JPH01201512A - 潜在嵩高性マルチフィラメント及びその製造法 - Google Patents

潜在嵩高性マルチフィラメント及びその製造法

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JPH01201512A
JPH01201512A JP62297774A JP29777487A JPH01201512A JP H01201512 A JPH01201512 A JP H01201512A JP 62297774 A JP62297774 A JP 62297774A JP 29777487 A JP29777487 A JP 29777487A JP H01201512 A JPH01201512 A JP H01201512A
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正人 吉本
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は潜在嵩高性マルチフィラメント及びその製造法
に関し、更に詳しくは、実質的に染色斑が発生すること
なく、しかもシルキー調の光沢。
ドレープ性を要求される織編用途に用いることができる
潜在嵩高性マルチフィラメント及びその製造法に関する
(従来技術) 熱処理を施すことによって嵩高性を呈し得る潜在嵩高性
マルチフィラメントは、収縮差を有するフィラメント同
志を混繊することによって得ることができる(例えば、
米国特許用3,200,576号明細書参照)。
かかるマルチフィラメントは、熱処理時に高収縮フィラ
メントが収縮し、これにより低収縮フィラメントが張り
出すことによって嵩高性を付与するものである。
そして、この際に高収縮フィラメントを太デニールとし
、低収縮フィラメントを細デニールとすると、熱処理後
の嵩高マルチフィラメントの風合は腰があると共に、梁
なタッチを呈するものとなる。
ところで、かかる収縮差を有するフィラメントから成る
マルチフィラメントを得るには、予め収縮差を付与され
た複数の糸条を混繊する方法が多く採用されており、例
えば特開昭54−82423号公報には次の様な方法が
提案されている。
即ち、この方法は、同一紡糸口金から吐出された重合体
流を急冷して1qられる紡出糸条を2つの糸束に分割し
て、その1つの糸束には水が主体である紡糸仕上剤を付
与し、他の1つの糸束には水よりも高温の沸点を有する
剤を付与してから、両糸束を別々に同一条件下で熱処理
しつつ延伸を施してから混繊するものである。
かかる方法は紡糸仕上剤の沸点差を利用して糸束間に収
縮差を付与するものであるが、この様に2種類の紡糸仕
上剤を付与する等の極めて繁雑な操作を施す必要がある
また、この様な同一紡糸口金から吐出される紡出糸条に
おいて糸条を構成するフィラメント間にデニール差を付
与せんとすると、糸揺れによるフィラメントの密着、或
いは断糸等のトラブルが発生し易く、ドラフト率、冷却
風量等の紡糸条件を厳密に管理することが必要である。
これに対して、かかる繁雑な操作を施すことなく潜在嵩
高性マルチフィラメントを製造する方法が特開昭54−
42415号公報及び特開昭55−51809号公報に
て提案されている。
この方法は単一の紡糸口金で成る角度で対向しており、
且つ孔径差を有する吐出孔を1して2つのポリエステル
の流れを吐出し、口金直下で、この2つの流れを衝突・
脈動さvつつ接合せしめてから、これを急冷して捲き取
るものであって、得られるマルチフィラメント(以下、
パルシングヤーンと称することがある)は断面方向及び
長手方向に収縮差を有しているフィラメントから成る。
しかしながら、この様な潜在嵩高性マルチフィラメント
は織編物と成してから熱処理を施されることが一般的で
あるが、前記パルシングヤーンは織編物、特に織物での
嵩高性が不足するという欠点を有している。
即ち、織物の織組織による拘束力が強く、しかもパルシ
ングヤーンの有する収縮力が低いため、パルシングヤー
ンの収縮が制限されて嵩高性が不足することに因る。
また、かかるパルシングヤーンは紡糸してから更に延伸
熱セットを施して実用に供し得る力学的性質を付与する
と、前記収縮差が消失する欠点を有しているので、極め
て大きな収縮率のものでも延伸熱セットを施すことなく
使用せざるを得ない。
このため、パルシングヤーンを用いた織編物ではシボ状
の収縮斑や“笑い″等の欠点が発生することがあり、染
色条件及び仕上条件が大巾に制約を受けるため実用に供
し得なかった。
尚、ここで言う“笑い″とは、織編物に応力が作用した
ときに、前記織編物を構成するフィラメントが部分的に
塑性変形することによって生じる織編物の欠点である。
この様な欠点を解消し、特に織物において収縮差や“笑
い″等の欠点のない、均一で且つ充分な嵩高性を呈し得
る潜在嵩高性マルチフィラメントとして、本発明者等は
先に特願昭59−5699号明細書及び特願昭59−3
6097号明細書において、中実部分と断面積及び配向
度が前記中実部よりも大なる中空部分とが接合され、且
つフィラメント長手方向に太さ斑を有するフィラメント
から成る潜在嵩高性マルチフィラメントを提案した。
かかる潜在嵩高性マルチフィラメントは、吐出断面積が
互いに異る中空部形成吐出孔と中空部形成吐出孔とをス
リットで連結せしめた吐出孔を用いて、断面積の大なる
中空部形成吐出孔から吐出された重合体流に、断面積の
小なる中空部形成吐出孔から吐出され且つ前記中空部形
成重合体流よりも高速の重合体流を衝突、脈動させつつ
接合せしめた後、冷却固化することによって得ることが
できる。
確かに、この様にして得られる潜在嵩高性マルチフィラ
メントは、構成フィラメント内及び間に大なる収縮差を
有するため、延伸後においても充分な嵩高性を呈するこ
とができる。
しかし、かかる潜在嵩高性マルチフイラメン1〜を用い
て得られる織編物を染色すると染色斑が生じ易いため、
審美性が要求される高級織編用途、特にシルキー調の光
沢、ドレープ性を要求される織編用途には用いることが
できなかった。
更に、最近では、この様な高級織編物においても良好な
着用感のものが要求され、制電性・吸湿性等の機能性を
具備する潜在嵩高性マルチフィラメントが要求されつつ
ある。
(発明の目的) 本発明の第1の目的は、織編物において収縮斑ヤ染色斑
がなく均斉で且つ充分な嵩高性を呈しくqる潜在嵩高性
マルチフィラメント及びその製造法を提供することにあ
る。
また、本発明の第2の目的は、シルキー調の光沢、ドレ
ープ性を要求される高級織編物用途に用いることができ
る潜在嵩高性マルチフィラメント及びその製造法を提供
することにある。
更に、本発明の第3の目的は、訓電性、吸湿性等の機能
を具備する潜在嵩高性マルチフィラメント及びその製造
法を提供することにある。
(構成) 本発明者等は前記目的を達成すべく検討を重ねたところ
、本発明者等が先に提案した潜在嵩高性マルチフィラメ
ントでは、その構成フィラメントの長手方向に有する太
さ斑に基く収縮差が過大であるため、織編物において染
色斑が発生することを知った。
また、前記収縮差を調整するには、フィラメント長手方
向の太さ斑の大きさを、紡糸口金直下で流速差を有する
重合体流を衝突、脈動させる際に高速重合体流の脈動の
大きざ、即ち重合体流の吐出速度差を調整することによ
って達成できるが、フィラメント長手方向の太さ斑を極
力小さくぜんとして重合体流の流速差を極度に減少させ
