JPS6123295B2 - - Google Patents
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- JPS6123295B2 JPS6123295B2 JP4871278A JP4871278A JPS6123295B2 JP S6123295 B2 JPS6123295 B2 JP S6123295B2 JP 4871278 A JP4871278 A JP 4871278A JP 4871278 A JP4871278 A JP 4871278A JP S6123295 B2 JPS6123295 B2 JP S6123295B2
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Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
本発明は、吸湿、吸水性に優れ、嵩高性などの
独特の風合、外観を有するアクリル系紡績糸に関
する。 アクリル系繊維に代表される合成繊維は、吸
湿、吸水性が非常に小さい。従つて、こらの繊維
から成るインナーウエアは気心地が非常に悪く、
天然繊維、特に木綿と混用されているのが現状で
ある。 一方、特開昭52−107326号及び特開昭52−
107326号公報などにより、コアジヤケツト構造を
有する吸水性アクリル系繊維が提案され、その卓
越した吸水能は木綿に代替し得るとされている。 しかしながらこの繊維は、その繊維構造に起因
する、水に濡らすと湿つた感じがとれなく、木
綿のような触感が得られない、発色性が非常に
悪い、堅ロウな染色ができない、強度が十分
でない。などの実用性能の点で多くの欠点を有し
ている。 本発明の目的は、これらの実用性能の欠点をな
くすとともに、吸水性アクリル系繊維の卓越した
吸水能はそのまま生かしたアクリル系紡績糸を提
供することを目的とする。 かかる目的は、次のような構成をとることによ
つて達成される。 「少なくとも95モル%のアクリロニトリルと該
アクリロニトリルと共重合性のビニル基含有化合
5モル%以下との共重合体からなり、直径約100
―3000オングストロームの微多孔質のコア層と緻
密なスキン層を有し、かつ保水率が少なくとも30
%である吸水性アクリル系繊維が内層部を形成
し、通常のアクリル系繊維が外層部を形成してお
り、該吸水性アクリル系繊維と通常のアクリル系
繊維の混合比が80:20〜20:80の範囲内にあるこ
とを特徴とするアクリル系紡績糸。」 以下、本発明について詳説する。 本発明のアクリル系紡績糸は、水分が糸条内部
に保持され、糸条表面は乾いた感触となるため、
吸湿性が木綿なみである。また、表層部が通常の
アクリル系繊維であるため発色性および堅ロウ度
が非常に悪く、強度が十分でない吸水性アクリル
系繊維の欠点が完全にカバーされている。更には
内層部に吸水性アクリル系繊維を用いているた
め、従来のアクリル系繊維およびアクリル天然繊
維混にない形態安定性の良いものである。 内層部を構成する吸水性アクリル系繊維は、例
えば少なくとも95モル%のアクリロニトリル(以
下ANと略す)と該ANと共重合性のビニル基含有
化合物5モル%以下からなるAN系共重合体の有
機溶剤溶液を、浴温が少なくとも30℃,好ましく
は40℃以上の該有機溶剤―水系凝固浴中に吐出
し、少なくとも5倍以上延伸した後水洗し、得ら
れた糸条に油剤を含浸させて湿熱処理し、次いで
100℃以上、好ましくは120〜170℃で乾燥するこ
とにより得られない。 該ビニル基含有化合物としては、アリルスルホ
ン酸、メタリルスルホン酸およびそれらの金属塩
に代表されるスルホン酸基含有ビニル系モノマが
好ましい。 AN系共重合体の溶剤としては、吸水性能の面
からジメチルスルホオキシド、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、もしくはこれらの
混合溶剤などの有機溶剤が好ましい。 その他、かかる吸水性アクリル系繊維を得るに
は、例えば特開昭52−70113,52−103526,52−
