JPH062970B2 - スラブヤ−ン及びその製造方法 - Google Patents

スラブヤ−ン及びその製造方法

Info

Publication number
JPH062970B2
JPH062970B2 JP1160585A JP1160585A JPH062970B2 JP H062970 B2 JPH062970 B2 JP H062970B2 JP 1160585 A JP1160585 A JP 1160585A JP 1160585 A JP1160585 A JP 1160585A JP H062970 B2 JPH062970 B2 JP H062970B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yarn
slab
sheath
core
twisting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1160585A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61174438A (ja
Inventor
高司 下村
実 小嶋
邦夫 市橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanebo Ltd filed Critical Kanebo Ltd
Priority to JP1160585A priority Critical patent/JPH062970B2/ja
Publication of JPS61174438A publication Critical patent/JPS61174438A/ja
Publication of JPH062970B2 publication Critical patent/JPH062970B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (発明の技術分野) 本発明は仮撚捲縮加工によってフィラメント糸条から作
られる新規なスラブヤーン及びその製造方法に関する。
(発明の技術的背景とその問題点) 仮撚捲縮加工によって熱可塑性合成繊維のマルチフィラ
メントを連続的に加工しつつ鞘糸を多重層に芯糸に捲き
付けてスラブ糸を製造する方法は既に公知であり、多数
の発明が提案されている。例えば特開昭55−5708
8号公報には、鞘糸を複数のグループに分割し、夫々の
グループ毎に芯糸に対する供給速度を間欠的に増減せし
め、更に糸条合流点で芯鞘の両糸を入れ替えて鞘糸成分
を捲着せしめる発明が開示されており、又、特開昭55
−57037号公報には、2本の糸条を引揃え仮撚して
芯−鞘の2層構造とし、次にこの糸条をしごいてスラブ
を形成せしめた後、第3の糸条をこの上に捲着せしめる
発明が開示されており、更に特公昭55−22576号
公報には、鞘糸案内用ガイドを芯糸の走行方向に移動さ
せる場合にはこれを芯糸走行速度の0.5〜1.0倍の速度で
移動させ、逆方向に移動させる場合は前者よりも遅く移
動させることにより、鞘糸を紡錘状に捲着せしめる発明
が開示されている。
しかしながら前記の従来方法はいずれも、芯糸軸方向へ
のスラブ全体の移動や、スラブ部における鞘糸のずれを
防ぐ方法として、仮撚温度を糸条の融着温度とすること
が採用されており、融着させない場合でも鞘糸に熱収縮
を起生する高温付与が不可欠である。例えば前述の特開
昭55−57037号公報或るいは特公昭55−225
76号公報に記載された発明においては、スラブ部外層
の鞘糸はそれよりも内側にある芯糸や鞘糸を押え締付け
ながら巻着しており、最外層の鞘糸自体を締付ける糸条
がないために、もし熱収縮発生以下の温度で加工した場
合、糸条ガイド等との擦過によるしごきにより容易に最
外層の鞘糸が移動して解け、これに基因して次々と内層
部に位置する鞘糸もスラブ部より離れていく結果とな
る。又、特開昭55−57038号公報に記載する発明
の場合、スラブ部形成過程の前半では鞘糸Aがスラブ部
外層に表出し、過程の後半では鞘糸A・Bが入れ替り後
者が表出するという構造的特徴のために、ずれに対する
抗力が大きく、他のスラブ糸より抱合性は良好である
