JPS6360130B2 - - Google Patents

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JPS6360130B2
JPS6360130B2 JP54127066A JP12706679A JPS6360130B2 JP S6360130 B2 JPS6360130 B2 JP S6360130B2 JP 54127066 A JP54127066 A JP 54127066A JP 12706679 A JP12706679 A JP 12706679A JP S6360130 B2 JPS6360130 B2 JP S6360130B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は吸水性を有するアクリル系複合繊維及
びその製造法に関する。 綿、羊毛、絹等の天然繊維は20〜40%の吸水性
があり、人間の体内から発する汗を十分吸収する
ため着用時の快適さが得られるが、合成繊維は制
電性及び吸湿性に欠けると共に吸水性、吸汗性を
有しない点で商品価値として天然繊維に劣る。特
に肌着、くつ下、毛布など寝装具、及びスポーツ
ウエア等において、吸水―吸汗性がなければ、体
外に発した汗は繊維表面に凝縮付着し、ベトツ
キ、冷感、体温調節機能の低下など、着用時の不
快さは免れない。 こうした合成繊維における吸水―吸汗性のなさ
を解決する為に従来より種々の改良がなされてき
た。改良方法の大部分は繊維中に微小な空孔を形
成させたり、繊維表面に凹凸を形成させたりする
ものである。例えば特開昭47―25418号公報、特
公昭47−15901号公報、特公昭48−6649号公報、
特公昭48−6650号公報にはアクリル繊維の製造工
程中での膨潤ゲルトウ中の微小なボイドを残存さ
せるよう温和な乾燥条件を選択する事により多孔
質のアクリル繊維を製造する方法が記載されてい
る。 又、特開昭47−25416号公報、特公昭48−8285
号公報、特公昭48−8286号公報にはアクリル繊維
の製造工程中での膨潤ゲルトウに水溶性化合物を
充填し、乾燥、後処理の後で、充填物を溶出さ
せ、ボイドを再生することが記載されている。 上記の方法に共通する点は、アクリル繊維の製
造工程中での膨潤ゲルトウの本来含有するミクロ
ボイドを、最終製品に残存させた多孔性アクリル
繊維を目的とすることにある。 この膨潤ゲルトウに含有されるミクロボイド
は、熱的に極めて不安定なものである。この為に
繊維製造工程において特に乾燥、収縮、クリンプ
セツト工程において高温処理を行なう事が出来
ず、最終製品の耐熱性、形態保持性、クリンプ安
定性に乏しく、製品の商品価値を著しく低下させ
る。得られた製品中のボイドは、ボイド半径10〜
1000Åと極めて微小である。こうした微小ボイド
を無数に、かつ繊維中均一に含有する為に、繊維
は強伸度が小さく、光沢に乏しく、かつ染色後の
色もくすんでいる等欠点が多いものである。又、
無数の微小なボイドが均一に存在する為に、繊維
の耐熱性が悪く高温染色、スチーミング処理、ア
イロン処理等において、ボイドが消滅し吸水性の
低下、色合いの変化、形態保持性の低下など重大
な品質の低下がみられる。 更にこうしたミクロボイドにより、吸水性を発
現させようとする事は、ミクロボイド同士がお互
いに独立して存在しやすく、繊維中へ水を吸収す
る通路となりにくい点で、効果的でない。即ち、
ある程度の吸水性を持たせる為にはかなりの量の
ミクロボイド含有率が必要となり、この事が更に
繊維性能、商品価値を低下させるという欠陥を有
している。従来より酢酸セルローズ―アクリル系
重合体、或いは酢酸セルローズ―モダクリル系共
重合体の混合紡糸により風合改良、染色改良等の
試みがなされている。例えば、特公昭31−968号
公報、特公昭33−2317号公報、特公昭39−14029
号公報にはアクリル系重合体或いはモダクリル系
共重合体に酢酸セルローズを混合した紡糸原液よ