103527,52−107326,52−110924,52−114722,
などに記載される方法でもよく、特に限定される
ものではない。 このようなAN系共重合体からなる吸水性アク
リル系繊維は、直径が約100〜3000Åの孔を有す
る網状フイブリルが実質的に繊維軸方向に配列し
た微細な多孔面のコア層、および直径が100Å以
上の孔をほとんど有しない、いわゆる緻密化され
た構造を有する厚さが1000〜2000Åのスキン層と
から形成されており、このような層状構造を有す
ることによつてはじめて、汗、水分などの液体を
速やかに吸水、放散する機能を発揮する。またそ
れのみならず、機械的性質、光沢、耐汚染性など
の実用性能をも満足し、使用時に着ごこちのよい
風合、触感を有する製品を与えるのである。 コア層の孔の大きさは直径3000Åを越えると、
従来公知の中空繊維と同様に空隙量は充分であつ
ても、液体の吸水性能が悪く、高々20%台の保水
率しか示さないし、乾熱処理などによう保水率の
減少が大きい。一方、孔の直径が100Åより小さ
くなると、保水率が低く、本発明の目的が達成さ
れない。 また、該コア層を構成する網状フイブリルは、
繊維軸方向に配列することにつて、繊維内部の孔
を細長く繊維軸方向に延びた形態にし、1種の毛
細管構造をとらせるため、液体の吸収、放散を良
好なものにすると考えられる。 また、スキン層は緻密化構造を有し、ほとんど
液体を吸収しないが、コア層に液体を運ぶ機能を
有すると同時に、高次加工や製品の使用に際して
保水率の低下を防止し、繊維に実用性能を満足す
る耐汚染性、強度特性を与えるものであり、製品
に優れた風合と触感を与えるものである。 かかる吸水性アクリル繊維の保水率は、少なく
とも30%,好ましくは少なくとも40%である。保
水率が30%以下では吸水性能を十分に発揮できな
い。 本発明における外層を構成する通常のアクリ系
繊維としては、アクリロニトリル単独重合体また
は、アクリロニトリルとアクリロニトリルと共重
合しうる単量体との共重合体からなるものであ
り、特に限定されない。これらの重合体の溶剤と
しては、従来より知られている無機系、有機系溶
剤等が用いられる。凝固浴としては、一般的に水
系、水―溶剤系、またこれらの凝固浴系に他の成
分を添加した凝固浴系が用いられるが、他の公知
の凝固浴も用いることができる。このようにして
えられた通常のアクリル系繊維は、スキン・コア
のジヤケツト構造をもつが、吸水性アクリル系繊
維のような微多孔質構造を有さなく、その保水率
は30%未満で、通常は8%程度のものである。 本発明に用いられる二重構造系の製造法は公知
のいずれの方法でもよく、特に限定されるもので
はない。例えば特開昭47−43538,49−47633,49
−66927,49−86647,50−112529,51−75131,
51−119853,51−143735,52−74040,などに記
載される製造法が採用できる。 かくして得られる本発明の吸水性紡績糸の内層
部を形成する吸水性アクリル系繊維の使用比率
は、吸水性、吸湿性などの性能面から最低20%必
要である。また、外層部を形成する通常のアクリ
ル系繊維の使用比率も、糸条表面が乾いた感触に
なる、発色性、堅ロウ性などの点から最低20%必
要である。内層を構成す吸水性アクリル系繊維の
割合が20%以下では、満足な吸汗性能をえること
ができない。また、外層部を構成する通常のアク
リル系繊維の割合が20%以下では、均一な二重構
造糸ができないため、発色性・染色堅牢度などが
不十分となる。従つて、内層部を構成する吸水性
アクリル系繊維と外層部を構成する通常のアクリ
ル系繊維の混合比は、20/80〜80/20,好ましくは
30/70〜70/30である。 このような本発明の吸水アクリル系紡績糸は、
木綿のような高い保水性、吸湿性を示すだけでな
く、該紡績糸の乾湿時の風合がほとんど変化せ
ず、湿れたときにも乾いた感触が得られる。ま
た、該紡績糸の外層部は通常のアクリル系繊維で
あるため、吸水性アクリル系繊維の発色性、染色
堅牢度不足および強力が弱いなどの欠点を完全に
解消することができる。 更に本発明で該紡績糸の内層部に外層部のアク
