延伸糸からは、太細比の小さい
太細糸が得られる。
この様にして得られる太細糸に染色を施すと、その程度
に差があるものの、太部は濃染化し細部は淡染化する。
この様な太細糸は、織編物としたときに、前記染着差に
よって霜降り調の外観を呈するため、いわゆる外観素材
として知られているが、風合い面でも太細のない通常の
延伸糸と比較して、フィラメント内及び間に収縮差を有
しているためにスパンライクな風合いも一応併せ呈する
ことができ、嗜好が個性化している今日において捨てが
たい素材である。
一方、前記太細糸は、その外観素材的特徴から流行商品
的な面もあり、定番商品として定着させるためには、太
細糸固有の染着差を極力小さくすると共に、フィラメン
ト内及び間の収縮差を更に拡大してスパンライクな風合
をより一層向上させることが要求されている。
ところで、フィラメント内及び間の収縮差を拡大するた
めには、延伸に供する未延伸糸として低△nのものを用
いて大きな太細比の太細を延伸工程で形成することを要
するが、かかる太細糸は当然のことながら染着差も同時
に拡大される。
この様に、延伸時に太細が形成される従来の太細糸では
、前記二律背反的要求に対応できないのである。
これに対して、先に本発明者等が特願昭59−5699
号明細書及び特願昭59−36(15)7号明細書にて
捉案した太細糸、即ち吐出断面積の異る1対の吐出孔か
ら吐出した流速差を有づる重合体流を衝突・バウンドさ
せつつ接合せしめた偏平中空フィラメントで構成されて
いる太細糸は、その構成フィラメントが長手方向及び断
面方向に収縮差を併りしているため、フィラメント内及
び間に極めて大きな収縮差を有しているものである。
唯、かかる太細糸においても、やや染着差が見られるた
め、前記要求に対応するためには、染着差を更に小さく
する必要がある。
(発明の目的) 本発明の目的は、前記欠点を解消し、染着差が極めて小
さいと共に、フィラメント内及び間に大ぎな収縮差を有
している太細糸及びその製造方法を提供することにある
(構 成) 本発明者等は、かかる目的を達成すべく検討した結果、
前述した偏平中空フィラメントで構成さねている太細糸
において、該太細糸の応力−伸度曲線における最終破断
伸度(L1)と最大応力を示すときの伸度(L2)との
差が小さい程、染着差が小さくなることを見い出し、本
発明に到達した。 即ち、本発明は、熱可塑性重合体か
ら成り、長手方向に太細を有するフィラメントで構成さ
れている太細糸において、構成フィラメントが偏平で且
つ長袖方向の外周部に該長軸を挾んで互いに対向する1
対の凹部を有していると共に、前記1対の凹部間に存る
短軸に対して非対称である断面形状を有する偏心中空フ
ィラメントであって、前記短軸によって中空部側と中実
部側として分割され且つ前者の断面積及び配向度が共に
後者よりも大であり、該太細糸の応力−伸度曲線におけ
る最終破断伸度(L1)と最大応力を示すときの伸度(
L2)との差が65%以下であることを特徴とする太細
糸であり、複数のスリットで中空部を形成する中空吐出
孔と、前記中空吐出孔の吐出断面積よりも小なる単一吐
出孔とをスリットにより連絡せしめた1対の吐出孔が配
置されている紡糸口金から溶融重合体を吐出し、その際
、該単一吐出孔からの重合体流の流速を該中空吐出孔か
らのそれよりも高速とすることにより、該紡糸口金面直
下で前記低速重合体流に高速重合滞留を衝突・バウンド
させつつ接合ゼしめ、次いで紡糸口金面下10口の雰囲
気温度を100℃以下にして急冷固化することを特徴と
する太細糸の製造方法である。
本発明を図面により説明する。
第1図(ω(b+は本発明の太細糸を構成するフィラメ
ントの断面図、第1図(C)(小はフィラメント長手方
向の側面図と前記側面図を90”回転せしめた正面図、
第2図は太細糸の応力−伸度曲線、第3図は本発明の太