が、熱収縮を発生する以下の温度で製造した場合にはス
ラブの形態安定性が著しく悪化することとなる。従って
従来のスラブヤーン製造過程においては、原糸がポリエ
ステルフィラメントの場合では通常200℃以上、少く
とも180℃以上の仮撚温度にしなければスラブ部の抱
合性は保持出来ず、その結果、得られる糸は融着気味と
なり、シャリ味感の強いごわごわした風合であって、不
満足なものであった。
更に従来方法はすべて仮撚過程の加撚域において芯鞘の
両糸を合流せしめ且つ熱セットするものであり、従来の
仮撚機をそのままスラブヤーンの製造装置に利用出来る
簡便さを有する反面、熱セットを施したスラブヤーンを
解撚域では捻転するので、得られる糸の残留トルクが高
く、追加の熱セット等、適当な撚止め処理を施さないと
そのまま繊編工程に使用できない問題点を有していた。
(発明の目的と概要) 本発明はこの様な欠点の改良を目的とするもので、その
第1番目の発明は、2本以上の熱可塑性合成繊維糸条を
空気噴射ノズルから成る仮撚加撚装置の加撚部で合流さ
せて得られるスラブヤーンであって、スラブ部に於いて
芯糸は直線状に中央部に位置し、鞘糸は内層部では芯糸
の周囲を特定方向へ一重に捲着し、中層部では内層部の
周囲を糸軸に沿いスラブ部の一部又は全域に渡る往復動
を繰返しながら全体としては前記特定方向の逆方向へ移
動しつつ多数層捲着し、外層部では中層部の周囲を前記
特定方向へ一重に捲着しており、更にスラブ部と非スラ
ブ部を含む繊維軸全長に渡り、芯糸と鞘糸が仮撚捲縮を
持たない生糸体である事を要旨とするスラブヤーンであ
り、 又、第2番目の発明は前記スラブヤーンを製造する方法
であって、熱可塑性合成繊維フィラメントから成る芯糸
及び鞘糸を加熱ゾーンにて合流せしめスラブヤーンを製
造する方法において、芯糸に捲着する鞘糸の供給点を定
位置に保つA過程と、往復動しながら芯糸走行方向へ移
行するB過程と、往復動しながら芯糸走行の逆へ移行す
るC過程に順次変化させ且つ、この3過程を反復繰返す
るに際し、仮撚施撚装置として空気噴射ノズルを用い、
又A過程における鞘糸張力を他の場合よりも高くせしめ
てスラブを間欠的に生ぜしめ、更に解撚域において熱セ
ットすることを要旨とするものである。
(発明の実施例) 以下図面に示す実施例により本発明を具体的に説明す
る。先ず第1図及び第2図を参照して製造過程について
説明する。第1図は本発明を実施する装置の一例を示す
もので、芯糸(X)は仮撚機のフィードローラ(1)から空気
噴射ノズル(3)、仮撚ヒータ(2)、デリベリーローラ(4)
を経由して仮撚加工される。同時に仮撚加工される鞘糸
(Y)はテンサー(5)によって所定の張力を付加した後、鞘
糸案内用ガイド(6)によって芯糸(X)の旋回域へ供給され
る。前記ガイド(6)は一端の振動が他端に増幅されて発
振される様な鋼材から成り、その一端は公知のステッピ
ングモータ(8)の軸に固定しており他端には糸条案内部
(G)を具えている。しかしてガイド(6)は前記モータ(8)
軸の反復する左右回動により図示の如く上下動し、且つ
その上下動の1周期即ち最上昇点から下降し再び該点に
戻る周期はスラブ形成時間に合せて設定している。前記
テンサー(5)は芯糸(X)の旋回域へ供給する鞘糸(Y)の送
り量を制御する用をなすもので、前記の如くガイド(6)
が上下動する際、即ち後述するスラブ部を製造する過程
ではソレノイド(7)をONにし、これにより糸条間隔を
狭めているテンサー(5)を開けて鞘糸(Y)の給糸張力を小
とし、該糸の送り量を大とする。逆にガイドが上昇点で
停止している際は、即ち非スラブ部を製造している過程
ではソレノイド(7)をOFFとしてテンサー(5)を狭め通
過糸条の張力を大にして鞘糸(Y)の送り量を小とする。
第2図はガイド(6)の糸条案内部(G)を鞘糸(Y)が通過し
て芯糸(X)の周囲を旋回捲着する際の前記案内部(G)の動
きを図示したものである。ガイド(6)はモータ(8)の駆動
により前述の如く微小角度左右回動し且つ最上昇点にお
いて適時停止を繰返しているが、スラブ部を形成する場
合モータ(8)は一定の振動をしながらガイド(6)を芯糸
(X)の走行方向へ案内する様に急回動し始める。ガイド
