JPH07216655A - 熱形態安定性良好なアクリル系繊維 - Google Patents
熱形態安定性良好なアクリル系繊維Info
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- JPH07216655A JPH07216655A JP1124794A JP1124794A JPH07216655A JP H07216655 A JPH07216655 A JP H07216655A JP 1124794 A JP1124794 A JP 1124794A JP 1124794 A JP1124794 A JP 1124794A JP H07216655 A JPH07216655 A JP H07216655A
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- JP
- Japan
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- fiber
- acrylonitrile
- polysulfone
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- Artificial Filaments (AREA)
- Multicomponent Fibers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた熱形態安定性を有するアクリル系繊維
を提供する。 【構成】 3〜50重量%のポリスルホン系重合体を含
有するアクリル系繊維であって、ポリスルホン系重合体
が繊維軸方向に実質的に連続している熱形態安定性良好
なアクリル系繊維である。
を提供する。 【構成】 3〜50重量%のポリスルホン系重合体を含
有するアクリル系繊維であって、ポリスルホン系重合体
が繊維軸方向に実質的に連続している熱形態安定性良好
なアクリル系繊維である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた熱形態安定性を
有するアクリル系繊維に関するものである。
有するアクリル系繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にアクリル系繊維は、羊毛に類似し
た風合いを有し、良好な耐摩耗性、優れた染色性を有し
ており、衣料用繊維として用いられている。しかしなが
ら、一方では、アクリル系繊維は熱形態安定性が悪いと
いう大きな欠点をも有している。即ち、従来のアクリル
系繊維またはアクリル系繊維と他の繊維とから作られた
紡績糸、織物、衣服は、高温での洗浄、染色等にさらさ
れた時、変形して伸びたり、織り目がゆがんだり、アイ
ロンがけした時の加熱張力によって編織物が波打った
り、編織組織がつぶれテカリや変色をきたし、著しく商
品価値を低下させるものであった。
た風合いを有し、良好な耐摩耗性、優れた染色性を有し
ており、衣料用繊維として用いられている。しかしなが
ら、一方では、アクリル系繊維は熱形態安定性が悪いと
いう大きな欠点をも有している。即ち、従来のアクリル
系繊維またはアクリル系繊維と他の繊維とから作られた
紡績糸、織物、衣服は、高温での洗浄、染色等にさらさ
れた時、変形して伸びたり、織り目がゆがんだり、アイ
ロンがけした時の加熱張力によって編織物が波打った
り、編織組織がつぶれテカリや変色をきたし、著しく商
品価値を低下させるものであった。
【0003】以上のような欠点を改良するため、アクリ
ル系繊維の熱形態安定性を改良する種々の試みがなされ
ている。たとえば、特開昭49−125630号公報で
は、架橋性単量体を共重合したアクリロニトリル系共重
合体を架橋処理した繊維が開示されている。
ル系繊維の熱形態安定性を改良する種々の試みがなされ
ている。たとえば、特開昭49−125630号公報で
は、架橋性単量体を共重合したアクリロニトリル系共重
合体を架橋処理した繊維が開示されている。
【0004】また、特開昭56−148915号公報に
は、シアノエチル化セルロースを補強材としてアクリロ
ニトリル系共重合体に微細な繊維状に分散させたアクリ
ル系繊維が提案されている。
は、シアノエチル化セルロースを補強材としてアクリロ
ニトリル系共重合体に微細な繊維状に分散させたアクリ