細糸の断面図、第4図は本発明の太細糸を得るための吐
出孔断面図を夫々示す。
第1図において、nは長軸、Cは短軸、x、x ’は長
袖(n)を挾んでたかにい対向する1対の凹部、eは中
空部、■はフィラメント断面で短軸(C)に平行な直線
のうちで最大値を示す直線の長さ、gは中空部(G)を
含む断面において短軸(C)で分割される中空部分、h
は同じく短軸(C>にで分割される中実部分であって、
gの部分の断面積はh部分のそれよりも常に大である。
本発明の太細糸において、その構成フィラメントが第1
図(ω+b+に示す断面形状と第1図(C) 〈cbに
示す長手方向の太細とを有する偏平中空フィラメントで
あって、フィラメント断面の中空部側(0)の配向度が
中実部側(h)の配向度よりも大であり、且つ前記フィ
ラメントで構成されている太細糸の応力−伸度曲線にお
ける最終破断伸度(L+ )と最大応力を示すときの伸
度(L2)との差が小さいことが肝要である。
本発明の太細糸を構成するフィラメントの断面形状は第
1図(ω+b+に示す如く偏平であって、長軸(n)を
挾み互い対向する1対の凹部(x、x’)を結ぶことに
よって形成される短軸(C)に対して非対称で、且つ該
短軸(C)によって分割される中空部側(Q)の断面積
が隣接する中実部側(h)よりも大きいものである。
そして、前記断面形状を有するフィラメント断面のg部
分の配向度がh部分の配向度よりも高く、フィラメント
の長手方向に第1図(C)(小に示す様に、長手方向に
対してh部分の断面積がg部分の断面積よりも大巾に変
化しつつ接合しているのである。
しかも、かかるフィラメントの断面において、第1図に
示す如く中空部を含む断面積がh部分よりも大きいg部
分の配向度が高く、且つ後述する様に紡糸時に大きな剪
断力を受けるためにg部分が中実である場合よりも極め
て高い配向度となるので、本発明の太細糸を構成するフ
ィラメントは、その断面方向にも大きな収縮差を有して
いるのである。
更に、本発明においては、長手方向及び断面方向に収縮
差を有している前記フィラメントで構成されている太細
糸の応力−伸度曲線の最終破断伸度(L1)と最大応力
を示すときの伸度(Ll :以下、最大応力伸度と称す
ることがある)との差が第2図〈釦山)に示す如り65
%以下(好ましくは20〜65)であることが大切であ
る。
第2図は太細糸の応力−伸度曲線であって、縦軸の3t
が応力を、横軸のEuが伸度を夫々示す。
かかる応カー伸瓜曲線において、太細糸が破断して応力
が零となる点までの伸度が最終破断伸度(L1)であり
、最大応力(S tll1)を示すときの伸度が最大応
力伸度(L1)である。
このLlとLlとの差(Ll −12)が第2図(C)
の如り65%を超えると、フィラメント長手方向の収縮
差があまりにも大きくなるため、かかる太細糸は染着差
の目立つものとなる。
また、(Ll−1,2>が20%未満になると、フィラ
メント長手方向収縮差があまりにも小さくなり過ぎるた
め、この様な太細糸ではスパンライクな風合に欠ける傾
向がある。
かかる本発明の太細糸において、染着差を更に小さくす
るには、Llが100%以下であることが好ましい。L
lが100%を超えると(Ll −12)が65%以下
であっても、染着差が大きくなり易い傾向がある。
尚、最大応力伸度(L1)は太細糸の細部が破断される
直前の伸度であり、最大応力伸度(L1)の点から最終
破断伸度([1)の点までの間は細部が破断されて大部
が伸長されている状態を示すものである。
このため (Ll −12)の値が大になる程、太部及
び細部の伸度差、換言ずれば配向度差が大であることを
示すものである。
本発明において、フィラメント断面形状の好ましい態様
としては、第1図(田に示す様な略まゆ形を呈するもの
、或いは第1口重)に示す様な略二等辺三角形を呈する
