JPS6364309B2 - - Google Patents

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JPS6364309B2
JPS6364309B2 JP14674380A JP14674380A JPS6364309B2 JP S6364309 B2 JPS6364309 B2 JP S6364309B2 JP 14674380 A JP14674380 A JP 14674380A JP 14674380 A JP14674380 A JP 14674380A JP S6364309 B2 JPS6364309 B2 JP S6364309B2
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JP
Japan
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film
copolymer
phosphate ester
adhesion
composition
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JP14674380A
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、静電防止層を有する分子配向した熱
可塑性フイルムの製造方法および得られる静電防
止フイルムに関する。 熱可塑性フイルムは、一般に、フイルムと重ね
られた被膜との間に接着促進プライマー層を介在
させないと、重ねられた被膜、たとえば、電子複
写用ラツカー、ヒートシール層および感光写真乳
剤を、満足な接着性をもつて、受理しない。英国
特許明細書1264338は、二軸配向した合成線状ポ
リエステルフイルムに、そのフイルムの配向の
間、塗布するのに適した下塗り材料を記載してい
る。 ある熱可塑性フイルムが取り扱い中静電荷を蓄
積する傾向を有することが、また観察された。こ
れらの静電荷は、いくつかの欠点、たとえば、こ
とにラツカーを有機溶剤から塗布するとき、有機
溶剤含有大気中の火災または爆発の危険、ほこり
の吸着による表面の汚染、取り扱いの困難および
感光性被膜のかぶりの危険を導入することがあ
る。このような欠点を克服するために、このよう
なフイルムを導電性として電荷が漏えいし去るこ
とができるようにすべきことが、この分野におい
てすでに提案された。 本発明は、熱可塑性フイルムの表面へ、そのフ
イルムの形成および配向の間、施こされたある種
の層において使用する特別のクラスの静電防止材
料に関する。 本発明によれば、自己支持性熱可塑性フイルム
を溶融押出しし、押出したフイルムを少なくとも
1方向に延伸することにより分子配向し、そして
分子配向の開始前またはその間に被覆層をフイル
ムの少なくとも1つの側に施こすことからなり、
被覆層はフイルム形成組成物から施こし、そして
該組成物は(i)主成分としてアクリル酸およびメタ
クリル酸のアルキルエステルの1種または2種以
上のアルキルエステルのコモノマー単位からなる
共重合体と、(ii)次の構造式 (式中 Rは非反応性の置換基を含有していてもよく、
そして合計10個以下、好ましくは少なくとも2個
の、好ましくは7個以下の炭素原子を有する非反
応性炭化水素基を表わし、 R1は非反応性の置換基を含有していてもよく、
そして合計10個以下、好ましくは少なくとも2個
の、好ましくは7個以下の炭素原子を有する非反
応性炭化水素基を表わすか、あるいはアルカル金
属、好ましくはカリウムまたはナトリウム、アン
モニウム、アミン陽イオンまたは水素であり、そ
して Mはアルカリ金属、好ましくはカリウムまたは
ナトリウム、アンモニウム、アミン陽イオンまた
は水素である) の化合物から選ばれたホスフエートエステルの少
なくとも1種とからなることを特徴とする、静電
防止被覆層を有する分子配向した熱可塑性フイル
ムの製造方法が提供される。 RおよびR1のおのおのは、たとえば、7炭素
原子までを含有するアルキル基、アリール基、置
換アリール基またはアラルキル基を表わすことが
できる。 本発明は、このような方法により製造された静
電防止被覆層を有するフイルムにも関する。 被覆層のためのフイルム形成組成物は、水性の
ラテツクス、分散液または溶液として、有機溶媒
中の溶液として、あるいはヒドロゾルの形で施こ
すことができる。組成物は好ましくは水性媒質か
ら、ことに水性ラテツクスとして施こされる。 被覆組成物のホスフエートエステルは、下記の
試験において、50%の相対湿度および20℃におい
て測定した1×1013オーム/平方より小さい表面
抵抗、および少なくとも250回のローラーの接触
後の火花発生の傾向として評価した静電荷の蓄積
に対する性質により決定されるように、フイルム
を静電防止性とすることがわかつた。ホスフエー
トエステルは、上に定義した方法において有用か
つ有益な性質の組み合わせを示すことがわかつ
た。 こうして、ホスフエートエステルは、共重合体
を凝固させずまたはそのフイルム形成性質を妨害
せずに、あるいは、後述するように、好ましい共
重合体を橋かけせずに、水性ラテツクスのような
水性被覆組成物に加えることができる。ホスフエ
ートエステルは、被覆組成物の適用後フイルムへ
通常加える温度、たとえば、配向、可能ならばヒ
ートセツトのための温度に曝露することもでき、
そのときホスフエートエステルは蒸発せず、分解
せず、熱可塑性フイルム中へ吸収されず、あるい
はフイルムまたは被覆組成物の共重合体成分と反
応しない。 自己支持性熱可塑性フイルムは分子配向可能な
熱可塑性物質から製造することができる。このよ
うな熱可塑性物質の例は、次のとおりである:オ
レフインの重合体または共重合体、たとえば、ポ
リプロピレン、あるいは1種または2種以上のジ
カルボン酸またはそれらの低級アルキル(6炭素
原子まで)ジエステル、たとえば、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−、2,6