ると、得られるマルチフィラメントのフィラメント間及
び内での収縮差が不足し、織編物において染色斑の発生
がなくなるものの、発現する嵩高性が不充分になること
を知った。
更に、高速重合体流と低速重合体流とを衝突させると、
どうしても得られるフィラメントの長手方向に大きな太
さ斑が形成されることも知った。
本発明者等は、前記知見から重合体流の流速差を十分に
維持しつつ低速重合体流に高速重合体流を衝突させるこ
となく脈動させることができれば、本発明の目的を達成
できるのではないかと考えて検討した結果、1対のスリ
ット状吐出孔と単一吐出孔とがスリットを介して連結さ
れている連結吐出孔から重合体流を吐出し、その際に1
対の吐出孔から吐出される重合体流を単一吐出孔から吐
出される重合体流よりも低速とすることによって、高速
重合体流を低速重合体流に衝突させることなく脈動させ
ることができ、得られるマルチフィラメントから成る織
編物は充分な嵩高性と均染性とを呈することができるこ
とを見い出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、溶融紡糸可能な重合体から成るフィラ
メントで構成されているマルチフィラメントであって、
該構成フィラメントがその横断面及び長手方向において
下記[八1及び[B]を同時に満足することを特徴とす
る潜在嵩高性マルチフィラメントである。
[A1フィラメントの横断面 [A1−1形状 (1)間隔をおいて配置されている少なくとも1対の偏
平部を連結する連結部がその両端部を偏平部夫々の長軸
方向の側面に接合しつつ互いに対向する1対の四部を形
成 (11)連結部の内接円直径(iB)が1対の凹部間の
最短距離上にある直線で分割される偏平部夫々の最大内
接円直径(jFC)(i’C’)よりも大 [A]−2収縮差 連結部の配向度が偏平部よりも低い [B]フイラメントの長手方向 連結部が太さ斑に因る収縮差を有する また、本発明は、互いの長軸が略対面し且つ間隔をおい
て配置されている1対のスリット状吐出孔(IHI’)
と前記1対のスリット状吐出孔間に位置する吐出孔 (
2)とがスリット(3)(3°)を介して互いに連結さ
れている連結吐出孔から重合体流を吐出し、その際に吐
出孔(2)から吐出される重合体流(Y2)を1対のス
リット状吐出孔(1)(,1°)から吐出される重合体
流(Y+)(Y+ °)よりも高速で吐出せしめ、引続
き前記高速重合体流(Y2)を低速重合体流 (Y+ 
)(Y +  ’)に衝突させることなく脈動せしめる
ことを特徴とする潜在嵩高性マルチフィラメントである
本発明を図面を用いて説明する。
第1図は本発明のマルチフィラメントを構成するフィラ
メントの断面図、第2図は本発明のマルチフィラメント
を構成するフィラメントと通常の丸断面フィラメントと
の差異を説明する説明図、第3図は本発明のマルチフィ
ラメントを構成するフィラメントの他の態様を示す断面
図、第4図は本発明のマルチフィラメントの任意の断面
図(顕微鏡写真)、第5図は本発明のマルチフィラメン
トの応力(St)−伸度([1)曲線、第6図は本発明
のマルチフィラメントにアルカリ減量処理を施して得ら
れるマルチフィラメントの任意の断面図、第7図は第1
図又は第3図に示す本発明のマルチフィラメントを仮撚
加工して得られる加工糸の断面図、第8図は第1図に示
す断面形状のフィラメントが得られる連結吐出孔の平面
図、第9図は第3図に示す断面形状のフィラメントが得
られる連結吐出孔の平面図、第10図は第7図又は第8
図(イ)の連結吐出孔からフリーフォールで重合体を吐
出した直後のフィラメントを横断面に沿って切断した際
のフィラメント斜視図(顕微鏡写真)を夫々示す。
第1図において、gは連結部、 h、h’は連結部(g
)と接合している1対の偏平部# (XI IXI °
)。
(X2 、X2 °)は連結部((II)と偏平部(h
) (h’ )との接合部に形成される互いに対向する
1対の凹部を夫々示し、1対の凹部(XI 、XI °
)(X2 、Xzo)の最短距離上にある直線は偏平部
(h)(h’)と連結部(g)との境界線である。
また、第1図において、IBは連結部(0)の内接円直
径、f A、 I A’は偏平部(h)(h’)の外接
円直径、I C,A C’は前記境界線で分割される偏
平部(hHh’)の最大内接円直径を夫々示す。
本発明のマルチフィラメントにおいて、その構成するフ
ィラメントの横断面形状が、第1図に示す如く、1対の
偏平部(h) (h’ )の長軸方向の側面に連結部(
(+)の両端が1対の凹部(XI 、XI °)及び(
X2 、X2 °)を形成しつつ接合されており、且つ
連結部(0)の内接円直径(f B)が偏平部(h) 
(h’ )の最大内接円直径(jIC)(fC’)より
も大である。
そして、前記横断面形状を有するフィラメントは、その
h及びh°部分の配向度が9部分よりも高配高度であり
、且つフィラメント長手方向においてQ部分が太さ斑に
因る収縮差を有しているものである。
かかるフィラメントは、その長手方向において、前記1
対の偏平一部(h)(h’)に太さ斑が形成されていな
いものであれば、連結部(g)に太さ斑が形成されてい
ても、フィラメント全体の太さ斑を実質的に染色斑のな
い程度のものにすることができる。
ここで言う「染色斑」とは、織編物に染色を施したとき
に濃染部が筋状に出現する染色斑であって、所謂スジ環
と言われているものである。
このスジ環の発生を防止するには、フィラメント長手方
向に形成される太部と細部とのデニール比を可及的に小
さくすることが最も有効であり、フィラメント長手方向
の最も太い部分のデニール(d1)と最も細い部分のデ
ニール(d1)との太細比(d+ /dz )が2以下
、特に1.5以下であるフィラメントで構成されている
マルチフィラメントが好ましい。
かかる太細比のフィラメントで構成されているマルチフ
ィラメントは、その任意の横断面における構成フィラメ
ントの断面積が第4図に示す如く略等しいものとなる。
この様に本発明のマルチフィラメントを構成するフィラ
メントは、その長手方向に実質的に染色斑となる太さ斑
がなくても、後)ホする様に紡糸時に短周期で脈動する
Q部分よりもh及びh部分は高剪断力をうけるため、h
およびh部分の配向度がQ部分よりも高くなり、しかも
9部分はフィラメント長手方向に前記脈動によって形成
される太さ斑に因る収縮差を有することができる。その
結果、フィラメント横断面形状に基くフィラメント自体
の有する大なる空隙率と相俟って本発明のマルチフィラ
メントを用いて得られる織編物は収縮斑や染色斑(スジ
環)がなく均斉で且つ充分な嵩高性を呈することができ
るのである。
かかる本発明のマルチフィラメントを構成するフィラメ
ントは、その横断面形状において、第1図に示す如く、
偏平部(h)(h’)と連結部(g)との接合部に対向
する偏平部の長袖方向の側面(y)(yo)がアーク状
になっていること、及び/又は断面形状が非対称形であ
ることがフィラメント自体の空隙率を大きくしつつフィ
ラメント断面方向の収縮差を大きくすることができ好ま
しい。
この様なフィラメントは、第2図に示す如く、ぞのフィ
ラメント横断面に外接する外接円(H)の直径が同一デ
ニールの丸断面フィラメント(N)の径に対して著しく
大きく、極めて空隙率が大きいことを示し、本発明のマ
ルチフィラメントを構成するフィラメントにおいては、
Hの直径がNの径に対して1.5倍以上、特に2倍以上