ものが好ましい。特に、略二等辺三角形の断面形状を有
するフィラメントでは独特な光沢を呈することができ好
ましい。
そして、かかる偏平中空フィラメントにおけるg部分の
中空率は5%以上、中でも5〜35%、特に好ましくは
10〜25%であって、g部分の中空部(e)を含む断
面積S(Jとh部分の断面積shとの比(So /Sh
 )は1.2〜3、特に1.5〜2であることが好まし
い。
但し、前記中空率及び断面積S(+及びshはフィラメ
ント断面の顕微鏡写真から求めたものである。
また、第1図〈C)(小に示す如く、フィラメントの長
手方向にh部分が9部分に巻付くことなく接合している
フィラメントは、その長手方向の変形度、即ち太細が大
きく好ましいものである。
かかるフィラメントの長手方向には第1図(c+ +d
+に示す様な大ぎな太さ斑[山から山の長さくシ)が0
.5〜3m]が存在するため、この様なフィラメントか
ら成る太細糸の任意断面においては、第3図に示す様に
、あたかもデニール差を有するフィラメントが混繊され
ているのと同様な効果を呈する。
つまり、第3図において、Aは一本のマルチフィラメン
ト断面での最大断面積であるフィラメント断面を示し、
n+及び11はフィラメント断面(△)の長軸及び最大
直線長を夫々示す。また、Bは第3図に示す一本のマル
チフィラメント断面での最小断面積のフィラメント・断
面を示し、n2及びm2はフィラメント断面(B)の長
軸及び最大直線長を夫々示す。
一般的に、第3図に示す様な断面積が異るフィラメント
、即ちデニール差を有するフィラメントがi[されてい
る場合、断面積の大きいく太デニ・−ル)フィラメント
は断面積の小さい(細デニール)フィラメトよりも収縮
率が大きいため、熱処理によって、太デニールフィラメ
ントは収縮して張力担持体となり、細デニールフィラメ
ントは糸条の外側に張り出すので、腰があり且つ柔かな
タッチのスパンライクな風合を?することができる。
本発明のマルチフィラメントにおいて、前記最大面積の
フィラメント(△)及び最小断面積のフィラメント(B
)が下記[I]式を満足するものは腰がありnつ柔なタ
ッチのスパンライクな風合を呈することができ、且つ染
着差を実質的に見えない程度に極めて小さく(ることが
でき好ましい。
1.5≦ (n1X  m+  /  n2X  l1
12  ) ≦20−[Iコこの01X ml / n
z X mzの値が1.5未満のどきは、太細比が小さ
過ぎるためにスパンライクな風合いを損ねる傾向にあり
、nl x fill / n2x In2の値が20
を越えるときは、太細比が大き過ぎるために染着差が大
きくなる傾向がある。
尚、本発明の太細糸において、その構成フィラメントの
中に第1図((支)+b+に示す断面形状と異るもの、
例えば1対の凹部の両方又は片方がないものが存在して
いても、本発明で規定する断面形状のフィラメントが多
く存在していれば本発明の目的を充分に達成できる。
以ト、述べできた本発明の太細糸は、第4図に示す1対
の吐出孔を有する紡糸口金を採用し、吐出糸条を急冷固
化してから引き取る本発明の製造方法によって初めで得
ることができる。
第4図は本発明の製造方法で採用する紡糸口金の吐出孔
断面図であって、18〜1c 、2.3は夫々重合体流
を吐出する吐出孔であって、4は18〜10で示される
複数のスリットで形成される中空部、2は単一吐出孔、
3は1a〜1Cのスリット及び中空部(4)からなる中
空吐出孔と、単一吐出孔(aとを連結するスリット、旦
A2は単一吐出孔の内径、す及びWはスリット(3)の
幅及び長さ、uA+及びuB+は第4図(田の中空吐出
孔の外径及び内径を夫々示す。
かかる吐出孔の特徴は、吐出断面積が異なる1対の吐出
孔として、吐出断面積の大なる吐出孔に複数のスリット