ル系繊維が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
繊維は、脆く、実用には供せないものであったし、後者
の繊維は、その熱形態安定性を発現するには、セルロー
ス誘導体の結晶配向を制御する困難がある。
繊維は、脆く、実用には供せないものであったし、後者
の繊維は、その熱形態安定性を発現するには、セルロー
ス誘導体の結晶配向を制御する困難がある。
【0006】本発明の目的は、上記のような問題点を解
決した、優れた熱形態安定性を有するアクリル系繊維を
提供することにある。
決した、優れた熱形態安定性を有するアクリル系繊維を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明に至った。即
ち、本発明の要旨は、97〜50重量%のアクリロニト
リル系共重合体と3〜50重量%のポリスルホン系重合
体からなるアクリル系繊維であって、ポリスルホン系重
合体が繊維軸方向に実質的に連続していることを特徴と
する、熱形態安定性良好なアクリル系繊維にある。
的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明に至った。即
ち、本発明の要旨は、97〜50重量%のアクリロニト
リル系共重合体と3〜50重量%のポリスルホン系重合
体からなるアクリル系繊維であって、ポリスルホン系重
合体が繊維軸方向に実質的に連続していることを特徴と
する、熱形態安定性良好なアクリル系繊維にある。
【0008】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
におけるアクリロニトリル系共重合体は、少なくとも8
5重量%のアクリロニトリルを含有することが好まし
い。アクリロニトリルの含有率が85重量%未満の場合
は、衣料用との繊維として必要な繊維物性やアクリル系
繊維としての特徴をかく虞がある。
におけるアクリロニトリル系共重合体は、少なくとも8
5重量%のアクリロニトリルを含有することが好まし
い。アクリロニトリルの含有率が85重量%未満の場合
は、衣料用との繊維として必要な繊維物性やアクリル系
繊維としての特徴をかく虞がある。
【0009】本発明で用いるアクリロニトリル系共重合
体を構成するアクリロニトリル以外の単量体としては、
重合可能なビニル系単量体であればよく、特に限定しな
いが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビ
ニル、スチレン、アクリルアミド類が挙げられる。また
染色性改良のため、(メタ)アクリル酸塩、(メタ)ア
クリルスルホン酸塩、ビニルベンゼンスルホン酸塩等の
塩類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビ
ニルピリジン等を共重合することも可能である。
体を構成するアクリロニトリル以外の単量体としては、
重合可能なビニル系単量体であればよく、特に限定しな
いが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、酢酸ビ
ニル、スチレン、アクリルアミド類が挙げられる。また
染色性改良のため、(メタ)アクリル酸塩、(メタ)ア
クリルスルホン酸塩、ビニルベンゼンスルホン酸塩等の
塩類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビ
ニルピリジン等を共重合することも可能である。
【0010】また、本発明で用いるポリスルホン系重合
体は、熱形態安定性を向上するための物性を有していれ
ば、どのようなものでもよいが、後述する紡糸原液とす
るためには、アクリロニトリル系共重合体と共通の溶剤
に溶解すると都合がよい。たとえば、共通の溶媒に溶解
するポリスルホン系重合体として以下のようなものがあ
る。
体は、熱形態安定性を向上するための物性を有していれ
ば、どのようなものでもよいが、後述する紡糸原液とす
るためには、アクリロニトリル系共重合体と共通の溶剤
に溶解すると都合がよい。たとえば、共通の溶媒に溶解
するポリスルホン系重合体として以下のようなものがあ
る。
【0011】
【化1】
【0012】本発明におけるアクリル系繊維が熱形態安
定性を有するためには、繊維中のポリスルホン系重合体
