JPS6357238B2

JPS6357238B2 -

Info

Publication number: JPS6357238B2
Application number: JP59035882A
Authority: JP
Inventors: Masaaki Ono; Masahiko Mogi; Kazuo Okabe
Original assignee: Toray Industries Inc
Current assignee: Toray Industries Inc
Priority date: 1982-11-02
Filing date: 1984-02-29
Publication date: 1988-11-10
Also published as: EP0153853A1; DE3382633D1; DE3560497D1; EP0108593B1; EP0245883A2; US4568600A; EP0108593A1; EP0245883B1; DE3382633T2; EP0245883A3; DE3378284D1; US4548855A; EP0153853B1; JPS60180839A

Description

【発明の詳細な説明】〔発明の技術分野〕本発明はポリエステルフイルムに関する。詳し
くは磁気記録媒体用、さらに詳しくは蒸着ビデオ
用ポリエステルフイルムに関する。〔従来技術〕磁性物質をポリエステルフイルムの表面に蒸着
せしめた蒸着ビデオテープは、極めて高密度な磁
気記録が可能であるが、磁性層の厚さが非常に薄
いため、使用するベースフイルムの表面形態がそ
のまま磁性体蒸着後の蒸着薄膜表面形態となり、
そのためベースフイルムの表面粗さが粗いと、蒸
着ビデオテープの電磁変換特性が著しく悪くな
る。この電磁変換特性の面から考えると、平滑な
全くの鏡面からなるベースフイルムが好ましい
が、そのようなベースフイルム上に形成された蒸
着膜は、蒸着面がそのまま鏡面を保つので、すべ
り性が非常に悪く、蒸着面に保護層を設けるよう
なことをしない限り、蒸着工程以降のテープ化プ
ロセスにおいて大量のすり傷が発生し、全く実用
性はなくなる。また蒸着ビデオテープ実際使用時の重大な問題
は蒸着面の走行性である。従来の磁性体粉末を有
機バインダーに混入させてベースフイルムに塗布
してなる塗布型ビデオテープの場合には、バイン
ダー中に滑剤をいれて、磁性面の走行性を向上さ
せることができるが、蒸着ビデオテープの場合、
蒸着面の走行性は保護膜層を設けない限り一般に
不利である。保護膜層を均一に蒸着面上に設ける
ことは困難であるので、この保護膜層を設けない
蒸着テープの場合、蒸着面の走行性向上、特に実
際に使用される時の過酷な条件下での走行性向上
が計れないなどの欠点がある。上記欠点を克服したベースフイルムとして、特
開昭58−62826号公報がある。これはポリエステ
ルフイルムの少なくとも片面に水溶性高分子を主
体とした厚さ500Å以下の不連続皮膜が形成され
ていることを特徴とし、その不連続皮膜により、
この不連続皮膜が形成された面に設けられた磁性
金属薄膜面は、平滑性、すべり性、耐すり傷性に
優れる。しかし、該ベースフイルムからなる蒸着ビデオ
テープを極めて多数回たとえば1000回以上の繰り
返し録画・再生をした場合、蒸着磁性金属薄膜層
が不連続皮膜層からはく離をおこしたり、不連続
皮膜がポリエステルベースフイルム表面からはく
離をおこしたりするなどの欠点がある。〔発明の目的〕本発明の目的は、極めて多数回の繰り返し録
画・再生を施した場合においても、蒸着磁性金属
薄膜がはく離したり、はずれおちることのない耐
久性の良好な蒸着膜を形成することが可能なベー
スフイルムを提供することにある。〔発明の構成〕本発明は、上記目的を達成するため次の構成、
すなわち、ポリエステルフイルムと、該フイルム
の少なくとも片面に密着されたポリマーブレンド
体を主体とした厚さ500Å以下の不連続皮膜とか
らなり、該不連続皮膜には、易接着性樹脂がポリ
マーブレンド体に対し20〜95重量％含有されたポ
リエステルフイルムを特徴とし、また、本発明
は、ポリエステルフイルムと、該フイルムの少な
