JPH0628096B2 - 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフイルム

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JPH0628096B2
JPH0628096B2 JP59135221A JP13522184A JPH0628096B2 JP H0628096 B2 JPH0628096 B2 JP H0628096B2 JP 59135221 A JP59135221 A JP 59135221A JP 13522184 A JP13522184 A JP 13522184A JP H0628096 B2 JPH0628096 B2 JP H0628096B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の分野〕 本発明は磁気記録媒体用ポリエステルフイルムに関する
ものである。
〔従来技術〕
線状ポリエステルフイルム,特にポリエチレンテレフタ
レートの二軸延伸フイルムは,優れた機械的性質,耐薬
品性,耐熱性,寸法安定性等を有する為,磁気記録材料
として広く用いられている。磁気記録媒体の磁性層は樹
脂バインダーに分散した磁性金属をフイルムに塗布され
たタイプと蒸着等の方法で磁性金属のみがフイルムに付
着したタイプとがあり,磁気テープ,磁気カード,磁気
デイスクなどの製品として用いられている。しかしなが
ら,磁性層とポリエステルフイルムとの接着性がしばし
ば問題になつており,種々の方法でポリエステルフイル
ムの接着性改良の検討がなされている。
従来,ポリエステルフイルムの接着性改良方法として,
コロナ処理,プラズマ処理,紫外線処理等の物理的処理
や特定の化合物でフイルム表面を処理する化学的処理が
知られている。しかし,これらの方法で処理されたフイ
ルムの接着性は経時変化があつたり,接着力そのものが
あまり大きくはなく,あくまで補助的手段であり,ポリ
エステルフイルムに下塗り層を設ける方法が実用的に用
いられており,種々のポリエステルフイルム用下塗り剤
が提案されている。その中で水溶性ポリエステルを下塗
り剤とする方法がポリエステルフイルムへの塗布性,ポ
リエステルフイルムとの接着性,磁性層との接着性等に
優れている。しかしながら,フイルムがロール状に巻か
れた時に,ポリエステルフイルムと下塗り層あるいは下
塗り層と他方の下塗り層とがブロツキングしやすく,特
に,水溶性ポリエステルには水溶性を持たせる為にポリ
エステル系樹脂の共重合量や親水基量を増加させること
が多く,樹脂の軟化点の低下や吸湿性が増し,前述のブ
ロツキング現象がより発生しやすくなる。
一方,従来の磁性金属をポリエステルフイルムの表面に
直接蒸着等で付着せしめた蒸着型ビデオテープは,磁性
層の厚さが非常に薄く,使用するベースフイルムの表面
形態が,そのまま真空蒸着した強磁性金属薄膜(以下,
単に蒸着膜という)と同一の表面形態となるため,ポリ
エステルフイルムの表面粗さが粗いと蒸着ビデオテープ
の電磁変換特性が著しく悪くなる。この電磁変換特性の
面から考えると,平滑な全く鏡面からなるベースフイル
ムが好ましいが,そのようなポリエステルフイルム上に
形成された蒸着膜は,蒸着面がそのまま鏡面を保つの
で,すべり性が非常に悪く,蒸着面に保護層を設けるよ
うなことをしない限り,蒸着工程以降のテープ化プロセ
スにおいて大量のすり傷が発生し,全く実用性はなくな
る。
また,蒸着ビデオテープを実際に使用する時の重大な問
題は蒸着面の走行性である。従来の磁性金属粉末を樹脂
バインダーに分散せしめてポリエステルフイルムに塗布
してなる塗布型ビデオテープの場合には,バインダー中
に滑剤を入れて,磁性面の走行性を向上させることがで
きるが,蒸着ビデオテープの場合,蒸着面の走行性は保
護膜層を設けない限り一般に不利である。保護膜層を均
一に蒸着面上に設けることは困難であるので,この保護
膜層を設けない蒸着テープの場合,蒸着面の走行性向
上,特に実際に使用される時の過酷な条件下,すなわち
高温高湿条件下での走行性向上が計れないなどの欠点が
ある。
さらにポリエステルフイルムと蒸着膜との接着性は従来
あまり強くなく,同じ所を何回も磁気ヘツドが接触する
スチール画像再生時には蒸着膜が削れてドロツプアウト
が増加したり,更には再生画像が消失する等の問題があ
る。
〔発明の目的〕
本発明はかかる欠点を解消し,フイルムの取扱いにおい