の含有率が、3〜50重量%であることが必要である。
さらに十分な熱形態安定生を得るためには、10重量%
以上含有することが好ましい。ポリスルホン系重合体の
含有率が50重量%を越えると、紡糸時、糸切れが多発
すると共に毛羽が発生し、好ましくない。
定性を有するためには、繊維中のポリスルホン系重合体
の含有率が、3〜50重量%であることが必要である。
さらに十分な熱形態安定生を得るためには、10重量%
以上含有することが好ましい。ポリスルホン系重合体の
含有率が50重量%を越えると、紡糸時、糸切れが多発
すると共に毛羽が発生し、好ましくない。
【0013】また、本発明におけるアクリル系繊維が熱
形態安定性を有するためには、ポリスルホン系重合体成
分が繊維軸方向に実質的に分断されることなく連続して
いることも必要である。ポリスルホン系重合体成分が繊
維軸方向に実質的に連続した形態は、たとえば、以下に
述べる製造方法によって実現することができる。
形態安定性を有するためには、ポリスルホン系重合体成
分が繊維軸方向に実質的に分断されることなく連続して
いることも必要である。ポリスルホン系重合体成分が繊
維軸方向に実質的に連続した形態は、たとえば、以下に
述べる製造方法によって実現することができる。
【0014】本発明のアクリル系繊維に熱形態安定生に
加えて、通常のアクリル系繊維と同等の風合い、染色性
が要求されるときは、ポリスルホン系重合体を芯または
島成分とし、アクリロニトリル系共重合体を鞘または海
成分とする複合繊維、または、ポリスルホン系重合体と
アクリロニトリル系共重合体とからなる混合物を芯また
は島成分とし、アクリロニトリル系共重合体を鞘または
海成分とする複合繊維とすることが好ましい。鞘部また
は海部にポリスルホン系重合体、またはアクリロニトリ
ル系共重合体とポリスルホン系重合体の混合物からなる
ときは、風合いおよび染色性の低下が避けられない。な
お、この時、鞘部と芯部を構成するアクリロニトリル系
共重合体は、同一組成であっても、異なる組成であって
もよい。
加えて、通常のアクリル系繊維と同等の風合い、染色性
が要求されるときは、ポリスルホン系重合体を芯または
島成分とし、アクリロニトリル系共重合体を鞘または海
成分とする複合繊維、または、ポリスルホン系重合体と
アクリロニトリル系共重合体とからなる混合物を芯また
は島成分とし、アクリロニトリル系共重合体を鞘または
海成分とする複合繊維とすることが好ましい。鞘部また
は海部にポリスルホン系重合体、またはアクリロニトリ
ル系共重合体とポリスルホン系重合体の混合物からなる
ときは、風合いおよび染色性の低下が避けられない。な
お、この時、鞘部と芯部を構成するアクリロニトリル系
共重合体は、同一組成であっても、異なる組成であって
もよい。
【0015】次に、本発明のアクリル系繊維の製造方法
を例示する。ポリスルホン系重合体は、アクリロニトリ
ル系共重合体とは、溶液状態において、混和性はある
が、相溶性はない。したがって、ポリスルホン系重合体
と溶媒とからなる紡糸原液とアクリロニトリル系共重合
体と溶媒からなる紡糸原液とを混合した後、紡糸口金よ
り凝固浴中に吐出しても、ポリスルホン系重合体成分が
繊維軸方向に実質的に分断されることなく連続している
状態とすることができる。
を例示する。ポリスルホン系重合体は、アクリロニトリ
ル系共重合体とは、溶液状態において、混和性はある
が、相溶性はない。したがって、ポリスルホン系重合体
と溶媒とからなる紡糸原液とアクリロニトリル系共重合
体と溶媒からなる紡糸原液とを混合した後、紡糸口金よ
り凝固浴中に吐出しても、ポリスルホン系重合体成分が
繊維軸方向に実質的に分断されることなく連続している
状態とすることができる。
【0016】また、公知の複合紡糸口金により、ポリス
ルホン系重合体紡糸原液が芯または島部、アクリロニト
リル系重合体紡糸原液が鞘または海部となるように凝固
浴中に吐出し、積極的にポリスルホン系重合体成分が繊
維軸方向に分断されることなく連続している状態とする
ことやポリスルホン系重合体、アクリロニトリル系重合
体混合紡糸原液を芯または島部、アクリロニトリル系重
合体紡糸原液が鞘または海部となるように凝固浴中に吐
出し、ポリスルホン系重合体成分が繊維軸方向に実質的
に分断されることなく連続している状態とすることが、