(6)は支持点でモータ(8)の振動を受け、先端部の案内部
(G)はそれ自体の固有振動数とモータ(8)の振動を合成し
た複雑な運動をしながら下降する。即ち第2図に示す通
り、ガイド(6)が往路のB過程の運動を開始すると案内
部(G)はB→Bの方向へ大きな振幅を持って振れ、
次に逆の方向にB→Bの方向に小さな振幅を持って
振れ、順々に細かい振動を繰返しながら全体としてはB
→Bの方向へ鋸刃状に移動する。
この下降時、ガイド(6)は振糸走行速度より大なる速度
で移動するが、相対速度が小なる故、B→B過程で
は空気噴射ノズルの施撚方向に鞘糸が捲着し、B→B
過程では逆の施撚方向に捲着し前記B→B過程で
捲着した鞘糸の外周を外側から締付ける働きをする。次
にB→B過程ではB→B及びB→B過程で
捲着した鞘糸の更に外周を空気噴射ノズルの施撚方向に
鞘糸が捲着すると云う如き、往復動を繰返しながら外側
から鞘糸を締付け抱合性の良い多数層構造を持つ中層部
が出来る。
次に往路のC過程についても同様にC→C,C
…の如き振動をしながら全体としてはC→C
方向へ鋸刃状に移動するが、この際ガイド(6)の移動方
向が芯糸走行方向と逆方向である為、相対速度が大とな
り、中層部の周囲を一重に捲着する。
本発明に係る製造方法の特徴は仮撚施撚装置として空気
噴射の旋回ノズルを用いることにある。テンサー(5)を
開けて鞘糸(Y)を弛緩状態とした場合、鞘糸は旋回ノズ
ルの持つ回転力によって加撚するに必要な糸量が供給さ
れ、一方テンサー(5)を閉じて緊張状態とした場合、旋
回ノズルの回転力に鞘糸張力が打勝ち加撚域の鞘糸捲着
はゼロ近くまで減少して、鞘糸の供給量はデリベリーロ
ーラ(4)で引張られる糸量となる。即ちスラブ部形成時
のB、C過程では芯糸供給量に対し鞘糸はオーバーフィ
ードであり、非スラブ形成時のA過程ではほぼ等しい給
糸量となる。
これに対し、スピンドル式やフリクション式等の他の施
撚装置を使用すると、芯鞘の合流点の撚数は常に一定で
ある為、芯糸の周囲に捲着するに要する糸量が強制的に
フィードされることとなり、非スラブ部に於ける芯鞘の
糸長差が発生し易い欠点がある。この場合、合流点に於
ける芯鞘の張力値を等しくすれば糸長差を小さく出来る
が、芯糸張力は常にほぼ一定値を保つに対し鞘糸張力は
糸管からの解舒張力変動やゲートテンサーの接圧等によ
って大きく変動する為、極めて不安定であり、張力値を
一定に保つには余分の付帯設備が必要となる。更にスピ
ンドル式やフリクション式加撚装置は糸条をニップして
加撚作用を与える為、加撚装置通過時の擦過抵抗が大で
ありスラブ部の鞘糸が解けスラブ部後方に鞘糸のタグレ
が起ったりスラブ部がずれたりし易い欠点がある。旋回
ノズルの場合は擦過抵抗が殆んど無視出来る為、加撚域
で形成されたスラブ形態が解撚域の熱セット時に於いて
もそのまま保持出来形態の整ったスラブヤーンと成る。
本発明に係る製造方法の他の特徴は、解撚域に熱セット
用ヒータを配置することにある。従来のスラブヤーン製
造法は加撚域に熱セット用ヒータを置き、芯糸及び鞘糸
が熱融着する近辺まで温度上昇させスラブ部を固定させ
る必要があったが、本発明の場合スラブ部が多数層構造
を持つと云う構造的特徴の結果、従来法のスラブヤーン
に比較し遥かに良好なる抱合性が保持出来、加撚域で熱
融着させる必要がない。解撚域の熱セットは芯糸と鞘糸
の捲着状態を熱固定しトルク消去を目的とするものであ
るから低温セットで十分であり、それ故製造したスラブ
ヤーンは生糸のヌメリ感を有する。更に加撚・熱固定・
解撚の通常仮撚法と違い、熱セット後に解撚作用を与え
ないので鞘糸の捲着条は解けず、スラブ部及び非スラブ
共に仮撚捲縮を持たないスラブヤーンとなる。
次いで上記過程により得られる本発明に係るスラブヤー
ンの構造について説明する。説明を明確化する目的で、
スラブ部を内層部と中層部及び外層部に区分する。第3
図に画いた内層部はガイド(6)が停止している場合であ
り、鞘糸(Y)は旋回ノズルの回転方向(本図の場合Z
撚)に芯糸の周囲を捲着する。第4図の中層部はガイド
(6)が芯糸走行速度より大なる速度で下降する場合であ
り内層部の周囲をS撚で捲着するが、振動によってガイ
ド(6)が上昇すると前記S撚の上をZ撚で覆い、次にガ
