JPS634862Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は過流出防止弁付ガスコツク、特に、閉
子に過流出防止弁を内蔵する形式のガスコツクに
関する。

この種ガスコツクとして、実開昭57−70569号
に記載のものが公知であるが、この従来のもの
は、閉子の通過孔内に過流出防止弁の筒体を大部
分挿入して、該筒体の側部に弁座口を形成し、過
流出防止弁作動後に於いて、弁座口に嵌入状態に
ある球弁を閉子の閉回動により該閉子の一部で球
弁を筒体内に押し込むようにしたものである。

このものでは、閉子が微少開状態に置かれる
と、ガスコツクに接続したゴム管が外れて異常状
態となつても過流出防止弁を介するガス流量は、
所定の作動流量に達しない。従つて、球弁が弁座
口に嵌入しないこととなる。

本考案は、ガスコツクが微少開状態に於いては
ガスコツク内の流路が閉鎖されるようにして、ガ
スコツク内流路が流量制限状態に置かれることを
防止し、過流出防止弁の異常時に於ける不作動を
防止することを目的とする。

上記課題を解決するための本考案の技術手段
は、通過孔の縦孔内に挿入した過流出防止弁の筒
体の上端頂面に弁座口を形成すると共に、該筒体
をコツク本体に昇降自在に保持し、前記弁座口を
前記縦孔の頂壁により閉鎖されるべく対向させ、
前記筒体を固定部との間に介装したバネにより上
昇方向に付勢させると共に、閉子と直接又は関接
的にカム対偶させ、このカム対偶要素相互を適宜
に設定して閉子の回動に応じて筒体が昇降すると
共に閉子の全開位置及びその近傍で筒体が降下位
置にあり他の位置では筒体が上昇して弁座口が縦
孔の頂壁により閉鎖されるようにしたことであ
る。

本考案の上記技術手段によれば、閉子の全開位
置及びその近傍では閉子と筒体とのカム対偶によ
り、該筒体が降下状態にあり、筒体の頂面と縦孔
の頂壁とは適宜量離れた状態にある。従つて、ガ
ス入口からガス出口への回路は連通しており、こ
の状態で過流出状態が生じると、筒体内の球弁が
弁座口に嵌入してコツク内流路が遮断される。

爾後、閉子を閉回動させると、閉子の全開位置
近傍から全閉位置までの間ではカム対偶要素相互
の関係から、筒体がバネにより持ち上げられて頂
面の弁座口が縦孔の頂壁により閉鎖されると同時
に弁座口に嵌入していた球弁が下落せしめられ、
各部が初期状態に戻る。

上記のように、本考案の上記技術手段によれ
ば、コツク内流路が閉子により流量制限状態にな
い場合、すなわち、閉子が全開位置及びその近傍
の位置でのみコツク内流路が開放状態となるか
ら、既述した原因による過流出防止弁の不作動が
防止できる。

本考案は上記構成であるから、次の特有の効果
を有する。

(1) 閉子の通過孔の縦孔の頂壁がそのまま弁座口
閉鎖部及び球弁下落手段として機能するから、
弁座口閉鎖用の弁体及び球弁下落手段を別途用
意する必要がなく、この種ガスコツクの部品点
数の削限が図れる。

以下、本考案の実施例の詳細を図面に基づいて
説明する。

第１図、第２図に示す実施例のものは、閉子１
と過流出防止弁の筒体２とをカム板３を介してカ
ム対偶させたもので、該筒体はその基部がコツク
本体４の流路内壁に摺動自在に嵌合し、Ｏリング
５により該摺動部の気密が確保されている。

また、前記Ｏリングの上方に一対の突片６，６
が筒体２の下部に設けられてこれがコツク本体４
に形成した縦溝７，７に各別に嵌合し、これによ
り筒体２のまわり止めすなわち、コツク本体４と
のすすみ対偶を実現している。

次に、カム板３はコツク本体４内にまわり対偶
状態に保持され、この上面に設けた一対の凹部
８，８に閉子１の下端から突設したピン９，９が
嵌合して閉子１とカム板３とが一体回動すべく構
成され、他方、カム板３の下面には一方のカム対
偶要素となる一対の第１カム部１０，１０が突設
されてこれが筒体２の基部で既述の突片６，６よ
り上方に設けた第２カム部１１，１１と対偶し、
この第２カム部が他方のカム対偶要素となる。

筒体２の下端とコツク本体４のガス入口近傍間
にはバネ１２が介装されて該筒体２は上昇方向に
付勢され、他方、筒体２の頂面１５は閉子１の縦
孔１３の頂壁１４に対向し、前記頂壁又は頂面１
５にはパツキン部材１６が設けられ、両者当接状
態では筒体２内流路が遮断される。

前記筒体の頂面には、弁座口１７が形成され、
さらに、該筒体内に球弁１８が自由状態に収容さ
れてこれらにより過流出防止弁が構成されてい
る。

また、上記した第１カム部１０及び第２カム部
１１相互はその対偶域が適宜に設定されて閉子１
の全開位置及びその近傍でのみ互いに当接し、筒
体２が降下せしめられる構成である。

上記実施例のものでは、既述の作用で閉子１の
回動により筒体２が昇降し、弁座口１７の開閉及
び球弁のリセツトが閉子１の所望の回動位置で行
なわれることとなる。

尚、図示実施例のものでは、筒体２とコツク本
体４相互のすすみ対偶を突片６と縦溝７との嵌合
により実現したが、筒体２の基部のコツク本体４
への嵌合部断面を楕円形に構成することも可能で
ある。

また、図示実施例では、カム板３を介して筒体
２と閉子１とを連動させたが、閉子１に第１カム
部を設けてこれを筒体２の第２カム部に直接対偶
させる構成も採用可能である。

さらに、図示実施例では筒体２をコツク本体に
すすみ対偶させるようにし、これとのカム対偶機
構により昇降させる構成としたが、コツク本体に
すすみ対偶させた第２カム体を上記カム板と別個
に設け、該第２カム体に第２カム部１１，１１を
設ける構成とすれば、筒体２はコツク本体とすす
み対偶させる必要はなく、単に昇降自在であれば
よい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の断面図、第２図は要部
の分解図であり、図中 １……閉子、２……筒体、３……カム板、４…
…コツク本体、１０……第１カム部、１１……第
２カム部、１２……バネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 閉子の通過孔の縦孔内に過流出防止弁の筒体を
   挿入した形式の過流出防止弁付ガスコツクに於い
   て、前記筒体の頂面に弁座口を形成すると共に、
   該筒体をコツク本体に昇降自在に保持し、前記弁
   座口を前記縦孔の頂壁により閉鎖されるべく対向
   させ、前記筒体を固定部との間に介装したバネに
   より、上昇方向に付勢させると共に閉子と直接又
   は関接的にカム対偶させ、このカム対偶要素相互
   を適宜に設定して閉子の回動に応じて筒体が昇降
   すると共に閉子の全開位置及びその近傍で筒体が
   降下位置にあり、他の位置では筒体が上昇して弁
   座口が縦孔の頂壁により閉鎖されるようにした過
   流出防止弁付ガスコツク。