JP2898397B2 - 混繊糸の製造方法 - Google Patents

混繊糸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、混繊糸の製造方法に関し、さらに詳しくは
紡糸混繊糸の新規な製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来、熱処理により嵩高性を呈する混繊糸は、シルキ
ー素材として種々検討されている。
その製法は、収縮差、デニール等の異なる糸を延伸
中、あるいは延伸後に混繊するいわゆる延伸混繊の方法
が主体となっている。この延伸混繊の方法は、高付加価
値商品を作るということに関しては好ましいが、その反
面、生産プロセスという面で改良の余地がある。そこ
で、この点を改良する方法として、近年、紡糸工程から
混繊糸を作るいわゆる紡糸混繊の技術が色々と試みられ
ている。
例えば、特性の異なる複数の重合体を押し出すポリ
マー混繊の方法、孔径の異なる紡糸口金を用いてデニ
ールの異なる繊維を押し出す、異デニールコスパンの方
法、紡出された繊維群に、例えば収束ガイドあるいは
メタリングオイル、インターレースなどを組合せること
により、収束群と非収束群間で空気抵抗差に起因する紡
糸張力差を発生させてこれを収縮差として取り出す、張
力差コアスパンの方法、ポリマーの吐出面の位置を異
ならしめ、冷却差を付与した突き出し口金を使用する方
法、など多岐にわたる試みがある。
しかしながら、前記ポリマー混繊の場合は、有用な
構造差(デニール差、収縮差、伸度差など)を付与で
き、延伸混繊に近い風合い、嵩高性のものが得られる
が、複数のポリマーを複合紡糸装置で紡糸する必要があ
り、生産コスト面での問題がある。前記異デニールコ
スパンの方法は、単一ポリマーで同一口金で可能とい
う、極めて合理的な方法であるが、実質的には単なる異
デニールだけのものであり、充分な構造差がつかず、風
合い、嵩高性の面で不充分である。前記張力差コスパ
ンの場合は、張力差による有用な構造差を発現可能な領
域が狭いこと(銘柄、紡速による制約がある。すなわ
ち、張力差がつきやすい単糸デニールの小さい銘柄に限
定され、紡糸速度も4,500m/分以上の高紡速が必要)、
また収束装置が必要なため、多錘化時の問題もある。
前記冷却差の方式は、冷却差のコントロールが難し
く、従って品位面のコントロールだけでなく、紡糸時の
糸切れも発生しやすいという問題がある。
このように、生産性、風合い、嵩高性を全て満足する
紡糸混繊の技術は、実質的に存在しなかった。
また、嵩高性が30cm3/g以上を示す簡易な紡糸混繊技
術の開発が要求されていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、単一ポリマーで、構造差が充分大きく、同
一口金であるため極めて操作性がよく、紡糸時の糸切れ
が少なく、多錘化の問題もない紡糸混繊の製造方法を提
供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、断面積が異なる複数の吐出孔群を有する紡
糸口金を用いて重合体からなる混繊糸を得る方法におい
て、該紡糸口金の吐出孔群の少なくとも一群の吐出孔と
して、吐出孔の導入部の終了点で断面積を絞りこれより
断面積が連続的に拡大する吐出孔を有する紡糸口金を使
用することを特徴とする混繊糸の製造方法である。
本発明においては、単一ポリマーでかつ操作性がよい
混繊糸を得るという観点から、同一口金内に断面積が異
なる吐出孔を保有させることが必要である。なお、断面
の形状は、丸断面、三角断面、その他各種の形状を挙げ
ることができ、特に限定されるものではない。
その際、特に重要なことは、各種吐出孔群の中に少な
くとも吐出孔の導入部の終了点で断面積を絞りこれより
断面積が連続的に拡大する吐出孔群を共存させることで
ある。これは、極めて大きな紡糸ドラフトを溶融ポリマ