てブロツキングが生じなく,しかも磁性層との接着性の
改良された磁気記録媒体用ポリエステルフイルムを提供
することにある。
〔発明の構成〕
本発明は,上記目的を達成するため次の構成を有するも
のである。すなわち,ポリエステルフイルムの少なくと
も片面に,全ジカルボン酸成分のうち、70モル%以上
が芳香族ジカルボン酸,7〜30モル%がエステル形成
性スルホン酸アルカリ金属塩化合物であり,グリコール
成分はモル比で100:0〜85:15の組成比のエチ
レングリコールとジエチレングリコールとからなる水溶
性ポリエステルと,シランカップリング剤と,無機微細
粒子とを主体とする連続皮膜が形成され,該連続皮膜に
は平均径0.005〜5μの突起が形成された磁気記録
媒体用ポリエステルフィルムを特徴とするものである。
本発明のポリエステルフイルムとは,周知の方法で形成
したポリエステルフイルム,すなわち,ポリエステルを
溶融してシートまたは円筒状に押出し,これを少なくと
も一方向に延伸して形成したフイルムで,そのフイルム
の機械特性としては通常のバランスタイプ,一軸方向に
強力化されたタイプ,二軸方向に強力化されたタイプの
いずれかであることが望ましい。また,ポリエステルフ
イルムの表面は平滑であることが望ましく,具体的には
フイルム表面の粗さは,触針式表面粗さ計のカツトオフ
値0.08mmで,Ra値が0.015μ以下,より好まし
くは0.010〜0.002μの範囲内にあることが望
ましい。
なお,Ra値とは,触針式表面粗さ計から得られる断面曲
線から適当なカツトオフ値を用いて,うねりを除いた粗
さ曲線において,中心線(中心線より上の部分と下の部
分の面積が等しくなるようにして求められる)からの粗
さ曲線の高さ(低さ)の絶対値の算術平均である(DIN
4768による)。
上記フイルムを形成するポリエステルは,線状ポリエス
テルを主体とするものであればどのようなものでもよ
い。たとえば,ポリエチレンテレフタレート,ポリテト
ラメチレンテレフタレート,ポリ−1,4−シクロヘキ
シレンジメチレンテレフタレート,ポリエチレン−2.
6−ナフタリンジカルボキシレート,ポリエチレン−p
−オキシベンゾエートなどがその代表例である。
また上記のポリエステルは,ホモポリエステルであつて
も,コポリエステルであつてもよい。コポリエステルの
場合,共重合する成分としては,例えば,ジエチレング
リコール,プロピレングリコール,ネオペンチルグリコ
ール,ポリエチレングリコール,p−キシリレングリコ
ール,1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのジオ
ール成分,アジピン酸,セバシン酸,フタル酸,イソフ
タル酸,2,6−ナフタリンジカルボン酸,5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸成分,トリ
メリツト酸,ピロメリツト酸などの多官能ジカルボン酸
成分,p−オキシエトキシ安息香酸などが挙げられる。
なお,共重合の場合,共重合する成分は20モル%以下
とする。そのフイルム中に延伸した際に,フイルム表面
突起の原因となる重合残査からなる内在粒子あるいは外
部から加えられた不活性粒子等が含まれていてもよく,
その含有量は,それらのポリマーを二軸延伸した場合,
厚さ30μ以下で,1枚当りのヘイズ5%以下であれば
良い。
本発明の水溶性ポリエステルとは,全ジカルボン酸成分
のうち,70モル%以上の芳香族ジカルボン酸は,テレ
フタル酸,イソフタル酸,フタル酸,2,5−ジメチル
テレフタル酸,ナフタレンジカルボン酸類,ビフエニル
ジカルボン酸およびそれらのエステル形成性誘導体等か
らなるものであるが,これらの中でテレフタル酸が耐摩
耗性の点で好ましい。
また,7〜30モル%のエステル形成性スルホン酸アル
カリ金属塩化合物は,スルホテレフタル酸,5−スルホ
イソフタル酸,4−スルホイソフタル酸およびそれらの
エステル形成性誘導体等のアルカリ金属塩からなるもの
であるが,これらの中で5−スルホイソフタル酸のナト
リウム塩またはカリウム塩が好ましい。ここでエステル
形成性芳香族スルホン酸アルカリ金属塩化合物が7モル
%未満では,ポリエステルフイルムへの均一塗布が難し
いことから皮膜に厚さむらを有し好ましくない。また3
0モル%を越えるとブロツキング性が大きくなる。
次にグリコール成分は,エチレングリコール:ジエチレ
ングリコールがモル比で100:0〜85:15(好ま
しくは100:0〜90:10)の組成比のエチレング
