JPS638210B2

JPS638210B2 -

Info

Publication number: JPS638210B2
Application number: JP55093204A
Authority: JP
Inventors: Rui Fuo Jan; Uanere Misheru
Original assignee: Asa SA
Current assignee: Asa SA
Priority date: 1979-07-09
Filing date: 1980-07-08
Publication date: 1988-02-22
Also published as: EP0022421A1; JPS5658015A; FR2461040B1; AU531289B2; AU6019180A; FR2461040A1; US4351146A; EP0022421B1; DE3061344D1

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、長手方向に浴つて異なる方向の撚り
を交互に有する糸を製造する方法および装置に関
する。本発明はまた、自己撚りの糸を製造する方
法、装置に関する。

糸が連続的なフイラメント糸によつて形成され
ているか、不連続的な繊維によつて形成されてい
るかにかかわらず、この糸にＳ撚り、Ｚ撚りを交
互に付与することはすでに知られている。

第１の技術は主に紡積の過程において粗糸を強
化するためのもので、この技術は粗糸の移送方向
に対して横方向から交互に異る方向に摩擦部材を
作動させ、この摩擦部材により粗糸をこするよう
にしたものである。

また、米国特許3225533号には、マルチフイラ
メント糸に空気ジエツト流を作用させる技術が記
載されている。この空気ジエツト流は上記糸の移
送方向に沿つた方向に作用するとともに、左方
向、右方向から交互に糸に作用するものであり、
これにより、Ｓ撚り、Ｚ撚りを連続して交互に形
成できるようになつている。

さらに交互の撚りを付与するために特殊な条件
下において仮撚スピンドルを使用する技術が多く
の資料に記載されている。この仮撚スピンドル
は、内面摩擦すなわちさや体の表面に糸を接触さ
せるか、外面摩擦すなわちデイスクの外表面に接
触させるか、あるいは他の手段を採用することに
より、糸への作用をなすことができる。この仮撚
スピンドルは、スピンドルから去つたところで糸
に撚りを与えるのでなく、このスピンドルの上流
側において真の撚りを糸に与えることができるも
のである。しかしながら、この仮撚スピンドルの
回転速度を変えたり糸の移送速度を変えたり、仮
よりスピンドルの上流へ延びる糸の撚りの距離を
変えることにより、この仮撚スピンドルから去つ
たところで糸に交互の撚りを付与することができ
る。

米国特許3415048号および英国特許1139445号に
は、連続的なマルチフイラメント糸に交互の撚り
を付与できる仮撚スピンドルが記載されている。
この仮撚スピンドルは一定の速度で回転する。そ
して、糸の撚りが仮撚スピンドルの上流側（後
方）へ延びる距離を変え、この結果この仮撚スピ
ンドルと巻き取り装置との間で撚りの方向を変え
ることにより、交互の撚りが、仮撚スピンドルの
下流側において、巻き取られるべき糸に形成され
る。このことは、上記スピンドルの地域におい
て、ブレーキ装置を間欠的に作用させるか間欠的
に移動させることによつて達成される。

しかしながら、これらの方法では、仮撚スピン
ドルの間欠的な作動または逆転を含むため、高速
作動をすることができず、また、構造も複雑であ
つた。

さらに、米国特許3415048に示す技術では高速
作動が可能であるが、連続的なフイラメント糸か
らなるマルチフイラメント糸ではなく紡積糸また
は粗糸を取り扱う場合において、糸のよりが後方
に延びるのを阻止するためにブレーキ装置を作動
させると、糸または繊維の集合体がこのブレーキ
装置のところで切断されることがあつた。また、
芯糸を有する糸の場合では芯糸のまわりの繊維が
こぶ状になつてしまうことがあつた。

