JPS6340838Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は、真空開閉器、例えば、真空遮断器の
真空バルブの端子部と外部導体との接続部分に関
するものである。

〔従来技術〕

従来、この種の装置、例えば、真空遮断器にお
ける同種の装置として例えば第１図に示すような
ものがあつた。

図において、符号１は真空バルブ、２は真空バ
ルブ１の端子部、３は真空遮断器の中の外部導
体、４は真空遮断器のフレームを形成する絶縁物
製ケース、特に、そのモールド製ベース、５は導
電部を覆う絶縁物製のカバー、６は真空バルブ１
の端子部２を外部導体３と接続し、且つ、真空遮
断器のモールド製ベース４に固定するための締付
けボルトである。

従来の装置はこのように構成されるが、例え
ば、このような真空遮断器においては、真空バル
ブ１の端子部２を外部導体３に接続する方法とし
て、図に示すように、真空遮断器の枠組フレーム
であるモールド製ベース４を介して締付けボルト
６により締付け固定していた。また、その導電部
分を被う目的をもつて絶縁物製のカバーをモール
ド製ベースの真空遮断器の反対側に設けていた。

従来の装置は、以上のように構成されているの
で、真空バルブ１を締付け固定する締付けボルト
６とカバー５との間の間隔が短かく、また、締付
けボルト６の頭部が突出しているのでこの締付ボ
ルト６の周辺に電界が集中し、電界密度が高くな
り、従つて、温度が高くなる等その環境条件によ
つては、部分放電を生じやすく、その結果、絶縁
物製のモールド製ベース４の劣化を生じ、ひいて
は、沿面放電や閃絡等を発生する懸念もあり、ま
た、締付けボルト６がモールド製ベース４に当た
る箇所の強度的な問題も懸念されるという欠点を
有している。

〔考案の概要〕

本考案は上記のような従来装置における欠点を
除去することを目的としてなされたものであつ
て、絶縁物製ケース中に一部において、締付けボ
ルトの頭部裏面に当接する抜落ち不能の埋込金具
を埋設することにより、締付けボルト周辺の電界
緩和を図ると共に締付けボルトの締付け面積を大
きくして締付ボルト頭部の当り部分の強度アツプ
を図り、また、この強度アツプによつて締付けボ
ルト貫通部分の絶縁物製ケースの厚さを薄くする
ことにより締付けボルト頭部とカバーとの間の間
隔を大きくして部分放電の生じにくい安全な真空
開閉器を提供するものである。

〔考案の実施例〕

以下、本考案をその一実施例を示す図面に基づ
いて説明する。

第２図において、真空バルブ１、端子部２、外
部導体３、絶縁物製のカバー５、締付けボルト６
はいずれも従来装置におけるものと同等のもので
あり、符号１１は、絶縁物製ケース１２に抜落ち
不能に埋め込まれた埋込金具であつて、この埋込
金具１１によつて、締付けボルト６近辺の電界を
緩和すると共に、一部を締付けボルト６の頭部裏
面に当接するように形成している。なお、その屈
曲部１１ａは抜けにくくするために形成したもの
であつて、必ずしも、この形状に限る必要はな
く、電界緩和及び抜止めのために形成されるいか
なる形状でもよい。

本考案はこのように構成されるので、絶縁物製
ケースすなわちモールド製ベース１２の真空バル
ブ１が取り付けられる部分は、埋込金具１１の設
置のために補強されたことになり、従つて、この
部分の絶縁物製ケース１２の肉厚を薄くすること
が可能となり、従つて、締付けボルト６頭部を沈
めることができ、その結果、締付けボルト６頭部
とカバー５との間隔も十分大きくとることが可能
となつて電界の集中を排除することができ、ひい
ては電界集中による昇温もなく、絶縁物製ケース
１２の劣化も生じない。

また、締付けボルト６が埋込金具１１を介し
て、モールド製ベース１２に接触するので、接触
部付近のモールド製ベースすなわち絶縁物製ケー
ス１２の損傷もなくなる。

なお、上記実施例では、真空遮断器を例にとつ
て説明したが、真空遮断器に限るものではなく、
他の真空コンダクター、開閉器等の場合にあつて
も、上記実施例と同様の効果を奏する。

〔考案の効果〕

以上のように、本考案によれば、締付けボルト
頭部表面に当接すると共にこの付近の電界を緩和
する埋込金具を抜落ち不能に絶縁物製ケースに埋
め込んだために、強度が向上してこの部分の絶縁
物製ケースの厚さを薄くすることができ、従つ
て、締付けボルトの頭部を沈めることができて頭
部とカバーとの間隔を広くとることができ、その
結果、この周辺の電界集中が緩和され、部分放電
が起こりにくく、また、締付けボルトが埋込金具
の突出部を介してモールド製ベースすなわち絶縁
物製ケースに接触すので、絶縁物製ケースが損傷
する懸念もなくなり、ひいては、沿面放電や閃絡
等も発生しない真空開閉器が得られるという効果
を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の真空遮断器における真空バルブ
の端子部と外部導体との締付け部分の説明概略断
面図、第２図は本考案の一実施例による真空バル
ブの端子部と外部導体との締付け部分の説明概略
断面図である。 １……真空バルブ、２……端子部、３……外部
導体、４，１２……絶縁物製ケース（モールド製
ベース）、５……カバー、６……締付けボルト、
１１……埋込金具、なお、図中、同一符号は同一
又は相当部分を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 真空バルブの端子部を絶縁物製ケースに接して
   設けられている外部導体に締付けボルトにより接
   続締め付けて固定する真空開閉器において、上記
   締付けボルトの頭部裏面に当接するように絶縁物
   製ケースに抜落ち不能に埋め込まれた電界緩和用
   埋込金具が設けられていることを特徴とする真空
   開閉器。