上述のように熱形態安定生に加えて、通常のアクリル系
繊維と同等の風合い、染色性を残す上からは好ましい。
ルホン系重合体紡糸原液が芯または島部、アクリロニト
リル系重合体紡糸原液が鞘または海部となるように凝固
浴中に吐出し、積極的にポリスルホン系重合体成分が繊
維軸方向に分断されることなく連続している状態とする
ことやポリスルホン系重合体、アクリロニトリル系重合
体混合紡糸原液を芯または島部、アクリロニトリル系重
合体紡糸原液が鞘または海部となるように凝固浴中に吐
出し、ポリスルホン系重合体成分が繊維軸方向に実質的
に分断されることなく連続している状態とすることが、
上述のように熱形態安定生に加えて、通常のアクリル系
繊維と同等の風合い、染色性を残す上からは好ましい。
【0017】本発明における紡糸原液の溶媒は、アクリ
ロニトリル系共重合体とポリスルホン系重合体とを実質
的に同時に溶解すればよく、特に限定しないが、たとえ
ば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド等が挙げられる。また、紡糸原液中
の固形分濃度、すなわち、紡糸原液中のアクリロニトリ
ル系共重合体、ポリスルホン系重合体の濃度は、溶媒の
種類、重合体の重合度、組成比等により、詳細な好適範
囲は異なるが、20〜50重量%であればよく、紡糸に
好適な粘度にすればよい。
ロニトリル系共重合体とポリスルホン系重合体とを実質
的に同時に溶解すればよく、特に限定しないが、たとえ
ば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジ
メチルスルホキシド等が挙げられる。また、紡糸原液中
の固形分濃度、すなわち、紡糸原液中のアクリロニトリ
ル系共重合体、ポリスルホン系重合体の濃度は、溶媒の
種類、重合体の重合度、組成比等により、詳細な好適範
囲は異なるが、20〜50重量%であればよく、紡糸に
好適な粘度にすればよい。
【0018】凝固浴を経た凝固糸は、その後、公知の水
洗、延伸、乾燥、熱セット等の工程を経て、最終繊維と
なる。
洗、延伸、乾燥、熱セット等の工程を経て、最終繊維と
なる。
【0019】
【実施例】以下実施例により、本発明を更に具体的に説
明する。なお、本実施例中での繊維の評価は次の方法に
依った。
明する。なお、本実施例中での繊維の評価は次の方法に
依った。
【0020】・湿熱時伸長弾性率 繊維を50℃の温水中で、JIS L1013 7.9
伸長弾性率(B法)に準拠した方法で測定した。
伸長弾性率(B法)に準拠した方法で測定した。
【0021】・熱形態安定性 熱形態安定性は、繊維に0.08グラム/デニールの荷
重をかけ、沸騰水浴中に10分間放置後の繊維長S1を
測定し、下式により算出した。
重をかけ、沸騰水浴中に10分間放置後の繊維長S1を
測定し、下式により算出した。
【0022】
【数1】
【0023】S0 : 室温、乾燥状態にて荷重(0.0
7グラム/デニール)をかけたときの繊維長 S1 : 沸水中で荷重(0.07グラム/デニール)を
かけ、、10分経過後繊維長
7グラム/デニール)をかけたときの繊維長 S1 : 沸水中で荷重(0.07グラム/デニール)を
かけ、、10分経過後繊維長
【0024】(実施例1)アクリロニトリル95.0重
量%、酢酸ビニル5.0重量%からなるアクリロニトリ
ル共重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、固形分濃
度24重量%の紡糸原液Aを調製した。ポリスルホン系
重合体としてユーデルP−3500(アモコ社製)を同
じくジメチルアセトアミドに溶解し、固形分濃度30重
量%の紡糸原液Bを調製した。紡糸原液Aと紡糸原液B
とを紡糸原液A/紡糸原液B=7/3(重量比)で混合
し、紡糸原液Cとした。紡糸原液Cはミクロ相分離状態
を呈し、白濁した状態であったが、一晩放置しても2相
に分離することなく、ミクロ相分離の状態は安定であっ
た。
量%、酢酸ビニル5.0重量%からなるアクリロニトリ
ル共重合体をジメチルアセトアミドに溶解し、固形分濃
度24重量%の紡糸原液Aを調製した。ポリスルホン系
重合体としてユーデルP−3500(アモコ社製)を同
じくジメチルアセトアミドに溶解し、固形分濃度30重
量%の紡糸原液Bを調製した。紡糸原液Aと紡糸原液B
とを紡糸原液A/紡糸原液B=7/3(重量比)で混合