本発明によれば、長手方向に沿つてＳおよびＺ
よりを交互に有する糸を製造する方法を提供する
ものである。この方法は、主移送装置を介して単
糸を強制移送する段階と、上記主移送装置から離
間した位置に配置された仮撚装置により上記糸に
仮撚りを付与する段階と、上記仮撚装置の上流に
おいて糸の撚りが後方へ延びる距離を間欠的に変
える段階と、ＳおよびＺ撚りを交互に有する糸を
巻き上げる段階とからなり、上記糸の撚りが後方
へ延びる距離を間欠的に変えることは、上記仮撚
装置に近接した位置で間欠的に作動するブロツク
装置により糸を停止させることなく達成され、こ
のブロツク装置の作動時間は、糸のある一点が上
記主移送装置から仮撚装置へ移動する時間にほぼ
相当するものである。

本発明においては、連続的なフイラメント糸
も、紡積糸も、さらに粗糸でさえも処理でき、Ｓ
およびＺ各撚りの撚りの度合も従来の方法に比べ
て高くすることができる。

さらに、本発明方法は自己撚りをなす糸の製造
にも適用できる。この自己撚りとは一般的に２本
以上の糸を結合することを言い、この場合、少な
くとも一本の糸が交互の撚りを有しこれによりこ
れら複数の糸がからみ合つている状態になつてい
る。この場合、２本の糸がともに交互の撚りを有
し、しかも各糸における同方向の撚りが同じ位相
かまたは互に若干ずれた位相であることが好まし
い。この自己撚りの基礎的な技術は米国特許
3225533号に記載されている。

本発明の好ましい方法によれば、２本の糸を互
に離間させつつ１個または互に離間した２個の移
送装置により強制移送し、これらを一緒にして自
己撚りを生じさせる。

この特別な適用において、本発明によれば従来
の糸に比べて多くの利点を有する自己撚りの糸を
得ることができる。この利点とは、特に高い生産
速度、撚りを逆にするサイクルにおいて撚りが後
方へ延びる距離を容易に変えることができるこ
と、２本の糸の各撚りの位相の相異を簡単に調節
することができること等である。

糸に付与された交互の撚りは、仮撚装置の下流
側すなわちこの装置から糸が離れる点の近傍にお
いて安定化するのが好ましい。

本発明法により得られた交互の撚りを有する糸
は、従来方法で得られた糸に比べて撚り数を多く
することができる。本発明によれば、交互の撚り
を単糸に付与できる。この単糸は連続的なフイラ
メント糸で形成されたものでもよく、また繊維で
形成されたものでもよい。さらにこの糸はその製
造過程において芯糸を合体させたものであつても
よい。単糸の場合に、糸に付与された交互の撚り
の安定化は、適宜の装置たとえば織りまぜ用ノズ
ルまたはのりづけ処理によつて達成され得る。こ
れらの装置は、仮撚りを付与する装置にできるだ
け近接した位置に設けられる。

しかしながら自己撚りをなす糸を製造する場合
には、糸に形成された交互の撚りを安定化させる
作用は、上記のような織りまぜ、のりづけ等の方
法により実現されるのではなく、自己撚りを生じ
させる２本の糸を並べることによつて達成され
る。この２本の糸を並べることは、糸が仮撚り装
置から離れた直後の位置で達成され、また、この
仮撚装置が内面摩擦式のスピンドルである場合に
はこの装置の内側でも達成される。

この自己撚りの場合、一本のみに交互の撚りを
付与してもよいが、２本の糸に交互の撚りを付与
するのが有利である。この場合、１個の仮撚装置
によつて２本の糸に撚りを付与するようにしても
よい。

他方、本発明は長手方向に沿つてＳおよびＺ撚
りを交互に有する糸を製造する装置を提供するも
のである。この装置は、単糸を送る主移送装置
と、この糸に仮撚りを付与する仮撚装置と、この
仮撚装置の上流における糸の撚りの後方へ延びる
距離を変えるブロツク装置と、この糸を巻き上げ
る装置とを具備し、上記ブロツク装置は糸に間欠
的に作用する移送装置の態様をなし、この作用時
間は糸のある一点が上記主移送装置から仮撚装置
へ移動する時間にほぼ相当するものである。

