JPS6222056Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は組立て良好にして電磁石部と接点ばね
部間の絶縁耐圧を向上させた電磁継電器に関する
ものである。

通常の電磁継電器は第１図に示す如く、端子板
１上に鉄心２、コイル３、継鉄４、接極子５を含
む電磁石部と固定接点ばね６および可動接点ばね
７を含む接点ばね部とが実装され、コイル３によ
る鉄心２の励磁で接極子５が回動した際に可動接
点ばね７がカード８により駆動され接点の切替が
行なわれる。

近時電磁継電器は半導体素子等の部品と同様小
形化される傾向にあり、これに伴なつて電磁石部
と接点ばね部も接近配置となるため絶縁耐圧特性
が低下し安定な接点切替が達成されなくなる。

この問題を解決するため従来では第１図に示す
如く電磁石部と接点ばね部間に絶縁板９を設けて
高耐圧リレーを得ていた。

しかしながら、従来では図示の如く絶縁板９が
端子板１に一体モールド形成されていたため、カ
ード８の取付けが面倒で組立性が悪く安価なリレ
ーを提供することができなかつた。

本考案は以上の従来欠点を解決するもので、こ
の目的は端子板上の左右に絶縁板を仕切りとして
接極子、鉄心等を含む電磁石部と可動および固定
の接点ばねを含む接点ばね部とが塔載され、前記
電磁石部の励磁で前記接極子が回動した際に前記
可動接点ばねが前記絶縁板を介してカードにより
駆動される電磁継電器において、前記絶縁板を少
なくとも２個の絶縁板部材で形成し、一方の前記
絶縁板部材は前記端子板に対し固定とすると共に
他方の前記絶縁板部材には欠部を設けて前記端子
板に対し着脱自在とし、他方の前記絶縁板部材を
一方の前記絶縁板部材に沿つて前記端子板上に挿
着した際前記欠部が前記カードの挿通口を形成す
ることを特徴とした電磁継電器により達成でき
る。

以下、本考案の一実施例を第２図と第３図に沿
つて詳述する。

第２図Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは本考案に係る電磁継電
器の正面図、左側面図、右側面図、上面図であ
り、第３図は第２図のものを部分的に省略して示
した分解斜視図である。

図において、１０はモールド成形した端子板
で、上面のほぼ中央部には上部および一方の側壁
が開口した断面コ字形の保持突起１１が一体的に
形成され、該保持突起１１の対向する両側壁１
２，１２′にはその内面に継鉄案内溝１３，１
３′がその外面にリレーカバー係合用の突子１４
が設けてある。又、該保持突起１１の側壁１５に
は上面に凹部１６が外方側面には凹部１６より下
方へ通じる絶縁板部材の案内溝１７が設けてあ
る。一方電磁石部実装側の端子板１０上面には位
置決め突起１８とコイル端子挿入穴１９が設けて
あり、又接点ばね部実装側の端子板１０上面には
２列の突起２０，２１，２２，２３と可動接点ば
ねの端子挿入穴２４が設けてある。そして、突起
２０と側壁１５により絶縁板部材の案内溝２５が
形成され、又突起２０と突起２１間および突起２
２と突起２３間には固定接点ばねの挿入溝２６，
２７が、更に側面突起２３の案内溝１７と対向す
る位置には絶縁板部材の案内溝２８が設けてあ
る。２９は欠部３０を備えたコ字形の絶縁板部
材、３１は欠部３２と突起３３を備えたコ字形の
絶縁板部材である。３４は先端に接点を備えた２
本の可動接点ばね、３５は先端に接点を備えた２
対の固定接点ばねである。３６は絶縁体からなる
カードで、中央部には側壁１５に沿つて突起した
フランジ３７が、端部には可動接点ばね３４の
夫々の方向へ導出した突子３９を有する腕片３８
が設けてある。

４０はＬ形に屈曲した接極子で、その折曲げ片
にはカード３６の他端部が嵌入する穴４１と接極
子抑えばね４３の頭部が嵌入する穴４２を備えて
いる。４４はＬ形に屈曲した継鉄で、一方の折曲
げ片の上端面に接極子４０の折曲げ部が係合する
凹部４５を、その両側端面に案内溝１３と１３′
間の間隔より若干突出した突部４６を外方側面に
接極子抑えばね４３を取付けるための突起４６′
を備えている。又、該継鉄４４の他方の折曲げ片
にはコイルボビン４８を嵌挿した状態で鉄心４７
が直設してある。コイルボビン４８はその巻軸に
巻装したコイル４９を備え、又、ボビンフランジ
の一方には底面に凹部５０（第２図Ｂ参照）が両
側面に階段状の溝５１が設けてあり、該溝５１に
屈曲したコイル端子５２が挿着してある。又、コ
イル４９の口出し線５３（第２図Ａ参照）はボビ
ンフランジの両側面に形成した案内溝５４を介し
てコイル端子５２に接続している。

５５はリレーカバーで、その上部内面には絶縁
板部材２９に対向した２組の突起対５６（第２図
Ｄ参照）と、絶縁板３１の突起３３に対応した突
起対５７を備えている。

本継電器の組立ては端子板１０の上面に対し、
可動接点ばね３４を挿入穴２４へ固定接点ばね３
５を挿入溝２６，２７の底部に形成した図示せぬ
挿入穴へ夫々挿入することにより接点ばねを挿着
する。又、コイルボビン４８を取付けた第３図状
態の継鉄４４に対し接極子抑えばね４３を突起４
６′のカシメにより取付け、更に該接極子抑えば
ね４３により接極子４０を凹部４５に収容して継
鉄４４に対し回動自在に取付ける。そして、この
状態の継鉄４４をその両側端面が案内溝１３，１
３′に、且つボビンフランジの凹部５０が突起１
８に嵌入するように端子板１０の上面に設置する
ことにより、該継鉄４４は突部４６が案内溝１
３，１３′の底部に喰込むと共に側壁１２，１
２′の弾力で固定される。このように取付けた状
態においては接極子４０の折曲げ片は保持突起１
１内に位置し、穴４１が凹部１６に対向してい
る。

