JPS635546B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、エピトロコイド式自公転掘削機に係
り、特にローラビツトを備えた自公転掘削機に関
する。

ローラビツトは、掘削機のビツト軸に対して略
直交した軸線を持ち、この軸線を中心にローラビ
ツト自体がビツト軸に対して回転することにより
地盤を掘起こし、掘削を行う。従つて、硬岩を掘
削する場合には、剪断作用により掘削を行う通常
のドラツグビツトに比べてローラビツトを用いた
方が小さい回転トルクでより効果的に掘削するこ
とができる。

一方、自公転掘削機は従来から知られており、
これには次の二つのタイプがある。第１のタイプ
は、ビツトを自転させると共に自転方向と逆方向
にビツトを公転させ（ハイポトロコイド軌跡）、
これによりビツトの受ける反力を相殺しながら掘
削する自公転掘削機である。第２のタイプは、ビ
ツトを自転させると共に自転方向と同一方向にビ
ツトを公転させ、（エピトロコイド軌跡）、ビツト
の受ける反力は地上の支持部で受けながら掘削す
る自公転掘削機である。しかしながら前記第１の
自公転掘削機に於いて前記ローラビツトを用いる
と、ローラビツトの移動軌跡とローラビツトの回
転方向とが異なり、掘削中にローラビツトの滑り
が生じる為ローラビツトが摩耗する等の不具合が
ある。

本発明は、このような事情に鑑みてなされたも
ので、ローラビツトを適用可能とした自公転掘削
機を提案することを目的としている。

本発明は前記目的を達成する為に、掘削機本体
が地上の支持部を介して回動不能に支持され、ビ
ツト軸が自転すると共に自転方向と同一方向に公
転しながら掘削する自公転掘削機に於いて、ロー
ラビツトが取付けられたビツト軸の自転数を公転
数に対して大きくし、ローラビツトの移動軌跡が
ローラビツトの転がり方向と略近くなるようにし
たことを特徴としている。

以下添付図面に従つて本発明に係る自公転掘削
機に好ましい実施例を詳説する。

第１図は、本発明に係る自公転掘削機によつて
掘削する状態を示す図面で、１０は自公転掘削
機、１２は自公転掘削機に接続され地上まで延び
ているリバースロツド、１４はケーブル、１６は
地上に支持されている架台である。リバースロツ
ド１２の上部には角柱状のケリーロツド１８が接
続され、ケリーロツド１８は架台１６に設けられ
た反力受部２０に回転不能に支持されている。従
つて自公転掘削機１０が受ける掘削反動トルクは
リバースロツド１２、ケリーロツド１８を介して
地上の反力受部２０で支持される。ケリーロツド
１８の上部にはベントパイプ２２が接続され、ベ
ントパイプ２２はホース２４を介してサクシヨン
ポンプ２６に接続されている。ベントパイプ２２
はワイヤロープ２８を介してクレーン３０に懸架
される。尚、３２はガイドローラ３４を介してケ
ーブル１４が巻回されたケーブルリール、３６は
掘削孔３８の上縁に挿入されたスタンドパイプ、
４０は掘削孔３８内に掘削水を供給するパイプで
ある。

第２図では自公転掘削機１０が拡大して示さ
れ、４４は本体ケース、４２は本体ケース４４に
搭載された水中モータ（又は油圧モータ）、４６
は本体ケース４４の下部に枢支された公転ケー
ス、４８は公転ケース４６に枢支された自転ビツ
ト軸、５０は自転ビツト軸４８の下部に固定され
たローラビツトである。尚、５２はリバースロツ
ド１２と連通したカツテイング吸込口、５４は本
体ケース４４の側面に設けられた垂直ガイドであ
る。

第３図では、自公転掘削機１０の動力伝達機構
が示されている。第３図に於いて、モータ４２は
減速装置５６を介して本体ケース４４に枢支され
た軸５８と連結されている。この軸５８にはギア
６０が固定され、ギア６０は外軸６２の外周に形
成されたギア６４とかみ合つている。この外軸６
２はベアリング６６を介して本体ケース４４に枢
支されている。外軸６２の下端部は公転ケース４
６の上面に固定されている。また、本体ケース４
４には内軸７０が固定され、この内軸７０は上端
がリバースロツド１２と接続されると共に、下端
は公転ケース４６を貫通して前記吸込口５２を形
成する。この内軸７０と公転ケース４６との間に
はベアリング７２，７４が介在されている。ここ
で、減速装置５６、軸５８、ギア６０、外軸６
２、ギア６４はモータ４２と公転ケース４６とを
連結する第１伝達機構を構成する。

内軸７０の外周には、公転ケース４６内で大陽
ギア７４が形成されている。公転ケース４６には
自転ビツト軸４８が枢支され、この自転ビツト軸
４８は第３図では１本のみ示されているが、実際
には図示しない残りの２本の自転ビツト軸４８が
公転ケース４６に枢支されている。この自転ビツ
ト軸４８にはギア７６が固着され、固定の大陽ギ
ア７４と自転ビツト軸４８のギア７６とは、軸７
８，８０、ギア８２，８４，８６，８８から成る
第２伝達機構によつて連結されている。自転ビツ
ト軸４８は、この第２伝達機構によつて公転ケー
ス４６の回転数に対して比較的大きい自転数（例
えば自転数：公転数＝８：１）で回転し、而も第
４図に示すように自転方向Ａと公転方向Ｂとは同
方向である。

