JPS628702Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、過流出防止弁付のガスコツクに関す
るものである。

従来のこの種ガスコツクは、第１図、第２図に
示す如く構成され、コツク本体１内のガス入口２
と閉子３との間に過流出防止弁４を挿入し、閉子
３と前記過流出防止弁の上端の弁座口８との間に
空室６を設け、閉子３の下端に突出させた突片７
を前記弁座口に対応させたものである。

上記過流出防止弁付ガスコツクでは、閉子３が
同図状態にあるとき、コツクは「開」となつてお
り、突片７は弁座口８の上方から外れて位置して
いる。この状態で、ガス出口９以下の下流側でゴ
ム管外れ等の異常過流出状態が生じると、過流出
防止弁４内の球弁１０が上昇移動して弁座口８に
嵌入し、ガス流路がこれにより自動的に遮断され
る。

また、ガス出口９以下の下流側を正常状態に復
元する先立つて、閉子３を復帰回動させると、ガ
ス流路が該閉子によつて遮断されると共に、突片
７が、第２図の二点鎖線で示す如く、弁座口８の
直上に回動せしめられ、該弁座口に嵌入状態にあ
る球弁１０の頂部が該突片により押し込められて
下落する。爾後、ガス出口９の下流側を正常状態
にして、閉子３を再開放すると使用可能となる。

この従来のものでは、閉子３は半開状態に停止
することもあり、この状態で、ガス出口９の下流
側に接続したガス器具を使用する場合、該コツク
により、ガス流量が予め絞られていることから、
ゴム管の外れ等の異常状態が生じた時、過流出防
止弁４を介するガス量が作動流量に達せず、球弁
１０が作動しない。従つて、この場合は、生ガス
放出状態が持続することとなる。

本考案は、ガスコツク、すなわち、閉子が全開
位置にないかぎり、ガスコツク内流路が遮断され
るようにして、半開状態に於いて過流出防止弁が
不作動となることによる生ガス放出を未然に防止
することを目的とする。

上記目的を達成するために講じた本考案の技術
的手段は、〓コツク本体内に、閉子と、該閉子と
同軸で且つバネによつて開弁方向に付勢された弁
体とを設け、前記弁体には弁軸を突出させると共
に該弁軸を閉子の回転中心部に貫通させてその先
端突出部を閉子操作用の操作軸に対向当接させ、
前記弁体の下面又は該下面から下方に突出する突
出片を下方の過流出防止弁の弁座口に対向させ、
上記操作軸の下部に外側に突出する一対の突片を
設けて該突片をその外周に位置させたカム部に係
合させ、該カム部を両端に位置する回動規制部と
その間を繋ぎ且つ弁体を閉弁状態に押し込む昇降
規制部とから構成し、閉子の全開位置で一致する
回動規制部と上記昇降規制部とをカム斜面を介し
て連続させ、操作軸の強制復帰回動により該操作
軸が押し込められるようにした〓ことである。

本考案の上記構成によれば、操作軸が全閉状態
にあるときには、その下部の突片がカム部の回動
規制部に係合して、そのままでの回動は阻止され
ており、操作軸を押し込むと、前記突片が昇降規
制部と一致して開回動可能となり、操作軸の開回
動によりこれが全開位置になつたとき突片が他方
の回動規制部に一致して操作軸の押し込み力を開
放すると該操作軸が全開状態に保持されることと
なる。前記開回動の際、操作軸の突片は昇降規制
部に係合しているから、操作軸が押し込み状態に
維持される。これにより、弁体も押し込み状態、
すなわち、閉弁状態に維持され、操作軸が全開位
置に回動し且該操作軸の押し込み力が解除された
時点で、前記弁体が操作軸と共に上昇して開弁す
る。

従つて、コツクすなわち閉子が半開状態にある
ときには、弁体によりコツク本体内の流路が遮断
されていることとなり、過流出防止弁の動作、不
動作に関係なく生ガス放出事故の心配がない。