り、染色性、風合を改良した繊維を製造する方法
が記載されている。この方法により得られた繊維
は、十分に緻密であつて、繊維内部にキヤビラリ
ー状のマクロボイドを持つ吸水性を有する繊維は
得られていない。更に、特公昭39−14030号公報
には、酢酸セルローズを混合する手段として、ア
クリル系重合体の重合時に添加することが記載さ
れているが、酢酸セルローズをアクリル系重合体
の重合時に添加したものを用いると、酢酸セルロ
ーズの変性の為に紡出糸条の耐熱性が低下し繊維
製造工程中のトラブルの原因となり又、製品の品
質も十分なものは得られない。 一方、特公昭42−6014号公報には電離性親水性
基の含有量が異なるアクリル系重合体を複合紡糸
するに当り、該親水性基含有量の少ない複合成分
としてアクリル系重合体の重合溶剤に可溶なセル
ローズ性重合体の存在下にアクリル系モノマーを
溶液重合せしめて得たセルローズ性重合体を含有
するアクリル系重合体を使用したアクリル系複合
繊維が開示されており、又特公昭43−551号公報
には酸性基を含有するアクリロニトリル系重合体
と塩基性基を含有するアクリロニトリル系重合体
を複合紡糸するに当り、そのうちの収縮率の小さ
い成分中にセルローズ性重合体を含有せしめるこ
とが記載されている。しかしながらこれらはいず
れも捲縮性、染色性の向上、セルローズ性重合体
の腰のある風合いをもたせることを目的とするも
のであり、多孔性の吸水性アクリル系複合繊維を
目的とするものでもなく、又それは斯かる方法で
は得られない。 又、全体が多孔性の場合、吸水性の点では満足
し得たとしても、繊維の外観、風合あるいは色調
の点で必ずしも満足し得ない。 本発明者等は従来の欠陥を排除すべく鋭意研究
の結果、本発明を完成したものである。 本発明の目的は優れた吸水性を有し且つ良好な
糸質、耐熱性及び染色後の色のさえを有するアク
リル系複合繊維を提供するにある。他の目的は優
れた吸水性を有し且つ良好な糸質耐熱性及び染色
後の糸のさえを有するアクリル系複合繊維を工業
的容易且つ安価に製造する方法を提供するにあ
る。 本発明の吸水性を有するアクリル系複合繊維は
酢酸セルローズ2〜50重量%とアクリル系重合体
50〜98重量%とよりなるA成分と、アクリル系重
合体よりなるB成分とが繊維軸方向に沿つて2/
8〜8/2(重量比)に接合されてなり、且つA
成分中には多数の空孔を有し、繊維全体としての
空孔率Vが0.05〜0.75cm3/gで空孔の表面積Aが
15m2/g以下であり、V/Aが1/30以上であ
り、且つ微小ボイドの存在が抑えられ巨大空孔を
有するものである。 本発明のA成分として適用される酢酸セルロー
ズは特に限定されないが、通常酢化度48〜63%で
平均重合度50〜300のものである。A成分中の酢
酸セルローズの量は2〜50重量%、好ましくは3
〜40重量%、特に好ましくは5〜30重量%であ
る。A成分中に分散された酢酸セルローズの量が
2重量%未満ではアクリル系重合体の相分離の量
が不十分で吸水性を満足することができず、一
方、50重量%を超えるとA成分側の強伸度低下が
著しくなり、A成分の剥離、脱落をもたらす為避
けねばならない。 本発明のA成分及びB成分として適用されるア
クリル系重合体としては少なくとも80重量%のア
クリロニトリルを含有するものであり、20重量%
未満の共重合可能なモノマー、例えばアクリル酸
メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル
等のアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエス
テル類、アクリルアミド及びメタクリルアミド等
のアミド類、及びそれらのN―モノ置換或いは
N,N―ジ置換アミド類、酢酸ビニル、及びスチ
レンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリルス
ルホン酸などのスルホン酸基含有のモノマー及び