リル系繊維より収縮率の高い繊維を使用したもの
は、嵩高性、形態安定性などの点で優れたものが
得られる。従つて、両者の沸水収縮率差は0〜20
%,特に0〜10%であるのが好ましい。 以下実施例により、本発明を具体的に説明す
る。以下の実施例における保水率とは、
MELLIAND,TEXTIL―BERICHTE第34巻、第
849頁(1953)に記載されているV.ZERTの方法
に準じて測定される値であつて、試料を約20cm×
20cmにカツトし、水に10分間浸漬した後、遠心分
離機を用いて2000rpmの回転で5分間脱水した該
試中に保有される水分率であり、次式より算出さ
れる値である。 保水率(%) =湿潤繊維重量−乾燥繊維重量/乾燥繊維重量×10
0 また吸湿率とは、20℃,65%RHにおける平衡
水分率である。 実施例 1 吸水率40,50,60,62,80%吸水性アクリル系
繊維1.5d,長さ54mmによる内層部スライバーと、
通常のアクリル系繊維(東レ(株)製トレロン)
1.0d,長さ54mmによるスライバーを用い、特開昭
49−66927の方法により、混合比80/20,50/50,2
0/80,30番手の吸水性アクリル紡績糸を得た。 但し、吸水率62%の吸水性アクリル系繊維は、
“トレロン”より7%収縮率が大きかつた。 また比較として、通常のアクリル系繊維(“ト
レロン’)1.5d×54mmのみからなる30番手の紡績
糸を準備した。これらの各水準を18Gフライス編
機で編成し、次いで下記のごとく染色仕上を行な
つた。 染色(ドラム染色機) カヤクリル ブルーGRL(日本化薬)1
%owf カチオーゲン・ユニ(第1工業製薬)1.5
〃 pH 4(CH,COOHで調整) 98℃×60分 浴比1:20 オイリング スムーサ CH―540(吉村油化)2%owf 40℃×15分 脱水/乾燥 仕上セツト(枠セツト機) 140℃×30秒 次いで肌着に縫製し、吸水性、実用性能、染色
性能などを比較した。 尚、木綿としては市販綿製品を使用した。
独特の風合、外観を有するアクリル系紡績糸に関
する。 アクリル系繊維に代表される合成繊維は、吸
湿、吸水性が非常に小さい。従つて、こらの繊維
から成るインナーウエアは気心地が非常に悪く、
天然繊維、特に木綿と混用されているのが現状で
ある。 一方、特開昭52−107326号及び特開昭52−
107326号公報などにより、コアジヤケツト構造を
有する吸水性アクリル系繊維が提案され、その卓
越した吸水能は木綿に代替し得るとされている。 しかしながらこの繊維は、その繊維構造に起因
する、水に濡らすと湿つた感じがとれなく、木
綿のような触感が得られない、発色性が非常に
悪い、堅ロウな染色ができない、強度が十分
でない。などの実用性能の点で多くの欠点を有し
ている。 本発明の目的は、これらの実用性能の欠点をな
くすとともに、吸水性アクリル系繊維の卓越した
吸水能はそのまま生かしたアクリル系紡績糸を提
供することを目的とする。 かかる目的は、次のような構成をとることによ
つて達成される。 「少なくとも95モル%のアクリロニトリルと該
アクリロニトリルと共重合性のビニル基含有化合
5モル%以下との共重合体からなり、直径約100
―3000オングストロームの微多孔質のコア層と緻
密なスキン層を有し、かつ保水率が少なくとも30
%である吸水性アクリル系繊維が内層部を形成
し、通常のアクリル系繊維が外層部を形成してお
り、該吸水性アクリル系繊維と通常のアクリル系
繊維の混合比が80:20〜20:80の範囲内にあるこ
とを特徴とするアクリル系紡績糸。」 以下、本発明について詳説する。 本発明のアクリル系紡績糸は、水分が糸条内部
に保持され、糸条表面は乾いた感触となるため、
吸湿性が木綿なみである。また、表層部が通常の
アクリル系繊維であるため発色性および堅ロウ度
が非常に悪く、強度が十分でない吸水性アクリル
系繊維の欠点が完全にカバーされている。更には
内層部に吸水性アクリル系繊維を用いているた
め、従来のアクリル系繊維およびアクリル天然繊
維混にない形態安定性の良いものである。 内層部を構成する吸水性アクリル系繊維は、例
えば少なくとも95モル%のアクリロニトリル(以