リコールとジエチレングリコールとからなり,ジエチレ
ングリコールの割合が上記の範囲を越えるとブロツキン
グ性が大きくなる。
この水溶性ポリエステルは,分子量が1×10〜1×10
のものが接着性,水への溶解性が良く好ましい。
本発明における水溶性ポリエステルの水溶性とは,物理
的,化学的な意味で厳密性を有するものでなく,水に大
部分が溶解もしくは微分散するものをさす。
なお,水溶性ポリエステルには,そのポリエステルに対
し,リン化合物中のリン量として20〜1000ppm
含有していてもよい。
本発明のシランカツプリング剤とは,その分子中に2個
以上の異なつた反応基をもつ有機けい素単量体であり,
反応基の一つはメトキシ基,エトキシ基,シラノール基
などであり,もう一つの反応基は,ビニル基,エポキシ
基,メタアクリル基,アミノ基,メルカプト基などであ
る。反応基は水溶性ポリエステル側鎖,末端基およびポ
リエステルと結合するものを選ぶが,シランカツプリン
グ剤としてビニルトリクロルシラン,ビニルトリエトキ
シシラン,ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン,γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ
−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン,N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン,γ−クロロプロピルトリメトキシシラン,γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,γ−アミノ
プロピルトリエトキシシラン等が適用できる。
本発明の無機微細粒子とは公知の無機化合物粒子,具体
的にはMgO,ZnO,MgCO3,CaCO,CaSO,BaSO,Al2
O,SiO,TiOやCa,Ba,Zn,Mn などの酸塩などから
なる微粒子で,この微粒子は一種でもよく,また複数種
のものを併用してもよい。
無機微粒子の平均径は,0.005〜3μが好ましく,
0.005〜1μがより好ましい。また,磁性層が蒸着
膜に限られる場合,その径は0.005〜0.1μ,特
に0.01〜0.05μが好ましい。
本発明の連続皮膜とは,上記の水溶性ポリエステルと,
シランカツプリング剤と,無機微粒子とを主体としたも
のであり,その配合比は特に限定されないが,水溶性ポ
リエステルを〔A〕,シランカツプリング剤を〔B〕,
無機微細粒子を〔C〕としたとき,磁性層が塗布層の場
合の配合比は〔A〕:〔B〕:〔C〕=100:0.1
〜100:0.1〜100が好ましい。〔B〕が上記下
限を下まわると耐湿性が向上せずフイルムがロール状に
巻かれた時ブロツキングが生じたり〔C〕が皮膜から脱
落したりする。上限をこえると塗液がゲル化を起しポツ
トライフが短くなつたり,連続皮膜構造が固くなりす
ぎ,皮膜がもろくなつて接着下塗り層としての特性が著
しく低下する。〔C〕が下限を下まわるとブロツキング
が生じる。上限を越えると微細粒子の皮膜からの脱落が
激しくなり,ドロツプアウト等が悪化し好ましくない。
また,磁性層が蒸着膜の場合の配合比は〔A〕:
〔B〕:〔C〕=100:0.1〜100:0.1〜1
0が好ましい。〔C〕の上限が上記の範囲内であると電
磁変換特性が向上する。
なお,本発明の連続皮膜構成成分にシリコーン,各種ワ
ツクス等の滑剤を必要に応じて加え,磁性層面とは反対
面に塗布することで易滑走行性を付与したポリエステル
フイルムとすることが出来る。
本発明の連続皮膜には,平均径が0.005〜5μ,好
ましくは0.005〜2μ,より好ましくは0.005
〜0.2μ,さらに好ましくは0.015〜0.08μ
の突起が形成されてなければならない。平均径がこの範
囲を外れると,接着性とブロツキング性を満たすことが
できない。
また,突起の数,突起の高さは特に限定されないが,適
用される磁性層に対応して次の範囲とするのが好まし
い。
すなわち,磁性層が塗布層の場合,突起の数は103〜10
10ケ/mm2,特に104〜109ケ/mm2が好ましく,突起の高
さは0.005〜4.5μ,特に0.01〜1.5μが
好ましい。
また,磁性層が蒸着膜の場合,突起の数は104〜1010
/mm2,特に105〜108ケ/mm2が好ましく,突起の高さは
0.05μ以下,特に0.005〜0.03μが好まし
い。なお,この場合の突起の平均径は0.005〜0.
