JPS6363413B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、座席の背もたれが、操作駆動装置に
より水平な揺動軸線のまわりに揺動して傾斜を調
節可能に座席保持体に支持され、座席の着座部分
が、別の操作駆動装置により垂直および水平に調
節可能にまたは前縁または後縁の高さ位置を調節
可能に座席保持体に支持され、操作駆動装置に付
属する開閉器の操作が、所望の調節運動に応じて
手で操作可能な操作装置により行なわれる、車両
用座席特に自動車座席に関する。

このような車両用座席はドイツ連邦共和国特許
出願公開第1430839号明細書から公知である。こ
の場合すべての調節運動は単一の切換えレバーに
より行なわれる。しかし特に不慣れな使用者が、
切換えレバーのどの操作方向へ所望の調節運動が
行なわれるかを速やかに知ることが極めて困難だ
という欠点がある。

したがつて本発明の課題は、不慣れな使用者で
も、所望の調節運動を速やかに誤りなく行なうこ
とができるようにすることである。

この課題を解決するため本発明によれば、操作
装置が、背もたれの輪郭に相当する形状をもつ第
１のハンドルと、着座部分の輪郭に相当する形状
をもつ第２のハンドルとを含み、両方のハンドル
が、使用状態における座席の輪郭に相当する相対
位置に配置されている。

こうして本発明により、座席の背もたれおよび
着座部分を模擬して両方のハンドルを手さぐりの
状態でも確実に識別して、所望の位置へ動かすこ
とが可能で、不慣れな使用者でも誤りなく座席の
調節を簡単に行なうことができる。

図面に示された実施例について本発明をさらに
説明する。

図面に破線で、背もたれ（座席もたれ）１１お
よび着座部分（座席クツシヨン）１２をもつ車両
用座席１０が著しく縮小された形で示されてい
る。座席もたれ１１は調節運動により座席もたれ
揺動軸線１３のまわりに矢印１４の方向に揺動可
能である。それにより座席もたれ１１の傾斜が調
節される。座席もたれ１１をサーボ操作で調節す
るために、破線で示す操作駆動装置１５がこの座
席もたれ１１に作用する。図示を簡単にしかつわ
かり易くするため、操作駆動装置１５は操作シリ
ンダとして示されているが、好ましい構成では電
気操作駆動装置たとえば操作電動機として構成さ
れている。

矢印１６により示す縦方向における座席クツシ
ヨン１２の移動のため、この座席クツシヨン１２
に付属の操作駆動装置１７が作用する。この操作
駆動装置１７に対しても、操作駆動装置１５につ
いて述べたのと同じことがいえる。さらに座席ク
ツシヨン１２の前部範囲しかも図では下方には操
作駆動装置１８が作用し、後部範囲には操作駆動
装置１５と同じ構成の操作駆動装置１９が作用す
る。すべての操作駆動装置１５，１７ないし１９
を図示したように圧力媒体で動作する操作シリン
ダたとえば液圧操作シリンダとして構成できるこ
とは明らかである。操作駆動装置１８の調節操作
は矢印２０のように高さ方向に行なわれ、操作駆
動装置１９の調節操作は矢印２１のように高さ方
向に行なわれる。

操作駆動装置１５が操作方向に付勢されると、
座席もたれ１１は矢印１４の方向に座席もたれ揺
動軸線１３のまわりに揺動運動する。

座席クツシヨン１２の両方の操作駆動装置１８
および１９が同時に同じ向きにたとえば高さ方向
（矢印２０および２１）へ付勢されると、それに
より座席クツシヨン１２が上昇される。両方の操
作駆動装置１８および１９が上方へではなく同時
に同じ向きに矢印２０および２１の方向に下方へ
動作すると、それにより座席クツシヨン１２が下
降される。操作駆動装置１８が付勢されると、座
席クツシヨン１２の前縁は操作駆動装置１８の付
勢方向に応じて上方あるいは下方へ動くが、いず
れも矢印２０の方向にわずかな揺動を行なう。そ
の際同時に他方の操作駆動装置１９を操作駆動装
置１８に対して逆向きに付勢することもできる。
これにより動作方向に応じて座席クツシヨン１２
の前縁の高さの調節が行なわれる。逆にただし他
の点では同じように、座席クツシヨン１２の後縁
の高さも調節可能である。