下ANと略す)と該ANと共重合性のビニル基含有
化合物5モル%以下からなるAN系共重合体の有
機溶剤溶液を、浴温が少なくとも30℃,好ましく
は40℃以上の該有機溶剤―水系凝固浴中に吐出
し、少なくとも5倍以上延伸した後水洗し、得ら
れた糸条に油剤を含浸させて湿熱処理し、次いで
100℃以上、好ましくは120〜170℃で乾燥するこ
とにより得られない。 該ビニル基含有化合物としては、アリルスルホ
ン酸、メタリルスルホン酸およびそれらの金属塩
に代表されるスルホン酸基含有ビニル系モノマが
好ましい。 AN系共重合体の溶剤としては、吸水性能の面
からジメチルスルホオキシド、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミド、もしくはこれらの
混合溶剤などの有機溶剤が好ましい。 その他、かかる吸水性アクリル系繊維を得るに
は、例えば特開昭52−70113,52−103526,52−
103527,52−107326,52−110924,52−114722,
などに記載される方法でもよく、特に限定される
ものではない。 このようなAN系共重合体からなる吸水性アク
リル系繊維は、直径が約100〜3000Åの孔を有す
る網状フイブリルが実質的に繊維軸方向に配列し
た微細な多孔面のコア層、および直径が100Å以
上の孔をほとんど有しない、いわゆる緻密化され
た構造を有する厚さが1000〜2000Åのスキン層と
から形成されており、このような層状構造を有す
ることによつてはじめて、汗、水分などの液体を
速やかに吸水、放散する機能を発揮する。またそ
れのみならず、機械的性質、光沢、耐汚染性など
の実用性能をも満足し、使用時に着ごこちのよい
風合、触感を有する製品を与えるのである。 コア層の孔の大きさは直径3000Åを越えると、
従来公知の中空繊維と同様に空隙量は充分であつ
ても、液体の吸水性能が悪く、高々20%台の保水
率しか示さないし、乾熱処理などによう保水率の
減少が大きい。一方、孔の直径が100Åより小さ
くなると、保水率が低く、本発明の目的が達成さ
れない。 また、該コア層を構成する網状フイブリルは、
繊維軸方向に配列することにつて、繊維内部の孔
を細長く繊維軸方向に延びた形態にし、1種の毛
細管構造をとらせるため、液体の吸収、放散を良
好なものにすると考えられる。 また、スキン層は緻密化構造を有し、ほとんど
液体を吸収しないが、コア層に液体を運ぶ機能を
有すると同時に、高次加工や製品の使用に際して
保水率の低下を防止し、繊維に実用性能を満足す
る耐汚染性、強度特性を与えるものであり、製品
に優れた風合と触感を与えるものである。 かかる吸水性アクリル繊維の保水率は、少なく
とも30%,好ましくは少なくとも40%である。保
水率が30%以下では吸水性能を十分に発揮できな
い。 本発明における外層を構成する通常のアクリ系
繊維としては、アクリロニトリル単独重合体また
は、アクリロニトリルとアクリロニトリルと共重
合しうる単量体との共重合体からなるものであ
り、特に限定されない。これらの重合体の溶剤と
しては、従来より知られている無機系、有機系溶
剤等が用いられる。凝固浴としては、一般的に水
系、水―溶剤系、またこれらの凝固浴系に他の成
分を添加した凝固浴系が用いられるが、他の公知
の凝固浴も用いることができる。このようにして
えられた通常のアクリル系繊維は、スキン・コア
のジヤケツト構造をもつが、吸水性アクリル系繊
維のような微多孔質構造を有さなく、その保水率
は30%未満で、通常は8%程度のものである。 本発明に用いられる二重構造系の製造法は公知
のいずれの方法でもよく、特に限定されるもので
はない。例えば特開昭47−43538,49−47633,49
−66927,49−86647,50−112529,51−75131,
51−119853,51−143735,52−74040,などに記
載される製造法が採用できる。 かくして得られる本発明の吸水性紡績糸の内層
部を形成する吸水性アクリル系繊維の使用比率
は、吸水性、吸湿性などの性能面から最低20%必
要である。また、外層部を形成する通常のアクリ