2μが好ましい。
突起の数が上記の範囲にあるとブロツキング性が,ま
た,突起の高さが上記の範囲にあると電磁変換特性がよ
り改善される。
次に,本発明の製法について説明する。ただしこれに限
定されるものではない。通常の方法で一方向に延伸後の
平滑なポリエステルフイルムの少なくとも片面に,シラ
ンカツプリング剤および無機化合物微細粒子が混合・分
散された水溶性ポリエステル(分子量;1×103〜1×1
04)の水溶液を塗布し,乾燥後あるいは乾燥しながら直
角方向に延伸を行なうか,あるいは,直角方向に延伸後
さらに前記一方向に再延伸し熱処理する。さらに具体的
には,前記説明のポリエステル原料を用い,通常の製膜
機により溶融押出し,冷却後,3〜5倍に一軸延伸した
縦延伸フイルムに,その後,予熱延伸前の工程におい
て,シランカツプリング剤および無機化合物微細粒子が
混合・分散された水溶性ポリエステル(分子量;1×10
3〜1×104)の水溶液を,各種コーテイング法によつて
少なくとも片面に塗布を施す。
この塗布液の塗布量は1ケの面につき固型分濃度で20
0〜4000mg/m2であり,好ましくは600〜280
0mg/m2である。つぎにこの塗布された縦延伸フイルム
を横延伸するが,フイルム表面塗布液中水分は少なくと
も横延伸に支障をきたさない程度に乾燥する必要があ
る。これは二軸延伸機のステンター予熱部で3〜100
%/秒の水分乾燥速度となるよう熱風温度80〜130
℃で予熱し,その後90〜120℃の延伸温度で2.5
〜4.5倍に横延伸する。
さらに、この横延伸フイルムを180〜230℃で熱処
理,あるいは1.1〜1.8倍に,再延伸後180〜2
30℃で熱処理すると,平滑なポリエステルフイルムの
表面に,微細突起を有する連続皮膜が形成された面を少
なくとも片面にも二軸延伸された本発明のポリエステル
フイルムが得られる。
このようにして得られたポリエステルフイルム面上に形
成された水溶性ポリエステルからなる連続皮膜上には,
公知の磁性層,例えば,バインダーに鉄,コバルト,ニ
ツケルまたはそれらの合金からなる強磁性体を分散せし
めた塗布層あるいはその強磁性体で形成した蒸着膜を設
けることにより磁気記録媒体とすることができる。
〔発明の効果〕
本発明は,ポリエステルフイルムの少なくとも片面に,
特定の連続皮膜を形成したので,磁性層との接着性が良
好であり,また,フイルム同志がブロツキングしないと
いう優れた効果を得ることができたものである。
本発明の連続皮膜を形成したポリエステルフイルムは,
公知の磁性層,例えば塗布層,蒸着膜を設けるのが適し
ているが,特に後者の蒸着膜を設けるのが最も適してい
る。なお,本発明の連続皮膜を形成したポリエステルフ
イルムは,磁気記録媒体用だけでなく感光材料,包装材
料,製図用材料,電子写真材料などの各種用途に適用す
ることもできる。
〔特性の測定法,評価法〕
(1) 突起の平均径 本発明のフイルム表面を電子顕微鏡を用いて,個々の突
起の最大長さ(最大径)を観察し,その観察値の和を観
察個数で除した値を突起の平均径とする。
(2) 突起の高さ 第1図は触針式表面粗さ計により,カツトオフ値0.0
8mmを用い,縦倍率50万倍の条件で表面皮膜形成面を
測定した時の表面粗さ曲線を模式的に示したものであ
る。突起の高さは第1図で例示したごとくhp1,hp2,hp
3の高さで示されるものである。
(3) 接着性 本発明のフイルムの連続皮膜層上に磁性層を塗布し,剥
離強度を測定した。磁性層用塗料の組成は,ニトロセル
ロース30部,ポリウレタン40部,塩ビ−酢ビ樹脂3
0部,イソシアネート反応剤8部,カーボンブラツク1
5部,ステアリン酸アマイド5部,γ−Fe2O500部
をトルエン,メチルエチルケトンを等量混合した溶剤9
00部に分散したものである。これを塗布後80℃1分
間乾燥し,その後80℃,20時間エージングし,約5
μの磁性層とした。この磁性層面に住友スリーエム社製
の18mm巾のスコツチテープを気泡の入らない様に貼
り,引張試験機による90゜剥離強度を測定した。剥離強
度(接着性)135g以上を接着性良好とした。
(4) ブロツキング性 本発明のポリエステルフイルムの連続皮膜を形成した面
と,連続皮膜未形成のフイルム面を重ね,温度40℃,