本考案は上記構成であるから、次の利点を有す
る。

コツク全開状態で、過流出防止弁が作動すると
過流出防止弁の球弁が弁座口に嵌入するが、操作
軸、すなわち、閉子を全閉方向に強制的に復帰回
動させることにより、操作軸の突片が全閉側の回
動規制カム部の内側の傾斜部により押し下げら
れ、これに伴つた弁体の下面又は該下面から突出
する突出片が弁座口に向つて押し下げられ、球弁
が弁座口から下落せしめられる。従つて、球弁を
リセツトする操作が簡単である。又、この時、同
時に弁体が閉弁するため、コツクが半開状態に復
帰回動せしめられたままに放置されても、コツク
本体内の流路が遮断されることとなり、この時の
生ガス放出事故も防止できる。

さらに、全閉側の回動規制部と昇降規制部はカ
ム斜面を介して繋がつている為、操作軸を強制的
に復帰回動させると、前記カム対偶により押し込
み操作が自動的に行なわれることとなり、復帰回
動に際して押し回し操作が不要となり、閉操作が
速やかに行える。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明を
加える。

第３図に、本考案の実施例を示すが、同図に於
いて、１１は弁体で、閉子３内に同軸に挿入さ
れ、該閉子内に設けた弁座１２に対向し、該弁体
の下面に突設した突出片１３が弁口１４を貫通し
て閉子３の下方に設けた過流出防止弁４の弁座口
８に対向する。

他方、前記弁体の弁軸１５は閉子３の閉子軸１
６を外周気密状態に挿通してその先端は該閉子軸
から上方に突出し、該突出端に頭部１７を連設す
ると共に該頭部と閉子軸１６の上端との間に復帰
バネ１８を介装して弁体１１の開弁方向に付勢さ
せている。

また、操作軸２０の下部には下方に開放の開削
部１９が設けられており、該開削部が閉子軸１６
にすすみ対偶状態に外嵌すると共に開削部１９の
頂部と弁軸１５の頭部１７とが当接又は近接して
いる。

該操作軸には閉子３の上面との間にバツクアツ
プスプリング２１を介装して操作軸２０に復帰上
昇力を、閉子３に適宜押し下げ力を付与し、さら
に、該操作軸に外嵌するカム筒２２をコツク本体
１の上部に固定して操作軸２０の回動及び昇降軌
跡を適宜に規制してある。

前記カム筒は、第５図に示す如く、上端に一対
の突起２３，２３を設けてこれをコツク本体１の
凹部２４，２４と係合するように該コツク本体内
に挿入して回り止め状に装着されるものであり、
胴部には、一対の回転対称な切欠部から成るカム
部２５，２５が対称位置に配設されている。

該カム部は、両端に位置する回動規制部２６，
２７と、これら回動規制部間を継ぎ、カム筒２２
の下部に位置する昇降規制部２８とから成り、全
開側の回動規制部２７，２７の内側は、下方に向
つて拡がる傾斜部２９，２９となつている。

他方、操作軸２０の下部外周には一対の突片３
０，３０が設けられており、これら突片は回動規
制部２６，２７に嵌入係合する。

上記した実施例の作用についてさらに詳述する
と、第３図、第４図に示す状態では、閉子３が全
閉位置にあり、この時、操作軸２０の突片３０，
３０はカム筒２２の全閉位置側の回動規制部２
６，２６に嵌入係合しており、そのままでは回動
できない。

操作軸２０を押し込むと、突片３０，３０が回
動規制部２６，２６を降下して昇降規制部２８，
２８の下方に位置し、この押し込み状態のままで
操作軸２０すなわち、閉子３の開回動が可能とな
る。この押し込み状態では、操作軸２０が弁軸１
５すなわち弁体１１を押し下げ、該弁体が弁口１
４を閉鎖しており、閉子３は、弁体１１が閉弁状
態のままで開回動せしめられる。