本発明およびその利点は実施例の説明、添付図
面の説明により、さらに明確になるであろう。

以下に述べるように、本発明は繊維の粗糸か
ら、長手方向に沿つて異なる方向の撚りを交互に
有する糸あるいは自己撚りを有する糸を製造する
ことに関するものであり、この製造は上記粗糸を
引つ張る過程で直接的に行なわれるものである。
上記粗糸には、この粗糸が引張域を去る前に芯糸
を合体させてもよいしさせなくてもよい。しかし
ながら、これらのことは本発明に対する制約を意
味しない。本発明は連続的なフイラメント糸にも
適用できる。この場合、もし適切ならば、これら
フイラメント糸の製造工程の際たとえば紡積工
程、押出し工程、延伸工程の後に本発明を適用で
きる。

第１図は、異る方向の撚りを交互を有する単糸
を製造する本発明の実施例を示している。

この実施例の装置において、１はサポートであ
り、このサポート１は処理されるべき原糸２を貯
えるものである。この原糸はこの実施例では繊維
の粗糸からなる単糸である。３は、この単糸を強
制移送するための主移送装置である。この主移送
装置は引張システム４における最後の一対の引張
ローラにより構成されている。このローラは２重
連結スリーブを有する。５は仮撚装置たとえば定
速回転される仮撚スピンドルである。また６は撚
りを加えられた糸７を巻き取るための巻取り装置
である。

この実施例において、仮撚スピンドル５は内面
摩擦式スピンドルである。しかし、他の型式のス
ピンドルたとえば外面摩擦式スピンドルまたは１
つあるいはそれ以上の摩擦ベルトであつてもよい
ことはもちろんである。

上記主移送装置３は上記仮撚スピンドル５から
比較的大きな距離を有して離間している。

装置８（この実施例ではブロツク装置と表現す
る）は上記仮撚スピンドル５の入口の真近に配設
されている。このブロツク装置８は、糸を把んだ
り停止させることなしに、この糸に生じる撚りの
後方へ延びる距離を変えられるようになつてい
る。このブロツク装置はこの実施例では移送装置
によつて構成されている。このブロツク装置８は
糸に対して間欠的に作用し、これにより仮撚スピ
ンドル５よつて与えられた撚りはこのブロツク装
置８によつて一定時間後方に自由に延びるのを阻
止されるようになつている。ここでいう一定時間
とは、糸の一点が主移送装置３と仮撚スピンドル
５との間の距離Ｄを通過する時間とほぼ等しい。
しかしながら、このブロツク装置８が糸に対して
作用しない時には、この糸のよりは自由に主移送
装置３まで延びるようになつている。

糸に対して間欠的に作用するブロツク装置８に
ついてさらに詳細に説明すると、糸の撚りが後方
に延びる時間と、この後方への延びが阻止される
時間とは等しい。しかしながら、これら２つの状
態の時間は互に異つていてもよいことはもちろん
である。この場合、ブロツク状態は上述したよう
に主移送装置３から仮撚スピンドル５までの糸の
移動時間に対応している。

図示された実施例において、ブロツク装置８は
強制移送装置により構成されている。すなわち、
この装置は２つのローラ９，１０により構成され
ている。上部ローラ９はたとえば商標バルコラン
（Vulkolan）として市販されている材料によつて
形成され、円滑な表面を有している。このローラ
９は鋼製の下部ローラ１０を押圧している。この
下部ローラ１０はその周囲の一部に溝を有してい
る。糸がこれら２つのローラ９，１０間を通過し
かつ上記溝が上部ローラに対向する位置に来た時
に、この糸はこれら２つのローラ９，１０によつ
ては移送されず、糸の撚りは主移送装置３まで延
びることができる。他方、下部ローラ１０におけ
る溝でない部分が上部ローラ９に接する時には、
糸はこれらローラ９，１０によつて強制移送さ
れ、糸の撚りは後方に述びることができない。こ
のようにして、糸の撚りが後方に延びる距離を２
つの限界値間において変えることができる。もし
ローラ９，１０が連続的に回転されるなら、ロー
ラ１０における溝の部分の周囲の長さと溝でない
部分の周囲の長さとは、糸が一定時間強制移送さ
れるように決定されなければならない。この一定
時間とは、糸のある一点が主移送装置３と仮撚ス
ピンドル５との間の距離を移動する時間とほぼ等
しい。