湿度80%RH,荷重100g/cm2で20時間放置し
た。評価は,上記の重ね合せたものを目視によりブロツ
キング部分がフイルム全面積のどの程度であるか観察す
る方法で,ブロツキングが全くない場合を〇,部分的に
ブロツキングがある場合を△,50%以上の部分がブロ
ツキングしている場合を×とした。
(5) テープ特性 一般市販のVHS方式のVTRを用い,録画,再生を繰
り返して評価した。
(イ) テープ走行性 常温常湿,高温高湿の2条件下での再生を行ない,テー
プ走行の乱れによる画面のゆらぎを観察することにより
行なつた。
評価基準は次の通りである。
〇:走行順調で再生画面のゆらぎが全くなし。
×:ところどころで走行が遅くなり,再生画面のゆらぎ
が生ずる。
(ロ) 耐すり傷性(接着性) やはり常温常湿および高温高湿条件下で100回繰り返
し走行させたあとのテープ薄膜上のすり傷観察により蒸
着金属との接着性評価を行なった。評価基準は次の通
り。
◎:テープ薄膜面上にほとんど全くすり傷の発生がみら
れない。
〇:テープ薄膜面上にきわめて弱いすり傷の発生が少し
見られる。
×:テープ薄膜面上に,きついすり傷が発生する。
なお,常温常湿とは,25℃,60%RHであり,高温
高湿とは40℃,80%RH条件である。
(ハ) S/N比 50%白レベル信号を各テープの最適記録電流で記録
し,再生時のビデオ復調信号に含まれる信号と雑音の比
をビデオノイズメーターを用い,市販のVHS標準テー
プをφdBとして比較測定した。
(ニ) ドロツプアウト 磁気記録テープに3段階段波信号を最適記録電流で記録
し,再生時のビデオヘツドアンプ出力の減衰量が18d
B,継続時間20μsec以上のドロツプアウトを10分
間ドロツプアウトカウンターで測定し,1分間あたりの
平均をとつた。S/N比,ドロツプアウト測定は常温常
湿条件で行なつた。
(実施例〕 本発明を実施例に基づいて説明する。ただし,これに限
定されるものではない。
実施例1 固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートを約2
0℃に維持された回転ドラム上に溶融押出しし,つぎに
3.4倍の機械方向への延伸を施し,その後メタリング
バーコーターを用いて下記水溶液エマルジヨンを固形分
濃度600mg/mで片面塗布した。
水溶液エマルジヨンとしては,水溶性ポリエステル(重
合組成TPA75モル%/5−NaスルホIPA25モル
%EG85モル%/DEG15モル%,分子量300
0)1.5wt%,シランカツプリング剤N−β(アミノ
エチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
0.075wt%,SiO,粒子(アエロジル#300)
0.7wt%のものを調合した。乾燥・予熱,延伸温度
は115℃で水分乾燥速度は15%/秒とした。
横延伸倍率3.4倍,熱処理温度220℃で製膜し,片
面に水溶性ポリエステルからなる連続皮膜層を有した厚
さ12μのポリエチレンテレフタレートフイルムAを得
た。
このフイルムAの特性を表1に示す。
実施例2 実施例1のフイルムAの製造において,SiO2の代りにCa
CO(白石工業,白艶華A)0.3wt%を用いた他は
実施例1と同様にして厚さ12μのポリエチレンテレフ
タレートフイルムBを得た。
このフイルムBの特性を表1に示す。
実施例3 実施例1のフイルムAの製造において,シランカツプリ
ング剤をγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
0.15wt%におきかえた他は実施例1と同様にして厚
さ12μのポリエチレンテレフタレートフイルムCを得
た。
このフイルムCの特性を表1に示す。
実施例4 実施例1のフイルムAの製造において,水溶性ポリエス
テルの重合組成をTPA90モル%/5−NaスルホIP
A10モル%EG97モル%/DEG3モル%,分子
量3000におきかえた水溶液濃度1.5wt%のもの
を用いる他は実施例1と同様にして厚さ12μのポリエ
チレンテレフタレートフイルムDを得た。
このフイルムDの特性を表1に示す。
実施例5 実施例1のフイルムAの製造において,SiO2の代りにカ
オリン(ユニオンカーバイド,ASP170)0.5w
