JPS634863Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、過流出防止弁を内蔵させたガスコツ
ク、特に、コツクの全開又はその近傍位置以外で
はコツク内流路が遮断されるようにした誤使用防
止式のこの種ガスコツクに関する。

かかるガスコツクとして、過流出防止弁をガス
コツクの閉子に内蔵し、過流出防止弁の主体とな
る筒体の弁座口を前記閉子と連動させた弁体によ
り開閉させ、該弁体の開弁域を閉子の全開位置又
はその近傍域までとしたものを実願昭57−89365
号として提案した。

前記考案は、この種ガスコツクの基本的部分に
関するものであるが、前記考案では、弁座口を閉
鎖する弁体とはすすみ対偶状態に連動させ、該弁
体を固定部にカム対偶させることが必要となる。

本考案は、この種ガスコツクに於ける弁体の開
閉機構に関するもので、弁体、過流出防止弁を閉
子内へ組み込む際の組立性を向上させることを目
的とする。

以下、本考案の構成を図面に基づいて説明を加
える。

上記課題を解決するための本考案の技術手段を
説述すると、このガスコツクは、コツク本体１に
下方のガス入口２から側方のガス出口３に致る流
路が形成される形式のものであり、同様に、該流
路中に挿入される閉子４にも下方から側方に致る
通過孔が形成され、その縦方向の孔部は過流出防
止弁の筒状主体５及び該筒状主体上端の弁座口６
を開閉する弁体７を収容する弁室８となつてい
る。

この弁体は、下端開放の筒状体で、上端頂壁９
の内面が弁部１０となり、これが筒状主体の上端
の開口端に当接する。弁体７の前記弁部の下方の
胴部には、一又は複数の開口部１１，１１が設け
られ、他方、胴部下端には一対の脚部１２，１２
が下方に且外側に突出している。

前記弁体は、過流出防止弁の筒状主体５に摺動
自在に外嵌し、通常は、閉子４の弁室８の上壁１
３と弁体９間に介装した圧縮バネ１４により常閉
状態にある。また、閉子４にはその下端に筒部１
５が連設され、該筒部には互いに対称に位置し且
下端に開放の一対のスリツト１６，１５が軸線方
向に開設されており、前記弁体の脚部１２，１２
が前記スリツトに各別に嵌合し、弁体７と閉子４
とのすすみ対偶を確保している。

コツク本体１の下部には、内方に張り出し且過
流出防止弁の筒状主体５を螺着するためのつば部
１７と閉子４の筒部１５によりはさまれる空室１
８が設けられており、筒状主体５の取付状態では
該空室は環状空室となる。この空室の外径は上方
の閉子収容部より小径に設定されており、ガス出
口３から外れた位置の側壁に縦溝１９が形成され
ている。

この空室には、カム筒２０が収容され、この収
容状態で該カム筒は過流出防止弁の筒状主体５に
外嵌すると共にカム筒２０の脚部に突設した突出
部２１が前記空室側壁の縦溝１９に嵌入係合す
る。

カム筒２０には上面に一対のカム部２２，２２
が形成されており、これらカム部は谷部２３及び
山部２４とこれらを継なぐ斜面部２５とから成
り、弁体７の脚部１２，１２が前記カム部に各別
に対接する。

この対接状態は適宜に設定されて、閉子４の全
閉位置で脚部１２，１２は谷部２３，２３の一側
に位置し、閉子４の全開位置では山部２４，２４
に、全開位置近傍では斜面部２５にそれぞれ一致
する。尚、閉子４に摺動抵抗が十分あることか
ら、閉子４の全開位置では脚部１２，１２が山部
２４，２４の手前の斜面部２５，２５の上方部分
に当接するようにしてもよい。

