JPS639126Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、絶縁板の片面に導電被膜を形成した
プリント配線基板に取付ける高周波フイルタのキ
ヤビテイに関する。

従来の高周波フイルタには、第１図に示す如
く、絶縁板１の片面に導電波膜２を形成したプリ
ント配線基板３の導電被膜形成面４にコンデンサ
の如きフイルタ回路要素（図示せず）を止着し、
このフイルタ回路要素を導電被膜形成面４に衝立
状に樹立した複数の板体５，６で取り囲む構成と
したものが提案されている。ところが、プリント
配線基板３に取付ける電子部品は一般に導電被膜
形成面４と反対の面に取付けるから、導電被膜形
成面にキヤビテイ８を突設する従来品において
は、組立て後の調整がプリント配線基板の両面に
わたるため、調整が煩雑であり、また、第２図に
示す如く全体の高さが高くなり、これを収納する
ケースは大きくなる。これに対し実公昭53−
33480号公報にはプリント配線基板の絶縁基板側
に遮蔽筐体を取付けたものが提案されている。し
かし、この遮蔽筐体には底板がないため、遮蔽筐
体内のフイルタ回路要素とプリント配線基板の導
電被膜との間には絶縁基板が介在し、この絶縁基
板に高周波信号による不誘容量が発生するため、
高周波数特性が悪くなるという欠点がある。又、
一つの遮蔽筐体のシールド空間の数が定まつてい
るから、シールド空間の数を違えた多数の遮蔽筐
体を製作する無駄があるほか、シールド空間の数
とフイルタ回路要素の数とが一致しない場合余分
なシールド空間をもつ遮蔽筐体を使用することに
なるので、遮蔽筐体が不必要なスペースを占める
ことになつてプリント配線基板の有効利用を図り
得ない。

本考案は、前記の欠点を排除したキヤビテイを
提供することを目的としている。

以下本考案の実施例を図面について説明する。
第３図に示す鋼製の隔壁体１１は、コンデンサや
抵抗等のフイルタ回路要素の脚を挿通するための
穴１２を有する方形底板部１３の相隣る２辺に、
導線挿通穴１４等を有する側壁部１５，１６を直
角に立設してＬ形側壁となし、その底板部側に適
宜間隔をおいて爪部１７を突設する。第４図は打
抜き成形板１８で、図示点線１９で示す線上で側
壁部１５，１６を直角に折曲げると共に、爪部１
７を底板部１３に対して直角に折曲げて第３図に
示すような隔壁体１１を構成する。この隔壁体１
１は、２個１組で３方が側壁となるように組合せ
て最後の隔壁体１１は第６図に示す鋼製の方形平
板２１とで３方を側壁となし、各隔壁体１１の爪
部１７及び方形平板２１の爪部１７でプリント配
線基板３の通孔２０……に挿入して組立てる。隔
壁体１１の爪部１７及び方形平板２１の爪部１７
は、その先端を半田で導電被膜２に接続する。ま
た、隔壁体１１には突起部２３と突起部２３を嵌
める嵌合溝２４を形成し、方形平板２１には嵌合
溝２４のみ形成して相隣なる隔壁体１１，１１及
び隔壁体１１と方形平板２１とを嵌め合せ、さら
に隣接部材相互を半田で連結してキヤビテイの組
立てを終わる。フイルタ回路要素（図示せず）は
３方を側壁で囲まれるシールド空間に配置してそ
の脚を穴１２からプリント配線基板３に挿通して
脚端をプリント回路に半田付けしている。

以上のように本考案に係るキヤビテイは、フイ
ルタ回路要素の脚を挿通するための穴を形成した
方形状の底板部にＬ形の側壁部とプリント配線基
板に挿通する爪部とを一体的に設けてなる導電体
の複数個の隔壁体及び一側縁にプリント配線基板
に挿通する爪部を突設した導電体の方形平板から
なり、絶縁板の一面に導電被膜を形成したプリン
ト配線基板における導電被膜と反対側の面に、複
数個の隔壁体を２個１組で３方が側壁となるよう
に組合せ最後の隔壁体は一枚の方形平板とで３方
を側壁で囲み各隔壁体の爪部及び方形平板の爪部
でプリント配線基板に組立てるようにしているの
で、プリント配線基板の導電被膜形成面に樹立し
た板体でフイルタ回路素子を囲む前述した従来方
式の欠点を排除している。又、シールド空間はフ
イルタ回路素子の数に応じて形成できるため、従
来のようにシールド空間の数を違えた多数の遮蔽
筐体を製作する無駄がなくなると共に、不必要な
シールド空間を設けなくてよいから、プリント配
線基板の有効利用を図ることができる。さらに、
本考案では、脚を隔壁体の底板部の穴に通してプ
リント配線基板に挿通したフイルタ回路要素とプ
リント配線基板の絶縁基板との間に底板部があ
り、この底板部は、爪部によりプリント配線基板
の導電被膜に接続されていてアース基準電位をも
ち、フイルタ回路要素との間には空間のみ存在す
るから、絶縁基板に高周波信号による不誘容量が
発生しない。このため、高周波数特性を改善する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のキヤビテイを示す斜視図、第２
図は従来のキヤビテイを用いたフイルタを備える
プリント配線基板の側面図、第３図は本考案に係
るキヤビテイの構成部品の一例である隔壁体の斜
視図、第４図は第３図に示す隔壁体を成形する前
の打抜き成形板の平面図、第５図は本考案の実施
例の斜視図、第６図は本考案に係るキヤビテイの
他の構成部品の一例である方形平板の正面図、第
７図は本考案に係るキヤビテイを用いたフイルタ
を備えるプリント基板の側面図である。 １……絶縁板、２……導電被膜、３……プリン
ト配線基板、４……導電被膜形成面、１１……隔
壁体、１２……穴、１３……底板部、１５，１６
……側壁部、１７……爪部、２０……方形平板、
２５……キヤビテイ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フイルタ回路要素の脚を挿通するための穴を形
   成した方形状の底板部にＬ形の側壁部とプリント
   配線基板に挿通する爪部とを一体的に設けてなる
   導電体の複数個の隔壁体及び一側縁にプリント配
   線基板に挿通する爪部を突設した導電体の方形平
   板からなり、絶縁板の一面に導電被膜を形成した
   プリント配線基板における導電被膜と反対側の面
   に、複数個の隔壁体を２個１組で３方が側壁とな
   るように組合せて最後の隔壁体は一枚の方形平板
   とで３方を側壁で囲み各隔壁体の爪部及び方形平
   板の爪部でプリント配線基板に組立てるようにし
   たことを特徴とするキヤビテイ。