であることが好ましい。
また、本発明のマルチフィラメントを構成するフィラメ
ントが下記[I]〜[I[11式を同時に満足するもの
であれば、フィラメント断面方向の収縮差を充分に利用
することができ且つ製糸性も良好であるため好ましい。
〔lA及び〔lA°≧fB>fc及びlCo  ・・・
[I]1s> (j!A#IC)及び(l A’/ A
C’ )  ・・・[II](S G/S H)及び(
3G/SN’)≦4) ・・づ■]〔sG:0部分の断
面積           )ここで、IA<JB(又
は〔lA’<j!B)、 SG /SH>4 (又はS
G /Sfl’> 4 )となる場合は、低配向度のQ
部分の断面積が極めて大きくなるため、或いは、gB<
1c(又は、gB<1c’)となる場合は、高配高度の
偏平部の断面積が極めて大きくなるため、いずれもフィ
ラメント断面方向の収縮差が減少する傾向がある。
また、JA /flC≧15(又はf A’/ 、e 
C’≧15)となると、偏平部の形状があまりにも偏平
となるため、製糸性が低下する傾向があり、fA /j
IC及び、e A’/ j! C’は2〜10であるこ
とが製糸性の観点から好ましい。
尚、偏平部(h)(h’)の外接円直径(〔lA)(j
!A’)の比(1^/〔lA°)は1〜10であること
が好ましい。
かかるフイラメン1〜において、1対の凹部(X+ 、
X+ °)(X2 、X2°)間の最短距離(iD)(
ID’)がfC>fD及びAD’を満足するフィラメン
トで構成されているマルチフィラメントは、アルカリ減
量処理によって第6図に示す如く容易に細デニール成分
に分割することができ、この様なアルカリ処理後のマル
チフィラメントはシルレキ ・−調の光沢とドレープ性
とを呈することができる。
勿論、アルカリ減量処理を施すことなく熱処理すること
によって、かかるマルチフィラメントは優れた嵩高性を
呈することができる。
本発明において、フィラメントの横断面形状を第3図の
様にしてもよく、むしろ種々の機能性を付与することが
でき好ましいことである。
第3図(イ)の如く、連結部に連結されている1対の偏
平部が直列に複数個(好ましくは2〜3個)連結されて
いる形状のフィラメントで構成されているマルチフィラ
メントは、アルカリ減量を施さないでも良好なドレープ
性と嵩高性とを呈することができる。
また、第3図(O)(ハ)の様に、3個以上(好ましく
は3〜4個)の偏平部が環状に配置され且つ1個の連結
部で連結されている横断面形状のフィラメントでは良好
な吸水性或いは訓電性を呈することができる。
尚、第1図及び第3図に示すフィラメント横断面におC
ノる連結部の形状は、略円形、略三角形。
略四角形等の形状を採用できるが、略円形とすることが
本発明のマルチフィラメントを容易に製造することかで
き好ましい。
この様なフィラメントで構成される本発明のマルチフィ
ラメントにおいて、染色斑を極めて少なくするには、第
5図に示す応力(sB−伸度(E1)曲線となることが
好ましい。
第5図において、(イ)は未延伸糸、(O)は延伸糸の
応力−伸度曲線を夫々示す。
かかる応力−伸度曲線において、マルチフィラメントの
最終破断伸度山)と最大応力を呈するときの伸度([2
)との差(11−12)が小さいほど、フィラメント長
手方向の太さ斑が少ないことを示し、(L+ −12)
が15%以下であることが染色斑の観点から好ましい。
また、本発明のマルチフィラメントは主として衣料用途
に用いられるため、ヤング率が1500kMmm2以下
(好ましくは700〜1500klll/−m)でシル
クファクター(強度×F師頂”)が20以下であれば、
極めてソフトで且つ優れたドレープ性を呈することがで
き好ましい。
更に、本発明のマルチフィラメントに仮撚加工を施すこ
とによって、第7図に示す断面形状の加工糸を得ること
ができる。
ここで、第7図(a)は第1図、第7図(b)は第3図
(イ)、第7図(C)は第3図(○)、第7図(d)は
第3図(l\)に夫々示すフィラメントで構成されてい
るマルチフィラメントを仮撚加工して得られる加工糸の
断面である。
従来、合成繊維の仮撚加工糸は、その嵩高性(捲縮率)
が主として利用されているに過ぎなかったが、近年の消
費者ニーズの個性化、多様化。
高級化に適用する様に、種々の仮撚加工糸が提案されて
いる。
例えば、異形断面のフィラメントから成るマルチフィラ
メントを仮撚加工して)qられる光沢が改善された仮撚
加工糸(特公昭56−13810号公報参照)、構成フ
ィラメント間に融着部が部分的に形成され交互撚糸状の
構造を有する麻調仮撚加工糸(特開昭52−49322
号公報参照)、或いは構成フィラメントの長手方向に太
さ斑を有する仮撚加工糸(特公昭59−20003号公
報参照)等が提案されている。
しかしながら、いずれも天然素材と比較すると、人工的
で且つ粗硬感の強いもの、或いは織編物にして染色を施
したときに「スジ環」等の欠点が発現し易いものであっ
て、高級織編物用素材としては更に一層の改善が要求さ
れている。
この点、本発明のマルチフィラメントを仮撚加工して得
られる仮撚加工糸は、第7図に示す如く、構成フィラメ
ントの断面が扁平で且つ多数の凹凸を有し、しかもその
断面形状がランダムであるため、仮撚加工による捲縮と
相俟ってバルキーで且つ綿様の優雅な光沢を呈すること
ができる。
更に、仮、撚加工に供する原糸が自己伸長性を有してい
る場合は、得られる仮撚加工糸にも自己伸良性を残存さ
せることができる。
この様に自己伸長性を有する仮撚加工糸は、前記フィラ
メント断面形状と相俟って、極めてソフトな触感とドレ
ープ性とを併有することができる。
特に、第3図(イ)に示すフィラメントから成る本発明
のマルチフィラメントを仮撚加工すると、構成フィラメ
ント間に部分的に融着部を容易に形成することができ、
交互撚糸状の仮撚加工糸を容易に得ることができる。
かかる交互撚糸状仮撚加工糸は、従来の交互撚糸状仮撚
加工糸、即ち丸断面のフィラメントから成るマルチフィ
ラメントを高温仮撚加工して構成フィラメント間に部分
的に融着部を形成することによって得られる交互撚糸状
仮撚加工糸に比較して、交互撚糸状部分が細かなピッチ
で形成され且つ仮撚加工糸内部にフィラメント断面形状
に基く空隙が形成されているため、ソフトな触感を有し
つつ「シャリ感」や「ドライ感」を呈することができる
尚、本発明のマルチフィラメントを構成するフィラメン
トは、その長手方向に太さ斑に基く収縮差を有している
ものの、太さ斑が極めて細かいものであるため、本発明
のマルチフィラメントを仮撚加工して得られる仮撚加工
糸から成る織編物は、前掲の特公昭59−20003号
公報に示されている仮撚加工糸から成る織編物に比較し
て、極めて均斉な染色性を有することができる。
この様に、本発明のマルチフィラメントを仮撚加工して
得られる仮撚加工糸は、従来の仮撚加工糸が展開できな
かった高級織編用分野、特に高級綿調織編用分野或いは
高級麻調織編用分野に展開することができる。
以上、述べてきた本発明のマルチフィラメントを製造す
るには、第8図に示す様な連結吐出孔を用いることが肝
要である。
第8図において、1,1°はスリット状吐出孔、2は吐
出孔、3.3°はスリット状吐出孔(1)(1°)と吐
出孔(2)とを連結する連結スリット、 (11”L2
 ) 。
山°+E2 °)はスリット状吐出孔(1)(1°)の
長軸長を示し、L3+L3°はスリット状吐出孔(1)
(1°)の短軸長、  L4は吐出孔(2)の最大巾、