くとも片面に密着されたポリマブレンド体と粒径
50〜500Åの微細粒子を主体とした厚さ500Å以下
の不連続皮膜とからなり、該不連続皮膜には、易
接着性樹脂がポリマーブレンド体に対し20〜95重
量％、微細粒子が不連続皮膜の樹脂成分に対し５
〜50重量％含有され、かつ、微細粒子により該不
連続皮膜上に微細突起が形成されたポリエステル
フイルムを特徴とするものである。本発明のポリエステルフイルムとは、周知の方
法で形成したポリエステルフイルム、すなわち、
ポリエステルを溶融してシートまたは円筒状に押
出し、これを少なくとも一方向に延伸して形成し
たフイルムで、そのフイルムの機械特性としては
通常のバランスタイプ、一軸方向に強力化された
タイプ、二軸方向に強力化されたタイプのいずれ
かであることが望ましい。また、ポリエステルフ
イルムの表面は平滑であることが望ましく、具体
的にはフイルム表面の粗さは、触針式表面粗さ計
のカツトオフ値0.08mmで、Ra値が0.015μ以下、よ
り好ましくは0.010μ〜0.002μの範囲内にあること
が望ましい。なお、Ra値とは、触針式表面粗さ計から得ら
れる断面曲線から適当なカツトオフ値を用いて、
うねりを除いた粗さ曲線において、中心線（中心
線より上の部分と下の部分の面積が等しくなるよ
うにして求められる）からの粗さ曲線の高さ（低
さ）の絶対値の算術平均である（DIN 4768によ
る）。上記フイルムを形成するポリエステルは、線状
ポリエステルを主体とするものであればどのよう
なものでもよい。たとえば、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、
ポリ−１，４−シクロヘキシレンジメチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−２，６−ナフタリン
ジカルボキシレート、ポリエチレン−ｐ−オキシ
ベンゾエートなどがその代表例である。また上記のポリエステルは、ホモポリエステル
であつても、コポリエステルであつてもよい。コ
ポリエステルの場合、共重合する成分としては、
例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレン
グリコール、ｐ−キシリレングリコール、１，４
−シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成
分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフ
タル酸、２，６−ナフタリンジカルボン酸、５−
ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン
酸成分、トリメリツト酸、ピロメリツト酸などの
多官能ジカルボン酸成分、ｐ−オキシエトキシ安
息香酸などが挙げられる。なお、共重合の場合、
共重合する成分は20モル％以下とする。さらに、上記のポリエステルは、他にポリエス
テルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘
導体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアル
キレングリコールなどの少なくとも一つを５重量
％を超えない程度に混合してもよい。また、その
フイルム中に延伸した際に、フイルム表面突起の
原因となる重合残渣からなる内存粒子あるいは外
部から加えられた不活性粒子等が含まれていても
よく、その含有量は、それらのポリマーを二軸延
伸した場合、厚さ30μ以下で、１枚当りのヘイズ
５％以下であれば良い。本発明の不連続皮膜は、ポリマーブレンド体を
主体とした組成物から形成されたものであるが、
好ましくはシランカツプリング剤、またはチタン
カツプリング剤を含むのが望ましい。また、さらに極めて過酷な使用環境下（高温、
高湿）での蒸着膜の耐久性を付与させるためには
粒径50〜500Åの微細粒子を、不連続皮膜形成樹
脂に対し、５〜50重量％、好ましくは10〜40重量
％含有させることが必要である。また、本発明の不連続皮膜の厚さは500Å以下、
好ましくは50〜300Åである。厚さが500Åをこえ
