JPS6347000Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はばね構成体と電磁石構成体とを容易か
つ精度よく組立てることができるようにした電磁
継電器に関するものである。

従来における電磁継電器のばね構成体と電磁石
構成体との結合は第５図に示す如く、コイルを巻
装したコイルボビン１の貫通孔に鉄心２を嵌入
し、該鉄心２に継鉄３をめることにより電磁石
構成体を構成し、ばね構成体は各接点ばね４，平
衡ばね５，止め金７の相互間に絶縁材６をそれぞ
れ介在させ、締めつけねじ８によりこれらの部品
を１体に固定している。

前記鉄心２の吸引面と相対向する接極子９の反
対側の面にＬ字形のヒンジばね１０の１端を固着
し、該ヒンジばね１０の他端を電磁石構成体をば
ね構成体との間に嵌入させて連結ねじ１１により
前記電磁石構成体とばね構成体とを１体に固定し
ている。その後、駆動カード１２を接極子９の先
端部に装着することにより電磁継電器を構成して
いる。

上記のような構成であるから、電磁石構成体と
ばね構成体とを結合させるためには連結ねじ１１
が必要であり、ばね構成体自体の製作においても
各接点ばね４，絶縁材６、止め金７および平衡ば
ね５を１体に固定するための締め付けねじ８が必
要であり、電磁継電器の小形化のさまたげとなつ
ていると同時に組込みに要する工数低下のさまた
げにもなつている。

また、ばね構成体はそれぞれの接点ばね４およ
び平衡ばね５と接点ばね４の間に挿入されている
絶縁材６との積み重ねにて成り立つているため、
ばね系の反抗力およびトラベルのばらつきは前記
した各々の部品のばらつきの総合となり、ばらつ
きが大きくなるため低電力により感度よく動作べ
きない等の欠点があつた。

本考案は上記の点を除去するために考案された
もので、以下本考案の一実施例について詳細に説
明すると、第１図は本考案における電磁継電器の
ばね構成体Ｂを示す分解斜視図で、図中１３はブ
レーク固定接点ばね１３ａ，可動接点ばね１４の
一端を固着するベース部１３ｂおよび外部導出端
子１３ｃを１体にモールド成形して成るベースば
ねブロツクで、前記可動接点ばね１４の固定部１
４ａはベースばねブロツク１３に植設したベース
部１３ｂに溶接等により固着される。メークモー
ルドブロツク１５はメーク側の接点ばね１５ａを
一体にモールド成形したもので、必要に応じて増
設し得るものである。また、ベースブロツク１
３，メークモールドブロツク１５は一体に成形さ
れ得るものである。

第２図は本考案における電磁継電器の一実施例
を示す分解斜視図、１は樹脂成形されたコイルボ
ビンでその胴部にはコイルが巻装され、該コイル
ボビンには案内溝１ａと貫通孔１ｂが設けられ、
この案内溝１ａにはコ字形に形成された継鉄３の
１片３ａおよび磁極片１６の１片１６ａがそれぞ
れ前記案内溝１ａ内でその先端が隙間を持つて相
対向するように圧入固着される。一方、該継鉄３
の他の１片３ｂと磁極片１６の他の１片１６ｂは
互いに密接して重ね合うように構成される。な
お、あらかじめ前記継鉄３を案内溝１ａに圧入す
る前にコ字形の継鉄３の１片３ｃに接極子９を固
着したＬ字形のヒンジばね１０を固着させておく
ことによつて該接極子９はコイルボビン１に設け
られている貫通孔１ｂ内に収納されることとな
る。

上記の如く構成された電磁石構成体Ａとばね構
成体Ｂとを１体に結合して電磁継電器を組立てる
には前記継鉄１と磁極片１６が互いに重ね合わさ
つている部分３ｂ，１６ｂの１片に、その板巾方
向に突出部１７を設け、前記ばね構成体Ｂのベー
スブロツク１３の側面から屈曲して導出せしめた
外部導出端子１３ｃの先端方向より、弾性体の締
め付けばね１９を各外部導出端子１３ｃと当接し
ないように、前記ばね構成体Ｂをつつみこんで前
記突出部１７に係合させる。

締め付けばね１９にはその板巾の中央に置位す
る屈曲点１９ａを予め屈曲せしめてあり、この装
着時には該屈曲点１９ａを支点として前記突起部
１７までもち上げて、前記締め付けばね１９を前
記突出部１７に係合せしめることによつて前記ば
ね構成体Ｂは電磁石構成体Ａに前記締め付けばね
１９の復帰力により固定される。