  15、[5°は連結スリット(3)(3′)の長さ
、 W、W’は連結スリット(3) (3°)のスリッ
ト巾を夫々示す。
かかる吐出孔は、互いの長軸が略対向し且つ間隔をおい
て配置されている少なくとも1対の吐出孔(1)(1°
)と前記1対の吐出孔(1)(1°)の間に位置する吐
出孔(2)とがスリット(3)(3°)を介して互いに
連結されている連結吐出孔である。
本発明においては、第8図に示す様な連結吐出孔のスリ
ット状吐出孔(1)(1°)から吐出される重合体流(
Y+ ) (Y+ ’)を吐出孔(2)から吐出される
重合体流(Y1)よりも低速で吐出し、引続き高速重合
体流(Y1)を低速重合体流(Y+ ) (Y+ °)
に衝突させることなく脈動せしめることが必要である。
ここで、連結吐出孔において連結スリット(3)(3°
)によって吐出孔(2)がスリット状吐出孔(1)(1
°)に連結されていない場合には、吐出孔(2)から吐
出される高速重合体流(Y1)がスリット状吐出孔(1
)(1’)から吐出される低速重合体流(Y1)(Y+
 °)に衝突しつつ脈動する。
このため、得られるマルチフィラメントの構成フィラメ
ントは長手方向に大きな太さ斑を有し、最終的に得られ
る織編物では染色斑が発生する。
この点、本発明では、第8図に示す様な連結吐出孔を用
いてスリット状吐出孔(1)(1°)から吐出される低
速重合体流(Y+ ) (Y+ °)と吐出孔(2)か
ら吐出される高速重合体流(Y1)とは連結スリット(
3)(3°)から吐出される薄膜状の重合体流を介して
連結されているため、高速重合体流(Y1)は低速重合
体流(Y+ ) (Y+ °)に衝突することなくスリ
ット状吐出孔(1)(1°)の長袖方向に脈動すること
ができ、しかも脈動周期が先に本発明者等が提案(特願
昭59−5699号明細書、特願昭59−36097@
明細書)シた潜在嵩高性マルチフィラメントの製造の際
に採用する吐出孔を用いて溶融紡糸した場合に比較して
小さくすることができる。
この様にしてられるマルチフィラメントの構成フィラメ
ントは、その長手方向に収縮差を有しつつも実質的に染
色斑となる様な大きな太さ斑がなく、織編物において染
色斑(スジ環)が発生しないのである。
また、第8図に示す連結吐出孔を用いて流速差を有する
重合体流を吐出しても、高速重合体流の脈動が発生しな
い場合には、得られるフィラメントは均斉ではあるもの
の、フィラメントの長手方向及び断面方向に有効な収縮
差を付与することができず、最終的に19られる織編物
はペーパーライクなものとなる。
かかる「脈動」を発生させるには、第8図に示す連結吐
出孔において、スリット状吐出孔(1) (1゛)から
吐出される重合体流(Y+ ) (Y+  ’)の流速
(V+ ) (V+ °)と吐出孔(2)から吐出され
る重合体流(Y2 ) (7)流速(V2 ) ト(D
流速比(V2 /V+ )(V 2/vI °)を1.
5〜5、特に:2.5〜4にすることが好ましい。
ここで、流速比(V2 /V+ )又は(Vz /V+
 °)が1.5未満又は5を越える場合には、「脈動」
が消失する傾向がある。
この様な「脈動」を発生させるに好ましい連結吐出孔の
寸法を、第8図に示す連結吐出孔について下記に示J0 5≧(St /Sz )及び(St °/S2)≧0.
5S1及びSl °> 33及びS3゜ s2 > s3及びS3 。
L、 +12     L、 °+[2゜30≧□及び
□≧2 [3E3゜ 1.0mm≧[3及び[3°〉綽及び−’ > 0.0
5mm0.1mm≦L4≦2.omm 0.2mm≦[5及び[5°≦2.0mmかかる連結吐
出孔において、1対のスリット状吐出孔(1)(1°)
が略平行で且つ吐出孔(2)が略円形であるものが吐出
孔の工作上から好ましく、断面形状を非対称とすること
が得られるフィラメントの断面方向の収縮差を大きくす
るうえで好ましい。
また、第8図に示す連結吐出孔は、前掲の特開昭54−
42415号公報及び特開昭55−51809号公報に
示されている吐出孔の様に、各吐出孔のランド長を調整
することは必要なく同一長さのランド長でよい。
かかる第8図に示す連結吐出孔から流速差を有する重合
体流を吐出できる理由は次の様に考えられる。
即ち、−船釣にスリット状吐出孔及び略円形の吐出孔を
通過する重合体流の流速が等しいならば、圧力損失はス
リット状吐出孔が略円形の吐出孔よりも大となるが、ス
リット状吐出孔(1)(1°)と略円形の吐出孔(2)
とを連結スリット(3)(3°)によって連結している
連結吐出孔においては、8孔の圧力損失差が等しくなる
様に流速差が生じる。
このため、圧力損失の大なるスリット状吐出孔(1)(
1°)から吐出される重合体流の流速(v1)(V+ 
°)は圧力損失が比較的小さい略円形の吐出孔(2)か
ら吐出される重合体流の流速(v1)よりも遅くなる。
そして、本発明においては、かかる流速差を有する重合
体流は前述した様に低速重合体流に衝突させることなく
脈動させ、次いで冷却固化させてから引取ることによっ
て、低速重合体流は高速重合体流よりも紡糸時のドラフ
トによる高剪断力を受けると共に、容易に冷却されるた
め、得られるフィラメントの横断面において、1対の偏
平部(1対のスリット状吐出孔から吐出される重合体流
で主として形成される)の配向度を連結部(単一吐出孔
から吐出される重合体流で主として形成される)よりも
高くすることができる。
これまで第8図に示す連結吐出孔について説明してきた
が、他の態様として第9図に示す連結吐出孔を用いるこ
とができ、むしろ種々の機能性を付与することができ好
ましい。
第9図(イ)は、第8図に示す連結吐出孔を直列に複数
個(好ましくは2〜3個)連結せしめた連結吐出孔であ
り、良好なドレープ性を有する潜在嵩高性マルチフィラ
メントを得ることができる。
また、第9図(0)(ノリは、3個以上(好ましくは3
〜4個)のスリット状吐出孔を環状に配置せしめて吐出
孔(2)と連結スリットで連結せしめた連結スリットで
あって、得られる潜在嵩高性マルチフィラメントは吸水
性能或いは訓電性能を有することができる。
尚、第8図及び第9図に示す連結吐出孔において、吐出
孔(2)の形状を三角形、四角形にしてもよい。
かかる第8図及び第9図(イ)に示す連結吐出孔から重
合体をフリーフォールで吐出して得られるフィラメント
の斜視図(顕微鏡写真)を第10図(イ)(O)に示す
第10図から明らかな様に、本発明の製造法によれば、
スリット状吐出孔(1) (1’)から吐出された重合
体流(Y+ ) (Y+ °)に吐出孔(2)から吐出
された重合体流(Y2)が衝突することなくスリット状
吐出孔の長軸方向に脈動していることが判る。
尚、第10図(イ)に示すフィラメントの断面形状は偏
平部の一方が約90”曲っており第1図に示すフィラメ
ントの横断面形状と異って見えるが、第10図に示すフ
ィラメントはフリーフォールで得られたものであり、紡
糸時のドラフトが作用すると1対の偏平部は略平行とな
る。
また、連結スリット(3)(3°)から吐出される重合
体流は、第10図に示されている様に薄膜状である。か
かる薄膜状の重合体流はフィラメントが伸長・細化され
る間に偏平部或いは連結部にその大部分が吸収され、そ
の一部が1対の凹部を形成する。
この様にして冷却固化せしめたマルチフィラメントの引
取速度は、1qられるマルチフィラメントの使用目的と
の関係で適宜選定することができる。
ここで、引取速度が4000m/分未満の場合には、得