(1a〜1c)で構成される中空吐出孔を、他方の吐出
断面積の小なる吐出孔に単一吐出孔(21を夫々採用し
たことと、中空吐出孔と単一吐出孔(2)とをスリット
(3)で連結したことにある。
そして、本発明の太細糸の製造方法では、紡糸口金面直
下で第4図の吐出孔の中空吐出孔から吐出された重合体
流に、前記重合体流の流速よりも高速である単一吐出孔
(2)から吐出された重合体流を衝突、バウンドさせつ
つ接合せしめ、次いで紡糸口金面下10 Cmの雰囲気
温度を100℃以下にして急冷固化することが必要であ
る。
この様な本発明の太細糸の製造方法によって、得られる
太細糸のフィラメント内及び間に大きな収縮差を有しつ
つ、染着差を極めて小さくできるのである。
ここで、前記第4図の吐出孔において、中空吐出孔スリ
ブ1−(1a〜10)の合計吐出断面積(S1)と単一
吐出孔(21の吐出断面1(Sz)とを等しくすると、
紡糸口金直下での重合体流の衝突・バウンドがあまりに
も激しくなるため安定な紡糸が困難となる。
また、中空吐出孔と単一吐出孔(2)とがスリット(3
)で連結されてない吐出孔を用いた場合には、得られる
太細糸のフィラメント内及び間の収縮差は不充分となる
更に、流速差を有する重合体流を衝突、バウンドさせつ
つ接合せしめた後、急冷固化することなく徐冷する場合
、即ち紡糸口金面下10 atrの雰囲気温度が100
℃を超える場合には、得られる太細糸のフィラメント内
及び間の収縮差は極めて大きくできるものの、染着差が
目立つ様になる。
本発明において採用する中空吐出孔のスリットの配列形
状、及び単一吐出孔の断面形状は特に限定する必要はな
く、目的に応じて最適なものを採用すればよい。
例えば、中空吐出孔のスリットの配列形状としては、英
国特許第853,062号明細書に2叙されている非円
形状のものを採用でき、中でも第4図+b+に示す三角
形状の配列のものが好ましい。
かかる、三角形状の中空吐出孔を用いた第4図(b)の
吐出孔によりと、第1図+b+に示す略二等辺三角形の
断面形状を有するフィラメントが得られ、このフィラメ
ントから成るマルチフィラメントは独特な光沢を呈する
ことができる。
また2、中空吐出孔のスリット配列形状及び単一吐出孔
の断面形状を第4図〈ωの如く円形状とすると、第1図
(田に示す略まゆ型の断面形状となる。
第4図(a)の吐出孔は工作が容易で好ましい。
更に第4図に示す1対の吐出孔おいて、単一吐出孔(2
)と中空吐出孔とを単一スリット(3)で連結すること
によって、驚くべきことに単一吐出孔(aから吐出され
る重合体流は中空吐出孔から吐出される重合体流の片側
で衝突・バウンドしつつ接合するので、中空部分〈口〉
に中実部分(h)がまきつくことなく接合している第1
図(C)(小に示すフィラメントが1りられ、フィラメ
ントの長手方向に大きな太細を付与することができる。
かかるスリット(3)の形状は第4図に示す直線状の他
に、カギ形、或いは湾曲していてもよい。要もよ中空吐
出孔と単一吐出孔(2)とがスリットで連結されている
ことである。
また、スリット(3)の長さを、得られるフィラメント
断面において第1図(ay +b+に示す凹部(x、x
’)が形成されるよう設定することによっても、中空吐
出孔及び単一吐出孔(2)から吐出される両重合体流の
衝突・バウンドによる振動周期をより大きくすることが
でき、得られるフィラメントの長手方向に極めて大きな
太細を付与することができる。
尚、本発明で採用する吐出孔では第4図に示す単一吐出
孔(2)が1ヶ以上中空吐出孔に連結されていてもよく
、単一吐出孔(2の形状も三角形、四角形、Y”?!型
等の非円形であってもよい。
かかる吐出孔の具体的な寸法を第4図(田の吐出孔につ
いて下記に示す。
1.5≦S1/S2≦15 0.04 ≦(すA1−文B1)/2≦ 00300.
