JPS6350187Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、緩衝式ミラーに関するものである。

緩衝式ミラーは、自動車の車体から突出して設
けられるバツクミラーなどとして広く用いられ、
外部物体の衝突を受けたとき容易に根元付近で屈
曲することにより外部物体の損傷を軽微ならしめ
るとともにミラー自体の損壊をも防止する機能を
有している。

第１図は従来一般に用いられている緩衝式ミラ
ーの断面図である。

ミラー１はミラーボデー２に取付けられてお
り、上記のミラーボデー２はミラーハウジング３
の中に玉継手４によつて回動自在に、かつ適宜の
抵抗を受けるように支承されている。

５はベースで、ドア等の車体壁６に固着され
る。このベース５には２個の支点突起７，８が一
体成形され、それぞれミラーハウジング３に形成
された受座９，１０に係合している。そして引張
りバネ１１がミラーハウジング３とベース５との
間に取付けられ、ミラーハウジング３をベース５
に向けて引きつけている。これにより、ミラーハ
ウジング３に矢印F₁方向の外力が作用するとミ
ラーハウジング３は支点突起８を中心として引張
りバネ１１の付勢力に抗して左回り方向に倒れ、
また矢印F₂方向の外力を受けると支点突起７を
中心として同様に右回り方向に倒れて衝撃を緩和
することができる。

上述のような緩衝作用を妨げることなく運転室
内からミラー１の姿勢を調整するため、次記のよ
うな操作装置が設けられている。

ベース５は球軸受１３によつて操作レバー１２
を回動自在に支承している。１４は手動操作用の
ハンドルである。

一方、ミラー１を取付けたミラーボデー２にブ
ラケツト１５が一体的に固着されていて、このブ
ラケツトに固定されたピン１６が操作レバー１２
の先端に穿たれた長孔１７と摺動自在に嵌合され
ている。

これにより、操作レバー１２の矢印Ａ，Ｂ方向
の回動をミラー１に伝えて矢印A′，B′方向に回
動させ、操作レバーの矢印Ｃ，Ｄ方向の回動をミ
ラー１に伝えてC′，D′方向に回動させることがで
きる。そして前記のようにピン１６と長孔１７と
の係合によつて回動を伝達しているので、ミラー
ハウジング３が外力を受けて支点突起７又は同８
を中心にして回動することを妨げない。

然し、上述のような従来の操作装置つき緩衝式
ミラーには次のような問題点がある。

ａ ミラーが破損した場合などに、ミラー１とミ
ラーボデー２とを組で部品交換をしようとする
と、ミラーボデー２にブラケツト１５が一体的
に固着されており、かつ、このブラケツト１５
はピン１６を介して操作レバー１２の長孔１７
に係着されているので、ミラーボデー２とミラ
ー１との組部品の交換が困難である。

ｂ 第１図に示したミラーの操作装置は手動式の
ものであるが、ミラーハウジング３内の空間Ｅ
に電動式のミラー作動装置（図示せず）を組み
こんで電気的に遠隔操作する構造に改造しよう
とする場合、手動式の操作レバー１２の切り離
しが容易でない。

上記の如き問題点のない操作装置つき緩衝式ミ
ラーとして、西独登録実用新案第7919790号明細
書に示す構造のものが知られている。すなわち、
この緩衝式ミラーの操作装置は、操作レバーと、
中間レバーと、ミラー側レバーとの３本のレバー
を組み合せたもので、ミラー側レバーをミラーボ
デーから取外せば、ミラーボデーとミラーとの組
部品を容易に交換することができる。しかし、こ
の構造の緩衝式ミラーは、ミラーハウジングが傾
倒して緩衝作用をすると、前記３本のレバーのう
ち少なくとも１組の係合が外れてそのままでは元
の状態に復帰させることができない。

本考案は、前記の如き従来技術の問題点を改善
し、ミラーおよびミラーボデーを組部品として容
易に交換することができ、しかも、ミラーハウジ
ングが傾倒して緩衝作用を行なつても操作用の部
材が外れることのない操作装置つき緩衝式ミラー
を提供することを目的とする。

上記の目的を達成するため、本考案は、ミラー
を取付けたミラーボデーを回動自在に支承したミ
ラーハウジングと、操作レバーを回動自在に支承
したベースとを有し、上記のミラーハウジングを
２個の支点を介してベースに当接せしめ、かつミ
ラーハウジングをベースに向けて引きつける方向
にスプリングによつて付勢してなる緩衝式ミラー
において、前記のミラーボデーにブラケツトを着
脱自在に固定し、該ブラケツトにリンクの一端を
回動自在に軸着すると共に、そのリンクをミラー
の先端側に向つて倒した状態においてリンクの他
端と前記操作レバーとを回動自在に軸着したこと
を特徴とする。

次に、本考案の一実施例を第２図ないし第４図
について説明する。

ミラー１を取りつけているミラーボデー２に、
ブラケツト取付座２ａ及びブラケツト取付ネジ孔
２ｂを形成する。

上記と別体に作つたブラケツト１８を上記のブ
ラケツト取付座２ａに当接し、ブラケツト取付ネ
ジ１９によつてミラーボデー２に固定する。２０
は上記のブラケツト１８と操作レバー１２′とを
連結するために設けたリンクで、その両端にそれ
ぞれピン孔を穿ち、そのリンクの一端をピン２１
によりブラケツト１８に回動自在に軸着すると共
に、そのリンクをミラーの先端側に向つて倒した
状態においてリンクの他端をピン２１により操作
レバー１２′の先端に回動自在に軸着する。