ー流に選択的に作用させ大きな構造差を付与し、得られ
る混繊糸に大きな嵩高性を付与するためである。これに
より、嵩高性も30cm3/g以上が可能となる。すなわち、
本発明の方法を用いると、伸度差、配向差(Δnの
差)、自然延伸倍率(NDR)の差が大きく異なった混繊
糸を同一口金で紡糸段階で得ることができ、さらに異デ
ニールコスパンでは不可能であった、太デニール成分と
細デニール成分とのNDRを逆転することもできる。つま
り、太デニール成分のNDRが小さく、細デニール成分のN
DRが大きく、延伸すると太デニール成分が中に入り、細
デニール成分が外に張り出すという、延伸混繊糸のもつ
長所も本発明の紡糸混繊の方法は有するものである。
以下、本発明を図面を用いて説明する。
本発明に用いる、「吐出孔の導入部の終了点で断面積
を絞りこれより断面積が連続的に拡大する吐出孔」と
は、例えばその1態様を第1図に示す。もちろん、ポリ
マーの層流状態を乱さなければ段階状であっても本発明
に用いることができる。この吐出孔の断面積をみると、
ポリマーの導入部1の終了点である地点2において断面
積を絞って断面積SAとし、断面積SAから連続的に拡大し
溶融ポリマーが吐出孔を離れる地点3において最大とな
る特徴を有しており、この点が通常の吐出孔第2図と大
きく異なる点である。
一般に、溶融ポリマーに及ぼす紡糸ドラフトの効果
は、溶融ポリマーが吐出される地点の吐出孔の断面積に
依存するが、これもドラフトの程度によるもので、例え
ば第2図の場合、確かにみかけ上(計算上)の紡糸ドラ
フトは大きくなるが、地点2′の孔径lA2=地点3′の
孔径lB2であるため、lA2、lB2を極めて大きくすると、l
A2とlB2との間を流れるポリマーの背圧が不充分とな
り、lA2とlB2との間の流れの状態が不安定になり、その
結果、吐出斑を生じるだけでなく、有効なドラフトが作
用しなくなるため、lB2の値を大きくすることだけでは
限界があった。
一方、本発明の第1図の吐出孔の場合、地点2で絞っ
てまず大きな背圧をかけておき次第に拡大するため、地
点の孔径lA1〜地点3の孔径lB1の間の背圧は極めてスム
ーズに連続的に変化し、しかもその流れの速度は連続的
に減速する。従って、通常の丸孔口金に比べて背圧低下
の程度が極めて小さくなるため(丸孔口金の数千倍の背
圧アップの効果がある)、lA1〜lB1間のポリマーの流れ
は極めて安定となり、地点3では有効な紡糸ドラフトを
取り出すことが可能となるのである。
すなわち、本発明はみかけの紡糸ドラフトが少なくと
も1,000以上、好ましくは数千〜数万、さらに好ましく
は10万以上という極めて大きい紡糸ドラフトを用いるこ
とを特徴とする混繊糸の製造法に関し、高ドラフト紡糸
という概念からみても、本発明の紡糸方法は、ドラフト
率が高々1,000までという従来の高ドラフト紡糸とは一
線を画するものである。
本発明の紡糸口金の吐出孔の断面積であるが、地点3
の断面積SBは0.7850mm2(丸孔換算lB1=1.0mmφ)以上
が好ましく、3.1400mm2(丸孔換算lB1=2.0mmφ)以上
が特に好ましい結果を与える。
断面積の上限は必ずしも限定されないが、あまり大き
くすると1つの口金のなかの吐出孔の数が少なくなり過
ぎるので、同一口金を使用する混繊糸という観点から7
8.500mm2(丸孔換算lB1=10mmφ)程度に抑えるのが好
ましい。
複数の口金の場合は、全く限定はされない。
地点2の孔径lA1、地点2と地点3間の距離lC1および
テーパー角θについては、SA<SBの関係を満足すればよ
く、例えばlA1は0.10〜0.90mmφ、lC1は0.20〜15mm程度
で充分である。
本発明は、第1図の吐出孔を含む混繊糸の製造方法に
関するものであり、その吐出孔群の具体的な組合せは、
例えば第3〜5図にその実施態様を示すことができる。
第3図は、丸孔群(A)と断面積が連続的に拡大する
拡大吐出孔群(B)との組合せ、第4図は断面積が連続
