JPH0221660Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はガスコツクに係り、ゴムホースが外れ
る等不慮の事故によりガスが一定流量以上の過流
出状態になつた際流路を自動的に遮断する形式の
いわゆる過流出防止弁を具備したガスコツクに関
するものである。

〔従来の技術〕

この種のガスコツクは閉子回動型ガスコツク内
に過流出防止弁を組込んだものである。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記従来のガスコツクでは閉子が半開状態に置
かれた場合、ゴムホースが外れる等で過流出状態
が生じても、過流出防止弁を連通する流量は作動
流量に達せず過流出防止弁は作動しない不都合が
生じ非常に危険であつた。

前記の点を解決するため本考案は先に昭和58年
実用新案登録願第182227号のガスコツクを考案し
た。

この考案のガスコツクはガスを開通させるため
閉子を回動させたとき、閉子の下に装備した補助
弁も一緒に回動し、その途中において補助弁と弁
操作部材が係止され、この補助弁につれて弁操作
部材も開方向に回動する。そして閉子が開位置ま
で回動したときコツク本体の縦溝に弁操作部材の
係止片が落込み、押下げばねにより弁操作部材は
補助弁を伴つて下降し、閉子の管状体の下端が開
放されてガスの流通が可能となるのである。とこ
ろが上記先願においては補助弁および閉子の管状
体と弁操作部材との間に部品間摩擦があるため、
補助弁と弁操作部材とが係止しないまゝ弁操作部
材がつれ回りをはじめてしまい、閉子の開位置で
弁操作部材の係止片がコツク本体の縦溝に落込ん
で押下げられるにもかゝわらず補助弁は押上げば
ねによつて押上げられたまゝとなり、従つて閉子
の管状体下端は閉じたまゝとなつてガスが流通し
ないという問題が発生している。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は前記した従来の過流出防止弁付ガスコ
ツクの欠点を解消し、閉子が全開した位置だけ、
ガスが流れ、その他の位置では流路は閉鎖されて
流通しないように構成して、過流出防止弁の不作
動を防止すると共に、特に閉子を開通方向に回わ
した場合、補助弁を確実に開放させることが可能
なガスコツクを提供することを目的とし、この目
的を充足するため本考案はコツク本体に施す閉子
の鈎形開通孔下側に補助弁を内装した弁操作部材
を上下動可能に吊設し、該弁操作部材には上昇位
置でコツク本体の段部に係止し、下降時段部の下
の縦溝に入り込む係止片を上端に設け、かつ周面
に閉子下端の管状部にわたしたピンに作用する窓
孔状の傾斜カム面を形成し、前記管状部下縁に押
上ばねにより接する前記補助弁は過流出防止弁を
受支する脚と、押下げばねを作用させた前記弁操
作部材のまゆ形孔に入る矩形状案内部を備え、か
つ上記押下げばねの上端を閉子に固定し、下端を
弁操作部材に固定して該押下げばねが弁操作部材
に閉方向に作用するようにしたものである。

〔実施例〕

以下図面について本考案に係るガスコツクの実
施例を説明する。図において１はコツク本体、２
は閉子で本体１内に組込み、ハンドル３によつて
回動する回転体４に契着し、コイルばね５を回転
体４と閉子２間に縮設し、閉子２が本体１内のテ
ーパー面６に密着するようになつている。閉子２
には形開通孔７を穿ちその下面より管状体８を
一体に吊設してある。該管状体８の外側に補助弁
９を収装した弁操作部材１０を緩挿し、その上端
の係止片１１，１１を本体１の内側に形成した小
径段部１２に係止し閉子２の下面と弁操作部材１
０の間に弁操作部材１０の押下げばね１３を介在
させる。この押下げばね１３の上端突起部１３ａ
は閉子２に形成してある係止切欠２ａに引掛け、
下端の突起部１３ｂを弁操作部材１０の上縁の切
欠１０ａに引掛け、押下げばね１３の巻方向は弁
操作部材１０に対して閉方向回りの作用力が働く
ようにしてある。又弁操作部材１０の周面に窓孔
状の一対の傾斜カム面１４，１４′を形成し管状
体８に差込んだねじ１５′とめねじ１５″とから成
るピン１５を傾斜カム面１４，１４′に挿通する。
補助弁９は過流出防止弁１６を受支する脚９ａを
４本上方に突出し、弁体９ｂにパツキング１７を
添設し、パツキング１７が管状体８の下面に圧接
するように押上げばね１８を弁操作部材１０の底
面と補助弁９の凹入孔９ｅ間に嵌入する。更に補
助弁９は弁操作部材１０のまゆ形孔１９に入る矩
形状の案内部９ｃを有し、その両側面に突子９ｄ
を突設してある。弁操作部材１０の係止片１１，
１１′は閉子２が開状態では小径段部１２に形成
した縦溝２０，２０′に嵌入するようになつてい
る。