上記のリンク２０及びこれを連結する部材の斜
視図を第３図に示す。上記のリンク２０にストツ
パ２０ａを一体に形成する。これによりブラケツ
ト１８に対するリンク２０の回動角度が制限され
る。上記のストツパ２０ａはミラー１及びミラー
ボデー２を矢印A′，B′方向（第２図参照）に回
動操作する場合の回動所要角度に基づいて設定す
る。

本例のミラー装置は、ミラーボデー２の背面に
ピボツト球面座２２を一体成形し、この球面座２
２によつてピボツト玉軸２３を回動自在に抱持
し、締付ネジ２４，２４の締め加減によつて上記
の回動に与える抵抗を調整できるようにしてあ
る。２５は上記のピボツト玉軸２３をミラーハウ
ジング３の内面に取付けるための金具である。

第４図は、操作レバー１２′の先端と前記のブ
ラケツト１８とをリンク２０で連結したままピボ
ツト玉軸２３をピボツト玉軸取付金具２５から取
り外してミラーボデー２をミラーハウジング３か
ら抜き出した状態の斜視図である。本図において
はピボツト玉軸２３はその球部が隠れ、球部の台
枠の裏面が見えている。本実施例におけるハウジ
ング３は、従来装置（第１図）におけるハウジン
グ３と類似の部材で、スプリング１１によつてベ
ース５に引きつける方向に付勢され、係脱自在な
２個の支点７′，８′を介してベース５に当接して
いる。

本考案の操作装置つき緩衝式ミラーは、上記の
如く、ミラーボデー２にブラケツト１８を着脱自
在に固定し、該ブラケツト１８と操作レバー１
２′とをリンク２０を介して連結してあるので、
操作レバー１２′の矢印Ａ，Ｂ方向の回動および
矢印Ｃ，Ｄ方向の回動は従来装置（第１図）にお
けると同様にミラーボデー２に伝えられる。ま
た、緩衝時、すなわちミラーハウジング３が支点
７′又は同８′を中心にして傾動する場合には、リ
ンク２０の屈伸回動によつてこれに順応し、ブラ
ケツト１８とリンク２０と操作レバー１２′とが
連結されたままの状態でミラーハウジング３の緩
衝作用としての回動を許容し、従つて、外力がな
くなるとミラーハウジングはきわめて容易に起立
状態に復帰させることができる。そして、前述の
ような構成により、第４図の状態で取付ネジ１
９，１９を抜き取ると、ブラケツト１８がミラー
ボデー２から取り外される。このようにして、ミ
ラー１とミラーボデー２とを組部品としてミラー
ハウジング３から容易に取外すことができ、ま
た、同様にしてミラー１とミラーボデー２との組
部品を容易に組みつけることもできる。従つてミ
ラー１が破損した場合、若しくはミラーの操作装
置を異つた型式のものと交換する場合などに、別
段の特殊工具を使用したり追加工を施したりする
ことなくミラーとミラーボデーとの組部品を容易
に交換し、又は組み替えて再使用することができ
る。本例に示したような手動式操作装置を備えた
緩衝式ミラーに電動式操作装置（図示せず）を組
みこんだ場合は、手動式操作手段が不要になるの
でブラケツト１８をミラーボデー２から取り外し
ておく。

以上説明したように、本考案は、ミラーを取付
けたミラーボデーを回動自在に支承したミラーハ
ウジングと、操作レバーを回動自在に支承したベ
ースとを有し、上記のミラーハウジングを２個の
支点を介してベースに当接せしめ、かつミラーハ
ウジングをベースに向けて押しつける方向にスプ
リングによつて付勢してなる緩衝式ミラーにおい
て、前記のミラーボデーにブラケツトを着脱自在
に固定し、該ブラケツトにリンクの一端を回動自
在に軸着すると共に、そのリンクをミラーの先端
側に向つて倒した状態においてリンクの他端と前
記操作レバーとを回動自在に軸着したので、ミラ
ー及びミラーボデーを組部品として容易に交換す
ることができ、しかも、ミラーハウジングが傾倒
して緩衝作用を行なつても、操作用の部材が外れ
ることのない操作装置つき緩衝式ミラーを得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来一般に用いられている緩衝式ミラ
ーの断面図、第２図は本考案の一実施例に係る操
作装置つき緩衝式ミラーの断面図、第３図は上記
の実施例におけるリンク部分の分解斜視図、第４
図は同じくミラーをミラーハウジングから取り外
した状態において一部を切断した斜視図である。 １……ミラー、２……ミラーボデー、２ａ……
同ブラケツト取付座、３……ミラーハウジング、
４……玉継手、５……ベース、７，８……支点突
起、９，１０……受座、１１……引張りバネ、１
２′……操作レバー、１３……球軸受、１８……
ブラケツト、１９……ブラケツト取付ネジ、２０
……リンク、２０ａ……ストツパ、２１……リン
ク取付ピン、２２……ピボツト球面座、２３……
ピボツト玉軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ミラーを取付けたミラーボデーを回動自在に支
   承したミラーハウジングと、操作レバーを回動自
   在に支承したベースとを有し、上記のミラーハウ
   ジングを２個の支点を介してベースに当接せし
   め、かつ、スプリングによりミラーハウジングを
   ベースに向けて引きつける方向に付勢してなる操
   作装置つき緩衝式ミラーにおいて、前記のミラー
   ボデーにブラケツトを着脱自在に固定し、該ブラ
   ケツトにリンクの一端を回動自在に軸着すると共
   に、そのリンクをミラーの先端側に向つて倒した
   状態においてリンクの他端と前記操作レバーとを
   回動自在に軸着したことを特徴とする操作装置つ
   き緩衝式ミラー。