ル系繊維の使用比率も、糸条表面が乾いた感触に
なる、発色性、堅ロウ性などの点から最低20%必
要である。内層を構成す吸水性アクリル系繊維の
割合が20%以下では、満足な吸汗性能をえること
ができない。また、外層部を構成する通常のアク
リル系繊維の割合が20%以下では、均一な二重構
造糸ができないため、発色性・染色堅牢度などが
不十分となる。従つて、内層部を構成する吸水性
アクリル系繊維と外層部を構成する通常のアクリ
ル系繊維の混合比は、20/80〜80/20,好ましくは
30/70〜70/30である。 このような本発明の吸水アクリル系紡績糸は、
木綿のような高い保水性、吸湿性を示すだけでな
く、該紡績糸の乾湿時の風合がほとんど変化せ
ず、湿れたときにも乾いた感触が得られる。ま
た、該紡績糸の外層部は通常のアクリル系繊維で
あるため、吸水性アクリル系繊維の発色性、染色
堅牢度不足および強力が弱いなどの欠点を完全に
解消することができる。 更に本発明で該紡績糸の内層部に外層部のアク
リル系繊維より収縮率の高い繊維を使用したもの
は、嵩高性、形態安定性などの点で優れたものが
得られる。従つて、両者の沸水収縮率差は0〜20
%,特に0〜10%であるのが好ましい。 以下実施例により、本発明を具体的に説明す
る。以下の実施例における保水率とは、
MELLIAND,TEXTIL―BERICHTE第34巻、第
849頁(1953)に記載されているV.ZERTの方法
に準じて測定される値であつて、試料を約20cm×
20cmにカツトし、水に10分間浸漬した後、遠心分
離機を用いて2000rpmの回転で5分間脱水した該
試中に保有される水分率であり、次式より算出さ
れる値である。 保水率(%) =湿潤繊維重量−乾燥繊維重量/乾燥繊維重量×10
0 また吸湿率とは、20℃,65%RHにおける平衡
水分率である。 実施例 1 吸水率40,50,60,62,80%吸水性アクリル系
繊維1.5d,長さ54mmによる内層部スライバーと、
通常のアクリル系繊維(東レ(株)製トレロン)
1.0d,長さ54mmによるスライバーを用い、特開昭
49−66927の方法により、混合比80/20,50/50,2
0/80,30番手の吸水性アクリル紡績糸を得た。 但し、吸水率62%の吸水性アクリル系繊維は、
“トレロン”より7%収縮率が大きかつた。 また比較として、通常のアクリル系繊維(“ト
レロン’)1.5d×54mmのみからなる30番手の紡績
糸を準備した。これらの各水準を18Gフライス編
機で編成し、次いで下記のごとく染色仕上を行な
つた。 染色(ドラム染色機) カヤクリル ブルーGRL(日本化薬)1
%owf カチオーゲン・ユニ(第1工業製薬)1.5
〃 pH 4(CH,COOHで調整) 98℃×60分 浴比1:20 オイリング スムーサ CH―540(吉村油化)2%owf 40℃×15分 脱水/乾燥 仕上セツト(枠セツト機) 140℃×30秒 次いで肌着に縫製し、吸水性、実用性能、染色
性能などを比較した。 尚、木綿としては市販綿製品を使用した。
【表】
この結果、本発明品の汗をかいたときの着用感
は、吸汗性が非常に良好で木綿なみの乾いた触感
であつた。また、木綿にくらべると非常に軽く、
冷感がない気心地よいものであつた。しかし、吸
水性アクリル系繊維100%品および通常のアクリ
ル系繊維100%品はベタツキが大きく非常に問題
がある。 本発明品の発色性および染色堅牢度は、通常の
アクリル系繊維と全く変らなかつた。 また、本発明品―3の高収縮糸を使用したもの
は、嵩高性、形態安定性の非常に優れたものであ
つた。
は、吸汗性が非常に良好で木綿なみの乾いた触感
であつた。また、木綿にくらべると非常に軽く、
冷感がない気心地よいものであつた。しかし、吸
水性アクリル系繊維100%品および通常のアクリ
ル系繊維100%品はベタツキが大きく非常に問題
がある。 本発明品の発色性および染色堅牢度は、通常の
アクリル系繊維と全く変らなかつた。 また、本発明品―3の高収縮糸を使用したもの
は、嵩高性、形態安定性の非常に優れたものであ