−または2,7−ナフタレンジカルボン酸、コハ
ク酸、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、
4,4′−ビフエニルジカルボン酸、ヘキサヒド
ロテレフタル酸または1,2−ビス−p−カルボ
キシフエノキシエタンを、必要に応じてモノカル
ボン酸、たとえば、ピバリン酸と一緒に、1種ま
たは2種以上のグリコール、たとえば、エチレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールおよ
び1,4−シクロヘキサンジメタノールと縮合さ
せることによつて得ることができる合成線状ポリ
エステル。ポリエチレンテレフタレートフイルム
はとくに好ましく、たとえば、英国特許明細書
838708に記載されているように、ことに順番に2
つの相互に垂直方向に、典型的には78〜125℃の
範囲の温度において延伸して二軸配向し、好まし
くは、典型的には150〜250℃の範囲の温度におい
てヒートセツトしたポリエチレンテレフタレート
フイルムである。 被覆組成物の共重合体成分は、好ましくは、ア
クリル酸およびメタクリル酸のアルキルエステル
および/または酸を含むそれらの誘導体からなる
コモノマーから本質的に誘導された共重合体から
なる。アクリル酸またはメタクリル酸以外のコモ
ノマーは、それらがアクリルおよびメタクリルコ
モノマーに関する本質的性質に実質的に影響を及
ぼさないかぎり、少量で必要に応じて存在でき
る。このような任意のコモノマーは、ビニルエス
テル、スチレン、ブタジエン、エチレン、マレイ
ン酸エステル、またはイタコン酸エステルからな
ることができる。適当なアクリルおよびメタクリ
ルのコモノマーは、ことにアルキル基が10炭素原
子までを含有するアルキルエステルを包含し、そ
れらのうちでエチルアクリレートおよびメチルメ
タクリレートはとくに好ましい。メチルメタクリ
レートおよびエチルアクリレートのようなエステ
ルを除外した追加のコモノマーは、アクリル酸お
よびメタクリル酸、アクリル酸およびメタクリル
酸のアミド、たとえばアクリルアミド、メタクリ
ルアミドおよびアミノ水素原子の少なくとも1つ
が−CH2OHまたは−CH2OR(式中Rはアルキル
基、たとえば、メチルまたはエチルである)のよ
うな基で置換されているそれらの誘導体、たとえ
ば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアク
リレート、ヒドロキシアルキルメタクリレートお
よび/またはニトリル、たとえば、アクリロニト
リルおよびメタクリロニトリルからなることがで
きる。このような追加のコモノマーは、2〜25モ
ル%の範囲の量で使用できる。 被覆組成物のコポリマー成分は、好ましくは橋
かけ可能であり、そして熱可塑性プラスチツクフ
イルムへ塗布した後、便利には被覆および/また
はヒートセツト後行う延伸作業の間橋かけするこ
とができ、そして橋かけ反応は望ましくは延伸お
よび/またはヒートセツトの間の温度において開
始される。コポリマー成分の橋かけは、コポリマ
ーの構造中に含有される官能基の自己橋かけによ
り、あるいは共重合体中の橋かけ可能な官能基と
反応性である橋かけ剤の添加により、達成でき
る。共重合体の橋かけは、被覆層の熱可塑性フイ
ルム、ことにポリエステルフイルム、たとえば、
ポリエチレンテレフタレートフイルムへの接着を
改良する。したがつて、共重合体は好ましくは橋
かけ可能な官能基、たとえば、ヒドロキシル、カ
ルボキシル、アミド、アミン、ニトリルおよびエ
ポキシ基を含有し、これらの基はこのような基を
含有する適当なコモノマーから誘導される。 コモノマーの好ましい群は、エチルアクリレー
トとメチルメタクリレートとの両方からなり、そ
れらは組み合わされた形で共重合体の主要比率を
構成し、このような共重合体の例は、エチルアク
リレートおよびメチルメタクリレートが一緒にコ
モノマー混合物の80〜98モル%である共重合体、
ことに15〜50モル%のエチルアクリレートおよび
40〜80モル%のメチルメタクリレートと2〜25モ
ル%の橋かけ可能な官能基を含有する追加のコモ
ノマーから誘導された共重合体である。好ましい
共重合体は、それぞれのモノマー比率が45〜50、
45〜50および3〜5モル%である、エチルアクリ
レート、メチルメタクリレートおよびメタクリル
アミドおよび/またはアクリルアミドの共重合体
からなる。これらの好ましい共重合体からなる静
電防止被覆層は、合成線状ポリエステルフイル
ム、ことにポリエチレンテレフタレートフイルム
への適用にとくに適する。 アクリルまたはメタクリル共重合体の好ましい
群は、メタクリルアミドまたはアクリルアミドあ
るいはそれらのN−ヒドロキシメチル、N−メト
キシメチルまたはN−エトキシメチル誘導体とア
ルキル基が10炭素子までを含有するアクリル酸ま
たはメタクリル酸のアルキルエステルの1種また
は2種以上との共重合体からなる。前述のような
エチルアクリレート、メチルメタクリレートおよ
びメタクリルアミドまたはアクリルアミドからな
る共重合体、ことに前述の好ましいコモノマーの
モル比からなる共重合体の群は橋かけにとくに適
する。これらの共重合体の橋かけは、被覆組成物
に加えた橋かけ剤、たとえば、エポキシ樹脂、ア
ジリジニル樹脂、アルキド樹脂および/またはア
ミン、たとえば、メラミン、ジアジン、尿素、環
式エチレン尿素、環式プロピレン尿素、チオ尿
素、環式エチレンチオ尿素、アルキルメラミン、
アリールメラミン、ベンゾ−グアナミン、グアナ
ミン、アルキルグアナミンおよびアリールグアナ
ミンと、アルデヒド、たとえば、ホルムアルデヒ
ドとの縮合生成物によつて達成することができ、
これらの橋かけ剤は共重合体中の橋かけ可能な官
能基と反応性である。このようなアミンのメチロ
ール誘導体はことに好ましい。有用な縮合生成物
は、メラミンとホルムアルデヒドとの縮合生成物
である。縮合生成物は必要に応じてアルコキシル
化することができる。橋かけ剤は、共重合体の重