ると、蒸着薄膜の電磁変換特性、特にＳ／Ｎ比が
悪化する。本発明の不連続皮膜構成成分は、易接着性樹脂
20〜95重量％含有したポリマーブレンド体であ
る。易接着性樹脂としては、分子内に極性の高いグ
ループと、疎水性のグループとが組み合わされた
ものが好ましい。極性グループとして、水酸基、
酸基、エーテル、エステル基、エポキシ、スルホ
ン酸基、ウレタン結合、等、疎水性部分として脂
肪族鎖、芳香族鎖等を含むのが良く、ポリエステ
ルエーテル共重合体、水溶性ポリエステル共重合
体、ポリエチレングリコール・スルホン酸アルカ
リ金属塩を含むポリエステル共重合体等が使用で
きる。ジカルボン酸およびグリコールからなるポ
リエステル共重合体において、５−ナトリウムス
ルホイソフタル酸塩およびジエチレングリコール
を成分にもつものが、特に好ましい。酸成分のうち、５−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸塩が２〜50モル％含まれ、他の成分としては
テレフタル酸、イソフタル酸またはこれらの混合
物が用いられることが好ましい。また、グリコー
ル成分のうちジエチレングリコールは30〜100モ
ル％を占めるものが最も好ましく、他のグリコー
ル成分としては、炭素数が２〜８のアルキレング
リコールが好ましい。なお、易接着性樹脂は、い
わゆる粘着型の樹脂ではなく、乾燥状態におい
て、ポリエステルフイルムに対して接着性が良
く、また無機物を保持する能力の高いものが必要
である。易接着性樹脂以外のポリマーブレンド成分は、
該易接着性樹脂と相分離をおこさず、均一にブレ
ンドされ、不連続皮膜形成能のある高分子であ
る。かかる高分子として、分子量が１万〜200万、
好ましくは10万〜100万の水溶性高分子が使用で
きる。分子量が１万を下まわると、以下に述べる
皮膜が柔らかくなり、構造保持が難しくなり、耐
久性が悪くなる。分子量が200万を上まわると、
皮膜がかたくなりすぎ、もろくなり、やはり耐久
性が悪くなる。かかる水溶性高分子としてはポリ
ビニルアルコール、トラガントゴム、アラビアゴ
ム、カゼイン、ゼラチン、メチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース等が適用できる。易接着性樹脂により不連続皮膜のポリエステル
フイルムベース表面の接着強度が向上し、かつ、
この不連続皮膜形成表面に蒸着した蒸着薄膜層の
ベースフイルム不連続皮膜面への付着強度も増大
する。またこの易接着性樹脂により、前述の過酷
な条件下での走行性を向上させるための微細粒子
の不連続皮膜への接着強度が極めて向上し、微細
粒子の脱落防止が図られる。ポリマーブレンド皮膜とポリエステルフイルム
との接着性をさらに増すために、不連続成分にシ
ランカツプリング剤を加える事が望ましい。シランカツプリング剤としては、その分子中に
２個以上の異なつた反応基をもつ有機けい素単量
体であり、反応基の一つはメトキシ基、エトキシ
基、シラノール基などであり、もう一つの反応基
は、ビニル基、エポキシ基、メタアクリル基、ア
ミノ基、メルカプト基などである。反応基はポリ
マーブレンド構成体の側鎖、末端基およびポリエ
ステルと結合するものを選ぶが、シランカツプリ
ング剤としてビニルトリクロルシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリス（β−メトキシ
エトキシ）シラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、Ｎ−β（アミノエチル）
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ
−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン等が適用できる。高温高湿条件下等のさらに過酷な条件下での蒸
着膜の耐久性の向上をはかるために不連続皮膜形
成樹脂に加える微細粒子とは、大きさが30Å〜
500Å、好ましくは50〜400Åのものである。ここ
で大きさとは微粒子の最大粒径をいい、大きさが
