JPS6343651Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、磁気デイスク装置、テープレコーダ
等の記録再生装置のドア開閉機構に関するもので
ある。

従来、記録再生装置のドア開閉機構において
は、ドアを閉鎖させる方向に押圧するための付勢
手段として、ネジリコイルバネが用いられてい
る。このネジリコイルバネは、ドアの左右両側に
設けられる構造となつているために、ドア開閉機
構に関与する部品の点数が５点以上となり、部品
点数が多くなつてその分コストが増すとともに、
構造が複雑化し、組立効率が低下するという欠点
を有している。

本考案は、上記従来技術の有する欠点に鑑みて
なされたもので、その目的とするところは、部品
点数を減らすことによりコストの低減を図るとと
もに、構造を簡単化して組立性の向上を図つた記
録再生装置のドア開閉機構を提供することにあ
る。

本考案の構成は、 記録媒体挿入口と支持部とを有するフロント部
と、 回動軸とその回動軸の軸線とは異なる位置に存
在する偏心軸とを有し、前記フロント部の支持部
に前記回動軸が支持されて、着脱可能、かつ、回
動可能に設けられ、記録媒体挿入時に該記録媒体
に押圧されて回動されることにより前記記録媒体
挿入口を開成するドアと、 前記フロント部に固定され、前記ドアが前記記
録媒体挿入口を閉鎖する方向であつて、かつ、前
記ドアが、その開成時であつても前記支持部から
脱落しないように前記偏心軸を介して前記ドアを
付勢する板バネと、 からなる記録再生装置のドア開閉機構である。

以下に、本考案に係る実施例を図面に基づいて
説明する。

第１図は、本考案に係る記録再生装置のドア開
閉機構を磁気デイスク装置に適用し、これを内側
から見た場合の正面図を示すもので、この図にお
いて、１は磁気デイスク装置のフロント部として
のフロントパネルであつて、このフロントパネル
１は、その中央部に横方向に長く延びる記録媒体
挿入口としてのデイスクカセツト挿入口２を有し
ている。フロントパネル１のデイスクカセツト挿
入口２の上部内側には、その両側に支持壁３，３
が形成されており、この支持壁３，３には、第２
図に示すように磁気デイスク装置２の内方に向つ
て開口する支持部としての支持溝部４が形成され
ている。フロントパネル１には、デイスクカセツ
ト挿入口２をこのフロントパネル１の内側から閉
鎖するドア５が設けられており、このドア５は、
その上部両端部に軸支板部６，６を有しており、
この軸支板部６，６には、回動軸７，７が固定さ
れている。ドア５の軸支板部６と軸支板部６との
間には、各々同じ間隔をあけて軸支壁部８，８が
形成されており、この軸支壁部８，８には、各々
に偏心軸９，９が固定されている。この偏心軸
９，９は、回動軸７，７と軸を異にし、ここで
は、この偏心軸９，９は回動軸７，７よりも下方
に位置している。回動軸７，７の一端は、この軸
支壁部８，８に当接しており、この回動軸７，７
の軸支板部６と軸支壁部８との間にある部分は、
フロントパネル１の支持溝部４にそれぞれ挿入さ
れている。フロントパネル１の支持壁３と支持壁
３との間は、これらふたつの支持壁３の基部から
中央部に向うほど肉厚とされて、その途中で水平
面となるような山高状とされており、その真中の
水平面の部分は取付面１０とされている。この取
付面１０には、その中央部に円錐状の嵌合突起１
１が突設形成されており、この嵌合突起１１の両
側には、間隙をあけて嵌合突起１１よりも縮径さ
れたタボ突起１２が突設形成されている。１３は
板バネであつて、この板バネ１３は、フロントパ
ネル１の支持壁３と支持壁３との間の部分と同形
状に押り曲げられており、その両側の部分は押圧
板部１４，１４とされ、１５はその押圧部であ
り、真中の部分は取付板部１６とされている。板
バネ１３は、この取付板部１６の中央部にその孔
の径が嵌合突起１１よりも縮径されたプツシユナ
ツト１７を有し、かつ、このプツシユナツト１７
の両側には、ほぞ孔１８，１８を有している。板
バネ１３は、これらのプツシユナツト１７及びほ
ぞ孔１８，１８がフロントパネル１の突起１１及
びだぼ突起１２，１２に嵌合されて、フロントパ
ネル１の取付面１０に取り付け固定されている。
板バネ１３の押圧部１５は、ドア５の偏心軸９に
当接していて、これにより、ドア５は、支持溝部
４から脱落しないように板バネ１３によつて押圧
付勢されており、かつ、デイスクカセツト挿入口
２を閉鎖する方向に付勢され、開成するときには
回動軸７を中心にこの付勢力に抗して回動可能と
されている。ドア５は、デイスクカセツトが挿入
されると、デイスクカセツトによつて押圧され、
第３図に示すように回動されてデイスクカセツト
挿入口２を開成するようになつており、このと
き、偏心軸９は、板バネ１３の押圧部１５を押圧
しつつドア５とともに回動されるものである。デ
イスクカセツトが抜き取られると、偏心軸７が板
バネ１３の押圧部１５に押圧されて、デイスクカ
セツト挿入口２は閉鎖されるようになつている。
尚、フロントパネル１のデイスク挿入口２の下方
には、デイスクカセツト排出用ボタンを取り付け
るための取付穴１９が形成されている。