それらの塩類等を含有する事が出来るが、特にア
リルスルホン酸又はメタリルスルホン酸及びそれ
らの塩を0.3〜1.2重量%共重合せしめることによ
り単に染色性を向上するに留まらず無数な微小の
ボイドの発生を抑止することにより耐熱性の低下
を抑え、更に、マクロな空孔を有し且つ吸水性に
優れた多孔性の繊維が得られる。 又、A成分として3〜50重量部の酢酸セルロー
ズ〔〕と、50〜97重量部のアクリル系重合体
〔〕と、〔〕と〔〕との総量100重量部に対
して0.5〜50重量部の下記一般式で示されるモノ
マーを5〜30重量%含有するアクリル系共重合体
〔〕とよりなるものを用いることもできる。こ
れにより、染色性及び光沢を更に改良することが
できる。 〔但し、X:H,NH4又はアルカリ金属或い
R1,R2:H又はCH3 l,mは0、又は50以下で、且つ1≦l+m≦
50を満足する整数〕 A成分及びB成分を構成するアクリル系重合体
中のアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル
アミド、酢酸ビニル、2―ヒドロキシエチルアク
リレート、2―ヒドロキシエチルメタクリレート
等の可塑成分の量に少なくとも2重量%の差をも
たせ、且つA成分とB成分とを偏心的に複合紡糸
することにより潜在捲縮性を有する複合繊維を得
ることができる。一方、A成分及びB成分を構成
するアクリル系重合体中の前記可塑成分の含有量
に実質的差異をなくすか、又は両成分を同心的に
複合紡糸することにより、実質的に潜在捲縮性を
有しない複合繊維を得ることも可能である。 A成分とB成分とは接年合比率2/8〜8/
2、好ましくは3/7〜7/3、特に好ましくは
4/6〜6/4で複合繊維される。接合比率が
2/8よりA成分が少なくなると複合繊維に十分
な吸水性を付与することができず、一方8/2を
越えると光沢や染色後の色のさえの低下をもたら
すため避けねばならない。接合比率はA成分及び
B成分の有機溶剤溶液の吐出量或いは重合体濃度
を変えることにより適宜変更し得る。 本発明の複合繊維においてA成分中の酢酸セル
ローズは繊維軸方向に筋状に細長く分散しその周
囲及び内部に空孔を有しており、又分散した酢酸
セルローズの筋の長さと直径との比は通常10以上
である。一方B成分は通常のアクリル系繊維と同
じ構造を有し、A成分中に見られる如き空孔を有
しない。A成分には実質的に微細空孔を含まず、
主として巨大空孔を含み、その巨大空孔は酢酸セ
ルローズとアクリル系重合体との相分離により生
じたものである。この巨大空孔が吸水性に大きく
貢献するものである。 本発明のアクリル系複合繊維は繊維全体として
空孔率が0.05〜0.75cm3/g、好ましくは0.05〜
0.60cm3/gで、空孔の表面積が15m2/g以下、好
ましくは0.02〜10m2/gである。 空孔率が0.05cm3/g未満では、繊維の吸水性が
十分でなく、一方0.75cm3/gを超えると繊維の強
度、伸度が低下するばかりでなく、光沢、染色性
にも悪影響を及ぼすので避けなければならない。 又、空孔の表面積が15m2/gを超えると繊維内
に微小な空孔が増加し、強度、伸度が低下するの
みでなく、染色性、耐熱性を低下させるので避け
なければならない。 又、空孔率Vと表面積Aとの比V/Aは1/30
以上、好ましくは1/20以上である。V/Aが
1/30未満では繊維中の空孔が小さく、その空孔
の大きさは例えば球に換算すると半径1000Å未満
となつて吸水性が十分でないばかりか強伸度の低
下、耐熱性の低下、染色性の低下等、大きな欠点
をもつ。尚、繊維中の空孔の表面積(m2/g)
は、液体窒素温度において、繊維に窒素ガスを吸
着させBET式により繊維の全表面積を求め、そ
の値から繊維外皮の表面積を差し引く事によつて
求めた。 こゝで測定に供する繊維の量としては、測定さ
れる全表面積の値が1m2以上になるよう調整し
た。又、空孔率(cm3/g)は、繊維と同一組成の