イド(6)が下降すると更にその上をS撚で覆うが如き運
動を行う。即ち、ある領域で外層に表出したS撚部はそ
れよりも内側にある芯糸(X)や鞘糸(Y)を締付けるが、次
の領域ではS撚部は内側に入り、ガイド(6)の上昇・下
降によって生じた他のS撚部が外側に表出する。そこで
スラブ部の長手方向に、お互いに独立したいくつものS
撚部が外層に存在し、各々のS撚部はそれよりも内側に
ある芯糸や鞘糸を締付ける効果を有する。第5図の外層
部はガイド(6)が上昇する場合であり、内層部の周囲を
Z撚で一重に捲着する。しかして、本発明のスラブヤー
ンは加熱・解撚が終了した状態で熱固定するので通常の
仮撚糸が有す捲縮がなく生糸体である。更に加撚装置通
過時に空気噴射を受けるので、芯糸の周囲を緩く旋回し
た中層部や外層部の一部が流体かく乱作用を受けループ
状形態(E)を形作る。非スラブ部は鞘糸(Y)を緊張させた
場合に出来る領域で芯糸と鞘糸の長さはほぼ等しく、又
鞘糸(Y)は僅かな解撚方向撚を有する。
尚本発明に用いる空気噴射ノズルから成る旋回ノズル
(3)としては、特公昭36−10511号公報に記載さ
れたような仮撚撚糸装置である。旋回力はノズル形状及
び空気噴射圧によって左右されるが、通常施撚数の調整
は後者による。かかる加工条件、即ち給糸条件ならびに
仮撚数はスラブヤーン形成素材として使用する熱可塑性
合成繊維の種類によって異なるので一律に規定すること
は出来ないが、芯糸の張力としては5〜40gの間が適
当である。空気噴射による旋回力は低張力の方が大とな
り好ましいが、5gより低過ぎると鞘糸を緊張或るいは
弛緩させた際芯糸が不安定となり糸切れの原因となる。
逆に40gより高いと旋回力が弱過ぎてスラブ部形成が
出来なかったり、スラブ部形状が極端に悪いという欠点
が生じる。これに対して鞘糸の給糸張力は、弛緩の際出
来るだけ低くして鞘糸の捲着数を多くすることが望まし
く少なくとも1g程度でないと多きなスラブ部を形成出
来ない。緊張の際は旋回力を弱める張力が必要であり、
芯糸の張力にも左右されるが少なくとも3g以上でない
と非スラブ部に於ける芯鞘の糸長差をほぼ等しくするこ
とが出来ない。
(発明の効果) 本発明によれば、スラブ部の長さが5mm程度のネップか
ら最長25cm程度のロングスラブに到るものまで製造出
来る。又、太さは芯糸(X)と鞘糸(Y)の繊度によっても異
なるが、芯糸(X)と鞘糸(Y)を同一繊度とした場合、芯糸
+鞘糸繊度の3〜15倍程度のものが可能である。又、
中層部におけるいくつものS撚部と外層部におけるZ撚
部がそれよりも内側にある糸条を締付ける効果を個々に
有するために抱合性は良好である。糸道ガイド等で擦過
しても、仮に外層部の鞘糸のごく一部分が移動し解けた
場合でも、他のZ撚部が移動を止めるため全体としては
非常に解け難いものとなる。スラブ長が小さくなると外
層部におけるZ撚部の数が小となるため、抱合性低下の
方向にあるが、スラブ長5mmのネップでも後工程の製織
・製編時、全く支障のない良好なる抱合性を有した。
又、本発明に用いる芯・鞘糸には、同種又は異種の熱可
塑性から成る2本以上の糸条であれば良く、具体的には
ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレン等の延伸糸
或いは半延伸糸で、太さや断面形状、構成本数に制限は
ない。
<実施例1> ポリエステル延伸糸75d/48fブライト三角断面糸
を芯糸に、ポリエステルカチオン可染75d/86f丸
断面糸を鞘糸に用い第1図に示す装置でスラブヤーンを
製造した。
芯糸(X) 走行速度(デリベリー速度) 60m/min 加撚合流点に於ける張力 約25gフィ -ドロ-ラとデリベリ-ロ-ラ間のフィ-ド率+2% 鞘糸(Y) 加撚合流点に於ける張力 弛緩時 0〜0.5g
変動 緊張時 6〜9g変動 ガイド(6) 固有振動数 56Hz 移 動 速 度 80m/min 移 動 距 離 30cm 旋回ノズルの空気圧 3.0kg/cm2 仮撚ヒータ温度 150℃ 上記の条件で得られた糸条は、第3〜5図に示す形態で
あり、スラブ部は長さ約6cm、平均太さ約1500dの
多数層構造を有し、又空気噴射時のかく乱作用を受けて