10≦交A2<文31<旦A1≦1.50.05 ≦交
≦ 1330 0.03 ≦W<旦A2 ≦ 1゜O [但し、磨A+、旦B+、  旦A2. リ、Wの夫々
の単位は(tm )である。] そして、この様な吐出孔から成る紡糸口金を採用するこ
とによって、あたかも異デニールフィラメントが混繊さ
れた如きマルチフィラメントを容易に得ることができる
また、本発明の太細糸の製造方法において、中空吐出孔
から吐出される重合体流の流速(v1)と、単一吐出孔
(2)から吐出される重合体流の流速(V2)との吐出
速麿比(V+ / V2 )を1/1.5〜1/7、特
に1/2J〜1/3.4に設定することが好ましく、こ
の時の重合体の吐出量比は[中空吐出孔の吐出量/単一
吐出孔(2)の吐出量]は3/1〜115、特に1.5
/ 1〜1/3.3に設定することが好ましい。
この様にして中空吐出孔及び単一吐出孔(2)から吐出
される重合体流を接合せしめて得られるフィラメントを
、紡糸口金面下10CII+の雰囲気温度を100℃以
下に維持しつつ急冷固化して引取るに際し、前記雰囲気
温度の下限を特に限定する必要はないが、工業的には2
0℃以上が好ましい。
また、この際に紡糸口金面及び紡糸口金直下を100℃
以上に積極的に加熱してもよく、この様に加熱すること
は紡糸工程調子を向上せしめるうえで好ましいことであ
る。
そして、紡糸引取速度としては得られる太mMの太細比
との関係で適宜選択することができる。
例えば、大きな太細比の太細糸を得たい場合には、50
0〜150077L/分程度の低紡糸引取速度を、比較
的太細比の小さな太細糸を得たい場合には、3000〜
4000m /分程度の高紡糸引取速度を用いればよい
更に、溶融紡糸して得られる太細糸に延伸熱処ましい。
かかる延伸熱処理は不均一延伸の条件を採用する必要は
なく、通常の延伸条件を採用できる。この様に、通常の
延伸条件を採用しても、得られる太細糸のフィラメント
内及び間の収縮差が依然として大きいことも本発明の特
徴の1つである。
この延伸熱処理を施す方法としては、溶融紡糸してから
一旦捲き取ってから別工程で延伸し熱処理を施しても、
或いは溶融紡糸してから一旦捲き取ることなく延伸熱処
理を施してもよい。
尚、本発明において対象とする熱可塑性重合体とは、実
質的に繰返し単位の85モル%以上がエチレンテレフタ
レートから構成されるポリエチレンプレフタレートであ
り 該重合体には艶消、染色性向上、帯電防止等冬目的
の添加物質を共重合体又は、ブレンド体として含んでい
ても差支えない。
ポリエチレンテレフタレートの固有粘度(35℃オルソ
クロルフェノール中で測定)は、0.45〜1.20が
好ましく、特に0650〜1.00が好ましい。固有粘
度が0.45未満のときは、得られるマルチフィラメン
トの強度レベルが低く好ましくない。また、固有粘度が
1.20を越えるときは、紡糸時の溶融粘度が高過ぎて
、溶融温度を高くすることが必要のため、好ましくない
また、本発明にて用いる溶融紡糸装置は、通常用いられ
ている装置を使用できることは言うまでもない。
(作 用) 一般的に、中空吐出孔を構成している各スリット、及び
単一吐出孔を通過する重合体流の流速が互いに等しいな
らば、中空吐出孔の複数スリットの合計圧力損失は単一
吐出孔よりも大となる。
しかしながら、中空吐出孔と単一吐出孔(2)とをスリ
ット(3)を介して同一吐出孔に併有している第4図に
示す本発明にて採用する吐出孔においては、両孔の圧力
損失が等しくなる様に両孔を通過する重合体流間に流速
差が生じる。このため、中空吐出孔のスリット巾、単一
吐出孔(′2Jの内径(JIA2 )等を調整すること
によって、中空吐出孔の1a〜1Cのスリットよりも単
一吐出孔(2)から吐出される重合体流の流速が速くな
る様に流速差を付与すると共に、その流速差を容易に大
きくすることができるのである。
この様に、中空吐出孔のスリット(la〜1c)を通過