この実施例ではローラ１０は、その周囲の長さ
が上記主移送装置３と仮撚スピンドル５との間の
距離Ｄの２倍になるように、その径を決定され
る。しかし、図面では装置の構成を明確に示すた
めに、ローラ１０の径と上記距離Ｄとの比は正確
には示されていない。上記ローラ１０の周速度は
糸の移動速度とほぼ等しい。このように糸の撚り
は異る方向に交互に形成されるとともにブロツク
装置８を越えて後方に延びるのを阻止される。

このように作動することにより、異なる方向の
撚りを交互に有する糸が仮撚スピンドル５の出口
側において製造される。さらにこの糸は、従来の
糸に比較してきわめて高いレベルの撚り数を有し
ている。

ブロツク装置８の他の態様も可能である。たと
えばこのブロツク装置８を構成する移送装置を２
つの強制移送ローラによつて構成し、一方のロー
ラを可動サポートに取りつけ、この一方のローラ
を他方のローラに間欠的に接触させるようにして
もよい。

第１図に示すように、異なる方向の撚りを交互
に有する単糸を製造するための装置には、さらに
糸の撚りを安定させるための安定化装置２１が設
けられている。この安定化装置２１は仮撚スピン
ドル５の出口の真近に設けられている。この安定
化装置２１はよく知られており、たとえば織りま
ぜするための圧縮空気ノズルとか糸をのりづけ
（サイジング）するためのシステム等により構成
される。

上述した型式の装置は内部に芯糸を有する紡積
糸を生産するのにも適用できる。この場合、芯糸
２２は主移送装置３の上流においてこの装置内に
供給するのが好ましい。この芯糸２２は第１図中
破線で示す。この芯糸２２は粗糸２の上または下
のいずれに供給してもよいがこの粗糸の中心部に
できるだけ近づけるようにする。

さらに、毛くず、綿くず等を除去するために吸
引装置を設けることもできる。この吸引装置はた
とえば小菅により構成し好ましくは主移送装置３
の出口の近くに設けるのが好ましい。

芯糸を混入する場合には、圧縮ノズルのような
仮より装置２３を設けることもできる。この装置
は、繊維が芯糸のまわりに巻きつくのを容易にす
るとともにこの芯糸を中心に位置させるのを容易
にするものであり、前記主移送装置の出口の近く
に設ける。また、凝縮器（コンデンサー）を主移
送装置３の上流に配設することもできる。この凝
縮器は芯糸を粗糸の中心に位置させるための助け
となるものである。

第２図ないし第４図は本発明に係る第２の実施
例装置を示す。この装置では、２本の糸が同時に
処理されるとともにこれらの糸は巻取られる前に
自己撚りによつて互に結合される。

第１図に示した装置と異なる点は以下のとおり
である。２本の糸２を処理するためブロツク装置
８の上流側の装置はそれぞれ２つずつ設けられて
いる。また、ブロツク装置は前述したタイプと同
じ移送装置によつて構成されるが、２本の糸に作
用してその撚りが後方に延びるのを阻止したり、
またはその延びを許すような構成に変更されてい
る。

第４図に詳細に示された実施例では、ブロツク
装置８はたとえば前述のバルコランによつて形成
された円滑なローラ９と、周囲に溝を有する鋼製
のローラ１０によつて構成されている。このロー
ラ１０は２つの部材３１，３２を並置させて組み
立てることにより構成するのが有利である。これ
ら部材３１，３２は、それぞれ溝３３，３４を有
しており、これら溝３３，３４は組み立てられた
ローラ１０の中央部に位置するようになつてい
る。このローラ１０の周囲の長さ、溝３３，３４
の長さは前述の実施例と同様にして決定され、こ
れにより、それぞれの糸は強制移送されたり自由
になつたりする。その移送時間、自由時間は、糸
のある一点が主移送装置３から仮撚スピンドル５
へ移動する時間に等しい。しかしながら、このタ
イプの実施例にあつては、それぞれの糸２の撚り
は、簡単な手段ですなわち各溝部を回転方向に沿
つて互に相対的に偏位させることにより、互に同
位相にしたり、位相を異らせることができる。こ
こで同位相とは互に撚りの方向が同じであること
を意味し、位相が異るとは互に撚りの方向が異る
ことを意味する。