量に基づいて25重量%までの量で使用できる。橋
かけ剤の橋かけ作用を促進するために触媒を使用
できる。アミン/アルデヒド縮合物、たとえば、
メラミン/ホルムアルデヒド縮合物を橋かけする
ための適当な触媒の例は、塩化アンモニウム、硝
酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、リ
ン酸二水素アンモニウム、硫酸アンモニウム、リ
ン酸水素二アンモニウム、パラ−トルエンスルホ
ン酸、揮発性塩基との反応により安定化されたマ
レイン酸、およびパラ−トルエンスルホン酸モル
ホリニウムである。橋かけ作用に適当な他の触媒
は、酸性ホスフエートエステルの部分塩、ことに
ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩また
はアミン塩を含む酸性ホスフエートエステルから
なる。したがつて、上に定義したホスフエートエ
ステル構造の酸性ホスフエートエステルの部分塩
は、橋かけ作用を行うとき有用である。 アクリルまたはメタクリル共重合体の他の好ま
しい群は、グリシジルメタクリレートおよび/ま
たはグリシジルアクリレートとアルキル基が10炭
素原子までを含有するアクリル酸またはメタクリ
ル酸のアルキルエステルの1種または2種以上、
ことにエチルアクリルおよびメタクリレート(こ
れらが好ましくは共重合体中に両方とも存在す
る)との共重合体からなる。適当な共重合体は、
3〜25モル%のグリシジルメタクリレートまたは
グリシジルアクリレート、35〜95モル%のアクリ
ル酸およびメタクリル酸のエステルの1種または
2種以上、必要に応じて1〜60モル%のアクリロ
ニトリルおよび/または0.5〜15モル%の官能的
親水性基を有するアクリルまたはメタクリルコモ
ノマー、たとえば、ヒドロキシアルキルメタクリ
レート、たとえば、ヒドロキシエチルメタクリレ
ートから誘導できる。コモノマーは必要に応じて
少量、たとえば、3モル%までのアクリル酸およ
び/またはメタクリル酸を含むことができる。好
ましい共重合体は30〜50モル%のアクリル酸のエ
ステルおよびメタクリル酸のエステルおよびアク
リロニトリルからなる。適当な共重合体は、5〜
10モル%のグリシジルメタクリレートまたはグリ
シジルアクリレート、1〜5モル%の官能基を有
するアクリルまたはメタクリルコモノマー、たと
えば、ヒドロキシアルキルメタクリレート、40モ
ル%までのアクリロニトリルおよび50〜80モル%
のアクリル酸および/またはメタクリル酸のエス
テルの1種または2種以上から誘導でき、とくに
有効な共重合体は7モル%のグリシジルメタクリ
レート、1モル%のヒドロキシエチルメタクリレ
ート、35モル%のエチルアクリレート、21モル%
のメチルメタクリレートおよび36モル%のアクリ
ロニトリルの共重合体である。別の共重合体は5
〜13モル%のグリシジルメタクリレートまたはグ
リシジルアクリレート、1〜8モル%の官能基を
有するアクリルまたはメタクリルコモノマー、た
とえば、ヒドロキシエチルメタクリレートおよび
80〜94モル%のアクリル酸および/またはメタク
リル酸のエステルの1種または2種以上から誘導
することができ、好ましい共重合体は8モル%の
グリシジルメタクリレート、3モル%のヒドロキ
シエチルメタクリレート、40モル%のエチルアク
リレートおよび49モル%のメチルメタクリレート
の共重合体である。共重合体は自己橋かけするこ
とができ、あるいは共重合体中のアクリロニトリ
ルの比率が20モル%より小さいとき、ただしグリ
シジルメタクリレートまたはグリシジルアクリレ
ートおよび官能的親水性基を有するアクリルまた
はメタクリルコモノマーが存在するとき、それら
の比率がそれぞれ15モル%より小および10モル%
より小であるとき、加えた橋かけ剤で、好ましく
は触媒、たとえば、前節に記載する触媒、の存在
で橋かけできる。 定義したホスフエートエステル構造中のRおよ
びR1として使用するために好ましいアルキル基
は、好ましくは1〜5炭素原子を含み、そして最
も好ましくはエチル、n−ブチル、イソ−プロピ
ル、n−ブチル、イソ−ブチルおよびtert−ブチ
ルから選ばれ、RおよびR1として使用するため
に好ましくはアリールまたは置換アリール基は10
炭素原子までを含有するアルキル基(ことにメチ
ル)の1または2以上および/またはハロゲン
(ことに塩素)原子の1または2以上で置換され
ていてもよいフエニル基であり、そして好ましい
アラルキル基はベンジルである。7炭素原子より
多くを含有する長鎖アルキル基は、RおよびR1
として存在するとき、被膜および被覆組成物のフ
イルム形成性質を望ましくないように変性し、被
膜の欠陥、たとえば不均一性およびすじを生ずる
傾向がある。 両方のRおよびR1基を炭化水素基として含有
する上に定義したホスフエートエステル構造にお
いて、これらの基は同一であるか、または異なる
ことができる。 静電防止性は、上に定義した構造から選ばれた
1種の化合物または2種以上の化合物からなるこ
とができるホスフエートエステルを被覆層中に存
在させることによつて提供される。このようなエ
ステルは、遊離酸の形で、あるいはナトリウム塩
またはカリウム塩のような部分的にまたは完全に
中和された形で存在することができる。被覆組成
物中に使用するホスフエートエステルは、定義し
たホスフエートエステル、たとえば、モノアルキ
ル酸性エステル、ジアルキル酸性エステル、モノ
アリール酸性エステル、ジアリール酸性エステル
およびアルキルアリール酸性エステルの塩類から
選ばれたものの1種または2種以上からあること
ができる。 エチルホスフエートエステル塩は、性質のとく
に効果的なバランスを提供することがわかつた。
このような塩は、ジエチル水素ホスフエートまた
はエチル二水素ホスフエートまたはそれらの混合
物から誘導できる。 ホスフエートエステルの、対応する未中和酸性
ホスフエートエステルの重量として表わしかつ被
覆組成物の固体含量に基づいて、12.5〜100重量