し、紡糸原液Cとした。紡糸原液Cはミクロ相分離状態
を呈し、白濁した状態であったが、一晩放置しても2相
に分離することなく、ミクロ相分離の状態は安定であっ
た。
【0025】紡糸原液Cを80℃に加熱した後、孔数3
0、オリフィス口径0.075mmφの紡糸口金を通し
て凝固浴(50℃、60重量%のジメチルアセトアミド
水溶液)中に吐出した。5倍延伸、蒸熱緩和処理を施
し、4デニールの繊維を得た。評価結果を表1に示し
た。
0、オリフィス口径0.075mmφの紡糸口金を通し
て凝固浴(50℃、60重量%のジメチルアセトアミド
水溶液)中に吐出した。5倍延伸、蒸熱緩和処理を施
し、4デニールの繊維を得た。評価結果を表1に示し
た。
【0026】(実施例2)実施例1の紡糸原液Aおよび
Bを別々に80℃に加熱した後、孔数30、オリフィス
口径0.075mmφの芯鞘型複合紡糸口金を通して紡
糸原液Aを鞘部より、紡糸原液Bを芯部より凝固浴(5
0℃、60重量%のジメチルアセトアミド水溶液)中に
吐出した。紡糸原液AおよびBの吐出量を調節して、芯
/鞘比率を1/7にした。2倍延伸、蒸熱緩和処理をし
て、5.4デニールの複合繊維を得た。評価結果を表1
に示した。得られた繊維は、通常のアクリル系繊維と同
等な風合いを示し、カチオン染料で染色したところ、優
れた染色性を示した。
Bを別々に80℃に加熱した後、孔数30、オリフィス
口径0.075mmφの芯鞘型複合紡糸口金を通して紡
糸原液Aを鞘部より、紡糸原液Bを芯部より凝固浴(5
0℃、60重量%のジメチルアセトアミド水溶液)中に
吐出した。紡糸原液AおよびBの吐出量を調節して、芯
/鞘比率を1/7にした。2倍延伸、蒸熱緩和処理をし
て、5.4デニールの複合繊維を得た。評価結果を表1
に示した。得られた繊維は、通常のアクリル系繊維と同
等な風合いを示し、カチオン染料で染色したところ、優
れた染色性を示した。
【0027】(実施例2〜4)ユーデルP−3500
(アモコ社製)をジメチルアセトアミドに溶解し、固形
分濃度24重量%の紡糸原液Dを調製した。実施例1の
紡糸原液Aと紡糸原液Dとを紡糸原液A/紡糸原液D=
7/3(重量比)で混合し、紡糸原液Eとした。紡糸原
液Eはミクロ相分離し、白濁した状態であったが、一晩
放置しても2相に分離することなく、分離状態は安定で
あった。
(アモコ社製)をジメチルアセトアミドに溶解し、固形
分濃度24重量%の紡糸原液Dを調製した。実施例1の
紡糸原液Aと紡糸原液Dとを紡糸原液A/紡糸原液D=
7/3(重量比)で混合し、紡糸原液Eとした。紡糸原
液Eはミクロ相分離し、白濁した状態であったが、一晩
放置しても2相に分離することなく、分離状態は安定で
あった。
【0028】紡糸原液AおよびEを80℃に加熱した
後、孔数30、オリフィス口径0.075mmφの芯鞘
型複合紡糸口金を通して紡糸原液Aを鞘部より、紡糸原
液Eを芯部より凝固浴(50℃、60重量%のジメチル
アセトアミド水溶液)中に吐出した。紡糸原液Aおよび
Bの吐出量を調節して、芯/鞘比率(重量比)を1/
7、1/2、1/1にした。2倍延伸、蒸熱緩和処理を
して、4デニールの複合繊維を得た。評価結果を表1に
示した。得られた繊維は、いずれも通常のアクリル系繊
維と同等な風合いを示し、カチオン染料で染色したとこ
ろ、優れた染色性を示した。
後、孔数30、オリフィス口径0.075mmφの芯鞘
型複合紡糸口金を通して紡糸原液Aを鞘部より、紡糸原
液Eを芯部より凝固浴(50℃、60重量%のジメチル
アセトアミド水溶液)中に吐出した。紡糸原液Aおよび
Bの吐出量を調節して、芯/鞘比率(重量比)を1/
7、1/2、1/1にした。2倍延伸、蒸熱緩和処理を
して、4デニールの複合繊維を得た。評価結果を表1に
示した。得られた繊維は、いずれも通常のアクリル系繊
維と同等な風合いを示し、カチオン染料で染色したとこ
ろ、優れた染色性を示した。
【0029】(実施例6)実施例1の紡糸原液Aおよび
Bを別々に80℃に加熱した後、孔数30、オリフィス
口径0.075mmφ、6個の島部吐出孔を有する海島
型複合紡糸口金を通して紡糸原液Aを海部より、紡糸原
液Bを島部より凝固浴(50℃、60重量%のジメチル
アセトアミド水溶液)中に吐出した。紡糸原液Aおよび
Bの吐出量を調節して、島/海比率(重量比)を1/7
