JPS63510Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シートバツクのロツク装置の
改良に関する。

（従来の技術） 近年、自動車のリヤシート等において乗員が着
座可能な正規位置から前方へ倒せることができる
ように支持されたシートバツクを有するシート装
置が実用されている。この種のシート装置におい
て、シートバツクを正規位置に保つことができる
ように、同シートバツクのロツクレバーを回動可
能に取付けると共に、同シートバツクが正規位置
にあるときに上記ロツクレバーを係止するキヤツ
チを車体に取付けたロツク装置を有するものが知
られている。

（考案が解決しようとする問題点） 従来上記ロツクレバーは回動可能に支持された
剛体から成ると共に上記キヤツチに対して係合位
置にあるように別途スプリングにより付勢されて
いた。そのため、部品点数が増えて重量増および
コスト高となつてしまう不具合があつた。

〔考案の構成〕 （問題点を解決するための手段） 本考案は上記に鑑み創案されたものであつて、
乗員が着座可能な正規位置から前方へ倒せるよう
に支持されたシートバツクと、同シートバツクに
基端を固定され同シートバツク後方に延出して上
方に延び先端が上記シートバツクの上縁後方に位
置するように形成されたばね板材製のロツクレバ
ーと同ロツクレバーの後方延出部に形成された係
合孔と、上記シートバツク後方で上方に突出して
車体側に設けられ上記シートバツクが正規位置に
あるとき上記係合孔に嵌入されて上記ロツクレバ
ーを係止するキヤツチとを具備し、上記キヤツチ
は、上記シートバツクの正規位置方向への移動時
上記ロツクレバーを弾性変形させて上記係合孔に
嵌入するようシートバツク背面側に形成されたテ
ーパ面と、上記シートバツクの前倒方向への移動
に対して上記係合孔との係合を保持するよう上記
テーパ面の反対側に形成された略直立面とを有
し、上記ロツクレバーはレバー先端を上記シート
バツク上縁方向へ操作して弾性変形させることに
より上記係合孔と上記キヤツチとの係合を解除可
能に形成されていることを特徴とする自動車用シ
ートバツクのロツク装置を要旨とするものであ
る。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を添付図面に従つて詳
細に説明する。

図中、符号２は自動車用シートバツクであつ
て、車体のシートバツクパネル４にピン６を介し
て回動可能に支持されている。シートバツク２の
上部背面にはばね板材から成るロツクレバー１２
がその基端をねじ１４により取付けられている。

このロツクレバー１２はシートバツク２から後
方に延出して上方に延び上方延出部３６の先端が
シートバツク２の上縁後方に位置するよう形成さ
れ、この先端には操作ノブ３２が設けられてい
る。

またロツクレバー１２の後方延出部３４にはク
リンチ加工によつて係合孔１０が形成されてい
る。リヤシエルフパネル１６には、シートバツク
２が正規位置にあるときに、ロツクレバー１２の
係合孔１０に係合するよう上方に突出して形成さ
れた樹脂製のキヤツチ１８がねじ２０により取付
けられている。また、シートバツク２の上部背面
には、同シートバツク２が正規位置にあるとき
に、キヤツチ１８のシートバツク側側面下部に弾
接するラバー製のダンパ２２がロツクレバー１２
と共にねじ１４により取付けられている。ロツク
レバー１２は、第２図に明らかなように、係合孔
１０がキヤツチ１８に対して常に係合位置にある
ように形成されている。キヤツチ１８はロツクレ
バー１２のシートバツク２の正規位置方向への移
動のみを許容するように形成されている。すなわ
ちキヤツチ１８のシートバツク側側面上部には、
シートバツク２の正規位置方向への移動時ロツク
レバー１２に当接してロツクレバー１２を弾性変
形させながら係合孔１０に嵌入するよう形成され
たテーパ面４２が形成されており、キヤツチ１８
のテーパ面４２の反対側には、シートバツク２の
前倒方向への移動に対して係合孔１０の後縁に当
接しロツクレバーとの係合を保持するよう形成さ
れた略直立面４４が形成されている。そして、ロ
ツクレバー１２のキヤツチ１８に対する係合を解
除するときは、第２図に示されるように、操作ノ
ブ３２を操作してロツクレバー１２をその弾性力
に抗して矢印Ａ方向へ変位させることにより成さ
れシートバツク２の前倒が可能となるものであ
る。上記構成によれば、上記従来装置と比べて、
ロツクレバーを回動可能に支持するためのピンお
よびブラケツトならびに同ロツクレバーをキヤツ
チに対して係合位置に付勢するためのスプリング
等が不要となり部品点数が低減されて、重量およ
びコストを大巾に下げるという効果を奏する。特
に、上記実施例においてはダンパ２２がねじ１４
によつてロツクレバー１２と共締めされているの
で、より部品点数の低減を図ることができるもの
である。

また、シートバツク２が正規位置にあるときに
は、ダンパ２２がキヤツチ１８に弾接するため、
ダンパ２２の弾性力によりキヤツチ１８の略直立
面４４とロツクレバー１２の係合孔１０との係合
が確実に保持され信頼性に優れるものである。加
えてシートバツク２に乗員の荷重が加わつた場合
には係合孔１０の前縁とキヤツチ１８のテーパ面
４２とが当接するため、ダンパ２２が過度に変形
することがなく耐久性にも優れるものである。

更に、ロツク解除時のロツクレバー１２の操作
ノブ３２の操作方向は、シートバツク２の前倒方
向と同一であるため、操作ノブ３２の一操作で、
ロツク解除とシートバツク２の前倒を行なうこと
ができ操作性に優れる効果を奏する。

〔考案の効果〕

以上、実施例と共に具体的に説明したように、
本考案によれば、部品点数が少なく軽量かつ安価
で操作性にも優れる自動車用シートバツクのロツ
ク装置を提供する効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例全体を示す側面図、
第２図は第１図の要部拡大図、第３図は第２図の
シートバツク側を見た斜視図、第４図は第２図の
キヤツチ１８の斜視図である。 ２……シートバツク、１０……係合孔、１２…
…ロツクレバー、１６……リヤシエルフパネル、
１８……キヤツチ、２２……ダンパ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 乗員が着座可能な正規位置から前方へ倒せるよ
   うに支持されたシートバツクと、同シートバツク
   に基端を固定され同シートバツク後方に延出して
   上方に延び先端が上記シートバツクの上縁後方に
   位置するように形成されたばね板材製のロツクレ
   バーと、同ロツクレバーの後方延出部に形成され
   た係合孔と、上記シートバツク後方で上方に突出
   して車体側に設けられ上記シートバツクが正規位
   置にあるとき上記係合孔に嵌入されて上記ロツク
   レバーを係止するキヤツチとを具備し、上記キヤ
   ツチは、上記シートバツクの正規位置方向への移
   動時上記ロツクレバーを弾性変形させて上記係合
   孔に嵌入するようシートバツク背面側に形成され
   たテーパ面と、上記シートバツクの前倒方向への
   移動に対して上記係合孔との係合を保持するよう
   上記テーパ面の反対側に形成された略直立面とを
   有し、上記ロツクレバーはレバー先端を上記シー
   トバツク上縁方向へ操作して弾性変形させること
   により上記係合孔と上記キヤツチとの係合を解除
   可能に形成されていることを特徴とする自動車用
   シートバツクのロツク装置。