t%におきかえた他は実施例1と同様にして厚さ12μ
のポリエチレンテレフタレートフイルムEを得た。
このフイルムEの特性を表1に示す。
実施例10 実施例1のフイルムAの製造においてSiO粒子を、
富士デヴィソン社製サイロイド266粒子0.15重量
%に替える以外は実施例1と同様にして厚さ12μmの
ポリエチレンテレフタレートフイルムPを得た。
このフイルムPの特性を表1に示す。
比較例1 実施例1のフイルムAの製造においてシランカツプリン
グ剤およびSiO2粒子を加えなかつた他は実施例1と同様
にして厚さ12μのポリエチレンテレフタレートフイル
ムFを得た。
このフイルムFの特性を表1に示す。
比較例2 実施例1のフイルムAの製造においてSiO2粒子を加えな
かつた他は実施例1と同様にして厚さ12μのポリエチ
レンテレフタレートフイルムGを得た。
このフイルムGの特性を表1に示す。
比較例3 実施例1のフイルムAの製造においてシランカツプリン
グ剤を加えなかつた他は実施例1と同様にして厚さ12
μのポリエチレンテレフタレートフイルムHを得た。
このフイルムHの特性を表1に示す。
比較例7 実施例1のフィルムAの製造においてSiO粒子を、
富士デヴィソン社製サイロイド72粒子0.1重量%に
替える以外は実施例1と同様にして厚さ12μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムQを得た。
このフィルムQの特性を表1に示す。
比較例8 実施例1のフイルムAの製造において水溶性ポリエステ
ルの酸成分の重合組成をTPA65モル%/5−Naス
ルホIPA35モル%に替える以外は実施例1と同様に
して厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィル
ムRを得た。
このフィルムRの特性を表1に示す。
比較例9 実施例1のフィルムAの製造において水溶性ポリエステ
ルのグリコール成分の重合組成をEG80モル%/DE
G20モル%に替える以外は実施例1と同様にして厚さ
12μmのポリエチレンテレフタレートフイルムSを得
た。
このフィルムSの特性を表1に示す。
比較例10 実施例1のフィルムAの製造において水溶性ポリエステ
ルの酸成分の重合組成をTPA95モル%/5−Naス
ルホIPA5モル%に替える以外は実施例1と同様にし
て厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフイルム
Tを得たところ、水溶性ポリエステルが均一に塗布され
ておらず、皮膜に著しい厚さムラが生じていた。
表1の特性結果から明らかなように本発明の連続皮膜を
形成したフイルムは接着性及びブロツキング性がともに
良好であることがわかる。
実施例6 固有粘度0.65の重合触媒残査等にもとづく内部粒子
をできる限り含まないポリエチレンテレフタレートを2
0℃に維持された回転ドラム上に溶融押出しし,つぎに
3.4倍の機械方向への延伸を施し,その後メタリング
バーコーターを用いて下記水溶液エマルジヨンを固型分
濃度600mg/m2で片面塗布した。
水溶液エマルジヨンとしては,重合組成がTPA75モ
ル%/5−NaスルホIPA25%EG85モル%/
DEG15モル%からなる水溶性ポリエステル1.5w
t%,シランカツプリング剤N−β(アミノエチル)γ
−アミノプロピルメチルジメトキシシラン0.075wt
%,平均粒径200Åの極微細SiO0.15wt%の割合のも
のを調合した。乾燥,予熱,延伸温度は115℃で水分
乾燥速度は15%/秒とした。
横延伸倍率3.4倍,熱処理温度220℃で製膜し,片
面に高さ190Åで平均径280Åの突起が5×106
/mm2の割合で存在する連続皮膜が形成された厚さ12
μのポリエチレンテレフタレートフイルムIを得た。こ
のフイルムIのブロツキング性を表2に示す。
また,このフイルムIの表面に真空蒸着によりコバルト
・ニツケル合金薄膜を1500Åの膜厚で形成し,続い
て本発明の塗布面と反応側の面にポリウレタン,ニトロ
セルロース,CaCO,ステアリン酸アマイドを組成とす
るバツクコート層を設けた。続いて所定幅にフイルムの
機械方向に切断し,磁気テープとした。この特性を表2
に示す。