%、好ましくは50〜75重量%の範囲の量は、0.01
〜0.1μm、好ましくは0.01〜0.5μmの範囲の厚さ
を有する乾燥した被覆層に、延伸により熱可塑性
フイルムの分子配向の完結後、効果的な静電防止
性質を与える。ホスフエートエステルの好ましい
量は、共重合体の重量に基づいて53〜67重量%の
範囲であり、このような量はとくに約48/48/4
モル%のコモノマー比率のエチルアクリレート/
メチルメタクリレート/アクリルアミドからなる
橋かけした共重合体を用いるときことに有効であ
る。 熱可塑性フイルムは、この分野においてすでに
知られている条件を用いて延伸することにより、
分子配向することができる。1つの方向のみに延
伸することにより一軸配向を付与できるが、機械
的性質と物理的性質との満足すべき組み合わせを
達成するためには、フイルムを2つの相互に垂直
な方向に延伸することによつて二軸配向すること
が好ましい。二軸配向は、2つの相互に垂直の方
向に同時にまたは順次に延伸することによつて達
成できる。同時延伸は、熱可塑性フイルムを管状
に押出し、この管を内部のガス圧で膨張させかつ
膨張ゾーンから管をそのゾーンへ導入するよりも
急速に取り出すことによつて延長して実施でき
る。このような同時延伸法において、被覆組成物
は好ましくは延伸開始前にフイルムへ施こす。順
次の延伸は、熱可塑性フイルムを平らな形で押出
し、このフイルムを一方の方向に延伸し、次いで
他方の相互に垂直の方向に延伸することによつて
実施できる。一般に、フイルムをまず縦方向に、
すなわち、延伸機を通る方向に、次いで横方向に
延伸することが好ましい。延伸されたフイルム
は、この分野ですでに知られた条件を用いて寸法
的に拘束しながらヒートセツトすることにより、
寸法的に安定化することもできる。上に示したよ
うに、好ましい熱可塑性フイルムはポリエチレン
テレフタレートから、たとえば、英国特許明細書
838708に記載されるように、順次の二軸配向およ
びヒートセツトにより製造される。 順次の延伸により配向されたフイルムは、被覆
組成物を、好ましくは水性ラテツクとして、用
い、第1方向の延伸前に、あるいは第1方向の延
伸と第2方向の延伸との中間の段階において、被
覆することができる。本発明に従い、被覆組成物
は2回の延伸作業の間にフイルムに施こすことが
好ましい。このような延伸および被覆の順序は、
静電防止下塗りした線状ポリエステルフイルム、
たとえば、ポリエチレンテレフタレートフイルム
の製造にことに好ましく、これらのフイルムは好
ましくはまず一連の回転するローラー上で縦方向
に延伸し、ラテツクスで被覆し、次いでステンタ
ー炉内で横方向に延伸し、好ましくは次いでヒー
トセツトする。 本発明によれば、被覆組成物は分子配向の開始
前またはその間に熱可塑性フイルムの表面に施こ
す。ホスフエートエステルの本質的性質は、フイ
ルムの延伸に使用する高温、および、被覆組成物
の適用後フイルムのヒートセツトを行うとき、そ
れに使用する高温、ことにポリエチレンテレフタ
レートフイルムの普通の時間の延伸およびヒート
セツトに普通に用いる温度、たとえば、ポリエチ
レンテレフタレートフイルムの商業的延伸および
ヒートセツト法に典型的に用いられる温度により
影響を受けず、またこのような温度に暴露した後
有益な静電防止性を保持することがわかつた。し
かしながら、高温、ことにヒートセツトを行う温
度に長時間暴露すると、被覆したフイルムの静電
防止性が減少することがわかつた。したがつて、
240℃におけるヒートセツトの滞留時間は45秒を
超えるべきでなく、好ましくは25秒を超えるべき
でない。長い滞留時間は低いヒートセツト温度に
おいて静電防止性に悪影響を及ぼさないで許容さ
れることができ、そして実験的に決定できる。 酸性ホスフエートエステル、ことに酸性アルキ
ルホスフエートエステルの部分塩(すなわち、不
完全に中和された物質)からなる被覆層は、静電
防止性、被膜の品質および重ねられた層、たとえ
ば、電子複写用ラツカーへの接着の有用な組み合
わせを示す。部分塩は酸性アルキルホスフエート
エステルを、たとえば、水酸化カリウムまたは水
酸化ナトリウムで、水性媒体中で中和することに
よつて得ることができる。被覆組成物の共重合体
成分が酸性ホスフエートエステルの存在で橋かけ
できるとき、性質の満足すべき組み合わせは、水
性の部分的に中和された酸性ホスフエートエステ
ル、好ましくはアルキルホスフエートエステル
が、アクリルまたはメタクリル共重合体成分への
添加前に、1.7〜8.0の範囲のPHをもつとき(PHに
影響を及ぼす他の物質の不存在で)得ることがで
きる。1.7より小さいPHにおいて、部分的塩中の
カリウムまたはナトリウムのイオンの量は、静電
荷を蓄積する性質がことに少なくとも30%の相対
湿度および20℃において減少する程度に静電防止
性が変更されるが、表面抵抗性を実質的に減少す
るのに一般に不十分である。8.0を越えるPHは実
際ではきわめて効果的な静電防止保護、すなわ
ち、50%の相対湿度および20℃において約1×
108オーム/平方および30%の相対湿度および20
℃において約1×109オーム/平方の表面抵抗を
提供し、電荷の蓄積に対する性質は無視できる。
しかしながら、橋かけ可能な共重合体および橋か
け剤、すなわち酸性条件下に橋かけする橋かけ
剤、たとえばアミン/アルデヒド縮合生成物の橋
かけ活性はPH8.0以上では悪く阻止され、これに
よつて被覆層のフイルムへの接着は、後述するよ
うに、減少することがある。酸性ホスフエートエ
ステル、たとえば、酸性アルキルホスフエートエ
ステルの水性塩の、橋かけ可能な共重合体およ
び、使用する場合、橋かけ剤(被覆層とフイルム
との間の接着を促進するために必要なことがあ
る)への添加前の、PHの好ましい範囲は8より
小、ことに1.7〜5である。橋かけしない被覆共
重合体、または酸性条件下で橋かけする必要がな
い被覆共重合体は、8を越えるPHを有する添加し
た部分的ホスフエートエステル塩と一緒に使用で
きる。なぜなら生ずる静電子防止性は非常に満足