図示してない車両内部には操作装置（切換え装
置）３０があるが、その実際の構成では座席１０
の大きさに比較してかなり小さく構成されてい
る。切換え装置３０は操作駆動装置１５，１７な
いし１９の種類に応じて電気あるいは圧力媒体で
制御を行なう開閉器（図示せず）をもち、これら
の開閉器はそれぞれ操作駆動装置１５，１７ない
し１９に付属して、それらを操作する。これは概
略的に記入した作用線のみによつて示してある。

たとえば操作駆動装置１５には図示しない開閉
器が設けられ、点線で示す作用線３１を介して操
作駆動装置１５を制御する。

同じようにして操作駆動装置１７は鎖線の作用
線３２を介して、操作駆動装置１８は点線の作用
線３３を介して、操作駆動装置１９は点線の作用
線３４を介して、さらに両操作駆動装置１８およ
び１９は同時に同じ向きあるいは逆向きに鎖線の
作用線３５を介して制御される。

切換え装置３０は、座席もたれ１１および座席
クツシヨン１２に対して、それぞれ付属する独立
の切換えハンドル４１および４２をもつている。
図からわかるように、切換えハンドル４１は、表
象において座席もたれ１１の形状に一致するよう
に、その形状を形成されている。同じようにして
他方の切換えハンドル４２も、表象において座席
クツシヨン１２に一致するように、その形状を形
成されている。両切換えハンドル４１および４２
の配置も、表象において座席もたれ１１および座
席クツシヨン１２の配置に一致するように選ばれ
ている。座席もたれ１１が座席クツシヨン１２に
対してほぼ角形に配置されているのと全く同様
に、表象的な切換えハンドル４１は表象的な切換
えハンドル４２に対して角形に配置されている。

さらにそれぞれの切換えハンドル４１または４
２は、そのつど調節すべき座席部分したがつて座
席もたれ１１または座席クツシヨン１２の既に述
べた所定の調節方向に対応する方向へ運動できる
ように支持されている。両切換えハンドル４１お
よび４２は開閉器基板として構成された保持板４
３上に設けられている。図示した実施例では円形
である保持板４３は、各切換えハンドル４１また
は４２に付属する開閉器あるいは開閉接点（図示
せず）の保持体でもある。

座席もたれ１１を調節する切換えハンドル４１
は、保持板４３上で揺動軸線４４のまわりに矢印
４５の方向へ揺動可能に支持され、したがつて揺
動軸線１３のまわりにおける矢印１４の方向への
座席もたれ１１の支持および運動に対応してい
る。

座席クツシヨン１２の調節に用いられる他方の
切換えハンドル４２は、揺動軸線４６のまわりに
矢印４７および４８の方向へ揺動できるように支
持されている。揺動軸線４６のまわりに矢印４
７，４８の方向におけるこの揺動運動は、座席ク
ツシヨン１２の前縁あるいは後縁の高さの調節を
伴う座席クツシヨン１２の揺動運動に対応してい
る。したがつて揺動軸線４６は、座席クツシヨン
１２の面に対してほぼ平行に延びかつこの座席ク
ツシヨン１２の近くにおいて右下方あるいは左下
方あるいは他の個所にある座席クツシヨン調節軸
線に対応している。

さらに切換えハンドル４２は、矢印４９のよう
に縦軸線の方向とこれに対し矢印５０のようにほ
ぼ直角な垂直軸線の方向とへそれぞれ移動可能に
支持されている。その際矢印４９の方向における
縦方向移動可能性は、座席クツシヨン１２の矢印
１６で示す縦方向移動に対応している。矢印５０
のように垂直軸線の方向における切換えハンドル
４２の移動可能性は、矢印２０および２１の方向
における座席クツシヨン１２の高さ方向移動に対
応している。