ブロツク装置８の上流側には、２本の糸を平行
に保持するために、案内部材３５，３６が配設さ
れている。

この実施例では、２本の糸が互いに撚り合う
（すなわち自己撚りをする）ことによつて、撚り
の安定化が得られる。

仮撚装置として図示するような内面摩擦式スピ
ンドルを使用する場合には、第３図に示すように
分離ガイド１１を使用するのが有利である。この
分離ガイドは摩擦面をなすスピンドル表面にほぼ
合致するように形成されている。この分離ガイド
１１は２本の糸が自己撚りを生じる位置に至るま
でこれらの糸を離間させるものである。

さらに、上記内面摩擦式のスピンドルを使用す
る場合には、第３図に詳細に示すように、スピン
ドルの外面を凹面状に形成するのが有利である。
これにより、この外面がローラ１０の周囲と合致
し、この結果、スピンドルの縁部をブロツク装置
の作動ラインに可能な限り接近させることができ
るようになる。この作動ラインとはローラ９とロ
ーラ１０との接触線を意味する。

最後に、第５図に示すように、仮撚スピンドル
５の上端を平面Ｐより幾分下方に配置することも
できる。この平面Ｐは主移送装置３におけるロー
ラ間の接触線と、ブロツク装置８におけるローラ
９，１０間の接触線とを含む平面である。しか
し、このスピンドル５の上端は、ローラ１０の溝
の底部より幾分上方に位置している。このような
構成によれば、仮よりスピンドル５によつて付与
された撚りは、ブロツク装置８が糸に作用しない
時に容易にかつ自由に後方へ延びることができ
る。なぜなら、糸とローラ９との間の接触が減ぜ
られるからである。

上記ローラ１０に形成される溝は糸が引つかか
ることがないように十分な幅をもつていなければ
ならない。

以下に示す詳しい実施例により本発明をさらに
明確にする。

実施例１ウールの繊維により形成される粗糸２を第１図
に示すタイプの装置により処理する。この粗糸２
はその繊維の平均長さが62mmであるとともに、
NM2（5000デシテツクス）である。引張システム
４において生じる引張比は20であり、主移送装置
３のローラの速度は200ｍ／分である。仮撚スピ
ンドルとして使用される内面摩擦式スピンドル５
は凹面状の外面を有するとともに1800rpmの速度
で回転する。糸７を巻き取る速度は207ｍ／分で
ある。主移送装置３は仮撚スピンドル５から27cm
の比較的長い距離を有して離間している。ブロツ
ク装置８は、仮撚スピンドル５の入口の真近に配
置されるとともに、上部ローラ９と下部ローラ１
０とから構成されている。上部ローラ９はバルコ
ランにより形成されていて円滑な表面を有してお
り、その径は５cmである。また下部ローラ１０は
径が10cmであり、これにより仮撚スピンドル５と
主移送装置３との間の距離の２倍にほぼ等しい周
囲長さを有している。

上記ローラ１０はその周囲長さの半分に亘つて
溝を有しており、384rpmの速度で回転される。
さらにのりづけ装置２１が仮撚スピンドルの出口
に配置されている。こののりづけ装置２１は糸に
形成された撚りを安定化させるものである。

このような条件で、NM40（250デシテツクス）
の紡積糸が得られた。この糸は長手方向に沿つて
右方向、左方向の撚り交互に有し、各撚りは、そ
の長さが27cmでありかつ75回巻きであつた。

実施例２第１実施例とほぼ同様であるが、この実施例で
は芯糸２２が主移送装置３の入口の直前において
粗糸と合体される。この芯糸は仮撚りによつて織
られたポリエステル製の糸であり、33ストランド
当り72デシテツクスである。

ウール製の粗糸２は、引張システム４において
35の引張比べ引つ張られる。この粗糸２はその繊
維長さが62mmであるとともにNM3（3300デシテツ
クス）である。

芯糸を有するとともにこの芯糸を被覆する繊維
に交互の撚りが付与されるような糸は、仮撚スピ
ンドルの出口側において得られる。この糸は
NM60（167デシテツクス）であつた。