中層部及び外層部の鞘糸の一部はループヤーン形態を呈
した。一方非スラブ部では芯糸と鞘糸の糸長差を殆んど
生じなかった。又、解撚域で熱セットしている為、糸条
全体の残留トルクは非常に小さかった。このスラブヤー
ンを製編・製織工程に用いると、そのスラブ部が抱合性
の高い多数層構造の為に鞘糸のズレやスラブ部の移動は
全く発生しなかった。又、非スラブに於ても糸長差等に
よって生ずる芯糸或いは鞘糸のタグレ現象は全く発生せ
ず且つトルクが小さい為に良好なる操業性を示した。
又、糸条全体は仮撚捲縮を全く持たない生糸条である
為、この糸条を経緯に用い平織に製織した所、スラブに
よる特殊表面効果とカチオン可染糸による異染効果及び
生糸のヌメリ効果を持つ意匠効果の大なるシャンタン調
織物が得られた。
<実施例2> 実施例1に於ける製造条件でステッピングモータの替り
に駆動源に振動を発生しないエアーシリンダーを用いて
スラブヤーンを製造した所、B、C過程に於ける細かな
振動現象が発生しない為にスラブ部の中層部は多数層構
造とならず旋回ノズル通過時の空気圧による僅かな擦過
抵抗によっても鞘糸が移動した。このスラブヤーンは抱
合性の極めて不良の為、内層、中層、外層の全般に渡っ
て鞘糸が解け、製編・製織には全く使用出来ないもので
あった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を実施する装置を示す説明図、第2
図はガイドの下降、上昇時における振動状態を例示する
説明図、第3〜第4図はそれぞれスラブ部の内層部、中
層部を例示する説明図、第5図はスラブ部の外層部と非
スラブ部を例示する説明図である。 図において(X)は芯糸、(Y)は鞘糸、(G)は糸条案内部、
(E)はループ状形態、(2)は仮撚ヒータ、(3)は空気噴射
ノズル、(5)はテンサー、(6)は鞘糸案内用ガイド、(8)
はステッピングモータである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2本以上の熱可塑性合成繊維糸条を空気噴
    射ノズルから成る仮撚加熱装置の加撚部で合流させて得
    られるスラブヤーンであって、スラブ部に於いて芯糸は
    直線状で中央部に位置し、鞘色は内層部では芯糸の周囲
    を特定方向へ一重に捲着し、中層部では内層部の周囲を
    糸軸に沿いスラブの一部又は全域に渡る往復動を繰返し
    ながら全体としては前記特定方向の逆方向へ移動しつつ
    多数層捲着し、外層部では中層部の周囲を前記特定方向
    へ一重に捲着しており、更にスラブ部と比スラブ部を含
    む繊維軸全長に渡り、芯糸と鞘糸が仮撚捲縮を持たない
    生糸体である事を特徴とするスラブヤーン。
  2. 【請求項2】スラブ部の中層部及び外層部を形成する鞘
    糸の一部をループヤーン体となした特許請求の範囲第
    (1)項記載のスラブヤーン。
  3. 【請求項3】熱可塑性合成繊維フィラメントから成る芯
    糸及び鞘糸を加撚ゾーンにて合流せしめスラブヤーンを
    製造する方法において、芯糸に捲着する鞘糸の供給点を
    定位置に保つA過程と、往復動しながら芯糸走行方向へ
    移行するB過程と、往復動しながら芯糸走行方向の逆へ
    移行するC過程に順次変化させ、且つこの3過程を反復
    繰返するに際し、仮撚施撚装置として空気噴射ノズルを
    用い、又A過程における鞘糸供給張力を他の場合よりも
    高くせしめてスラブを間欠的に生ぜしめ、更に解撚域に
    おいて熱セットすることを特徴とするスラブヤーンの製
    造方法。
JP1160585A 1985-01-23 1985-01-23 スラブヤ−ン及びその製造方法 Expired - Lifetime JPH062970B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1160585A JPH062970B2 (ja) 1985-01-23 1985-01-23 スラブヤ−ン及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1160585A JPH062970B2 (ja) 1985-01-23 1985-01-23 スラブヤ−ン及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61174438A JPS61174438A (ja) 1986-08-06