すべきものであるからである。 被覆組成物の水性または有機の媒質は、延伸お
よび/またはヒートセツトのために被覆したフイ
ルムに加える温度において通常乾燥されることが
わかるであろう。橋かけ可能な組成物を用いると
き、橋かけ反応は同様にこの段階において起こる
が、主としてヒートセツトの間に起こる。なぜな
ら橋かけ速度は延伸に用いる温度よりも高いヒー
トセツト温度において速いからである。上に示し
たように、ある種の橋かけ可能な組成物の橋かけ
被覆組成物の橋かけは、添加した水性酸性アルキ
ルホスフエートエステルが8.0を越えるPHを有す
るとき、阻止される。橋かけ活性が8.0を超える
PHにおいて阻止されることがわかつた水性橋かけ
可能な組成物は、橋かけ可能な官能基を含有する
共重合体と、アミンおよびアルデヒドの縮合生成
物を含む前述の橋かけ可能な組成物からなる。縮
合生成物と共重合体の橋かけ可能な官能基との間
の反応によるこのような組成物の橋かけ活性と、
縮合生成物自体の自己橋かけ作用は、酸性条件下
で触媒するときの本発明の方法における許容しう
る速度に加速される。酸性ホスフエートエステ
ル、たとえば、好ましい範囲の1.7〜5のPHを有
する、酸性アルキルホスフエートエステルの水性
部分塩をこのような橋かけ可能な組成物へ加える
と、特別な橋かけ触媒の添加を必要とせずに、橋
かけのために望む酸性条件が確立される。しかし
ながら、この効果の悪い結果は、凝固を導びき、
それゆえ困難を生ずる組成物の早期の橋かけが観
測されたということである。被覆組成物のこの不
安定性は、高度に、たとえば、90%以上の中和さ
れた酸性ホスフエートエステル、好ましくはアル
キルホスフエートエステルを添加し、これにより
高度にアルカリ性のラテツクスを形成することに
より、そして追加の橋かけ触媒を含めることによ
り避けることができるであろう。しかしながら、
これは一般に実施不可能である。なぜなら、比較
的高い量、共重合体の重量に基づいて、好ましく
は12.5〜100重量%、ことに53〜67重量%の範囲
のホスフエートエステルを受け入れるために過度
の量の触媒を必要とするからである。 水性橋かけ可能な組成物の不安定性は、組成物
をフイルムに適用するまで、好ましくは延伸の分
子配向が完結してしまうまで、7を超えるPHを維
持することによつて避けることができることがわ
かつた。したがつて、本発明の好ましい態様によ
れば、早期の橋かけに対する安定化は、被覆組成
物の他の成分、すなわち橋かけ可能な成分、たと
えば、橋かけ可能な共重合体および橋かけ縮合生
成物の添加前に、水性ホスフエートエステルを、
揮発性塩基の処理により、アルカリ性、好ましく
は7.5〜10の範囲のPHにすることによつて達成さ
れる。塩基は被覆ラテツクスの適用後の延伸およ
び/または、用いる場合、ヒートセツトの工程の
間の温度において揮発するように選び、たとえ
ば、水酸化アンモニウム、トリエチルアミンまた
はモルホリンである。延伸および/またはヒート
セツトの温度において塩基が揮発されると、橋か
けに望む酸性条件にもどり、これにより橋かけ反
応を進行させることができる。 本発明の方法によつて製造される被覆層を有す
る熱可塑性フイルムは、50%の相対湿度において
1×1013オーム/平方より小さい表面抵抗および
静電荷を蓄積する低い傾向により表わされる、き
わめてすぐれた静電防止性を示す。すなわち、フ
イルムは、後述する試験において少なくとも250
回のローラーの接触後、火花発生の電位に到達し
ない。これらの静電防止性は、橋かけしたまたは
橋かけしない被膜を有するフイルムによつて示さ
れる。 本発明の方法により製造された被覆層を有する
熱可塑性フイルムは、被覆層により与えられる静
電防止性にかかわらず、きわめてすぐれた取り扱
い性質を有し、そして自動フイルム取り扱い機、
たとえば、包装機および静電複写機に連続的に供
給するのに適し、そのときフイルムはたるんだり
また中断したりせず、そして静電防止性が重要で
ある他の最終用途、たとえば、モンタージユ装置
および印刷フイルムに適する。 橋かけした被膜は、静電性を提供するほかに、
熱可塑性フイルムと橋かけした表面上に重ねられ
た被膜とに対して強い接着も示す。したがつて、
このような橋かけした被膜は、重ねられた被膜の
接着促進下塗りまたは下層として機能する。この
ような重ねられた被膜は、たとえば、酢酸酪酸セ
ルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、アクリ
ル樹脂および部分的にまたは完全に加水分解され
たポリ酢酸ビニルからなり、そして必要に応じて
無機充てん剤、たとえば、顔料およびつや消し剤
および/または感光性ジアゾニウム塩;感光性写
真乳剤;印刷インキ;金属化層;ヒートシール性
層;および湿気および気体の透過性バリヤー層を
含有する電子複写ラツカーである。アルカリホス
フエートエステル塩が存在すると、重ねられた親
水性ラツカー、ことに部分的または完全に加水分
解されたポリ酢酸ビニルからなるラツカーへの被
覆層の接着は改良されることが、予期せざること
にはわかつた。 本発明の方法に従つて製造されたフイルムの静
電防止性は、フイルムを静電複写機に効果的に、
中断なしに通過させることができる。さらに、橋
かけしたまたは橋かけしない被覆層は静電トーナ
ー像に対して受容性であり、とくにこのような像
はオーバーヘツドプロジエクターに使用するのに
十分な接着性と耐久性を有する。 本発明を、次の実施例によりさらに説明する。 次の試験法を用いて、実施例の生成物を評価し
た。 1 電子複写用ラツカーの接着 (s) 酢酸酪酸セルロースラツカー(CAB) 試験は(重量部で)42.5部のメチルエチル
ケトンと42.5部のメチルイソブチルケトンと
の混合物中に溶けた“3秒”級の15部の酢酸
酪酸セルロースからなるラツカーを使用して
行い、このラツカーはガードナー・ホルト粘
度計を用いて2.5℃において6.5〜7.5秒と測定
された粘度を有した。ラツカーはフイルムの
ラテツクス被覆した表面へ針金を巻いた棒