次に、カード３６をその端部が穴４１に突子３
９が可動接点ばね３４の穴に嵌入するようにして
取付け、接極子４０と可動接点ばね３４とを連結
する。しかる後、コの字形の絶縁板２９の両端を
側壁１５とフランジ３７間を通して案内溝２５へ
差し込み圧入することにより絶縁板部材２９を端
子板に取付け固定する。この際、保持突起１１の
側壁１５は絶縁板部材として機能し絶縁板部材２
９の欠部３０における下方部分を覆ぐことによ
り、開口した欠部３０上方と凹部１６とでカード
３６の挿通口が形成される。

又、絶縁板部材２９と側壁１５および上記カー
ド挿通口の開放部分を覆うフランジ３７により電
磁石部と接点ばね部とを仕切る第１図の如き絶縁
板が形成される。

カード３６のフランジ３７は挿通口に対し上下
左右方向に大きく広げた構造であり、動作による
挿通口からの絶縁距離の影響をほぼ受けない。必
要に応じフランジに挿通口に貫入する突出部を設
けて常時挿通口を覆うこともできる。

更に、両脚を継鉄４４に向けた状態で絶縁板部
材３１を側方から案内溝２８を介して挿入し、下
方脚を案内溝１７へ差し込むことにより、２列の
接点ばねを仕切り状態とする。

このように端子板１０上に電磁石部と接点ばね
部を実装した後、絶縁板部材２９の上端が突起対
５６間に且つ絶縁板部材３１の突起３３が突起対
５７間に挿入するようにしてリレーカバー５５を
端子板１０に被せることにより本考案に係る電磁
継電器が得られる。

以上の如く、本考案によれば電磁石部と接点ば
ね部とを絶縁板を分割形状とし、一方の絶縁板部
材を着脱自在として後挿入可能としてあるためカ
ードの取付けが極めて簡易になり、小形で高耐圧
な電磁継電器を安価に提供できるなどその実用上
の効果は著しいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電磁継電器を示す概略図、第２
図Ａ，Ｂ，Ｃ，Ｄは本考案に係る電磁継電器の正
面図、左側面図、右側面図、上面図であり、第３
図は第２図のものを部分的に省略して示した分解
斜視図である。 符号の説明、１０……端子板、２９，３１……
絶縁板部材、３４……可動接点ばね、３５……固
定接点ばね、３６……カード、４０……接極子、
４４……継鉄、４７……鉄心、４８……コイルボ
ビン、４９……コイル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 端子板上の左右に絶縁板を仕切りとして接極
   子、鉄心等を含む電磁石部と可動および固定の
   接点ばねを含む接点ばね部とが搭載され、前記
   電磁石部の励磁で前記接極子が回動した際に前
   記可動接点ばねが前記絶縁板を介してカードに
   より駆動される電磁継電器において、 (a) 欠部３０を備えたコ字形の第１の絶縁板部
   材２９と、 (b) モールド成形され、上面の中央部に上部及
   び一方の側壁が開口した断面コ字形の、対向
   する両側壁の内面に継鉄案内溝１３，１３′
   が設けられ、側壁１５には上面に凹部１６が
   設けられた電磁石部の保持突起１１と、 電磁石部実装側の上面に設けたコイル端子
   挿入穴１９と、 接点ばね部実装側の上面に設けた側面突起
   ２３、可動接点ばねの端子挿入穴２４、固定
   接点ばねの端子挿入穴、固定接点ばねの挿入
   溝２６，２７を形成する突起２０，２１，２
   ２、突起２０と側壁１５により形成される該
   第１の絶縁板部材２９の案内溝２５とを設け
   た絶縁体よりなる端子板１０と、 (c) 一端部が該可動接点ばね３４に固定され、
   他端部が電磁石部のＬ形に屈曲した接極子４
   ０の折曲げ片に嵌入固定され、中央部に側壁
   １５に沿い突起し該案内溝２５に取付けた該
   第１の絶縁板部材２９の欠部３０と該側壁１
   ５の凹部１６とで形成される挿通口の開放部
   分を覆うフランジ３７が設けられた、該電磁
   石部の励磁・接極子の回動動作に併い該可動
   接点ばね３４を動作せしめる該挿通口を挿通
   する絶縁体からなるカード３６と、 (d) 該保持突起１１の継鉄案内溝１３，１３′
   に継鉄４４の両側端面は嵌入保持される電磁
   石部と、 (e) 該可動接点ばねの端子挿入穴２４に挿入さ
   れた可動接点ばね、該固定接点ばね挿入溝２
   ６，２７に挿入された固定接点ばねを含む接
   点ばね部と、 (f) 該端子板に固定されるリードカバー５５と
   を有することを特徴とする電磁継電器。 (2) 複数列設けられた接点ばね部と、 上記絶縁体からなるカード３６は可動接点ば
   ね３４の夫々の方向へ導出した突子３９を有す
   る腕片３８が設けられたことを特徴とする第１
   項記載の電磁継電器。