〔作用〕

次に動作状態について説明する。第１図に示す
閉子２が閉じている状態から第２図の開状態にす
る場合は閉子２の回動途中において補助弁９は閉
じたまゝ弁操作部材１０と共に回動し、弁操作部
材１０の左右の係止片１１，１１′が縦溝２０，
２０′の位置まで回動した際押下げばね１３の作
用で弁操作部材１０は補助弁９を伴なつて下降す
る。尚この時押下げばね１３は閉子２と弁操作部
材１０に両端が固定されているので、弁操作部材
１０には常に閉方向回りの力が作用し、つれ回り
が一時停止し、その間に補助弁９の突子９ｄと弁
操作部材１０のまゆ形孔１９が係止して補助弁
９、弁操作部材１０ともに確実に押下げられ、第
２図の開状態となる。即ち閉子２の回動途中にお
いては補助弁９は閉じており閉子全開位置で補助
弁９は開く。第２図の全開位置では第１０図に示
すように、補助弁９の突子９ｄ，９ｄは弁操作部
材１０に係止しているため開位置で安定してい
る。そして閉子２を開方向に若干回動させると補
助弁９も回動して第１１図に示すように突子９ｄ
が弁操作部材１０から外れ押上げばね１８の作用
で第３図に示すように補助弁９は上昇し、閉子の
管状体８に密着し補助弁は閉じる。その後更に閉
子２を回わすと、ピン１５が弁操作部材１０の傾
斜カム面１４，１４′に圧接して弁操作部材１０
を上昇させ、第１図の状態に復帰させる。この際
弁操作部材１０の左右の係止片１１，１１′はコ
ツク本体１の縦溝２０，２０′に係合しているの
で、回動できないから傾斜カム面１４，１４′に
より上昇し、係止片１１，１１′が縦溝上側まで
上昇したとき回動して第１図の位置に至り小径段
部１２に係止するのである。

〔考案の効果〕

本考案によれば閉子全開位置以外ではガスが流
通しないため、過流出防止弁の不作動を防止する
ことができ安定度は一層高まると共に、特に本考
案においては、押下げばねの巻方向は弁操作部材
に対し閉方向回りの作用力が働くようにしてある
結果補助弁は常に確実に開位置に下降しガスは支
障なく流通する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るガスコツクの一実施例を示
したもので、第１図は閉子が閉じている状態を示
す縦断正面図、第２図は閉子が開いている状態を
示す縦断正面図、第３図は閉子を開状態から若干
閉側に回わした位置における一部の縦断正面図、
第４図はコツク本体のみの縦断側面図、第５図は
分解斜視図、第６図は第１図−線断面図、第
７図は第２図−線断面図、第８図は第４図
−線断面図、第９図は第１図−線断面図、
第１０図は第２図−線断面図、第１１図は第
３図−線断面図である。 １……コツク本体、２……閉子、２ａ……係止
切欠、７……形開通孔、８……管状体、９……
補助弁、１０……弁操作部材、１０ａ……切欠、
１１，１１′……係止片、１２……小径段部、１
３……押下げばね、１３ａ，１３ｂ……突起部、
１４，１４′……傾斜カム面、１５……ピン、１
６……過流出防止弁、１８……押上げばね、１９
……まゆ形孔、２０，２０′……縦溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コツク本体に施す閉子の鈎形開通孔下側に補助
   弁を内装した弁操作部材を上下動可能に吊設し、
   該弁操作部材には上昇位置でコツク本体の段部に
   係止し、下降時段部の下の縦溝に入り込む係止片
   を上端に設け、かつ周面に閉子下端の管状部にわ
   たしたピンに作用する窓孔状の傾斜カム面を形成
   し、前記管状部下縁に押上ばねにより接する前記
   補助弁は過流出防止弁を受支する脚と、押下げば
   ねを作用させた前記弁操作部材のまゆ形孔に入る
   矩形状案内部を備え、かつ上記押下げばねの上端
   を閉子に固定し、下端を弁操作部材に固定して該
   押下げばねが弁操作部材に閉方向に作用するよう
   にしたことを特徴とするガスコツク。