30Å未満では、この不連続皮膜上に磁性体を蒸着
してなる蒸着薄膜面の走行性は向上しない。ま
た、大きさが500Åをこえると該磁性面の電磁変
換特性が悪化する。微細粒子の形状としては、球
形、楕円球形、長方体形、立方体形等いずれであ
つてもよい。また、粒子種としては、無機化合物
粒子、例えば、MgO、ZnO、MgCO₃、CaCO₃、
CaSO₄、BaSO₄、Al₂O₃、SiO₂、TiO₂やCa、
Ba、Zn、Mnなどの酸塩とかが使用可能である。
微細粒子は複数種を使用しても良い。微細粒子は不連続皮膜中および皮膜表面に存在
するものであるが、その存在個数は10⁴〜10¹¹
ケ／mm²以下であることが必要である。粒子径が30
Å未満であるとこの不連続皮膜上に磁性体を蒸着
してなる蒸着薄膜面の走行性は向上しない。径、
粒子個数は電子顕微鏡で観察することにより求め
る。粒子個数が10¹¹ケ／mm²をこえると、該磁性面
の電磁変換特性のうち、特にＳ／Ｎ比が悪化す
る。また微細粒子が脱落しやすくなり、好ましく
ない。易接着性〔A₁〕、不連続皮膜構成成分としての
他種の高分子〔A₂〕、シランカツプリング剤
〔Ｂ〕の使用割合は、〔A₁〕：〔A₂〕：〔Ｂ〕＝５〜
400：20：０〜200、（好ましくは〔A₁〕：〔A₂〕：
〔Ｂ〕＝５〜200：20：１〜100）である。〔Ｂ〕は、
蒸着膜の走行性を向上させる目的で使用してもよ
いが上限を超えると蒸着膜の付着強度が不良とな
る。また不連続皮膜が固くなりすぎ、皮膜がもろ
くなり好ましくない。またさらに過酷な条件下での蒸着膜の耐久性を
増すために加える微細粒子〔Ｃ〕の含有量は、前
記の〔A₁〕、〔A₂〕、〔Ｂ〕の和に対し、５〜50重
量％である。微粒子〔Ｃ〕が上限をこえると、微
細粒子の皮膜からの脱落が激しくなり、また電磁
変換特性も悪くなり好ましくない。以下、図面に基づいて本発明のポリエステルフ
イルムを説明する。本発明の不連続皮膜とは、電子顕微鏡写真（倍
率500倍〜10万倍）で示されるフイルム表面にお
いて、フイルム表面を部分的に覆つた皮膜を指
す。第１図はポリエステルフイルムの表面を部分
的に覆つた不連続皮膜を模式的に示す平面図であ
る。第２図は、不連続皮膜中に微細粒子を含ませ、
それにより不連続皮膜表面上に微細突起が設けら
れている状態を示す模式的平面図である。拡大倍
率１万倍以上で電子顕微鏡観察をすることにより
その様子がわかる。第３図は、第２図のフイルムの概略の断面図で
ある。なお第１図、第２図、第３図において、１
はポリエステルフイルム、２は不連続皮膜、３は
微細粒子である。不連続皮膜の厚さは、触針先端径の小さい高精
度の触針式表面粗さ計で、本発明の不連続皮膜の
形成された面を測定し、得られた粗さ曲線で、山
と谷との平均高さ間隔を求めて得られる値であ
る。第４図に粗さ曲線の一例を示す。測定は縦倍
率50万倍以上の条件で行う。カツトオフ値0.08mm
を用いるのがよい。本発明の磁気記録媒体用ポリエステルフイルム
に設けられる強磁性体薄膜は、上記不連続皮膜形
成表面上に設ける。テープ特性は一般市販のVHS方式のVTRを用
い、評価した。テープ磁性面の耐久性の評価は常温常湿、高温
高湿の２条件下での1000回もの極めて多数回の再
生を行つたあとのテープ磁性面を観察することに
より行つた。評価基準は次の通りである。 ◎：テープ薄膜面上にほとんど全くすり傷の発生
がみられない。〇：テープ薄膜面上に極めて弱いすり傷の発生が
少し見られる。 ×：テープ薄膜面上に、きついすり傷が発生し、
蒸着薄膜のはく離が見られる。 ××：テープ薄膜表面上に、きついすり傷が発生
し、不連続皮膜のベースフイルムからのはく離
が見られる。なお、常温常湿とは25℃、60％RHであり、高
温高湿とは50℃、80％RH条件である。Ｓ／Ｎ比は50％白レベル信号を各テープの最適
記録電流で記録し、再生時のビデオ復調信号に含
まれる信号の雑音の比をビデオノイズメーターを
用い、市販のVHS標準テープを0dBとして比較
測定した。ドロツプアウトは、磁気記録テープに３段階段
波信号を最適記録電流で記録し、再生時のビデオ
ヘツドアンプ出力の減衰量が18dB、継続時間
20μsec以上のドロツプアウトを10分間ドロツプア