する重合体流の流速は単一吐出孔(2:Jを通過1“る
重合体流よりも遅いため、紡糸ドラフトは中空吐出孔の
スリット(la〜lc)から吐出された重合体流に主に
集中する。
このため、かかる重合体流が形成する中空部分は中空吐
出孔が単一吐出孔である場合よりも大きな剪断力を受け
て、重合体流が中実である場合よりも極めて高い配向度
となるのである。
また、単一吐出孔(2Jの吐出断面積(S1)は中空吐
出孔のスリット(18〜1c)の合計吐出断面積(S1
)よりも小さいため、得られるフィラメント断面におい
て中空部を含むg側の断面積よりもh側の断面積が小さ
くなるのである。
この様にして得られるフィラメント断面では、第1図(
(至)山)に示す如く、中空部(11りを含む断面積が
h部分よりも大きな0部分がh部分よりも高配向度とな
る。
更に、中空吐出孔及び単一吐出孔(2)から吐出される
重合体流流速が異なると共に、スリット(3)から吐出
される重合体流で前記2つの重合体流が連結されている
ために、中空吐出孔から吐出された重合体流に単一吐出
孔(2)から吐出された重合体流が衝突・バウンドしつ
つ接合するので、第1図(C)+rbに示す如く長手方
向に太細を有するフィラメントが得られるのである。
そして、本発明においては、接合せしめたフィラメント
を急冷固化することによって、紡糸中のフィラメントの
細化時期が徐冷する場合より早くなるため、フィラメン
ト全体の配向が高くなると共に、太部と細部との配向度
が小さくなる。
このため、得られる太細糸の応力−伸度曲線において、
最終破断伸度(L1)と最大応力伸度(L2)との差が
65%以下にすることができるのである。
かかる本発明の太細糸は、大きな太1111ヒを有しつ
つ実質的に染着差が目立つことのない程度に大部と細部
との配向度差が小さく、しかもフイラメント断面方向に
配向度差を有しているものであるため、染着差が極めて
小さいにもかかわらず、良好なスパンライクな風合を呈
することができるのである。
(発明の効果) 本発明の太細糸によれば、従来、外観素材的に使用され
てきた太細糸を、定番手素材としても用いることができ
る。
(実施例) 以下、本発明を実施例にて更に説明するが、本実施例で
用いる物性は下記の方法で測定したものである。
(llnl、ml、及びn2 * l 2太細糸の任意
断面について、560部の倍率で断面写真をとり、中空
部を含む断面積が最大となる)・fラメント断面の長軸
(n1)及び最大直線長(IIl+>、及び前記断面積
が最小とするフィラメント断面の長袖(n2)及び最大
直線長(m2)とを夫々実測した。
(2)最大応力を呈するときの伸度(L2)及び最終破
断伸度(L1) 通常の引っ張り型試験機にて、温室25℃、湿反60%
で、試料長10cI111引っ張り速度200m/mI
gの条件で応力−伸度曲線を求め、応力が最大となる伸
度(L2)、応力が零となる伸度を最終破断伸度(L1
)とした。測定は、n=5で、その平均の値を採用した
。) (3)太細糸の収縮率 太細糸の「カセ」を作り、この「カセ」に、2.0s+
y/dの相当する荷重をかけ、沸騰水中で30分間処理
した時の収縮率を、以下の式より求めた。
<1o−fB /Jlo)X  100(%〉=収縮率
(%)旦o:’8理前の「カセ」の長さ 旦1 :処理後の「カセ」の長さ く4)太細糸の染着差の調査 得られた太細マルチフィラメントを筒編みし、分散染料
を用いて常圧下で染色し、水洗乾燥後、180℃で1分
間セットし、評価試料とした。評価は、筒編みでの調査
、及び染色筒編みから、解じょした太細糸の断面カラー
写真より行った。
尚、筒編みの染色条件は、以下の通りである。
[染色条件] (a )筒編み判定 上記試料(10cII+×10cm)につき肉眼で染着
差を評価した。
(b)断面での判定 染色を施した筒編みを解除した太細糸について、倍率5
70で、カラー断面写真をとり、太細糸を構成する各フ
ィラメントの断面の濃淡を肉眼で評価した。
