JPS639004Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はカウンタのリーデイングラインの下方
もしくは上方に操作部を位置させた零復帰式カウ
ンタの押釦に係り、更に詳しくは零復帰操作時に
おける押釦の破壊を防止すると共に零復帰完了の
感触を得られるようにした零復帰式カウンタの押
釦に関する。

従来から各種機器の回転数等を計数する零復帰
式カウンタは、カウンタのフレームに摺動自在に
取付けられ押圧操作されることによつて数字車群
を一斉に零復帰させる零復帰用押釦を備えてい
る。この押釦としてはその操作部をカウンタのリ
ーデイングラインの側方に位置させたものと、リ
ーデイングラインの下方もしくは上方に位置させ
たものとが知られている。この場合、前者はフレ
ームの一方の側壁に設けた案内溝に摺動自在に取
付けられるため、操作部を案内溝の上方に位置さ
せることが構造的に可能で、操作性に優れている
という大きな特徴を有している。

一方、後者は構造上必然的に操作部が案内溝か
ら離れて設けられる。そして、この種の押釦はフ
レームを取り囲む如く略コ字状に形成されてその
中央部に操作部を設け、両端部をフレームの各側
壁に設けた案内溝に摺動自在に嵌入係合させて取
付けられている。したがつて、操作部を押圧した
際、案内溝に係合する両端部を支点として回転モ
ーメントが生じるため強度が要求され、また特に
押釦を最下地点まで押し下げて零復帰を完了した
にもかかわらず、この種押釦にありがちな零復帰
完了の感触が得られず、さらに誤つて過大な押圧
力で操作部を押圧してしまうことがあつた。その
ため、テコ作用により押釦が破壊したり、あるい
は数字車側に無理な力が加わり、計数不能に陥る
などの不都合があつた。

本考案は上述したような従来の欠点を解決すべ
くなされたもので、押釦の破壊を防止すると共に
零復帰完了の感触を得られるようにした零復帰式
カウンタの押釦を提供するもので、その特徴とす
るところは、押釦の基体にストツパを突設し、こ
のストツパを零復帰動作終了時にカウンタのフレ
ームが取付けられている装置固定部に当接させる
ように構成したことにある。

以下、本考案を図面に示す実施例に基づいて詳
細に説明する。

第１図は本考案に係る押釦を備えた零復帰式カ
ウンタの一実施例を示す分解斜視図、第２図は同
カウンタの側面図である。これらの図において、
１は合成樹脂によつて略コ字状に形成されたフレ
ームで、右側の側壁２、左側の側壁３および垂直
な底板４とから構成されており、前記底板４には
ウオーム軸５を回転自在に軸支する円筒状の軸受
部６が一体に形成されている。前記ウオーム軸５
の後端には前記底板４の後方に位置してプーリ７
が、前端にはウオーム８がそれぞれ固定されてい
る。また、前記両側の側壁２および３に両端を支
持された数字車軸１０には歯車１１と３個の数字
車９がそれぞれ回転自在に軸装されている。そし
て、前記歯車１１には前記ウオーム８と噛合する
ウオームギヤ１２が一体に形成されており、また
各数字車９の一側面にはそれぞれピンギヤ１３と
ハートカム１４が同心状に形成され、他側面には
セグメントギヤ１５がそれぞれ形成されている。
さらに、数字車９と左側の側壁３との間には圧縮
コイルばね１６が装着されており、このばね１６
によつて各数字車９および歯車１１を右側の側壁
２側に向つて弾撥している。

前記両側の側壁２および３間にはさらに軸１７
が支架されており、この軸１７には復帰レバー１
８が揺動自在に軸支されている。この復帰レバー
１８の後端部には前記各数字車９のハートカム１
４に対応するハートカム押圧片１９が一体に突設
されており、また左右両側に形成された一対の腕
部２０にはピニオン軸２１が支持されている。そ
して、このピニオン軸２１には各桁の数字車９に
それぞれ対応するピニオン２２が回転自在に軸装
されており、これのピニオン２２は前記軸１７に
装着されたねじりコイルばね２３による復帰レバ
ー１８の回動力によつて各数字車９および歯車１
１に押圧され前記ピンギヤ１３および歯車１１と
通常噛合している。なお、前記ピニオン軸２１
は、フレーム１の両側壁２，３内面に設けられた
凹溝２４の底面にその両端面を対接して軸方向の
移動を規制されていると共に凹溝２４の上下端面
２４ｂによつて揺動範囲を規制されている。