(KCC Bar No.5、RK Print−Coat
Instruments Ltd、Royston、
Hertfordshire、England製)により塗布し、
炉内で120℃において1分間硬化し、次いで
3mmの間隔にセツトした8枚刃のヘリにより
十字のハツチングの模様で軽く筋をつけた。
接着テープ(‘Scoth'Paklonテープ2PHC)
のストリツプを十字のハツチングの領域へ粘
着させ、次いでラツカーと下塗りとの界面に
最大の応力が加わるようにフイルムからはぎ
取つた。十字のハツチングの領域に残るラツ
カーの量を評価し、そして「ラツカーの接
着」をこの量の百分率として表わした。すな
わち、ラツカーが除去されない=100%の接
着、すべてのラツカーが除去された=0%の
接着、中間の接着の値はフイルムへ接着され
て残るラツカーの領域の比率で評価した。試
験はフイルムの異なる領域で4回反復し、平
均の接着値を計算し、これらの平均値を表2
に記載する。少なくとも90%の接着値は、商
業的電子複写の使用に一般に受け入れられ
る。 (b) 部分的に加水分解したポリ酢酸ビニルのラ
ツカー(部分的に加水分解したPVAc) 試験は、工業用メチル化スピリツト中の部
分的に加水分解したポリ酢酸ビニルの溶液か
らなるラツカーを用いて行つた。ラツカーは
フイルムのラテツクス被覆した表面へ針金を
巻いた棒(KCC BarNo.5)により塗布し、
炉内で120℃において60分間硬化した。接着
は接着テープ(‘Scotch'Paklonテープ
2PHC)の約15cmの長さのストリツプをラツ
カー塗りした表面へ接着させることによつて
評価した。ラツカー塗りしたフイルムは、上
縁に沿つてしつかり定着されたが、そうでな
い場合自由に除去され、そして接着テープは
ラツカー塗りしたフイルムから下方に急速に
はがれた。接着テープを用いて試験した領域
においてフイルム上に残るラツカーの量を評
価した。試験領域に残る90%より多いラツカ
ーは、満足すべき接着を表わす。 (c) 完全に加水分解したポリ酢酸ビニルのラツ
カー(完全に加水分解したPVAc) 試験は水中の5重量%のポリビニルアルコ
ール(商業的に‘Alcotex'Aとして入手でき
る)からなるラツカーを用いて実施し、この
ラツカーはフイルムのラテツクス被覆した表
面へ針金を巻いた棒(KCC BarNo.5)によ
り塗布し、炉内で120℃において60秒間硬化
し、部分的に加水分解したポリ酢酸ビニルの
接着について前述した手順を用いて試験し
た。試験領域中に残る90%より多いラツカー
は、満足すべきものであるとみなされる。 (d) 酢酸プロピオン酸セルロース(CAPr) 試験は(重量部で)ケトン、トルエンおよ
び高沸点の有機溶媒からなる溶媒混合物中の
95部の酢酸プロピオン酸セルロース5部のポ
リ酢酸ビニルおよびシリカ粒子からなるジア
ゾ増感可能なラツカーを用いて行つた。ラツ
カーはフイルムのラテツクス被覆した表面へ
針金を巻いた棒(KCC BarNo.5)により塗
布し、炉内で120℃において30秒間硬化した。
接着は部分的に加水分解したポリ酢酸ビニル
ラツカーに関して上の(b)に説明した接着テー
プ試験により評価した。 2 静電荷の蓄積に対する性質 この試験は、静電荷がフイルム上に一連のロ
ーラーとの接触の結果蓄積する速度を決定す
る。結果は、火花発生電位に到達するのに要す
る、ローラーの接触回数として表わす。なぜな
ら、これはフイルムが溶剤含有大気中で機械を
通して移送されるときの最も実際的な考えの1
つであるからである。試験装置は、制御された
環境内に含有された一連の5本の陽極酸化され
たアルミニウムローラーからなり、それらのま
わりに試験するフイルムのループを通した。ル
ープの各回路の間、フイルムは5本のロールの
おのおのと接触し、そしてフイルムは暗室内で
火花が見えるまで回路をまわらせ、火花が発生
したときのローラーの組との接触回数を記載す
るか、あるいはフイルムが600回ローラーと接
触したとき、試験を停止した。30%の相対湿度
および20℃において250回より少ないローラー
の接触において到達した火花発生電位は、静電
防止性をもつと見なすことができないであろ
う。 比較例 1 次の処方の水性ラテツクスを、ポリエチレンテ
レフタレートのフイルムの表面への適用直前に、
調製した:
【表】 ポリエチレンテレフタレートの平らなフイルム
を溶融押出し、そして冷却した回転ドラム上で急
冷して非晶質状態にした。急冷したフイルムを、
遅く回転するローラーと速く回転するローラーと
の組の上を約80℃の温度において、押出し方向に
約3.0倍に延伸した。 ラテツクスはこの一軸延伸したフイルムの両側
面に、オフセツトグラビア塗布技術により塗布
し、そして被覆したフイルムを約90℃において約
3.0倍に横方向に延伸し、次いで寸法拘束下にヒ
ートセツトして、フイルムの両側面上にほぼ
0.025μmの厚さの均一な被膜を形成した。ヒート
セツトの間、被覆したフイルムを約235℃の最高
温度にほぼ15秒間暴露した。 生ずる被覆したフイルムを、前述の試験手順に
より電子複写用ラツカーの接着および静電荷の蓄
積に対する性質、および30%および50%の相対湿
度で20℃における表面抵抗について試験し、表2
に示す結果が得られた。 熱硬化性アクリル樹脂、シリカ粒子および混合
有機溶剤からなる製図用ラツカーの被覆層への接
着を、このラツカーを被覆層へ、酢酸酪酸セルロ
ースについての試験において前述した一般手順に
より、評価した。ラツカーの被覆層への接着は、
部分的に加水分解したポリ酢酸ビニルラツカーに
関して前述した一般法により評価した。このラツ
カーはきわめてすぐれた接着を示し、そして接着
テープの除去に対して完全に抵抗した。 疎水性ラツカー、すなわち、酢酸酪酸セルロー
ス、酢酸プロピオン酸セルロースおよびアクリル
ラツカーの被覆層への接着はきわめてすぐれてい
たが、完全にまたは部分的に加水分解したポリ酢
酸ビニルに基づく親水性ラツカーの接着は劣つて
いた。フイルムはまた非常に劣つた静電防止性能