的に縮小する吐出孔群(A)と断面積が連続的に拡大す
る拡大吐出孔群(B)との組合せ、第5図は断面積が連
続的に拡大する吐出孔群(A)、(B)同士の組合せを
示すモデル図である。第3〜5図では、好ましくは
(B)孔の断面積が(A)の断面積より大きいというこ
とであり、そのほか何ら限定されるものではない。
第3〜5図は、丸断面の組合せを示しているが、もち
ろん異形断面、例えば三角断面、六角断面などとの組合
せも可能であり、吐出孔群の吐出孔の種類も2種類だけ
でなく、3種類以上も可能である。
第6図は、従来の異デニール混繊糸を得るための吐出
孔群の模式図である。
第7図は、本発明の方法で得られる比較的低紡速で巻
き取った混繊糸(未延伸糸)の応力−伸度曲線(SS曲
線)であり、図中、Cは混繊糸全体のSS曲線、Aは混繊
糸を構成している繊維のうち、例えば第3〜5図で
(A)孔から吐出された成分のSS曲線、Bは同じ混繊糸
のうち第3〜5図の(B)孔から吐出された成分のSS曲
線を示す。これからわかるように、同一口金、同一紡速
で巻き取ったにもかかわらず、(A)孔から吐出された
成分と(B)孔から吐出された成分とは、伸度、NDRが
大きく異なることが分かる。
第8図は、第7図で示す未延伸糸を延伸熱処理して得
られる延伸糸のSS曲線であり、図中、Cは混繊糸全体
の、A、Bはそれぞれ(A)孔、(B)孔から吐出され
た成分のSS曲線を示す。
第8図から明らかなように、本発明の混繊糸は、延伸
熱処理しても大きな構造差を有することが分かる。この
ため、本発明の混繊糸から得られる織編物は、極めて大
きな嵩高性を呈する。
なお、本発明の混繊糸の製造においては、その巻取り
速度、延伸条件といった生産条件、設備、さらに製品の
デニールといった物性面においてもなんら限定されるも
のではなく、従来の公知のものを用いることができる。
本発明に使用する重合体とは、熱可塑性ポリエステ
ル、ポリアミドを称する。具体的には、ポリエステルと
しては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘ
キサメチレンテレフタレートを、ポリアミドとしては、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46を挙げることがで
きる。
〔実施例〕
以下、実施例にを用いて本発明を具体的に説明する。
なお、本実施例において、各物性は下記の方法で測定
したものである。
混繊糸の強度、伸度 オートグラフ(定速伸長型引張試験機)を用い、つか
み間隔の距離を20cmとし、標準初荷重のもとで試料をと
りつけ、引張速度100%/分で引っ張り、荷重伸長曲線
を描き、荷伸曲線の最大応力点をその試料の切断強力お
よび伸度とした。
なお、測定回数は5回とし、平均値を求めた。
また、強度(g)は、デニールあたりの強さを求めて
強度(g/デニール)とした。
さらに混繊糸を構成する個々の成分については、混繊
糸を分繊して測定した。
沸水収縮率 軽荷重(1/30g/デニール)をかけ、処理前の試長
(l0)をスケール板上で測定したのち、沸騰水中で30分
間処理し、1時間放置後、軽荷重をかけて処理後長
(l1)を測定し、下記式より収縮率を求めた。
自然延伸倍率(NDR) 未延伸糸の応力−伸度曲線より、第7図に示すように
応力が立ち始める点の伸度から求めた。
紡糸ドラフト 巻取り速度(V)とポリマーの吐出線速度(T)の比
V/Tより求めた。
Δn(複屈折率) 特公昭61−8171号公報記載の方法にて求めた。
染色性および風合い 得られた混繊糸を筒編みし、分散染料で常圧染色し、
水洗乾燥後、180℃で1分間セットし、評価用試料とし
た。
評価は、肉眼、触感によって実施した。
嵩高性 糸条をかせ(周長1.25m)に320回転とり、2つ折りに
し、その一端に6gの荷重を吊るし、乾熱180℃で5分間
処理し、冷却後、一定の重量(Wg)の堆積(Vcm3)を6.