ウトカウンターで測定し、１分間あたりの平均を
とつた。Ｓ／Ｎ比ドロツプアウト測定は常温常湿
条件で行なつた。つぎに、本発明の製法について説明する。通常
の方法で一方向に延伸後の平滑なポリエステルフ
イルムの少なくとも片面に、易接着性樹脂を必須
成分とするポリマーブレンド体塗液（水溶性高分
子の場合は水溶液、非水溶性高分子の場合は水性
エマルジヨン）、更に好ましくはシランカツプリ
ング剤とを含む塗液を塗布し、乾燥したのち直角
方向延伸を行なうか、あるいは直角方向延伸後、
さらに前記一方向に再延伸し熱処理する。ポリマ
ーブレンドと親和性の良い無機微細粒子を上記塗
液にさらに加えて使用すると微細粒子により不連
続皮膜上に微細突起が形成され、これが蒸着膜の
耐久性をさらに向上させる。さらに具体的には、前記説明のポリエステル原
料を用い、通常の製膜機により溶融押出し、冷却
後、３〜５倍に一軸延伸した縦延伸フイルムに、
その後、予熱延伸前の工程において上記塗液を各
種コーテイング法によつて、少なくとも片面に塗
布を施す。この塗液の塗布量は１ケの面につき固形分濃度
で３〜1000mg／m²が良い。つぎにこの塗液塗布縦
延伸フイルムを横延伸するが、横延伸前に皮膜を
完全に形成するため、フイルム表面塗布液中水分
を完全に蒸発乾固する必要がある。これは、二軸
延伸機のステンター予熱部で、５％／秒〜100
％／秒の水分乾燥速度となるよう熱風温度100〜
150℃で予熱することによつてなされる。予熱後
90〜120℃の延伸温度で2.5〜4.5倍に横延伸する。
乾燥完結、皮膜完全形成後の横延伸によつてフイ
ルム表面に不連続皮膜が形成される。又塗液中に
微細粒子を含ませた場合には、それによるう突起
が設けられた不連続皮膜が形成される。さらに、この横延伸フイルムを180〜220℃で熱
処理、あるいは1.1〜1.8倍に、再延伸後180〜220
℃で熱処理すると、平滑なポリエステルフイルム
の表面に、高さ500Å以下の不連続皮膜が形成さ
れた面を少なくとも片面にもつ二軸延伸ポリエス
テルフイルムが得られる。また塗液中に微細粒子
を含ませた場合には、該不連続皮膜上に微細突起
が形成された二軸延伸ポリエステルフイルムがえ
られる。上記説明は単層フイルムについて行つたが、本
文説明原料と積極的に微粒子を添加した易滑フイ
ルム原料との共押出しによる複合フイルムの製造
において、平滑フイルム層表面に本説明内容の技
術を適用しても良い。〔効果〕以上述べたように、本発明の不連続皮膜は易接
着性樹脂を必須成分としているため、本不連続皮
膜形成表面上に形成される蒸着薄膜の耐久性は極
めて大きく向上する。本発明のポリエステルフイルムは、蒸着ビデオ
テープのみならず、各種の磁気記録媒体用のベー
スフイルムとしても用いられる。また別種の各用
途、コンデンサー、静電記録媒体、写真用等にも
使用可能である。次に、本発明のフイルムの製造例およびそのフ
イルムを磁気テープに適用した例を実施例に基づ
いて説明する。実施例１重合触媒残渣等にもとづく内部粒子をできる限
り含まない実質的に無配向、非結晶のポリエチレ
ンテレフタレート原料を約20℃に維持された回転
ドラム上に溶融押出しし、つぎに3.4倍の機械方
向への延伸を施し、その後メタリングバーコータ
ーを用いて下記水溶液を固形分濃度で20mg／m²両
面塗布した。水溶性ポリエステル共重合体（テレフタル酸40
モル％、イソフタル酸33モル％、アジピン酸20モ
ル％、５−ナトリウムスルホイソフタル酸７モル
％の酸成分とジエチレングリコール40モル％、エ
チレングリコール60モル％のグリコール成分との
１：１の共重合体）：0.35wt％メチルセルロース：0.15wt％の混合水溶液その後、ステンターを通し、乾燥、予熱、横延
伸をする。調合、乾燥、予熱、延伸温度は115℃
で水分乾燥速度は15％／秒とした。横延伸倍率3.4倍、熱処理温度200℃で、両面に
厚さ180Åの不連続皮膜が形成された厚さ12μの
ポリエチレンテレフタレートフイルムを得た。このポリエステルフイルム表面に真空蒸着によ
りコバルト−ニツケル合金薄膜を1500Åの膜厚で
形成した。続いて所定幅にフイルムの機械方向に
切断し、磁気テープとした。この特性を表１に示