十分に緻密に作成したフイルムの密度ρ(g/cm3
を測定し、かつ写真法によつて求めた繊維の空孔
を含んだ平均断面積をS(cm2)とし式より求め
た繊維の空孔を含まない部分の真の平均断面積
So(cm2)として式により求められるものであ
る。 So=De/900000×ρ 但しDeはデニールである。 空孔率=1/ρ×S−So/So 本発明のアクリル系複合繊維は、酢酸セルロー
ズ2〜50重量部とアクリル系重合体50〜98重量部
よりなるA成分重合体を15〜35重量%、好ましく
は17〜30重量%含有する有機溶剤溶液Aと、アク
リル系重合体よりなるB成分重合体を15〜35重量
%、好ましくは17〜30重量%含有する有機溶剤溶
液Bとを紡糸浴中に接合紡糸して製造する。有機
溶剤溶液Aを調製するに際し、酢酸セルローズ3
〜50重量部とアクリル系重合体50〜97重量部に、
酢酸セルローズ及びアクリル系重合体との総量
100重量部に対し、0.5〜50重量部の前記一般式で
示されるモノマーを5〜30重量%含有するアクリ
ル系共重合体〔〕を含有させる事により、安定
した有機溶剤溶液を得る事が出来るので好まし
い。 本発明に適用する有機溶剤は酢酸セルローズ及
びアクリル系重合体の共通溶剤を使用しうるが、
通常はジメチルホルムアミド、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド、エチレンカーボネ
ート等の有機溶剤が、溶剤の回収、精製の点で好
ましい。又、凝固浴としては、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキ
シド、及びエチレンカーボネート等の有機溶剤の
水溶液、及びプロピルアルコール、ケロシン等の
有機溶剤が使用し得るが特に重合体の溶剤に使用
する有機溶剤の水溶液が好ましい。 凝固浴条件としては、通常のアクリル系合成繊
維製造の際の条件と大きく変わる事はない。有機
溶剤使用の湿式紡糸においてアクリル系重合体側
に発生するミクロボイドをより少なくする為に、
かつ凝固浴中の溶剤の揮発を抑制する為に凝固浴
の温度は高々30℃好ましくは25℃以下更に好まし
く20℃以下である。 紡糸原液中には紡糸原液がゲル化しない範囲の
水分を添加してもよい。この水分添加は紡糸原液
の粘度調整及び紡糸された糸のミクロボイド発生
の抑制という点で効果的である。 予め、A成分及びB成分の可塑成分に差をもた
せ、両成分を偏心的に複合紡糸すれば潜在捲縮性
を有する複合繊維が得られ、一方この可塑成分の
量に差をもたせないか、或いは両成分を同心的に
複合紡糸すれば潜在捲縮性のない複合繊維が得ら
れる。 本発明の複合繊維は通常のアクリル系繊維の紡
糸と同様に一般には有機溶剤溶液A,Bに使用し
たものと同じ溶剤の水溶液よりなる凝固浴中に複
合紡糸する。 紡出された複合繊維は数段の浴槽を通し、順次
延伸、水洗を行ない、2.5〜8倍、、好ましくは3
〜6倍の1次延伸を行なう。1次延伸が2.5倍未
満では、繊維の延伸、配向不足の為、強度が低
く、又繊維にクラツクが入り、避けねばならな
い。一方、8倍を超えると緻密化が進行し過ぎて
充分な吸水性が得られず、操業性の低下がある為
避けなければならない。 1次延伸を行なつた糸は、通常酢酸セルローズ
の筋状の分散及びアクリル系重合体との相分離に
より発生した空孔が、より明確になつている。
又、この繊維中には、通常の膨潤ゲルトウが本来
含有するミクロボイドも多数含まれている。この
ミクロボイドは一般的に繊維の吸水性への寄与は
小く、繊維の耐熱性、染色性、光沢など低下させ
る為に好ましくない。この為にミクロボイドと大
きなボイドが混在する繊維を乾燥し、ミクロボイ
ドを消去するが、この場合の乾燥条件としては
100〜180℃の温度で水分率1.0重量%以下になる
まで乾燥することにより、ミクロボイドのみを消
去し、相分離による大きなボイドは残す事が出来
る。 乾燥温度が100℃未満では、アクリル系重合体
側に多数存在するミクロボイドの焼きつぶしが完