を有し、表面抵抗は50%の相対湿度および20℃に
おいて1019オーム/平方より大きく、そして静電
荷を蓄積する性質は非常に大きいので、火花発生
電位には30%の湿度においてわずかに5回のロー
ラー接触後に到達した。 実施例 1 比較例1を反復したが、比較例1に記載する成
分に加えて、4gの遊離の形のエチル酸性ホスフ
エート(Worwick Chemical Limitedから商業
的に入手でき、そしてほぼ60%:40%のそれぞれ
のモル比のモノ−およびジ−エチルホスフエート
の混合物であると信じられる)(このエチル酸性
ホスフエートは12mlの水で希釈し、そして10%重
量/体積の水酸化カリウム溶液でPH4.5に中和し
た)を静電防止塩として含有する変性ラテツクス
を用い、そしててこのホスフエートを希水性水酸
化アンモニウム溶液でPH9.5にさらに中和してラ
テツクスを早期の橋かけに対して安定化した。こ
の溶液に0.25gの‘Synperonic'Nの界面活性剤
をも加え、そして体積をラテツクスへの添加前水
で40mlまでにした。延伸およびヒートセツト後の
各乾燥した下塗り層の厚さは約0.038μmであつ
た。 生ずる被覆したフイルムをラツカーの接着およ
び静電防止性能について試験し、表2に示す結果
が得られた。熱硬化性アクリルラツカーの接着も
評価し、ラツカーは比較例1に記載するように塗
布し、試験した。被覆ラテツクス中の静電防止塩
の存在はこのラツカーへの接着に影響を及ぼさ
ず、接着はきわめてすぐれた状態にとどまる。疎
水性型のラツカーへの接着はきわめてすぐれ、そ
して比較例1とは対照的に、加水分解したポリ酢
酸ビニルに基づく親水性ラツカーへの着目もきわ
めてすぐれていた。フイルムは電荷を蓄積する性
質を示さず、非常に低い表面抵抗を有し、そして
30%の相対湿度および20℃においてさえ火花発生
電位に到達しないであろう。 実施例 2 次の処方の水性被覆ラテツクスを、ポリエチレ
ンテレフタレートのフイルムの表面へ適用する直
前に調製した:
【表】 上のラテツクスをトリエチルアミンの添加によ
りPH9.5にさらに中和した。 このラテツクスをポリエチレンテレフタレート
フイルムへ、比較例1に記載する手順により塗布
して、約0.03μmの乾燥した被覆層の厚さを形成
した。 生ずる被覆したフイルムは、きわめてすぐれた
電子複写用ラツカー接着と静電防止性能を有する
ことがわかり、表2に示す結果が得られた。さら
に、比較例1に記載するように熱硬化性アクリル
ラツカーで被覆し、それへの接着について試験す
ると、接着はきわめてすぐれ、そして試験の間接
着テープによる除去に抵抗した。 実施例 3 実施例2を反復したが、ただし被覆ラテツクス
のエチルホスフエートエステル塩はエチル酸性ホ
スフエートを水酸化カリウムでPH2.5(PH4.5の代
わりに)に中和し、次いで希水性水酸化アンモニ
ウム溶液の添加によりPH9.5にさらに中和し、そ
して乾燥した被覆した層は約0.025μmの厚さを有
した。 生ずる被覆したフイルムはきわめてすぐれた電
子複写用ラツカーの接着と静電防止性能を有する
ことがわかり、表2に示す結果が得られた。ま
た、比較例1に記載されるように熱硬化性アクリ
ルラツカーで被覆し、それへの接着について試験
すると、接着はきわめてすぐれ、試験の間接着テ
ープによる除去に抵抗した。 実施例 4〜35 前の実施例に記載する一般的処方の被覆ラテツ
クスを、前の実施例に記載する条件を用いるが、
ただし被覆したラテツクスの処方および条件を表
1に示すように変更して、ポリエチレンテレフタ
レートに塗布した。被覆したフイルムを試験し、
表2に示す結果が得られた。比較例1に記載する
ように塗布し、試験した写真複写用ラツカーへの
接着は、きわめてすぐれることがわかつた。 実施例4〜23、34および35において使用したエ
チルホスフエートエステル塩は、遊離酸の形のエ
チル酸性ホスフエート(Worwick Chemical
Limitadから商業的に入手でき、そしてほぼ60
%:40%のモル比のモノ−およびジ−エチルホス
フエートの混合物であると信じられる)を一般に
実施例1に記載する方法で、水酸化カリウムまた
は水酸化ナトリウムで中和し、そして揮発性塩基
の添加により安定化することによつて調製した。 実施例24〜33において使用したアルキルホスフ
エートエステル塩は、実験室において、五酸化リ
ンと適当なアルコールとの反応により、モノ−お
よびジ−酸性ホスフエートエステルの混合物とし
て製造した。これらのホスフエートエステルを、
10重量%の水性水酸化ナトリウム溶液を用いて表
1に記載するPHに調整し、次いで希水酸化アンモ
ニウム溶液を用いてPH8.0に調整した。この溶液
の固体を、橋かけ可能な重合体との混合前に、10
%重量/体積(g/ml)に調整した。 実施例5の場合において、静電防止塩はエチル
酸性ホスフエート(実施例1において使用したよ
うな)を水酸化ナトリウムでPH4.5に中和するこ
とによつて製造した。 実施例6および7において用いた静電防止塩の
量、すなわち、0.5gは、静電防止性能が満足で
あつたが、他の実施例において達成されたポリ酢
酸ビニルに基づく親水性ラツカーの接着を著しく
改良した。 実施例 36 次の処方の水性被覆ラテツクスを、ポリエチレ
ンテレフタレートのフイルム表面への適用直前に
調製した:
【表】 上のラテツクスを希水酸化アンモニウムでPH
9.5に中和し、比較例1に記載する手順によりポ
リエチレンテレフタレートフイルムへ塗布して、
0.025μmの乾燥した被膜を形成した。 生ずる下塗りしたフイルムは、前述の手順によ
り試験すると、きわめてすぐれた電子複写用ラツ
カーの接着と静電防止性能を有し、表2に示す結
果が得られた。比較例1に記載するように塗布
し、試験した電子写真用ラツカーへの接着はきわ
めてすぐれることがわかつた。 表1は比較例1および実施例1〜36において使
用した被覆ラテツクスのある特性および条件を記
録し、そして表2は生じたラツカーの接着および