られるマルチフィラメントの力学的性質が不充分である
ので、更に延伸熱処理操作を加えることが好ましく、延
伸熱処理操作は、−旦捲き取ったマルチフィラメントに
延伸熱処理操作を加えてもよく、−旦捲き取ることなく
連続的に延伸熱処理操作を加えてもよい。
また、引取速度が4000m/分以上、特に4500m
/分〜B500m/分では、得られるマルチフィラメン
トはそのままでも実用可能である。
尚本発明において、第8図に示す連結吐出孔のスリット
状吐出孔(1)(1°)と吐出孔(2)とから互いに物
性の異る重合体流を吐出して複合IIi維としてもよい
かかる本発明によって得られるマルチフィラメントは、
糸状或いは布帛状でアルカリ減量処理(減量率10〜3
0重間%)を施してもよい。
この様な処理を施すことによって、本発明のマルチフィ
ラメントを構成するフィラメントは容易に分割され、シ
ルキー調の光沢及びドレープ性を呈することができる。
尚、前記アルカリ減量処理は特別な条件を採用する必要
はなく、通常のアルカリ減量処理の際に採用される条件
でよい。
また、本発明によって得られるマルチフィラメントに仮
撚加工を施してもよく、極めてソフトで且つ優雅な光沢
を呈する加工糸を得ることができる。
仮撚加工としては、延伸同時仮撚加工が好ましく、その
加工条件を下記に示す。
延伸倍率  :得られる加工糸の伸度が15〜30%に
なる様に調整する ヒーター温度:100〜220℃ (特に好ましくは100〜200℃) 加工速度  : 200〜500m/分本発明において
対象とする溶融紡糸可能な重合体とは、ポリエステル又
はポリアミドである。
ポリエステルにおいては、実質的に繰り返し単位の85
モル%以上がエチレンテレフタレートから構成されるポ
リエチレンテレフタレートが好ましく、該重合体には艶
消剤、染色改良剤、帯電防止剤等を共重合体又はブレン
ド体として含んでいても差支えない。特に、得られるフ
ィラメントの横断面形状との関係から増粘効果を有する
物質が添加されている重合体が好ましい。かかるポリエ
チレンテレフタレートの固有粘度(35℃オルソクロ日
フェノール中で測定)は、0.45〜1.2が好ましく
、特に0.5〜1.0が好ましい。固有粘度が0.45
未満のときは、得られるマルチフィラメントの強度レベ
ルが低くなる傾向があわ、固有粘度が1.2を越えると
きは、紡糸時の溶融粘度が高すぎて、溶融温度が高くな
る傾向がある。
他方、ポリアミドにおいては、ナイロン−4゜ナイロン
−6、ナイロン−66、ナイロン−10等の脂肪族ポリ
アミドが好ましく、特にナイロン−6゜ナイロン−66
が好ましい。これらポリアミドにおいても、艶消剤、染
色改良剤、帯電防止剤等を共重合体又はブレンド体とし
て含んでいても差支えないことは勿論のことである。
かかるポリアミドから成る本発明のマルチフィラメント
は、吸水性及び吸湿性に優れている。特に第3図(イ)
に示す形状のフィラメントから成るマルチフィラメント
は吸湿すると嵩高性が向上するという驚くべき現象が見
られる。
(作用) 本発明において、第8図に示す様な連結吐出孔を用いて
、スリット状吐出孔(1)(1°)から吐出する重合体
流(Y+ ) (Y+ °)を吐出孔(2)から吐出す
る重合体流(Y2)よりも低速で吐出せしめる。
このため、スリット状吐出孔(1)(1°)から吐出さ
れる低速重合体流(Y+ ) (Y+ °)と吐出孔(
2)から吐出される高速重合体流(Y2)とは連結スリ
ット(3)(3°)から吐出される薄膜状の重合体流を
介して連結されているため、高速重合体流(Y2)は低
速重合体流(Y+ ) (Y+ °)に衝突することな
くスリット状吐出孔(1)(1°)の長軸方向に脈動す
ることができ、しかも脈動周期が先に本発明者等が提案
(特願昭59−5699号明細書、特願昭59−360
97号明細書)シた潜在嵩高性マルチフィラメントの製
造の際に採用する吐出孔を用いた場合に比較して小さく
することができる。
そして、かかる重合体流を冷却固化せしめてから引取る
と、低速重合体流(Y+ ) (Y+ °)は紡糸ドラ
フトが偏在して作用すると共に、容易に冷却され易いた
め、高速重合体流(Y2)よりも高剪断力を受ける結果
、低速重合体流(Y+ ) (Y+ °)側の配向度が
高速重合体流(Y2)側よりも高くすることができる。
この様にして得られるフィラメントは、その長手方向に
脈動によって形成される太さ斑に因る収縮差を有するも
実質的に染色斑となる太さ斑が形成されておらず、フィ
ラメント横断面において、1対の偏平部(1対のスリッ
ト状吐出孔(1)(1°)から吐出される重合体流(Y
+ ) (Y+ °)で主として形成される)の配向度
が連結部(吐出孔(2)から吐出される重合体流(Y2
)で主として形成される)よりも高くなるのである。
かかるフィラメントで構成されている本発明のマルチフ
ィラメントは、その構成フィラメントの長手方向及び断
面方向に収縮差を有しているため、加熱処理によって、
フィラメント横断面形状に基くフィラメント自体の大な
る空隙率と相俟って優れた嵩高性を呈することができ、
しかも染色斑(スジ環)が発生しないのである。
また、本発明のマルチフィラメントは、アルカリ減量処
理を施すことによって、容易に細デニール成分に分割す
ることができ、シルキー調の光沢及び良好なドレープ性
を呈することができる。
更に一連結吐出孔の形状を第9図に示す形状とすること
によって、第3図に示す形状のフィラメントを(qるこ
とかでき、ドレープ性、吸水性、或いは訓電性といった
機能も付与することができる。
(発明の効果) 本発明によれば、審美性の要求される高級織編用途に適
用できる潜在嵩高性マルチフィラメントを容易に得るこ
とができる。
(実施例) 以下、本発明を実施例にて更に説明する。
本実施例において用いる物性は下記の方法で測定したも
のである。
(1) IA、Ik’、 i!B、IC,jIC’、 
IO,及UID”マルチフィラメントの任意断面につい
て、1000〜2000倍の倍率で断面写真を撮影し、
夫々の値を実測して求めた。
(2)強度(St)、伸度(E1) 通常の引っ張り型試験器にて、室温−L2≦℃、湿度6
0%で、試料長10Cm、引っ張り速度200mm/m
inの条件で応力−伸度曲線を求め、応力が最大となる
伸度をE、最大応力を試料の繊度で割った値を強度(S
t)とする。
(3)ヤング率 試料長−L2≦0mm 、引っ張り速度50mm/mi
nの条件で、1%伸長時の応力を求め、以下の式よりヤ
ング率を求めた。
ヤング率(kg/mm2 ) 1%応力(0) =          X900X試料の比重試料の繊
度(de) 尚、試料の比重は密度勾配管法(四塩化炭素−n−へブ
タンを使用)にて常法により求めた。
(4)収縮率 マルチフィラメントの「カセ」を作り、この「カセ」に
2 mg/de相当の荷重をかけ、沸騰水中で30分処
理した時の収縮率を以下の式より求めた。
1o   1+ 収縮率(%) =        x100(5)マル
チフィラメントの嵩高性 糸条をかせ(周長1.1−L2≦m)に320回転とり
、2つ折りにしたサンプルの1端に6gの荷重を吊し、
乾熱180℃で5分間処理し、冷却後一定の重量(向)
の堆積(VCl2 )を6.4gの荷重下で測定し、以
下の式で算出する。
V  (cm3 ) 嵩高性(cm 3/g) =□ −(g) (6) &!I合い 得られた潜在嵩高性マルチフィラメントを筒編みし、分