JPH062970B2 true JPH062970B2 (ja) 1994-01-12

Family

ID=11782534

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1160585A Expired - Lifetime JPH062970B2 (ja) 1985-01-23 1985-01-23 スラブヤ−ン及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH062970B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2638598B2 (ja) * 1987-04-13 1997-08-06 ユニチカ株式会社 スパン調特殊糸
JPS63264934A (ja) * 1987-04-22 1988-11-01 ユニチカ株式会社 スラブヤ−ン
JPH01183541A (ja) * 1988-01-18 1989-07-21 Toray Ind Inc 間歇スラブ調嵩高糸およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61174438A (ja) 1986-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3946548A (en) Bulky multifilament yarn and process for manufacturing the same
US4501046A (en) Method and apparatus for producing synthetic multifilament yarn
JPS638210B2 (ja)
KR890000995B1 (ko) 합성실 및 실과 유사한 구조체의 제조방법
EP0708850B1 (en) Composite yarn and method of manufacturing a composite yarn having a spandex core and a texturized thermoplastic covering
US3932986A (en) Method for manufacturing a textured synthetic multifilament yarn having alternately grouped S and Z twists
US4287714A (en) False-twisting system
JPH062970B2 (ja) スラブヤ−ン及びその製造方法
GB1581659A (en) Fancy yarn and process for the production thereof
US3298169A (en) Method for processing yarn
JPH0219213B2 (ja)
US4478037A (en) Twisting method and apparatus
JPH07157934A (ja) 特殊紡績糸及びその製造方法
JPH0231137B2 (ja) Surabuyaanoyobisonoseizohoho
JP2813525B2 (ja) 仮撚複合糸及びその製造方法
JPS6014132B2 (ja) スラブヤ−ンの製造方法
JPS5939529B2 (ja) 紡績糸風糸の製造方法
JPH0849129A (ja) 特殊複合加工糸及びその製造方法
JPH0120257B2 (ja)
JPS5920773B2 (ja) 意匠糸の製造法
JPH04327243A (ja) パイル布帛およびその製造方法
JPS6221885B2 (ja)
JPS6312181B2 (ja)
JPH01183541A (ja) 間歇スラブ調嵩高糸およびその製造方法
JPS63235538A (ja) スラブ調嵩高糸およびその製造方法