4gの荷重下で測定し、以下の式で算出した。
嵩高性(cm3/g)=V(cm3)/W(g) 実施例1 極限粘度〔η〕が0.64のポリエチレンテレフタレート
(艶消剤として0.07重量%の酸化チタンを含む)を溶融
し、第4図に示す吐出形状の組合せを有する紡糸口金
〔各(A)、(B)の吐出孔数は、それぞれ12ホール
(H)である〕を用いて30g/分の吐出量で押し出した。
使用した吐出孔の各部の寸法を第1表に示す。
なお、紡糸口金の(A)孔群としては吐出断面積が連
続的に減少するタイプを、(B)孔群としては吐出断面
積が連続的に拡大するタイプを使用した。
次に、押し出されたポリマー流に温度26℃、湿度60%
の冷却風を30cm/秒の線速度で吹きつけ、冷却固化させ
たのち、オイリングローラーで油剤を付与し、引取り速
度1,500m/分で巻取り、180デニール/24フィラメントの
マルチフィラメントを得た。
得られた未延伸糸を分繊し、(A)孔群および(B)
孔群から吐出された糸の特性を調べた。
結果を第2表に示す。
(A)孔群から吐出されたフィラメントおよび(B)
孔群から吐出されたフィラメント〔第2表中それぞれ
(A)孔群、(B)孔群と表示〕ともに同じデニールで
あったが、(A)孔群の未延伸糸と(B)孔群の未延伸
糸の間には伸度、NDR、Δnともに極めて大きい差があ
ることが分かる。
すなわち、同一口金、同一紡速で巻き取ったにもかか
わらず、紡糸ドラフトを(B)孔群にのみ大きく作用さ
せることができ、その結果、大きい構造差を生じせしめ
たのである。
次に、この未延伸糸を下記の条件で延伸熱処理し、72
デニール/24フィラメントの延伸糸を得た。
延伸熱セット条件 予熱温度; 95℃ 熱セット温度(スリットヒーター温度); 180℃ 延伸倍率; 2.50 延伸速度; 500m/分 得られたマルチフィラメントを分繊し、(A)孔群か
ら得られたフィラメントおよび(B)孔群から得られた
フィラメントの特性を調べた。
結果を第3表に示す。
第3表から明らかなように、延伸熱処理しても、
(A)孔群から吐出されたフィラメントと(B)孔群か
ら吐出されたフィラメントとの間に大きい伸度差、さら
には収縮差も存在することが判明した。
また、マルチフィラメントの嵩高性は40cm3/gと極め
て大きかった。
次に、前記マルチフィラメントを筒編みし、下記条件
で分散染料で染色した。
染色条件 染料;Polyester Eastman Blue 染料比;筒編み重量に対して4% 助剤;モノゲン(花王製)0.5重量%/ 浴比;1/100 温度×時間;100℃×60分 染色した筒編み(試料)を水洗乾燥後、180℃で1分
間熱セットした。
このようにして得られた試料は、均一で染色性良好な
もので、また風合いはソフトで腰があり、嵩高性のある
ものであった。
実施例2 紡糸口金の吐出孔の組合せが実施例1の場合と同じ
で、各部の寸法を第4表に示すとおりにしたことおよび
ポリエチレンテフタレートの吐出量を45g/分とした以外
は、実施例1と同じ要領で270デニール/24フィラメント
の未延伸糸を得た。
なお、(A)孔群の吐出断面積が連続的に縮小し、
(B)孔群の吐出断面積が連続的に拡大するタイプであ
ることは実施例1と同じである。
得られた未延伸糸を分繊し、(A)孔群から吐出され
たフィラメントおよび(B)孔群から吐出されたフィラ
メントの特性を調べた。
結果を第5表に示す。
第5表から明らかなように、驚くべきことに太デニー
ル成分の方が低伸度でNDRも小さいという、従来の紡糸
混繊とは逆の現象も実現可能であることが分かった。
次に、このマルチフィラメントを実施例1と同じ要領
で延伸し、108デニール/24フィラメントの延伸糸を得
た。得られた延伸糸を分繊し、(A)孔群から吐出され
たフィラメントおよび(B)孔群から吐出されたフィラ
メントの特性を調べた。結果を第6表に示す。
第6表から明らかなように、延伸熱処理しても、太デ
ニール成分が低伸度でかつ高収縮という、従来は延伸混
繊でしかできなかったことも可能であることが分かっ
た。
また、嵩高性も42cm3/gと極めて大きかった。
次に、実施例1と同じ要領で風合いを評価したが、腰
があり、かつソフトな風合いであった。
比較例1 第6図に示す吐出孔の形状の組合せを有する紡糸口金
を用い、吐出量45g/分とした以外は実施例1と同じ要領
で実施し、270デニール/24フィラメントの未延伸糸を得
た。使用した吐出孔の各部の寸法を第7表に示す。
なお、紡糸口金は(A)孔群、(B)孔群とも吐出孔
の断面積に変化のないタイプであった。
得られた未延伸糸を分繊し、(A)孔群から吐出され