全に行なわれず、糸の強伸度の低下や光沢染色性
及び耐熱性の低下がある。又、130℃を超えると
繊維の硬化、着色等を生じる為に避けなければな
らない。乾燥には繊維と高温の金属面が接するよ
うな熱ローラー型乾燥機を使用するのが好まし
い。又、補助的に100〜150℃の温度をもつ熱風の
吹き付けによる乾燥も併用すれば、乾燥の均一性
向上という点でより好ましいものとなる。乾燥上
りの繊維のもつ水分率は、1.0重量%以下に抑え
なければならない。水分率が1.0重量%を超える
と繊維の乾燥むらが生じ、部分的に多数のミクロ
ボイドが存在する事になり、染色むら、光沢む
ら、強度むら等品質の均一性を低下させる為に避
けなければならない。この乾燥工程において駆動
部にトレクモーターを使用し、乾燥と同時に5〜
15%の収縮を行なう事も可能である。 乾燥後の繊維は、繊維中のアクリル系重合体と
酢酸セルローズの相分離をより明確にし吸水性を
向上させると共に適度の繊維物性をもたせる為
に、湿熱下により3倍以下、好ましくは1.05〜2
倍の2次延伸を行なう必要がある。 延伸倍率が3倍を超えると糸切れが起り、それ
を避ける為高温にすると繊維の膠着及び融着が起
り、吸水性が著しく低下する。 2次延伸後潜在捲縮性をもつ複合繊維は捲縮特
性を高める為、収縮―延伸―収縮の如き後処理を
行なうことができる。2次延伸後、通常湿熱収
縮、オイリング、クリンプ付与、クリンプセツト
等により良い紡績性、及び性能を付与する後処理
工程を経て、最終製品となる。 本発明の複合繊維は熱水処理や水蒸気処理によ
つて容易に捲縮を発現させることができる。 本発明により得られるアクリル系複合繊維の特
長は、大きな吸水率、吸水速度をもつ事、吸水時
の湿潤強伸度がすぐれる事、良好な光沢をもつ
事、染色時の色が鮮明な事等が挙げられる。 又潜在捲縮性を有するアクリル系複合繊維は捲
縮を発現させる事により、良好な吸水性とともに
かさ高さ及び独特の豊かな風合いを持ち、従来に
ない新規な繊維である。 天然繊維においては、湿潤時にバルキー性、腰
感がなくなるが、本発明によるアクリル系複合繊
維においては、繊維中の空孔に水を吸い込むとい
う物理的な吸水機構である為に、繊維のバルキー
性、腰感の低下がなく、その上に吸水性、透水
性、透湿性にすぐれている。又、本発明による繊
維は、抗ピル的に極めてすぐれたものが出来る。
通常、抗ピル性付与の為には、アクリル系重合体
中の可塑成分量の減少、重合体分子量の減少、或
いは低分子量重合体の混合など、紡糸原液の改質
と延伸―収縮条件等、後処理条件の変化によつて
おり、この為に強伸度の低下、耐熱性の低下、紡
績性の低下など繊維性能の一部、及び操業性を犠
性にしているが、本発明によるアクリル系複合繊
維は、それら繊維性能及び操業性の低下もなく、
抗ピル性にすぐれたものであるる。 更に本発明によるアクリル系複合繊維は、空孔
率が0.05cm3/g〜0.75cm3/gであり、軽量性、保
湿性が極めてすぐれている。 こうした従来にない多くのすぐれた性能を持つ
本発明のアクリル系複合繊維の用途としては、内
外衣としての一般衣料はもちろん、スポーツウエ
ア、ふとん綿、カーテン等の寝装、インテリアな
どに最適である。又、綿代替品として綿が使用さ
れていた分野にも十分使用できる。 以下、実施例を示して、本発明を詳細に説明す
る。尚、実施例中で用いる部及び%は、特に断わ
らない限り重量部及び重量%を表わす。 又、吸水率はDIN―53814によつて測定した。 なお、捲縮数、捲縮率、残留捲縮率、捲縮弾性
率の測定はJISL―1074によつた。 実施例 1 アクリロニトリル(以下ANと略称する):ア
クリル酸メチル(以下MAと略称する):メタリ
ルスルホン酸ソーダ(以下SMASと略称する)=
90.6:9.0:0.4の組成よりなるアクリル系重合体
(100―C)部と酢酸セルローズC部よりなるA成
分重合体を22%になるようジメチルホルムアミド
(以下DMFFに溶解した溶液AとA成分重合体に