尚、第１図においてドア５の左右方向のガタ
は、回動軸７の左右両端部がフロントパネル１の
側部に微少間隔を保持して取りつけられることに
より、概略決められる。

尚、組立順序としては、第４図に示すように、
まず、ドア５の回動軸７をフロントパネル１の支
持溝部４に挿入してドア５を取り付け、次に、板
バネ１３のプツシユナツト１７及びほぞ孔１８，
１８をフロントパネル１の嵌合突起１１及びダボ
突起１２，１２に押し込むことにより、板バネ１
３をフロントパネル１に固定して組立は終了す
る。板バネ１３の押圧部１５は、ほぞ孔１８，１
８をダボ突起１２，１２に嵌合することにより位
置決めされるから、取り付け時に偏心軸９，９に
当接される。組立は、以上説明したように容易で
あり、組立性は向上する。

尚、ドア５の外れ防止の安全策として、回動軸
７に当接可能な外れ防止部材をフロントパネル１
に別個に設けるようにすれば、ドア５の外れ防止
は確実なものとなる。

以上説明したように本考案によれば、板バネを
用いてもドアを開閉できるように、このドアの回
動軸の軸線とは異なる軸線上に偏心軸を設けて、
板バネによりこの偏心軸を付勢するようにしたか
ら、コイルスプリングを用いてドアの回動軸をそ
の回転方向に付勢するものに比べて構成が簡単と
なり、部品点数を減少させることができるという
効果を奏する。これは、組立効率が向上するとい
うことに通じ、さらに、コスト低減化を図ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係る記録再生装置のドア開
閉機構を磁気デイスク装置に適用して内側から見
た場合を示す正面図。第２図は、デイスクカセツ
ト挿入前及び抜取後のドア開閉機構の状態を説明
するための断面図。第３図は、デイスクカセツト
挿入時のドア開閉機構の状態を説明するための断
面図。第４図は、第１図に示す磁気デイスク装置
のドア開閉機構の組立状態を示す斜視図。 １……フロントパネル（フロント部）、２……
デイスクカセツト挿入口（記録媒体挿入口）、４
……支持溝部（支持部）、５……ドア、７……回
動軸、９……偏心軸、１３……板バネ、１５……
押圧部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 記録媒体挿入口と支持部とを有するフロント部
   と、 回動軸とその回動軸の軸線とは異なる位置に存
   在する偏心軸とを有し、前記フロント部の支持部
   に前記回動軸が支持されて、着脱可能、かつ、回
   動可能に設けられ、記録媒体挿入時に該記録媒体
   に押圧されて回動されることにより前記記録媒体
   挿入口を開成するドアと、 前記フロント部に固定され、前記ドアが前記記
   録媒体挿入口を閉鎖する方向であつて、かつ、前
   記ドアが、その開成時であつても前記支持部から
   脱落しないように前記偏心軸を介して前記ドアを
   付勢する板バネと、 からなる記録再生装置のドア開閉機構。