す。実施例２実施例１のベースフイルム製造において、使用
水溶液シランカツプリング剤Ｎ−β（アミノエチ
ル）γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
0.15％の割合で加えた水溶液を用い、他は実施例
１と同様にして両面に厚さ180Åの不連続皮膜が
形成された厚さ12μのポリエチレンテレフタレー
トフイルムを得た。このベースフイルムを用い、実施例１と同様に
して磁気テープを得た。テープ特性を表１に示し
た。実施例３実施例２のベースフイルム製造において使用水
溶液に平均粒径200Åの極微細シリカを0.15wt％
加えた。他は実施例と同様にして微細粒子を含
み、それによる突起が存在する厚さ200Åの不連
続皮膜が形成された厚さ12μのポリエチレンテレ
フタレートフイルムを得た。このベースフイルムを用い、実施例１と同様に
して蒸着磁気テープを得た。テープ特性を表１に
示した。比較例１実施例１のベースフイルム製造において、メチ
ルセルロース水溶液濃度を0.40％にした水溶液を
用い、他は実施例１と同様にして厚さ600Åの不
連続皮膜が両面形成された厚さ12μのポリエチレ
ンテレフタレートフイルムを得た。このベースフイルムを用い、実施例１と同様に
して磁気テープを得た。テープ特性を表１に示し
た。比較例２実施例１のベースフイルム製造において、水溶
性ポリエステル共重合体を使用せず他は同様にし
て両面に厚さ120Åの不連続皮膜が形成された厚
さ12μのポリエチレンテレフタレートフイルムを
得た。このベースフイルムを用い、実施例１と同様に
して磁気テープを得た。テープ特性を表１に示し
た。比較例３実施例３のベースフイルム製造において、極微
細シリカの粒径を800Åにした以外は同様にして
両面に厚さ230Åの不連続皮膜が形成され不連続
皮膜から、微細粒子が大幅につき出した突起をも
つ厚さ12μのポリエチレンテレフタレートフイル
ムを得た。比較例４実施例３のベースフイルム製造において、水溶
性ポリエステル共重合体を使用せずに、他は同様
にして微細粒子を含み、それによる突起が存在す
る厚さ200Åの不連続皮膜が両面に形成された厚
さ12μのポリエチレンテレフタレートフイルムを
得た。このベースフイルムを用い、実施例１と同様に
して磁気テープを得た。テープ特性を表１に示し
た。表１の特性結果から明らかなように、本発明の
ポリエステルフイルムの不連続皮膜形成表面上に
蒸着膜を形有させた磁気テープの蒸着膜は極めて
耐久性にすぐれている。また不連続皮膜中に微細
粒子を含有させ微細突起を不連続皮膜表面を設け
た表面上に蒸着膜を形成させた磁気テープの蒸着
膜の耐久性はさらに増す。しかも、この蒸着膜は
平滑で電磁変換特性がすぐれている。【表】

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明のポリエステルフイルムの表
面を部分的に覆つた不連続皮膜を模式的に示す平
面図である。第２図は、第１図の不連続皮膜中に
微細粒子を含ませ、それにより不連続皮膜上に微
細突起が設けられている状態を模式的に示す平面
図である。第３図は、第２図のフイルムの概略の
断面図である。第４図は、本発明により形成され
た不連続皮膜面の縦倍率50万倍での触針式表面粗
さ曲線チヤートである。１：ポリエステルフイルム、２：不連続皮膜、
３：微細粒子。

Claims

【特許請求の範囲】１ポリエステルフイルムと、該フイルムの少な
くとも片面に密着されたポリマーブレンド体を主
体とした厚さ500Å以下の不連続皮膜とからなり、
該不連続皮膜には、易接着性樹脂がポリマーブレ
ンド体に対し20〜95重量％含有されたポリエステ
ルフイルム。２ポリエステルフイルムと、該フイルムの少な
くとも片面に密着されたポリマーブレンド体と粒
径50〜500Åの微細粒子を主体とした厚さ500Å以
下の不連続皮膜とからなり、該不連続皮膜には、
易接着性樹脂がポリマーブレンド体に対し20〜95
重量％、微細粒子が不連続皮膜の樹脂成分に対し
５〜50重量％含有され、かつ、微細粒子により該
不連続皮膜上に微細突起が形成されたポリエステ
ルフイルム。