散染料を使用して常法で染色し、水染乾燥後、180℃
で1分間セットし風合い(嵩高感)評価用の試料とした
。風合い(嵩高感)は、肉眼観察並びに触感によって評
価した。
(7)アルカリ減量率 得られた潜在嵩高性マルチフィラメントを筒編みし、市
販のNaOH水溶液中で(濃度3wt%。
浴比1/100)沸騰状態で処理し、アルカリ減量を行
った。水洗乾燥後、減量率(処理前後の重量減少率)の
測定及び風合い評価試料とした。
[実施例1] 固有粘度[η]が0.64のポリエチレンテレフタレー
ト(PET)に対してドデシルベンゼンスルホン酸ソー
ダー〇、6wt%を配合せしめたポリエステルを300
℃で溶融し、第8図に示す連結吐出孔を18個有する紡
糸口金から37.5Q1分の吐出量で吐出した。
ここで使用した連結吐出孔の各部の寸法を第1表に示す
この連結吐出孔からポリマーを吐出し、その際のスリッ
ト状吐出孔(1)(1°)及び吐出孔(2)からのポリ
マーの吐出量比Q、 /Q2及び吐出速度比Vl /V
2 tr夫々1,0/1.0及び1.0/2.6にした
。紡糸口金直下にて、吐出された溶融ポリマー流をスト
ロボスコープにて観察すると、1対のスリット状吐出孔
から吐出されたポリマー流の間で吐出孔(2)から吐出
されるポリマー流がスリット状吐出孔から吐出されるポ
リマー流に衝突することなく脈動していることが観察さ
れた。
次いで、かかるポリマー流に温度20℃、湿度60%の
冷却風を50C(II/秒の線側度で吹きつけて冷却同
化させ、オイリングローラ−で油剤を付与してから引取
速度3000m/分で引取って113de /18fi
lのマルチフィラメントを得た。
更に、この未延伸糸を予熱し延伸を行いつつスリットヒ
ーターで熱セットしてから引取る延伸熱セットを下記条
件で行い75de/ 18f i Iのマルチフィラメ
ントを得た。
[延伸条件] このマルチフィラメントの特性を第2表に示す。
尚、フィラメントの横断面形状において、CIA’/ 
AB)、<IA”/ IG’)、(IB#C’)。
(SG/811’)は第2表の値と略等しいものであっ
た。
また、通常のポリエステル繊維のシルクファクターは3
0程度であり、ヤング率は1600〜2000kMmm
2程度である。
第2表から明らかな様に、本発明のマルチフィラメント
は、従来のポリエステル繊維に比較して、低ヤング率で
且つ低シルクファクターを有していると共に、充分に大
きな嵩高性を呈することができる。
尚、このフィラメント横断面における外接円直径は44
.1μmであり、同一デ三−ルの丸断面フィラメントの
直径は20.7μmであった。
次に、かかるマルチフィラメントを筒編みにして下記条
件下で染色を施した。
[染色条件] 染色した試料を水洗、乾燥後、180℃で1分間熱セツ
トした。
得られた試料は均一に染色され染色斑の全くないもので
あった。また、風合いはソフトでドレープ感があり、シ
ルキー調の光沢及び嵩高性を呈していた。
[実施例2] 実施例1において得られた筒編みを下記の要領でアルカ
リ減量を行った。
[アルカリ減量条件] アルカリ減量した試料を水洗、乾燥して180℃で1分
間熱セツトした。
この試料のアルカリ減量率は、アルカリ処理前後の筒編
の重量より測定したところ、15%であった。かかる試
料の風合いは、極めてソフトでふくらみがあり、ドレー
プ性も大きく向上し、シャリ感があった。また、この試
料の断面は、第6図の如く、異形断面の細デニール成分
が混合されていた。
[比較例1] 第8図に示す吐出孔において、第3表の寸法の連結吐出
孔を18個有する紡糸口金を用いて実施例1と同様な要
領で溶融したポリマーを37.5(1/分の吐出間で吐
出した。
第3表 この連結吐出孔からポリマーを吐出し、その際のスリッ
ト状吐出孔(1)(1°)及び吐出孔(2)からのポリ
マーの吐出量比Ql /Q2及び吐出速度比V、 /V
2 ヲ夫々1.015.171![1,015,4ニし
た。
紡糸口金直下にて、吐出されたポリマー流を観察すると
、吐出孔(2)から吐出されたポリマー流の脈動は観察
されなかった。これは吐出孔(2)から吐出されるポリ
マーの流量が多く、且つスリット状吐出孔(IHlo)
から吐出されるポリマーの流mが少ないので、吐出孔(
2)から吐出されるポリマー流がスリット状吐出孔(1
)(1’)から吐出されるポリマー流を吸収してしまう
ため、原動が消失する。
次いで、実施例1と同様な要領で冷却固化して捲取り1
13de /18filのマルチフィラメントを得た。
更に、この未延伸糸を、実施例1と同じ条件で延伸し、
75de/ 18f i Iの延伸糸を得た。
このマルチフィラメントの特性を、第4表に示す。
尚、フィラメント形状において、CIA’/IB)、(
j!A’/ IC”)A j!8/jIC’)、 (S
G/Stl°)の値も第4表の値と略等しいものであっ
た。
このマルチフィラメントは、実施例1で得られたマルチ
フィラメントに比較して、通常のポリエステル繊維の物
性に近く、嵩高性も乏しいものである。このことは、構
成フィラメントの長手方向及び断面方向に有効な収縮差
がないことを示す。
かかるマルチフィラメントを、実施例1と同様な要領で
染色処理を施して風合い評価を行った。
得られた試料は均一に染色されて染色斑は全くないが、
ペーパーライクな風合のものであった。
次に、実施例2と同じ要領にて、アルカリ減量を行った
が、実施例2において見られたフィラメントの分割が発
生せず、ソフト感、ドレープ性。
及びシャリ感のものが得られなかった。
[実施例3] 実施例1に使用した紡糸口金を使用し、吐出量。
引取速度(捲取り速度)、延伸倍率のみを変更した他は
、75de/ 18f i lのマルチフィラメントを
得た。紡糸・延伸条付及びマルチフィラメント物性を第
5表に示す。
捲取り速度が高い方が、シルクファクター及びヤング率
も低く、嵩高性が大きくなる傾向を示した。尚、低紡速
でも、通常のポリエステル延伸糸に比べて充分に大きな
嵩高性をもっていた。
[実施例4] 実施例1で使用した吐出孔において、連結スリット長(
15,15°)を0.90mmに変更した他は同じ寸法
の吐出孔を18個有する紡糸口金を使用し、実施例1と
同じ要領で紡糸゛し、延伸操作を施すことなく100d
e /18filのマルチフィラメントを他。紡糸条件
及びマルチフィラメントの物性を第6表に示す。
尚、紡糸時に紡糸口金下10cmの領域を−L2≦0℃
に加温した。
これらのマルチフィラメントは、伸度及び強度が低く、
収縮率も実用的なレベルであるので、更に延伸熱セット
を施すことなく実用に供し得るものであった。このため
、このマルチフィラメントを用いた筒編みを実施例1と
同様な染色条件下で染色を施した。得られた試料は染色
斑がなく、ソフトな風合いのものであった。
更に、捲取り速度5000m/分で得られたものについ
て、実施例2と同様なアルカリ減量処理を行った。得ら
れたマルチフィラメントの断面において、第6図の如く
細デニール成分に分割されており、極めてソフトでドレ
ープ性のある風合いを呈していた。
尚、上記方法にて、捲取られたマルチフィラメントの応
力−伸度曲線は、第5図(イ)に近似したものであり、
紡速が6000m/分以上で捲き取ったときには、第5
図Hの様に延伸操作を加えた応り一伸度曲線に近似した
ものであった。
[実施例5] 固有粘度1.34(ギ酸中で測定)のナイロン−6チツ
プを溶融し40 !I+/分の吐出量で実施例1と同様
に溶融紡糸した。