自転ビツト軸４８の下端には取付板９０が固着
され、この取付板９０に固着された取付金具９２
に前記ローラビツト５０が回動可能に支持され
る。ローラビツト５０は第５図に示すように円錐
台形に形成され、その大径部５０ａを取付板９０
の外側に位置させると共にその小径部５０ｂを取
付板９０の内側に位置させるように取付金具９２
に取付けられる。また、ローラビツト５０の回転
軸線Ｃは自転ビツト軸４８の直交方向に対して大
径部５０ａ側が上方にわずかに傾斜するように構
成される。更に、ローラビツト５０の外周面を形
成する下側母線９１は自転ビツト軸４８に直交す
る底面９３に対してその大径部５０ａ側が上方に
わずかに傾斜するように配置される。ローラビツ
ト５０はその大径部５０ａが第５図の実線で示す
位置においては、掘削孔底面と接触するが、この
位置から90゜回転した位置付近においては大径部
５０ａ側は２点鎖線で示すように掘削孔底面から
離れ、非接触状態となる。この結果、ローラビツ
ト５０は掘削時の滑りが少なくなると共に大径部
５０ａ側と小径部５０ｂ側との仕事量が均等化
し、ローラビツト５０のライフサイクルも延びる
ことになる。ローラビツト５０は、取付板９０に
複数個設けられ（図では２個のみ図示）、またロ
ーラビツト５０は取付金具９２を取付板９０にボ
ルト止めすることによつて取付板９０に固定され
る。

前記の如く構成された本発明に係る自公転掘削
機の実施例の作用は次の通りである。モータ４２
の回転力は公転ケース４６に伝達され、自転ビツ
ト軸４８並びに取付板９０がＡ方向に自転すると
共にＢ方向に公転して掘削孔３８を掘削する。ま
た、自転ビツト軸４８の自転数対公転数の比が例
えば８：１程度に設定されているので、ローラビ
ツト５０の移動軌跡は第６図の曲線Ｄの如くな
る。この曲線Ｄはローラビツト５０の転がり方向
Ｅと略同一方向であるので、ローラビツト５０の
滑りは最小限に抑えることができる。尚、第５図
に示す残存部分９４は自然崩壊されるが吸込口５
２の周囲にカツタを設けて掘削してもよい。

前記実施例によれば、ローラビツト５０は自公
転しながら掘削するので、大孔径の掘削にもかか
わらずローラビツト５０の数は少なくて済む。ま
た、ローラビツト５０は第６図に示すようにエピ
トロコイド曲線Ｄの軌跡を描きながら移動するの
で、摩耗が少なく掘進率が向上し、ビツトロード
も小さい。更に、前記実施例に於いては、ローラ
ビツト５０は外側から内側に移動するので、カツ
テイングスは中央の吸込口５２近傍に掻集めら
れ、カツテイングスの除去効率が良くなる。ま
た、、ローラビツト５０は吸込口５２近くで洗浄
されるので、カツテイングスが付着しにくい効果
がある。

以上説明したように本発明に係る自公転掘削機
によれば、掘削機本体が地上の支持部を介して回
動不能に支持され、ビツト軸が自転すると共に自
転方向と同一方向に公転しながら掘削する自公転
掘削機に於いて、ローラビツトが取付けられたビ
ツト軸の自転数を公転数に対して大きくとり、ロ
ーラビツトの移動軌跡がローラビツトの転がり方
向と略同一となるようにしたので、ローラビツト
が円滑に転がることができ、摩耗が発生しなく、
エピトロコイド式自公転掘削機にローラビツトを
用いることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例を用いて掘削状態を示す正面
図、第２図は本実施例の正面図、第３図は本実施
例の動力伝達機構の説明図、第４図は第２図上で
−線に沿う本実施例の底面図、第５図はロー
ラビツト付近の拡大図、第６図は本実施例のロー
ラビツトの移動軌跡を示す説明図である。 １０……自公転掘削機、４２……モータ、４４
……本体ケース、４６……公転ケース、４８……
自転ビツト軸、５０……ローラビツト、Ａ……自
転方向、Ｂ……公転方向、Ｄ……ローラビツトの
移動軌跡、Ｅ……ローラビツトの転がり方向。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 掘削機本体が地上の支持部を介して回動不能
   に支持され、複数のビツト軸が自転すると共に自
   転方向と同一方向に公転しながら掘削する自公転
   掘削機に於いて、各ビツト軸の下端部にビツト軸
   の軸線と略直交した軸線を中心に回転するローラ
   ビツトを複数個取付け、ローラビツトの移動軌跡
   がローラビツトの転がり方向に略近くなるように
   ビツト軸の自転と公転との回転数比が設定されて
   いることを特徴とするローラビツトを備えた自公
   転掘削機。 ２ ローラビツトは円錐台形に形成され、ローラ
   ビツトの大径側はビツト軸中心に対して外側に位
   置すると共に小径側は内側に位置し、ローラビツ
   トの母線はビツト軸に対して内側から外側にかけ
   てビツト軸直交底面に対してわずかに上方に傾斜
   するようにローラビツトをビツト軸下端部に取付
   けたことを特徴とする特許請求の範囲第１項のロ
   ーラビツトを備えた自公転掘削機。