また、前記のばね構成体Ｂと電磁石構成体Ａと
の位置決めは継鉄１と磁極片１６が互いに重ね合
わさつている部分の外側の１片の面の板巾中央部
に、孔２０を設け、また前記ばね構成体Ｂのモー
ルド成形して成るベースばねブロツク１３には該
孔２０と相対向する位置に突起１３ｄを設け、該
突起１３ｄを前記孔２０に嵌合させることによ
り、ばね構成体Ｂは所定の位置に規制され得る。
上記のように電磁石構成体Ａとばね構成体Ｂとを
前記締め付けばね１９により１体に固定した後、
可動ばね１４の遊端部に設けた孔１４ｂと接極子
９の先端部に設けた孔９ａとを駆動カード１２に
て連繋させることによつて電磁継電器の組み立て
は完了する。

第３図は本考案による電磁継電器の他の実施例
であり、磁極片１６と締め付けばね１９との係合
関係を示す部分分解斜視図である。前記電磁石構
成体Ａとばね構成体Ｂとを１体に結合する他の手
段としては前記継鉄３と磁極片１６が互いに重ね
合わさつている部分の１片に溝１８を設け、該溝
１８に前記ばね構成体Ｂをつつみこむように締め
付けばね１９を取り付けてもよい。

第４図は本考案による電磁継電器の実施例を示
す組立構成であつて、その構造が理解しやすいよ
うに一部切断して示す正面図である。

上記したように電磁石構成体Ａとばね構成体Ｂ
との構成より成る本発明の電磁継電器によれば次
のような多大な効果が得られる。

(1) モールド成形によつて１体にしたばね構成体
を電磁石構成体に有する重ね合わせ部に載置し
て締め付けばねにてこれらを１体に固定したこ
とにより組立精度が極めてよく、また、ばね系
の反抗力およびトラベルのバラツキは接極子と
磁極片が接する面からばね構成体を載置する継
鉄と磁極片との重ね合わせ部分の外側までの距
離t₁と、該重ね合わせ部分の底面からばね構成
体内に配設しているブレーク側固定接点ばねの
面までの距離t₂あるいはメーク側固定接点ばね
の底面までの距離t₃（第４図参照）の和だけで
あるから、従来の電磁継電器に比較してトラベ
ルのばらつきが極めて小さくなり、従つて低電
力で確実かつ感度よく動作することができる。

(2) また、従来のものと比較して、ねじ、絶縁
板、止め金等を一切使用しないため小形化が容
易であり、かつ部品点数が削減されるため、よ
り経済的な電磁継電器を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の電磁継電器におけるばね構成
体を示す分解斜視図、第２図は本考案の電磁継電
器を示す分解斜視図、第３図は本考案の磁極片と
締め付けばねとの係合関係を示す部分分解斜視
図、第４図は本考案における電磁継電器を一部切
断して示す正面図、第５図は従来の電磁継電器を
示す正面図である。 １……コイルボビン、１ａ……案内溝、１ｂ…
…貫通孔、３……継鉄、９……接極子、１０……
ヒンジばね、１３……ベースばねブロツク、１６
……磁極片、１７……突出部、１８……溝、１９
……締め付けばね、Ａ……電磁石構成体、Ｂ……
ばね構成体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁極片と継鉄をコ字形に形成し、コイルボビン
   の胴部に貫通孔と案内溝を設け、該貫通孔の中に
   位置する継鉄にヒンジばねを介して回動可能に接
   極子を固定し、前記の磁極片と継鉄の一方の片の
   先端がそれぞれ相対向するよう前記案内溝に圧入
   固着すると共に前記磁極片と継鉄の他の片を互い
   に密接するように重ね合わせて成る電磁石構成体
   と該電磁石構成体に密接するように重ね合わせた
   片の一方の両側面に突出部または溝を設け、固定
   接点ばね、可動接点ばね等をモールド成形または
   組立てて成るばね構成体を前記電磁石構成体に有
   する重ね合わせ部に載置し、これらを締付けばね
   に設けた切り欠け凹部または鉤部とを係合して一
   体に固定すると共に可動ばねの遊端部に設けた孔
   と接極子の先端部に設けた孔とを駆動カードにて
   連繋させたことを特徴とする有極形電磁継電器。