たフィラメントおよび(B)孔群から吐出されたフィラ
メントの特性を調べた。
結果を第8表に示す。
第8表から明らかなように、細デニール成分が低伸
度、低NDRであり、大きい構造差がみられなかった。
次に、前記マルチフィラメントを延伸倍率を3.0とし
た以外は、実施例1と同様な要領で延伸し、90デニール
/24フィラメントの延伸糸を得た。
得られたマルチフィラメントを分繊し、(A)孔群か
ら吐出されたフィラメントおよび(B)孔群から吐出さ
れたフィラメントそれぞれの特性を調べた。結果を第9
表に示す。
第9表から明らかなように、(A)孔群から吐出され
たフィラメント(B)孔群から吐出されたフィラメント
の間にデニール差はあるものの、収縮差、伸度差はほと
んどなくマルチフィラメントとしての嵩高性も18cm3/g
と小さいものであった。
また、このマルチフィラメントを用い、実施例1と同
様にして筒編みを作成しこれを染色後、風合いを調べた
が、ペーパーライクなものであった。
〔発明の効果〕
本発明の方法によると、ある特定の吐出孔群に極めて
大きい紡糸ドラフトを作用させることができるため、作
業性がよいのはもちろん、あたかも延伸混繊糸で得られ
るような大きい構造差を紡糸段階で付与することが可能
となり、合理性と高付加価値性が両立した混繊糸の製造
が可能となり、その工業的意義は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の混繊糸の製造に用いる、断面積が連
続的に拡大する吐出孔の1つの模式図である。図中、1
はポリマーの導入部、2はポリマー導入部の終了点、3
は吐出孔の断面積が最大となる点、lA1、lB1はそれぞれ
2、3における孔径、lC1は2〜3の距離、θはlA1、l
B1、lC1で決められるテーパーの角度を示す。 第2図は、従来の混繊糸の製法に用いる吐出孔の模式図
で、図中、1′、2′、3′はそれぞれ第1図の1、
2、3に対応し、lA2、lB2、lC2はそれぞれlA1、lB1、l
C1に対応する。 第3〜5図は、本発明の混繊糸の製造方法に使用できる
吐出孔の組合せを示すもので、第3図は断面積が変化し
ない吐出孔(A)と断面積が連続的に拡大する吐出孔
(B)との組合せ、第4図は断面積が連続的に縮小する
吐出孔(A)と断面積が連続的に拡大する吐出孔(B)
との組合せ、第5図は断面積が両者とも連続的に拡大す
る吐出孔の組合せを示す。 第6図は、従来の紡糸混繊糸の製法に用いられる吐出孔
の組合せで、断面積が変化しない孔径が小さい(A)と
断面積が変化しない孔径が大きい(B)の組合せを示
す。 第7図は、本発明の方法で得られる混繊糸(未延伸糸)
の応力・伸度曲線で、曲線Cは混繊糸全体の応力・伸度
曲線、曲線Aは混繊糸を構成する成分で、第3〜5図の
吐出孔Aから吐出されたフィラメントの応力・伸度曲線
を、Bは混繊糸を構成する成分で、第3〜5図の吐出孔
Bから吐出されたフィラメントの応力・伸度曲線を示
す。 第8図は、第7図の混繊糸(未延伸糸)を延伸熱処理し
て得られる混繊糸の応力・伸度曲線で、曲線Cは混繊糸
全体の応力・伸度曲線を、曲線AおよびBはそれぞれ第
7図の曲線AおよびBで示される成分の応力・伸度曲線
を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭52−63418(JP,A) 特開 昭61−282407(JP,A) 実開 昭52−63418(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01D 4/02,5/08

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】断面積が異なる複数の吐出孔群を有する紡
    糸口金を用いて重合体からなる混繊糸を得る方法におい
    て、該紡糸口金の吐出孔群の少なくとも一群の吐出孔と
    して、吐出孔の導入部の終了点で断面積を絞りこれより
    断面積が連続的に拡大する吐出孔を有する紡糸口金を使
    用することを特徴とする混繊糸の製造方法。
  2. 【請求項2】吐出孔の導入部の終了点で断面積を絞りこ
    れより断面積が連続的に拡大する吐出孔において、最大
    となる断面積が少なくとも0.7850mm2である請求項1記
    載の混繊糸の製造方法。
  3. 【請求項3】重合体がポリエステルおよび/またはポリ
    アミドである請求項1記載の混繊糸の製造方法。
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