図からわかるように、切換えハンドル４２の矢
印４９による縦軸線と矢印５０による垂直軸線は
交差し、矢印４７，４８の方向における揺動運動
の揺動軸線４６は交点を通つている。この交点は
切換えハンドル４２の長さおよび高さの中央にあ
るが、必ずしもそうである必要はない。

座席もたれ１１を調節する切換えハンドル４１
の揺動軸線４４は、切換えハンドル４１の図では
下端の範囲に設けられ、したがつて同様に座席も
たれ１１の揺動軸線１３に対応している。この場
合切換えハンドル４１の揺動軸線４４およびこの
切換えハンドル４１自体は、他方の切換えハンド
ル４２より上に離れてその運動範囲外にある。し
たがつて切換えハンドル４２が矢印４７ないし５
０のいずれかの方向に動く際、他方の切換えハン
ドル４１は静止しており、動かない。

その代りに、図示してないが、座席もたれを調
節する切換えハンドル４１を他方の切換えハンド
ル４２に設け、切換えハンドル４２の矢印４７な
いし５０の１つの方向への切換え運動の際切換え
ハンドル４１は切換えハンドル４２と共に動かさ
れるが、この切換えハンドル４２に対し独立して
座席もたれ１１の調節用揺動軸線４４のまわりに
依然として揺動可能であるようにすることができ
る。

見易さをそこなわないように、次の構成は図面
には示していない。すなわち各切換えハンドル４
１，４２には、その矢印４５または矢印４７ない
し５０の１つの調節方向に、戻しばねにより荷重
をかけることができる。切換えハンドルから手を
はなすと、これらの戻しばねを介して各切換えハ
ンドル４１，４２はばね弾性でそれぞれその初期
位置へ戻ることができる。そして切換えハンドル
４１，４２に付属する開閉器は、それぞれの切換
えハンドル４１，４２が調節のためつかまれてい
る期間中閉じているが手をはなされると開く常時
開路開閉器として構成されている。動作について
の以下の説明はこの構成について行なわれる。

さて座席もたれ１１の傾斜を調節する場合、使
用者はそのために切換えハンドル４１をつかむ。
揺動軸線４４のまわりに矢印４５の方向へ切換え
ハンドル４１を揺動運動させると、切換えハンド
ル４１に付属する開閉器が作用を受け、したがつ
て作用線３１を介して操作駆動装置１５が制御さ
れる。操作駆動装置１５が座席もたれ１１を本体
接点により検知可能な所望の傾斜へ調節するま
で、切換えハンドル４１を矢印４５の揺動方向に
保持せねばならない。それから切換えハンドル４
１から手をはなす。

座席クツシヨン１２を矢印１６のように縦方向
にたとえば図面で右方へ移動させる場合、切換え
ハンドル４２をつかんで、これを図面の矢印方向
４９へ同様に右方へ移動させる。それによりこれ
に付属する開閉器が作用を受け、作用線３２を介
して操作駆動装置を同様に制御する。座席クツシ
ヨン１２が矢印１６のように縦移動方向において
所望の位置に達すると、切換えハンドル４２から
手をはなすことができる。

座席クツシヨン１２を矢印２０，２１の方向に
たとえば上昇させようとすれば、切換えハンドル
４２を矢印５０の方向しかも図で上方へ移動させ
る。その際付属する開閉器が作用線３５を介して
両操作駆動装置１８および１９に同時にかつ同じ
向きに作用して、座席クツシヨン１２を高さ方向
に調節する。所望の高さに達すると、切換えハン
ドル４２から手をはなすことができる。そのとき
この切換えハンドル４２は、ばね弾性で再び図示
した初期位置へ戻される。これはすべてのハンド
ル操作において両切換えハンドル４１，４２に対
してあてはまる。切換えハンドル４２を図におい
て矢印５０の方向に下方へ移動させると、作用線
３５を介して操作駆動装置１８，１９が同時に同
じ向きにしかも矢印２０，２１の方向に下方へ作
用を受け、それにより座席クツシヨン１２が下降
される。