静電防止性質を記録する。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 比較例 2 比較例1を反復してそこに記載する被覆ラテツ
クスを、ポリエチレンテレフタレートフイルムへ
塗布し、このポリエチレンテレフタレートフイル
ムは平均粒度が約8μmのシリカ粒子(“Syloid”
74として商業的に入手できる)0.01重量%を含有
し、配向およびヒートセツトされたフイルムであ
り、約100μmの均一な厚さを有し、そして190℃
に5分間加熱したとき縦方向および横方向の残留
収縮が1%より小であつた。 得られるフイルムをほぼ30×21cm(すなわち、
A4サイズ)のシートに切り、この切断から生ず
る残留電荷をシートから排除した。 静電複写機における使用に対する被覆したシー
トの適当性を、20枚のシートの積み重ねを個々に
そして連続的にRank Xerox3107静電複写機に供
給することによつて評価した。シート上に蓄積す
る静電荷のため、機械を通して個々にかつ連続的
に供給されるシートの移送において、著しい困難
に直面した。 しかしながら、静電複写機を通して供給される
シートは、オーバーヘツドプロジエクター用とし
てマスターとして使用するフイルムのための十分
な耐久性をもつて、被覆層と析出された融着トー
ナー粉末像との間に許容しうる接着を示した。析
出した像の接着も、(a)インク消しで10回にわたつ
て析出像を繰り返しこすることにより試験し、こ
れにより像の10%より少しが除去され、そして像
の上へ接着テープを適用し、それを急速にはが
し、これを順次に10回反復することにより試験
し、これにより像のいずれもが除去されなかつ
た。 実施例 37 比較例2を反復したが、ただし適用した被覆層
は実施例2において使用した処方を有した。この
フイルムから切つたシートはRank Xerox3107静
電複写機に満足に供給され、個々にかつ連続的に
両方の方法で供給されたシートの移送の中断はな
かつた。析出されたトーナー粉末の像は、オーバ
ーヘツドプロジエクター用として適切な耐久性を
もつて保持され、そしてトーナー像の20%より少
しがインキ消しによる10回の像の反復こすりによ
り除去され、そして30%より少しが接着テープを
用いる試験により除去された(試験は比較例2に
記載するものと同一であつた)。このような接着
は、オーバーヘツドプロジエクター用として許容
されるものである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 自己支持性熱可塑性フイルムを溶融押出し
    し、押出したフイルムを少なくとも1方向に延伸
    することにより分子配向し、そして分子配向の開
    始前またはその間に被覆層をフイルムの少なくと
    も1つの側に施こすことからなり、被覆層はフイ
    ルム形成組成物から施こし、そして該組成物は(i)
    主成分としてアクリル酸およびメタクリル酸のア
    ルキルエステルの1種または2種以上のアルキル
    エステルのコモノマー単位からなる共重合体と、
    (ii)次の構造式 (式中、 Rは非反応性の置換基を含有していてもよく、
    そして合計10個以下の炭素原子を有する非反応性
    炭化水素基を表わし、 R1は非反応性の置換基を含有していてもよく、
    そして合計10個以下の炭素原子を有する非反応性
    炭化水素基を表わすか、あるいはアルカリ金属、
    アンモニウム、アミン陽イオンまたは水素であ
    り、そして Mはアルカリ金属、アンモニウム、アミン陽イ
    オンまたは水素である) の化合物から選ばれたホスフエートエステルの少
    なくとも1種とからなることを特徴とする、静電
    防止被覆層を有する分子配向した熱可塑性フイル
    ムの製造方法。 2 RおよびR1はエチル、n−プロピル、イソ
    −プロピル、n−ブチル、イソ−ブチルおよび
    tert−ブチルから選ばれる特許請求の範囲第1項
    記載の方法。 3 ホスフエートエステルはジエチル水素ホスフ
    エートの塩、エチル二水素ホスフエートの塩また
    はそれらの混合物からなる特許請求の範囲第2項
    記載の方法。 4 フイルム形成組成物中のホスフエートエステ
    ルの量は、対応する未中和酸性ホスフエートエス
    テルの重量として表わし、そして組成物の固体含
    量に基づいて50〜75重量%の範囲である特許請求
    の範囲第1、2または3項記載の方法。 5 フイルム形成組成物の共重合体成分は、共重
    合体中に含有される橋かけ可能な官能基により橋
    かけ可能である特許請求の範囲第1〜4項のいず
    れかに記載の方法。 6 橋かけ可能な共重合体は、それぞれのモル比
    率が45〜50:45〜50:3〜5モル%のエチルアク
    リレート、メチルメタクリレートおよびメタクリ
    ルアミドまたはアクリルアミドの共重合体である
    特許請求の範囲第5項記載の方法。 7 フイルム形成組成物は橋かけ可能であり、そ
    してホスフエートエステルは部分的に中和された
    酸性ホスフエートエステルであり、そして橋かけ
    する組成物の成分への添加前、PH1.7〜5の範囲
    に中和されている特許請求の範囲第5または6項
    記載の方法。 8 ホスフエートエステルを、橋かけする組成物
    の成分への添加前、揮発性塩基で処理することに
    よりPH7.5〜10の範囲にさらに中和し、該揮発性
    塩基は、フイルム形成組成物を施こした後の延伸
    および/またはヒートセツトの工程の間の温度に
    おいて揮発する特許請求の範囲第7項記載の方
    法。 9 揮発性塩基は水酸化アンモニウム、トリエチ
    ルアミンまたはモルホリンから選ばれる特許請求
    の範囲第8項記載の方法。
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