次いで、得られた未延伸糸を予熱し延伸を行いつつスリ
ットヒーターで熱セットしてから引取る延伸熱セットを
下記条件で行い75de/ 18f i lのマルチフ
ィラメントを得た。
[延伸条件] このマルチフィラメントの特性を第7表に示す。
ここで、吸湿による糸長変化に次の様にして測定したも
のである。
10万Deの「カセ」を作り、フリーの状態で120℃
で30分処理する。次いで、フリーの状態、市販の加湿
器にて30分加湿処理を行い、0.06mMde荷重下
の「カセ」の長さをio 、 5111(]/de荷重
下の「カセ」の長さを11とし、次の式より求めた。
1+ −1゜ 糸長変化率=        X100(%)尚、フィ
ラメントの横断面形状において、<IA”/ fB)、
  (j!^’/ AC’) 、  (IB/jIC’
) 。
(S G/S IIo)は第7表の値と略等しいもので
あった。
第7表から明らかな様に、本発明のマルチフィラメント
は充分に大きな嵩高性を呈することができ、しかも吸湿
によって糸長が変化し更に嵩高となる。
これに対して、通常の丸断面のナイロン−6フイラメン
トから成る延伸マルチフィラメントでは吸湿による糸長
変化は0%である。
尚、このフィラメント横断面における外接円直径は44
.1μmであり、同一デニールの丸断面フィラメントの
直径は22.8μmであった。
次に、かかるマルチフィラメントを筒編みにして下記条
件下で染色を施した。
[染色条件] 染料    : Suminol Fast Sky 
Blue染料比   :筒編み重囲に対して0.4%C
H3COOH: 0.2g/It 浴比    : 1/100 温度X時間 :100℃X60分 このようにして得られた試料は、均一に濃染されている
と共に、ソフトでふくらみのある風合を呈し、ナイロン
−6独特の「ぬめり感」は著しく減少し、ドライ感のあ
るタッチを有していた。更に、上記マルチフィラメント
を筒騙し、沸騰水中で処理して嵩高性を発現させた後、
乾燥させ、吸湿率、吸水速度、抱水量を測定し、その値
を第8表に示した。尚、比較に丸断面のナイロン−6フ
イラメントから成る延伸マルチフィラメント(75de
/18fi1)の値を併せて第8表に示す。
ここで、吸湿率、吸水速度、抱水母については、下記に
示す方法で測定したものである。
(試料) 得られたマルチフィラメントを筒編みし、沸騰水中で3
0分間処理し、自然乾燥した。
(1)吸湿率 濃度14.4%の硫酸で湿度95%に調整したデシケー
タ−中で上記試料の小片を室温で48hrlIi置し吸
湿させ、その時の筒偏重但をwl とする。
次いでこの試料を乾熱100℃で3時間処理し乾燥させ
、この時の筒編の重量をwl とし、重量差より吸湿率
を求める。
(2)吸水速度 黒インクを入れた容器に、長さ30Cmの上記筒編み試
料を垂直に立て(浸漬長2cII1)、インクの吸い上
げる高さを一定時間経過後に定規にて測定した。
尚、吸い上げ高さは、水面からのインク上昇部の位置を
示し、浸漬してから60分後の高さを読みとった。
(3)抱水母 上記筒編み試料を10分間水中に浸漬させ、次いで市販
の洗濯機にて5分間脱水処理を行い脱水後の試料の重量
(W+>及び乾燥後(乾熱100℃x2hr)(7)重
量 (W2 ) カ6抱水aを求めた。
第8表から明らかな様に、本発明のマルチフィラメント
は吸水性及び吸湿性に優れており、清涼感素材として適
していることがわかる。
[実施例6] 実施例1において、固有粘度が0.72のポリエチレン
テレフタレートを310℃で溶融し、第8図に示す連結
吐出孔を48個有する紡糸口金から35g/分の吐出量
で吐出した他は、実施例1と同様に紡糸して105de
 /48filのマルチフィラメントを得た。
次に、この未延伸糸を下記の条件で延伸同時仮撚加工を
行い75de/ 48f i Iの仮撚加工糸を得た。
[仮撚加工条件] 加工倍率  :1.40 ヒーター長 : 150cm ヒーター温度:200℃ 加工速度  : 300m/分 得られた1撚加工糸の物性を第9表に示す。
第9表 尚、この仮撚加工糸の断面は第7図(a)に示すもので
あった。
更に、得られた仮撚加工糸を筒編みにして、下記条件下
で染色を施した。
[染色条件] 染料   : Po1yester Eastman 
Blue染料比  :筒編み重りに対して4% 助剤   :モノゲン■(055%/1)浴比   :
 1/100 温度X時間:100℃X60分 染色した試料は水洗、乾燥後、180℃で1分間熱セツ
トを施した。
得られた試料は均一に染色され、染色斑のないものであ
った。風合も極めてソフトでドレープ感もあり、綿タッ
チのものであった。
[実施例7] 実施例1で用いた吐出孔を2個連結した第9図(イ)に
示す吐出孔から吐出m34.7a /分でPETを溶融
吐出した他は、実施例1と同様に溶融紡糸を行い104
de /10filのマルチフィラメントを得た。
この際に、紡糸口金面直下の吐出された溶融ポリマー流
をストロボスコープにて観察すると、第10図(○)の
如く、1対のスリット状吐出孔の間に位置する夫々の吐
出孔から吐出されたポリマー流がスリット状吐出孔から
吐出されるポリマー流と衝突することなく原動している
ことが観察された。
次いで、得られたマルチフィラメントを下記の条件で延
伸同時仮撚加工を行い80de/ 10f i lの仮
撚加工糸を得た。
[仮撚加工条件] 加工倍率  :1.30 ヒーター長 : 150cm ヒーター温度:120℃ 加工速度  : 300m/分 1qられた仮撚加工糸の物性を第10表に示す。
第10表 (qられた仮撚加工糸は交互撚部が細かなピッチで形成
されており、その断面形状は第7図(b)に示すもので
あった。
更に、この仮撚加工糸を実施例7と同様に筒編みにして
染色を施したところ、均斉に染色され麻調のタッチで極
めてドライ感があり、しかも粗硬感のないものであった
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のマルチフィラメント(糸条)を構成す
るフィラメント(単繊維)の断面図、第2図は本発明の
マルチフィラメント(糸条)を構成するフィラメント(
単繊維)と通常の丸断面フィラメント(単繊維)との差
異を説明する説明図。 第3図は本発明のマルチフィラメント(糸条)を構成す
るフィラメント(単繊維)の態様を示す断面図、第4図
は本発明のマルチフィラメント(糸条)の任意の断面図
(顕微鏡写真)、第5図は本発明のマルチフィラメント
(糸条)の応力(St)−伸度([1)曲線、第6図は
本発明のマルチフィラメント(糸条)にアルカリ減量処
理を施して得られるマルチフィラメント(糸条)の任意
の断面図。 第7図は第1図又は第3図に示す本発明のマルチフィラ
メント(糸条)を仮撚加工して得られる加工糸の断面図
、第8図は第1図に示す断面形状のフィラメント(単繊
維)が得られる連結吐出孔の平面図、第9図は第3図に
示1断面形状のフィラメント(単繊維)が得られる連結
吐出孔の平面図。 第10図は第7図又は第8図(イ)の連結吐出孔から7
リーフオールで重合体を吐出した直後のフィラメント(
単繊維)を横断面に沿って切断した際のフィラメント(
単繊維)の斜視図(顕微鏡写真)を夫々示す。 第 1 図 第2図 第 3 図 (イ)               (ロ)(ハ) 第4−国 第5図 第6図 第70 (良) (C)         (D、) 第 8 図 第 9 図 (−rl               ([J)(ハ