(5)  中空率の測定 下記の式で算出した。
φ:中空部の直径 l:偏平断面の短軸 (6)口金下の雰囲気温度 口金下10cm地点に温度検出端を入れ温度を測定した
。尚、雰囲気温度100℃未満の時は、保温カバーを除
去し、直接温度を調査した。
実施例 固有粘度[η]が、0.6とのポリエチレンテレフタレ
ート(艶消剤としてTへ02を0.3重lit%)を溶
融して紡糸温度300℃で第4図(Jに示す吐出孔から
吐出し、口金下10aR地点の雰囲気温度を第28に示
tmf[にt、4紡11000m/分、 30007F
L/分の速度で捲き取り、次いで延伸熱処理し、75d
e/36filの太細糸を得た。尚、口金下10cI!
地点の雰囲気温度は、100℃以上の温度については、
紡糸筒の保温カバー内部に設置している温度検出端によ
り検出した値であり、100℃未満の場合は、保温カバ
ーを除去し、口金面10cm+地点を直接デジタル型温
度針で測定した値である。尚、使用した吐出孔の寸法を
、第1表に、各紡速の吐出量、延伸倍率、基本物性を第
2表に併せて示す。
(以下余白) 第1表 S2−π(皇A!/2)2 (以下余白) 次いで、第2表のサンプルを常法に従って、筒編み、染
色し、染着差を調査した結果を第3表に示す。
100℃以下にづるとき、染着差が極めて小さい太細糸
が得られる。
尚、N001〜6の水準では、染着を施した筒編みの風
合は、いずれも良好なスパンライクなものであった。
比較例 孔径、0,30.の丸孔を36ホ一ル配列した紡糸口金
より、固有粘度[η]が0.64のポリエチレンテレフ
タレートを溶融し吐出1127.59 / winで、
吐出して紡速1500m/分で捲き取った。この未延伸
糸を下記の延伸条件にて、不均一延伸を行ない、75d
e/ 36fi lの太細糸を得た。
[延伸条件] 第4表 次いで、第4表のサンプルを、実施例の場合と同様に、
筒編み、染色し、染着差を評価した。その結果を第5表
に記す。
この様に、かかる太細糸は染着差が大きく、しかも染色
後の筒編みの風合は、ベーパーライクな粗硬なものであ
った。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)(b)は本発明の太細糸を構成するフィラ
メントの断面図、第1図(C) (d+はフィラメント
長手方向の側面図と前記側面図を90°回転せしめた正
面図、第2図は太細糸の応カー伸度曲線、第3図は本発
明の太細糸の断面図、第4図は本発明の太細糸を得るた
めの吐出孔断面図を夫々示す。 117図 (α)              (b)CC1(d
) 112図 Cα1              (’b)(C)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)熱可塑性重合体から成り、長手方向に太細を有す
    るフィラメントで構成されている太細糸において、構成
    フィラメントが偏平で且つ長軸方向の外周部に該長軸を
    挾んで互に対向する1対の凹部を有していると共に、前
    記1対の凹部間に存る短軸に対して非対称である断面形
    状を有する偏心中空フィラメントであつて、前記短軸に
    よつて中空部側と中実部側とに分割され且つ前者の断面
    積及び配向度が共に後者よりも大であり、該太細糸の応
    力−伸度曲線における最終破断伸度(L_1)と最大応
    力を示すときの伸度(L_2)との差が65%以下であ
    ることを特徴とする太細糸。 (2)フィラメント断面形状が略まゆ型で且つ短軸に対
    して非対称である特許請求の範囲第(1)項記載の太細
    糸。 (3)フィラメントの断面形状が略二等辺三角形で且つ
    互いに対向する長辺部に1対の凹部を有していると共に
    、前記一対の凹部間に在る短軸に対して非対称である特
    許請求の範囲第(1)項記載の太細糸。 (4)フィラメントの長手方向において、中空部側に中