座席クツシヨン１２の前縁あるいは後縁の高さ
を変化しようとすれば、切換えハンドル４２を揺
動軸線４６のまわりに矢印４７あるいは４８の方
向に揺動させ、それにより作用線３３あるいは３
４を介して操作駆動装置１８，１９が同時にただ
し互いに逆向きに作用を受ける。矢印４８の方向
すなわち時計回りにおける切換えハンドル４２の
揺動操作により、座席クツシヨン１２の前縁が下
降する。矢印４７の方向したがつて反時計回りに
おける揺動操作により座席クツシヨン１２の前縁
が上昇する。同じようにして矢印４８あるいは４
７の方向における切換えハンドル４２の揺動操作
により、座席後縁の高さも調節され、しかも時計
回りの揺動の際上方へ、また反時計回りの揺動の
際下方へ調節される。

図示してない他の実施例では、切換えハンドル
４１，４２に付属する開閉器が位置追従開閉器と
して構成される。これは次のことを意味する。す
なわち座席調節のため操作すべき切換えハンドル
４１および（あるいは）４２は、使用者により所
望の座席位置に相当する位置へもたらされ、それ
から切換えハンドル４１，４２から手をはなすこ
とができ、これらハンドルはその位置に留まる。
そのとき座席１０は、それが切換えハンドル位置
に相当する位置へ達するまで、対応して調節され
る。したがつて使用者は切換えハンドル４１，４
２の調節運動により座席もたれ１１または座席ク
ツシヨン１２の所望の調節位置を規定し、それか
らハンドルをはなし、操作駆動装置を介して行な
われる座席１０の調節を待つことができる。その
際保持板４３とそれぞれの切換えハンドル４１，
４２が対応する位置標識をもつていると、特に有
利である。たとえば保持板４３上に切換えハンド
ル４１および４２の各調節範囲に対してそれぞれ
位置目盛りを設け、付属する切換えハンドル４１
または４２に適当な標識をつけることができる。
そうすれば、座席１０の調節の程度を切換え装置
３０の所で知ることができる。こうしてあらかじ
め精確に定められた座席位置を切換え装置３０に
おいて設定することができる。

【図面の簡単な説明】

図は概略的に示す作用線を介して操作駆動装置
を操作する切換え装置を含む操作駆動装置をもつ
車両用座席を縮小して示す概略側面図である。 １０…車両用座席、１１…背もたれ、１２…着
座部分、１３…揺動軸線、１５，１７，１８，１
９…操作駆動装置、３０…操作装置、４１，４２
…ハンドル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 座席の背もたれが、操作駆動装置により水平
   な揺動軸線のまわりに揺動して傾斜を調節可能に
   座席保持体に支持され、座席の着座部分が、別の
   操作駆動装置により垂直および水平に調節可能に
   または前縁または後縁の高さ位置を調節可能に座
   席保持体に支持され、操作駆動装置に付属する開
   閉器の操作が、所望の調節運動に応じて手で操作
   可能な操作装置により行なわれるものにおいて、
   操作装置３０が背もたれ１１の輪郭に相当する形
   状をもつ第１のハンドル４１と着座部分１２の輪
   郭に相当する形状をもつ第２のハンドル４２とを
   含み、両方のハンドル４１および４２が、使用状
   態における座席の輪郭に相当する相対位置に配置
   されていることを特徴とする車両用座席。 ２ 第１のハンドル４１の揺動軸線４４が第２の
   ハンドル４２の所に設けられていることを特徴と
   する、特許請求の範囲第１項に記載の車両用座
   席。 ３ 両方のハンドル４１および４２が保持板４３
   上に設けられていることを特徴とする、特許請求
   の範囲第１項に記載の車両用座席。 ４ 両方のハンドル４１および４２がそれぞれの
   初期位置の方向へばね荷重を受けていることを特
   徴とする、特許請求の範囲第１項に記載の車両用
   座席。