閉子３が全開位置になると、操作軸２０の突片
３０，３０はカム筒２２のカム部２５の全開側端
部３１，３１に一致し、回動はこれによりこの位
置で阻止され、操作軸２０の押し込み力を解放す
るとバツクアツプスプリング２１により該操作軸
が持ち上げられて突片３０，３０は全開側の回動
規制部２７を上昇する。これにより、弁体１１も
バネ１８の復帰開弁力により開弁せしめられ、ガ
ス入口２とガス出口９とが連通する。すなわち、
コツク開となる。尚、コツク半開状態では操作軸
２０は押し込み状態にあるため、弁体１１は閉鎖
状態にある。

このガス使用状態で、ガス出口９の下流側でゴ
ム管外れ等の異常過流出状態が生じると、球弁１
０が持ち上げられて弁座口８に嵌入し、コツク本
体１内の流路が自動的に遮断され、以後の生ガス
放出事故が防止できる。

過流出防止弁作動後、操作軸２０を閉方向に復
帰回動させると、操作軸２０の突片３０，３０が
回動規制部２７，２７の一側の傾斜部２９，２９
とそれぞれ当接するため、これに伴つて操作軸２
０が降下し、同時に弁体１１も押し下げられて弁
口１４を閉鎖し、突出片１３が弁座口８に嵌入し
ている球弁１０を押し込み、過流出防止弁４内は
初期状態に復元する。操作軸２０をさらに復帰回
動させると、前記弁体が閉弁状態のまま、突片３
０，３０が、全閉側の回動規制部２６，２６に一
致して閉子３は全閉となり、操作軸２０はバツク
アツプスプリング２１により、弁体１１はバネ１
８によりそれぞれ初期位置に復帰する。

従つて、上記した復帰回動操作の際に於いて、
操作軸２０すなわち閉子３が半開状態に置かれて
も、この時点では、弁体１１が閉状態にあり、球
弁１０の降下により過流出防止弁４が開となるこ
とによる不都合（下流側への回路が連通する不都
合）が防止できる。

尚、上記実施例の場合には、弁体１１を閉子３
内に設けた弁口１４に対応させたが、該弁体を過
流出防止弁の弁座口８に対応させるようにしても
よく、この場合には、突出片１３は不要となる。

また、上記実施例では、カム筒２２をコツク本
体１と別体に構成したが、これをコツク本体１と
一体化させることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の説明図、第２図はそのＸ−Ｘ
断面図、第３図は本考案実施例の断面図、第４図
はＹ−Ｙ断面図、第５図はカム筒の下方からの斜
視図であり、 図中、１……コツク本体、３……閉子、４……
過流出防止弁、８……弁座口、、１１……弁体、
１３……突出片、１５……弁軸、２０……操作
軸、２２……カム筒、２５……カム部、２６……
回動規制部、２７……回動規制部、２８……昇降
規制部、２９……傾斜部、３０……突片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コツク本体内に、閉子と、該閉子と同軸で且つ
   バネによつて開弁方向に付勢された弁体とを設
   け、前記弁体には弁軸を突出させると共に該弁軸
   を閉子の回転中心部に貫通させてその先端突出部
   を閉子操作用の操作軸に対向当接させ、前記弁体
   の下面又は該下面から下方に突出する突出片を下
   方の過流出防止弁の弁座口に対向させ、上記操作
   軸の下部に外側に突出する一対の突片を設けて該
   突片をその外周に位置させたカム部に係合させ、
   該カム部を両端に位置する回動規制部とその間を
   繋ぎ且つ弁体を閉弁状態に押し込む昇降規制部と
   から構成し、閉子の全開位置で一致する回動規制
   部と上記昇降規制部とをカム斜面を介して連続さ
   せ、操作軸の強制復帰回動により該操作軸が押し
   込められるようにした過流出防止弁付ガスコツ
   ク。