上記したカム筒２０の全高は空室１８の高さに
略一致しており、組立状態では、つば部１７と閉
子４の筒部１５下端とにはさまれて空室内に定着
されるものである。

上記した技術手段によれば、組立は次の手順で
行える。

(1) コツク本体のガス入口２側から過流出防止弁
をつば部１７に螺着する。

(2) カム筒２０を前記過流出防止弁の筒状主体５
に外嵌させ、突出部２１を縦溝１９に嵌入係合
させた状態でつば部１７の上に定着する。

(3) 弁体７を筒状主体５に外嵌させ、その姿勢を
下方のカム部２２，２２との関係で一定にす
る。

(4) ガス出口３と閉子４の通過孔との関係を適正
にした状態で閉子４をコツク本体内に収容し、
弁体７と弁室８の上端間にバネ１４を介装して
弁体７の脚部１２，１２を閉子４の筒部１５に
設けたスリツト１６，１６に嵌合させる。

(5) 閉子４の操作軸近傍の組立てを行う。

以上の手順の組立により、閉子４と弁体７とが
すすみ対偶状態に組み合され、閉子４の回動に応
じて弁体７が開閉することとなる。

以上のように上記技術手段によれば、過流出防
止弁、カム筒２０、圧縮バネ１４、弁体７及び閉
子４それぞれの組み込みはコツク本体１内の上下
両方の開放部から行えることとなり、組立てが容
易に行える。すなわち、組立性が向上する。

本考案は上記構成であるから、次の特有の効果
を有する。

カム筒２０の組み込みに際して、これをコツク
本体に固定するためのネジ止め等の特別な手段が
不要となり、該カム筒及び弁体７の組み込みの
際、組立て用工具によりコツク本体１のシール部
（閉子収容部）に傷をつける必配がない。

また、カム筒２０をまわり止め状に固定する縦
溝１９はガス出口３から離れて位置することか
ら、縦溝上端とガス出口３との間隔も十分とな
り、縦溝１９とガス出口３とのシール長さが少な
くなることによるシール不良が防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の断面図、第２図はその分解図
であり、図中 ２……ガス入口、３……ガス出口、４……閉
子、５……筒状主体、６……弁座口、７……弁
体、８……弁室、９……上端頂壁、１０……弁
部、１１……開放部、１２……脚部、１３……上
壁、１４……圧縮バネ、１６……スリツト、１７
……つば部、１８……空室、１９……縦溝、２０
……カム筒、２１……突出部、２２……カム部、
２３……谷部、２４……山部、２５……斜面部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下方をガス入口２とし側部にガス出口３を設
   け、閉子４を上方から組み込むようにしたガスコ
   ツクに於いて、閉子４には下方に開放する軸線方
   向の弁室８とその上部で横向に貫通する透孔とか
   ら成る通過孔を設け、閉子４の下端部に下方に開
   放する一対のスリツト１６，１６を縦方向に開設
   し、閉子４の下方でガス入口近傍に設けたつば部
   １７に過流出防止弁の筒状主体５を外周気密状態
   に装着して該筒状主体の上部を前記弁室８内に突
   出させ、前記つば部と閉子下端間に形成される空
   室１８内に上部に一対のカム部２２，２２を設け
   且その全高を空室１８の高さに略一致させたカム
   筒２０を収容し、前記空室のガス出口３から外れ
   た位置の側壁に縦溝１９を形成し、筒状主体５に
   外嵌状で前記空室に収容したカム筒２０に突出部
   ２１を形成して該突出部２１を前記縦溝に嵌入さ
   せ、上端頂壁９の内面を弁部１０とし該弁部下方
   の胴部に開放部１１を設けた筒状の弁体７の下端
   に一対の脚部１２，１２を下方に且外方に突出さ
   せ、該弁体を筒状主体５に摺動自在に外嵌すると
   共に弁部１０を筒状主体５の上端の弁座口６に対
   接させ、弁体７の上端頂壁９と弁室８の上面間に
   圧縮バネ１４を介装し、前記脚部１２，１２を上
   記スリツト１６，１６に摺動自在に嵌合させると
   共にその下端をカム筒２０のカム部２２，２２に
   対接させ、該カム部を少なくとも谷部２３と斜面
   部２５を有するように成し、脚部１２，１２と前
   記斜面部２５又はこれに連設した山部２４とが閉
   子４の全開位置及びその近傍でのみ対接するよう
   にした過流出防止弁付ガスコツク。