にした。2倍延伸、蒸熱緩和処理をして、4デニールの
複合繊維を得た。評価結果を表1に示した。得られた繊
維は、通常のアクリル系繊維と同等な風合いを示し、カ
チオン染料で染色したところ、優れた染色性を示した。
Bを別々に80℃に加熱した後、孔数30、オリフィス
口径0.075mmφ、6個の島部吐出孔を有する海島
型複合紡糸口金を通して紡糸原液Aを海部より、紡糸原
液Bを島部より凝固浴(50℃、60重量%のジメチル
アセトアミド水溶液)中に吐出した。紡糸原液Aおよび
Bの吐出量を調節して、島/海比率(重量比)を1/7
にした。2倍延伸、蒸熱緩和処理をして、4デニールの
複合繊維を得た。評価結果を表1に示した。得られた繊
維は、通常のアクリル系繊維と同等な風合いを示し、カ
チオン染料で染色したところ、優れた染色性を示した。
【0030】(比較例1)実施例2の紡糸原液Aを80
℃に加熱した後、孔数30、オリフィス口径0.075
mmφの紡糸口金を通して凝固浴(50℃、60重量%
のジメチルアセトアミド水溶液)中に吐出した。5倍延
伸、蒸熱緩和処理をして、4.3デニールの繊維を得
た。評価結果を表1に示した。
℃に加熱した後、孔数30、オリフィス口径0.075
mmφの紡糸口金を通して凝固浴(50℃、60重量%
のジメチルアセトアミド水溶液)中に吐出した。5倍延
伸、蒸熱緩和処理をして、4.3デニールの繊維を得
た。評価結果を表1に示した。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】上述の如く構成された本発明によれば、
アクリル繊維の熱形態安定性を向上できる。
アクリル繊維の熱形態安定性を向上できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福居 雄一 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内 (72)発明者 林 省治 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 97〜50重量%のアクリロニトリル系
共重合体と3〜50重量%のポリスルホン系重合体から
なるアクリル系繊維であって、ポリスルホン系重合体が
繊維軸方向に実質的に連続していることを特徴とする、
熱形態安定性良好なアクリル系繊維。 - 【請求項2】 ポリスルホン系重合体を芯または島成分
とし、アクリロニトリル系共重合体を鞘または海成分と
する複合繊維である、請求項1記載のアクリル系繊維。 - 【請求項3】 ポリスルホン系重合体とアクリロニトリ
ル系共重合体とからなる混合物を芯または島成分とし、
アクリロニトリル系共重合体を鞘または海成分とする複
合繊維である、請求項1記載のアクリル系繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1124794A JPH07216655A (ja) | 1994-02-02 | 1994-02-02 | 熱形態安定性良好なアクリル系繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1124794A JPH07216655A (ja) | 1994-02-02 | 1994-02-02 | 熱形態安定性良好なアクリル系繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07216655A true JPH07216655A (ja) | 1995-08-15 |
Family
ID=11772621
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1124794A Pending JPH07216655A (ja) | 1994-02-02 | 1994-02-02 | 熱形態安定性良好なアクリル系繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH07216655A (ja) |
-
1994
- 1994-02-02 JP JP1124794A patent/JPH07216655A/ja active Pending
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