２６は零復帰用の押釦で、この押釦２６は合成
樹脂によつて一体に形成されることにより、略コ
字状に形成され、前記フレーム１を取り囲む基体
２６Ａ、この基体２６Ａの前端面中央部に前方に
向つて突設されたカウンタのリーデイングライン
の下方に位置される操作部２６Ｂ、前記基体２６
Ａの両端部にそれぞれ設けられて前記フレーム１
の各側壁２，３にそれぞれ設けられた案内溝２７
に摺動自在に嵌入される一対の脚部２６Ｃおよび
前記基体２６Ａの中央部後端面両側に後方に向つ
て突設された左右一対のストツパ２６Ｄとから構
成されている。前記各脚部２６Ｃは相対向する一
対の脚片１２６ａ，１２６ｂと、これら脚片１２
６ａ，１２６ｂを連結し、前記案内溝２７に摺動
自在に嵌入される連結片１２６ｃとで構成され、
内側の脚片１２６ｂの上端部は略三角形に形成さ
れて斜面１２６ｄを有し、この斜面１２６ｄが前
記ピニオン軸２１に係合されている。

３０は略Ｌ字形に形成されることにより基部３
０ａとピニオン押圧部３０ｂとからなるピニオン
整列用スプリングで、このスプリング３０は前記
ピニオン押圧部３０ｂが前記ピニオン２２の側面
に一体に形成された角ボス３１に対応するように
フレーム１の底板４に一体的に設けられている。
このピニオン整列用スプリング３０は、零復帰の
際、各数字車９から離間するピニオン２２の角ボ
ス３１を押圧してピニオン２２を整列させるよう
にしている。

このような構成において、押釦２６の操作部２
６Ｂを押圧して該押釦２６を第２図鎖線で示すよ
うに後方に摺動させてやれば、前記斜面１２６ｄ
がピニオン軸２１を押圧するため、前記復帰レバ
ー１８はコイルばね２３に抗して軸１７を中心と
して第２図時計方向に回動される。この結果、ピ
ニオン２２は数字車９から離間し、同時にハート
カム押圧片１９が各数字車９のハートカム１４を
押圧回動させて各数字車９を一斉に零復帰させ
る。この零復帰動作終了時において、押釦２６の
ストツパ２６Ｄは前記フレーム１が固定されてい
るブラケツト等の装置固定部２８に当接し、これ
によつて押釦２６の摺動が阻止される。したがつ
てこの時の感触が操作者の手に感知され、零復帰
動作が完了したことを知ることができる。また、
この状態、すなわちストツパ２６Ｄが装着固定部
２８に当接した状態で、操作部２６Ｂに過大な力
を加えたとしても、押釦２６には回転モーメント
が何ら生じず、したがつて押釦２６の破壊等を防
止し得る。

なお、上記実施例はカウンタを垂直な装置固定
部２８に固定し、押釦２６の操作部２６Ｂを後方
に押込むように構成した場合について説明した
が、本考案はこれに限らず、水平な装置固定部に
配設し、上方から操作部２６Ｂを押圧させるよう
にしてもよいことは勿論である。

以上説明したように本考案に係る零復帰式カウ
ンタの押釦は、略コ字状に形成された基体にスト
ツパを設け、このストツパを零復帰動作終了時に
カウンタフレームが固定されている装置固定部に
当接させるように構成したので、零復帰動作完了
時に無理な力が押釦に加わらず、押釦の破壊を防
止すると共にストツパの当接により零復帰完了の
感触を確実に感知することができる。また、スト
ツパの当接部をカウンタが固定されているブラケ
ツト等の装置固定部としたので、カウンタ自体に
何ら加工、部品等を加える必要がなく、しかも装
置固定部のストツパが当接する面はフレーム底面
と同一面となるので、精度の高い係止位置を提供
できるなど、その実用的効果は非常に大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る押釦を備えた零復帰式カ
ウンタの一実施例を示す分解斜視図、第２図は同
カウンタの側面図である。 １……フレーム、２，３……側壁、９……数字
車、１０……数字車軸、１８……復帰レバー、２
２……ピニオン、２６……押釦、２６Ａ……基
体、２６Ｂ……操作部、２６Ｃ……脚部、２６Ｄ
……ストツパ、２７……案内溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カウンタのフレームに支架された数字車軸に回
   転自在に軸装された複数個の数字車と、これら数
   字車の桁送り動作を行うピニオンと、前記フレー
   ムに配設され押圧操作されることにより復帰レバ
   ーを回動させて前記数字車を一斉に零復帰させる
   押釦とを備えた零復帰式カウンタにおいて、前記
   押釦は合成樹脂によつて一体に形成されることに
   より、前記フレームを取り囲む略コ字状の基体
   と、この基体の中央部に突設された操作部と、前
   記基体の両端部にそれぞれフレーム側壁を挾持す
   る如く設けられ、かつ前記フレーム側壁に沿つて
   摺動自在な一対の脚部と、前記基体に前記操作部
   と反対の方向に突設され、零復帰動作終了時に前
   記フレームが取付けられている装置固定部に当接
   するストツパとを備えたことを特徴とする零復帰
   式カウンタの押釦。