    実部側が巻付くことなく接合している特許請求の範囲第
    (1)項記載の太細糸。 (5)フィラメントの中空率が5%以上である特許請求
    の範囲第(1)項又は第(4)項記載の太細糸。 (6)太細糸の任意断面におけるフィラメントが下記[
    I]式を満足する特許請求の範囲第(1)項記載の太細
    糸。 1.5≦(n_1×m_1/n_2×m_2)≦20・
    ・・[ I ]但し、n_1×m_1、n_2×m_2は
    太細糸の任意断面において、各フィラメント断面につい
    てその長軸と短軸との積であつて、夫々最大、最小の値
    を示す。 (7)太細糸の最終破断伸度(L_1)が100%以下
    である特許請求の範囲第(1)項記載の太細糸。 (8)熱可塑性重合体がポリエステルである特許請求の
    範囲第(1)項記載の太細糸。 (9)複数のスリットで中空部を形成する中空吐出孔と
    、前記中空吐出孔の吐出断面積よりも小なる単一吐出孔
    とをスリットにより連絡せしめた1対の吐出孔が配置さ
    せている紡糸口金から溶融重合体を吐出し、その際、該
    単一吐出孔からの重合体流の流束を該中空吐出孔からの
    それよりも高速とすることにより、該紡糸口金直下で前
    記低速重合体流に高速重合体流を衝突・バウンドさせつ
    つ接合せしめ、次いで紡糸口金面下10cmの雰囲気温
    度を100℃以下にして急冷固化することを特徴とする
    太細糸の製造方法。 (10)中空吐出孔を構成する複数のスリットの配列、
    及び単一吐出孔の断面形状が共に円形である特許請求の
    範囲第(9)項記載の太細糸の製造方法。 (11)中空吐出孔を構成する複数のスリットの配列が
    非円形である特許請求の範囲第(9)項記載の太細糸の
    製造方法。 (12)中空吐出孔を構成する複数のスリットの配列が
    三角形である特許請求の範囲第(9)項又は第(11)
    項記載糸太細糸の製造方法。 (13)スリットにより互いに連絡せしめた1対の吐出
    孔から成る紡糸口金である特許請求の範囲第(9)項記
    載の太細糸の製造方法。 (14)連結スリットが単一である特許請求の範囲第(
    9)項又は(13)項記載の太細糸の製造方法。 (15)中空吐出孔から吐出される重合体流の流速(V
    _1)及び単一吐出孔から吐出される重合体流の流速(
    V_2)が下記[II]式を満足する流速である特許請求
    の範囲第(9)項記載の太細糸の製造方法。 1/7≦V_1/V_2≦1/1.5・・・・・・[I
    I](16)溶融重合体がポリエステルである特許請求
    の範囲第(9)項記載の太細糸の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4791026A (en) * 1986-11-27 1988-12-13 Teijin Limited Synthetic polymer multifilament yarn useful for bulky yarn and process for producing the same
CN108588870A (zh) * 2018-05-15 2018-09-28 江南大学 一种竹节结构中空单丝及其制备方法

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JPS60151310A (ja) * 1984-01-18 1985-08-09 Teijin Ltd 潜在嵩高性マルチフィラメント及びその製造法
JPS60185809A (ja) * 1984-02-29 1985-09-21 Teijin Ltd 潜在嵩高性マルチフイラメントの製造法及びその紡糸口金

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