用いた同じアクリル系重合体を22%になるよう
DMFに溶解した溶液Bとを、AとBがサイドバ
イサイドに接合されるよう作られている紡糸口金
より接合比5/5(重量比)で20℃の65%DMF水
溶液から成る凝固浴中に紡出した。 紡糸後1次延伸を6倍行ない。120℃の熱ロー
ラー型乾燥機に於いて水分率が0.7%になるよう
乾燥し、次いで100℃の湿熱下で1.1倍の2次延伸
を行ない、クリンプ付与、クリンプセツト後3de
の繊維を得た。なおここで得られたアクリル系複
合繊維の潜在捲縮性は実質的にないものであつ
た。結果を第1表に示す。
【表】 実施例 2 AN:MA:SMAS=90.6:9.0:0.4よりなるア
クリル系重合体(100−C)部と酢酸セルローズ
C部よりなるA成分重合体と、AN:MA:
SMAS=90.4:9.0:0.6よりなるB成分重合体を、
各々重合体濃度22%になるようDMFに溶解した
溶液AとBとをAとBがサイドバイサイドに接合
されるよう作られている口金より、A成分とB成
分の接合比率が変化するよう各溶液の吐出量を変
えて、20℃の65%DMF水溶液から成る凝固浴中
に紡出した。紡出以後は実施例1と同様に処理
し、3deのアクリル系複合繊維を得た。結果を第
2表に示す。 ここで得られた複合繊維も実質的に潜在捲縮性
を有していないものであつた。
【表】
【表】 実施例 3 種々製造条件を変え第3表に示す3deのアクリ
ル系複合繊維を得た。尚紡糸原液としては実施例
1のものを用いた。
【表】 実施例 4 AN:MA:SMAS=91.5:8.0:0.5の組成をも
つアクリル系重合体80部と酢酸セルローズ20部と
よりなるA成分重合体及びAN:MA:SMAS=
89.0:10.5:0.5の組成をもつB成分重合体とを、
重合体濃度が各々23%になるようDMFに溶解し
た溶液A及びBを、20℃のDMF56%水溶液から
成る凝固浴中に接合比5/5(重量比)のサイド
バイサイドになるよう紡出し、第4表に示す1次
延伸を行なつた。水洗後125℃の熱ローラー型乾
燥機にて水分率が0.7%になるよう乾燥した後、
115℃の湿熱下にて1.4倍の2次延伸を行ない、ク
リンプ付与、クリンプセツト後潜在捲縮性を有す
る複合繊維を得た。
【表】 実施例 5 AN:MA:SMAS=90.6:9.0:0.4の組成をも
つ、アクリル系重合体70部と酢酸セルローズ30部
よりなるA成分重合体及びAN:MA:SMAS=
90.6:9.0:0.4の組成よりなるB成分重合体とを
各々DMFに重合体濃度25%になるよう溶解し、
有機溶剤溶液A及びBを作り、接合比5/5(重
量比)のサイドバイサイドになるよう25℃の60%
DMF水溶液から成る凝固浴中に紡出した。1次
延伸を4倍行ない水洗後第5表に示す温度を持つ
熱ローラー型乾燥機において、水分率が0.8%以
下になるまで乾燥させ、その後2次延伸を105℃
湿熱下1.6倍行ないクリンプ付与、クリンプセツ
ト後3deの繊維を得た。
【表】 実施例 6 実施例5の水洗上の膨潤トウを120℃の熱ロー
ラー型乾燥機において、種々の残留水分率になる
よう乾燥を行ないその後は実施例5に示す後処理
条件により3deの繊維を得た。 結果を第6表に示す。
【表】 実施例 7 AN:MA:SMAS=92.5:7.0:0.5の組成をも
つアクリル系重合体70部と酢酸セルローズ30部と
よりなるA成分重合体及びAN:MA:SMAS=
90.5:9.0:0.5の組成をもつB成分重合体を各々
DMFに重合体濃度25%になるよう溶解した溶液
A及びBを接合比5/5(重量比)のサイドバイ
サイドになるよう、18℃の60%DMF水溶液から
成る凝固浴中に接合紡糸した。5倍の1次延伸を
行ない水洗後、120℃の熱ローラー型乾燥機及び
130℃の熱風を併用し、水分率0.7%になるまで乾
燥した後、第8表に示す種々の条件にて2次延伸
を行なつた。2次延伸後、クリンプ付与、クリン
プセツト後、潜在捲縮性を有する複合繊維を得
た。 結果を第7表に示す。