実施例7 実施例6のフイルムIの製造において,使用水溶液中に
極微細シリカを平均粒径210Åの極微細CaCOにかえ
たことを除いて,他は実施例6と同様にして片面に高さ
200Åで平均径が290Åの突起が5×106ケ/mm2
割合で存在する連続皮膜が形成された厚さ12μのポリ
エチレンテレフタレートフイルムJを得た。このフイル
ムJのブロツキング性を表2に示す。
このフイルムJを用い,実施例6と同様にして蒸着磁気
テープを得た。テープ特性を表2に示す。
実施例8 実施例6のフイルムIの製造において,シランカツプリ
ング剤をγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
0.15wt%におきかえた他は実施例6と同様にして
高さ190Åで平均径280Åの突起が5×106ケ/mm
の割合で存在する連続皮膜が形成された厚さ12μの
ポリエチレンテレフタレートフイルムKを得た。このフ
イルムKのブロツキング性を表2に示す。
このフイルムKを用い,実施例6と同様にして蒸着磁気
テープを得た。テープ特性を表2に示す。
実施例9 実施例6のフイルムIの製造において,水溶性ポリエス
テルの重合組成をTPA90モル%/5−NaスルホIP
A10モル%EG97モル%/DEG3モル%におき
かえた水溶液濃度1.5wt%のものを用いる他は実施
例6と同様にして高さ190Åで平均径280Åの突起
が5×106ケ/mm2の割合で存在する連続皮膜が形成され
た厚さ12μのポリエチレンテレフタレートフイルムL
を得た。このフイルムLのブロツキング性を表2に示
す。
このフイルムLを用い,実施例6と同様にして蒸着磁気
テープを得た。テープの特性を表2に示す。
比較例4 実施例6のフイルムIの製造において,シランカツプリ
ング剤および SiO,粒子を加えなかつた他は実施例6と
同様にして微粒子の存在しない連続皮膜が形成された厚
さ12μのポリエチレンテレフタレートフイルムMを得
た。このフイルムMのブロツキング性は表2に示す通
り,極めて悪く次の蒸着工程を通すに到らなかつた。
比較例5 実施例6のフイルムIの製造において,SiO2粒子を加え
なかつた他は実施例6と同様にして微粒子の存在しない
連続皮膜が形成された厚さ12μのポリエチレンテレフ
タレートフイルムNを得た。このフイルムNのブロツキ
ング性は表2に示す通り,一部のブロツキングが見られ
るが、このフイルムNを用い,実施例6と同様にしてか
ろうじて蒸着磁気テープを得た。テープの特性を表2に
示す。
比較例6 実施例6のフイルムIの製造において,使用する極微細
SiO2の平均粒径を30Åにした以外は実施例6と同様に
して,高さが20Åで平均径40Åの突起が5×106ケ/m
m2の割合で存在する連続皮膜が形成された厚さ12μの
ポリエチレンテレフタレートフイルムOを得た。このフ
イルムOのブロツキング性を表2に示す。
このフイルムOを用い,実施例6と同様にして蒸着磁気
テープを得た。テープ特性を表2に示す。
表2の特性結果ら明らかなように,本発明の連続皮膜の
形成されたポリエステルフイルムの連続皮膜面上に蒸着
膜を形成させた磁気テープは,常温常湿,高温高湿の使
用においても,ともに走行性,耐すりきず性が良好であ
り,しかも平滑で電磁変換特性がすぐれている。
【図面の簡単な説明】
第1図は,触針式表面粗さ計で測定した本発明の連続皮
膜の形成された面の表面粗さ曲線を模式的に示した図で
ある。 hp〜hp:突起

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に、全ジカルボン酸成分のうち、70モル%以上が芳香
    族ジカルボン酸、7〜30モル%がエステル形成性スル
    ホン酸アルカリ金属塩化合物であり、グリコール成分は
    モル比で100:0〜85:15の組成比のエチレング
    リコールとジエチレングリコールとからなる水溶性ポリ
    エステルと、シランカップリング剤と、無機微細粒子と
    を主体とする連続皮膜が形成され、該連続皮膜には平均
    径0.005〜5μの突起が形成された磁気記録媒体用
    ポリエステルフィルム。
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