) 第it”)■ (′) 手続補正書く方式) %式%) 1、事件の表示 特願昭 62 − 297774  号2、発明の名称 潜在嵩高性マルチフィラメント及びその製造法(1)明
細書、第71頁第1〜2行目の「第4図は・・・・・・
断面図(顕微鏡写真)、」を「第4図は本発明のマルチ
フィラメント(糸条)の任意の断面図、」と訂正します
。 (2)図面の第4図を別紙の如く訂正します。 以上 第4図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)溶融紡糸可能な重合体から成るフィラメントで構
    成されているマルチフィラメントであつて、該構成フィ
    ラメントがその横断面及び長手方向において下記[A]
    及び[B]を同時に満足することを特徴とする潜在嵩高
    性マルチフィラメント。 [A]フィラメントの横断面 [A]−1形状 (i)間隔をおいて配置されている少なくとも1対の偏
    平部を連結する連結部がその両端 部を偏平部夫々の長軸方向の側面に接合し つつ互いに対向する1対の凹部を形成 (ii)連結部の内接円直径(lB)が1対の凹部間の
    最短距離上にある直線で分割される偏 平部夫々の最大内接円直径(lC)(lC′)よりも大 [A]−2収縮差 連結部の配向度が偏平部よりも低い [B]フィラメントの長手方向 連結部が太さ斑に因る収縮差を有する (2)フィラメント長手方向の最も太い部分のデニール
    (d1)と最も細い部分のデニール(d2)との比(d
    1/d2)が2以下である特許請求の範囲第(1)項記
    載の潜在嵩高性マルチフィラメント。 (3)偏平部と連結部との接合部に対向する偏平部の長
    軸方向の側面がアーク状である特許請求の範囲第(1)
    項記載の潜在嵩高性マルチフィラメント。 (4)偏平部と連結部とが下記[ I ]〜[III]式を同
    時に満足する特許請求の範囲第(1)項又は第(3)項
    記載の潜在嵩高性マルチフィラメント。 〔lA及びlA′≧lB>lC及びlC′・・・[ I
    ]15>(lA/lC)及び(lA′/lC′)・・・
    [II](SG/SH)及び(SG/SH′)≦4・・・
    [III]lA、lA′;偏平部夫々の外接円直径 SH、SH′;1対の凹部間の最短距離上にある直線で
    分割される偏平部夫々の断面積 (SG;連結部の断面積) (5)連結部と偏平部との接合部が下記[IV]式を満足
    する特許請求の範囲第(1)項、第(3)項、又は第(
    4)項記載の潜在嵩高性マルチフィラメント。 lC及びlC′>lD及びlD′・・・[IV]〔lD、
    lD′;接合部夫々の1対の凹部間の最短距離〕(6)
    フィラメント横断面形状が非対称である特許請求の範囲
    第(1)項記載の潜在嵩高性マルチフィラメント。 (7)フィラメント横断面に外接する外接円直径が同一
    デニールの丸断面フィラメントの直径に対して1.5倍
    以上である特許請求の範囲第(1)項記載の潜在嵩高性
    マルチフィラメント。 (8)連結部の形状が略円形である特許請求の範囲第(
    1)項、又は第(3)〜(6)項いずれか1項記載の潜
    在嵩高性マルチフィラメント。 (9)連結部によって連結されている1対の偏平部が直
    列に複数個連結されている特許請求の範囲第(1)項記
    載の潜在嵩高性マルチフィラメント。 (10)3個以上の偏平部が環状に配置され且つ1個の
    連結部で連結されている特許請求の範囲第(1)項記載
    の潜在嵩高性マルチフィラメント。 (11)マルチフィラメントが下記[V]式を満足する
    特許請求の範囲第(1)項記載の潜在嵩高性マルチフィ
    ラメント。 L1−L2≦15%・・・[V] 但し、L1はマルチフィラメントの最終破断伸度、L2
    は最大応力を呈するときの伸度を夫々示す。 (12)マルチフィラメントのヤング率が1500kg
    /mm^2以下である特許請求の範囲第(1)項記載の
    潜在嵩高性マルチフィラメント。 (13)マルチフィラメントのシルクファクター(強度
    ×■伸度)が20以下である特許請求の範囲第(1)項
    記載の潜在嵩高性マルチフィラメント。 (14)溶融紡糸可能な重合体がポリエステル又はポリ
    アミドである特許請求の範囲第(1)項記載の潜在嵩高
    性マルチフィラメント。 (15)互いの長軸が略対向し且つ間隔をおいて配置さ
    れている1対のスリット状吐出孔(1)(1′)と前記
    1対のスリット状吐出孔間に位置する吐出孔(2)とが
    スリット(3)(3′)を介して互いに連結されている
    連結吐出孔から重合体流を吐出し、その際に吐出孔(2
    )から吐出される重合体流(Y_2)を1対のスリット
    状吐出孔(1)(1′)から吐出される重合体流(Y_
    1)(Y_1′)よりも高速で吐出せしめ、引続き前記
    高速重合体流(Y_2)を低速重合体流(Y_1)(Y
    _1′)に衝突させることなく脈動せしめることを特徴
    とする潜在嵩高性マルチフィラメント。 (16)1対のスリット状吐出孔(1)(1′)が略平
    行に配置されている特許請求の範囲第(15)項記載の
    潜在嵩高性マルチフィラメントの製造法。 (17)スリット状吐出孔(1)(1′)のスリット巾
    (L_3)(L_3′)、吐出孔(2)の最大巾(L_
    4)、及び連結スリット(3)(3′)のスリット巾(
    W)(W′)が下記[IV]式を満足する特許請求の範囲
    第(15)項記載の潜在嵩高性マルチフィラメントの製
    造法。 W及びW′<L_3及びL_3′<L_4・・・[IV]
    (18)1対のスリット状吐出孔(1)(1′)の夫々
    の断面積が吐出孔(2)の断面積に対して5倍以下であ
    る特許請求の範囲第(15)項又は第(17)項記載の
    潜在嵩高性マルチフィラメントの製造法。 (19)連結吐出孔の横断面形状が非対称である特許請
    求の範囲第(15)項記載の潜在嵩高性マルチフィラメ
    ントの製造法。 (20)吐出孔(2)の形状が略円形である特許請求の
    範囲第(15)項、又は第(17)〜(18)項記載の
    いずれか1項記載の潜在嵩高性マルチフィラメントの製
    造法。 (21)連結吐出孔が直列に複数個連結されている特許
    請求の範囲第(15)項記載の潜在嵩高性マルチフィラ
    メントの製造法。 (22)3個以上のスリット状吐出孔が環状に配置され
    て吐出孔(2)と連結スリットで連結されている特許請
    求の範囲第(15)項記載の潜在嵩高性マルチフィラメ
    ントの製造法。 (23)スリット状吐出孔(1)(1′)から吐出され
    る重合体流の流速(V_1)と吐出孔(2)から吐出さ
    れる重合体流の流速(V_2)とが下記[VII]式を満
    足する特許請求の範囲第(15)項記載の潜在嵩高性マ
    ルチフィラメントの製造法。 1.5≦V_2/V_1≦5・・・[V] (24)重合体がポリエステル又はポリアミドである特
    許請求の範囲第(15)項記載の潜在嵩高性マルチフィ
    ラメントの製造法。
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