【表】 実施例 8 AN:MA:SMAS=(99.5−x):x:0.5の組
成よりなるアクリル重合体(100−C)部と、酢
酸セルローズC部とよりなるA成分重合体及び
AN:MA:SMAS=(99.5−y):y:0.5の組成
よりなるB成分重合体を、各々重合体濃度23%に
なるようDMFに溶解した溶液A及びBとを、15
℃の56%DMF水溶液から成る凝固浴中に接合比
5/5(重量比)でサイドバイサイドになるよう
接合紡糸し、1次延伸を4倍行ない水洗後125℃
の熱ローラー型乾燥機にて、水分率が0.5%にな
るまで乾燥した。乾燥後115℃湿熱下において1.3
倍の2次延伸を行ない次いで130℃湿熱下におい
て0.9倍の1次収縮を行なつた。 しかる後、捲縮発現性を上げる為に、更に乾熱
下180℃において1.4倍の3次延伸及び乾熱下150
℃において0.9倍の2次収縮を行なつた後、クリ
ンプ付与、クリンプセツト後、3deの潜在捲縮性
を有する複合繊維を得た。本発明によつて得られ
た複合繊維は、比較例とそん色のない捲縮発現性
を有し、且つ改良された染色性とすぐれた吸水性
を示した。
【表】 実施例 9 AN:MA:SMAS=91.5:8.0:0.5の組成をも
つアクリル系共重合体70部と酢酸セルローズ30部
及び の組成よりなるアクリル系共重合体()10部よ
りなるA成分重合体とAN:MA:SMAS=
89.5:10.0:0.5の組成をもつB成分重合体を各々
重合体濃度23%になるようDMFに溶解した溶液
A及びBを5/5(重量比)に接合紡糸し、実施
例6に示す紡糸、後処理条件にて処理し、3deの
潜在捲縮性を有する複合繊維を得た。 得られた繊維は、空孔率0.20cm3/g、空孔の表
面積1.13m2/gの空孔形態を有し、吸水率は27%
であつた。潜在捲縮は100℃、5分間の沸水処理
により容易に発現させる事が出来た。捲縮発現後
の繊維は、強度27g/de、伸度32.3%、捲縮数32
ケ/インチ、捲縮率46%、捲縮弾性率74%、残留
捲縮率34%であつて良好なバルキー性を有してい
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酢酸セルローズ2〜50重量%とアクリル系重
    合体50〜98重量%とよりなるA成分と、アクリル
    系重合体よりなるB成分とが繊維軸方向に沿つて
    2/8〜8/2(重量比)に接合されてなり、且
    つA成分中には多数の空孔を有し、繊維全体とし
    ての空孔率Vが0.05〜0.75cm3/gで空孔の表面積
    Aが15m2/g以下であり、V/Aが1/30以上で
    あり、且つ微小ボイドの存在が抑えられ巨大空孔
    を有する吸水性を有するアクリル系複合繊維。 2 A成分とB成分とが収縮性に差を有し、且つ
    両成分が繊維軸方向に沿つて偏心的に接合されて
    おり、実質的に潜在捲縮性を有する特許請求の範
    囲第1項記載の繊維。 3 A成分とB成分とが実質的に収縮性に差がな
    く、潜在捲縮性を有しない特許請求の範囲第1項
    記載の繊維。 4 A成分とB成分との重量比が3/7〜7/3
    である特許請求の範囲第1項記載の繊維。 5 A成分中において酢酸セルローズが繊維軸方
    向に沿つて筋状に分散した特許請求の範囲第1項
    記載の繊維。 6 アクリル系重合体が少なくとも80重量%のア
    クリルニトリルと0.3〜1.2重量%のスルホン酸基
    をもつ共重合可能なモノマーを含有する特許請求
    の範囲第1項記載の繊維。
JP12706679A 1979-06-18 1979-10-01 Composite acrylic fiber having water absorption and its preparation Granted JPS5653209A (en)

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