つた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 少なくとも95モル%のアクリロニトリルと該
アクリロニトリルと共重合性のビニル基含有化合
物5モル%以下との共重合体からなり、直径約
100〜3000オングストロームの微多孔質のコア層
と緻密なスキン層を有し、かつ保水率が少なくと
も30%である吸水性アクリル系繊維が内層部を形
成し、通常のアクリル系繊維が外層部を形成して
おり、該吸水性アクリル系繊維と通常のアクリル
系繊維の混合比が80:20〜20:80の範囲内にある
ことを特徴とするアクリル系紡績糸。 2 吸水性アクリル系繊維の沸水収縮率が、通常
のアクリル系繊維の沸水収縮率より大か、もしく
は同程度で、その収縮率差が0〜20%の範囲であ
ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
アクリル系紡績糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4871278A JPS54142347A (en) | 1978-04-26 | 1978-04-26 | Acrylic spun yarn |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4871278A JPS54142347A (en) | 1978-04-26 | 1978-04-26 | Acrylic spun yarn |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS54142347A JPS54142347A (en) | 1979-11-06 |
JPS6123295B2 true JPS6123295B2 (ja) | 1986-06-05 |
Family
ID=12810912
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4871278A Granted JPS54142347A (en) | 1978-04-26 | 1978-04-26 | Acrylic spun yarn |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS54142347A (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5536348A (en) * | 1978-09-06 | 1980-03-13 | Toray Industries | Oil absorbable fiber product |
JPS5562229A (en) * | 1978-10-27 | 1980-05-10 | Toray Industries | Fiber product with excellent water absorbability |
JPS5584426A (en) * | 1978-12-22 | 1980-06-25 | Toray Industries | Water absorbable high bulk spun yarn |
JPS58104235A (ja) * | 1981-12-11 | 1983-06-21 | 東レ株式会社 | 吸透水性繊維構造体 |
JPS60134036A (ja) * | 1983-12-22 | 1985-07-17 | 東レ株式会社 | 糸または布帛 |
JPS61239034A (ja) * | 1985-04-11 | 1986-10-24 | 旭化成株式会社 | 高吸水性紡績糸 |
JPS63154676U (ja) * | 1987-11-19 | 1988-10-11 |
-
1978
- 1978-04-26 JP JP4871278A patent/JPS54142347A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS54142347A (en) | 1979-11-06 |
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