実施例３この実施例は第２図ないし第４図にもとづくも
のであり、２本の糸を同時に処理することにより
自己撚りをなす糸を製造するものである。

第１実施例と比較して異なる点は、２本の糸に
対応して装置１，３，４が２つずつ設けられてい
る点、ブロツク装置８に２本の糸を別々に処理す
るための２条の平行な溝が設けられている点、第
３図に示すように仮撚スピンドル５の近くに２つ
の分離状態を保つとともにこれら糸が結合する地
点（ここで自己撚りが生じる）を決定するための
分離ガイド１１を設けた点等である。

２本の粗糸２を第１実施例と同様な方法で取り
扱うことによつて自己撚りをなす糸が仮撚スピン
ドル５の出口で得られる。この糸はNM20（500デ
シテツクス）であり、その各撚りの長さは27cmで
ある。この糸の撚りは完全に安定なものである。

実施例４この実施例は芯糸４０が主移送装置３の入口に
おいて粗糸と合体する他は第３実施例と同様であ
る。この芯糸は仮撚りにより織られたポリエステ
ル製の糸により構成されている。この芯糸は33ス
トランド当り72デシテツクスである。

粗糸はウール製であり、その繊維の平均長さは
62mmで、NMは３（3300デシテツクス）である。
引張システム４における引張比は35である。自己
撚りによつて組まれた糸は仮撚スピンドル５の出
口で得られる。この糸の各成分はNM60（167デシ
テツクス）であつた。

本発明は上述の実施例に制約されず種々の態様
が可能であることはもちろんである。糸の供給速
度、糸の巻き取り速度を変えることによつて好み
の糸を得ることもできる。

さらに前述したように、芯糸を有する紡積糸を
得る場合に、主移送装置の出口の真近においてた
とえば圧縮空気ノズルの手段により上記糸に仮撚
りを与えるのが有利である。

また、製造された糸と、仮よりスピンドル軸に
浴つて直接に供給された糸１２（第１図、第２図
に示す）とを結合させることもできる。

最後に、得られた糸は、よく知られた方法で巻
き取られる。この過程において補助的なよりをこ
の糸に付与してもよいし付与しなくてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示し、第１図は異る方
向の撚りを交互に有する単糸を製造するための装
置を簡略化して示す斜視図、第２図は２本の単糸
から１本の交互の撚りを有する糸を製造するため
の装置を簡略化して示す斜視図、第３図は仮撚装
置と、糸の撚りが後方へ延びる距離を変えること
ができるブロツク装置とを拡大して示す斜視図、
第４図はブロツク装置を詳細に示す斜視図、第５
図は、ブロツク装置に対する仮撚スピンドルの位
置についての他の態様を簡略化して示す側面図で
ある。１……サポート、２……糸、３……主移送装
置、４……引張システム、５……仮撚スピンドル
（仮撚装置）、６……巻取り装置、７……撚りを加
えられた糸、８……ブロツク装置、９……上部ロ
ーラ、１０……下部ローラ、１１……分離ガイ
ド、１２……糸、２１……のりづけ装置（安定化
装置）、２２……芯糸、２３……付加的な仮撚装
置、３１，３２……ローラを構成する部材、３
３，３４……溝、３５，３６……案内部材。

Claims

【特許請求の範囲】

１長手方向に浴つてＳおよびＺ撚りの交互領域
を有する糸を製造する方法において、主移送装置
を介して単糸を強制移送する段階と、上記主移送
装置から離間した位置に配置されて糸に連続的に
作用する仮撚装置により上記糸に仮撚りを付与す
る段階と、上記仮撚装置の上流において糸の撚り
が後方へ延びる距離を間欠的に変える段階と、Ｓ
およびＺ撚りを交互に有する糸を巻き上げる段階
とからなり、上記糸の撚りが後方へ延びる距離を
変える段階が上記仮撚装置に近接した上流位置で
間欠的に達成され、このブロツク装置の作動時間
は、糸のある一点が上記主移送装置から仮撚装置
へ移動する時間に略相当することを特徴とする撚
り糸の製造方法。