JPS6141415Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は気密性を要する回転電機、例えば冷凍
機などに使用される回転電機に関する。

この種の端子構造としては、例えば第１図及び
第２図に示す構造が知られている。第１図におい
て端子構造は全体として１で示されているが、そ
の端子盤２はリードボルト３とエポキシ樹脂で一
体成型される。第２図はこの端子盤２の正面図で
あるが、内面側（第１図において左側）及び外面
側（第１図において右側）にはそれぞれ３個の膨
出部が形成され、こゝにリードボルト３がそれら
の両端部を突出させて埋設されている。すなわ
ち、この端子盤２は３端子用であつて、これら３
本のリードボルト３の両端部にそれぞれ内部リー
ド線４及び外部リード線５のターミナル４ａ及び
５ａが例えばナツトにより固定されている。

端子盤２の外縁部には複数の取付孔６が形成さ
れ、これらにボルト７を挿通し、回転電機のケー
シングに固定されている端子取付部材８のねじ孔
８ａに螺着させることにより端子盤２は回転電機
に対して固定される。端子取付部材８の開口部８
ｂはこのようにして端子盤２より被覆され、左側
の回転電機内空間を気密に保持させんとするので
あるが、この気密性を良くするためにはボルト７
を強く締めなければならない。しかしながらエポ
キシ樹脂から成る端子盤２に割れが生ずる恐れが
あるのでボルト７をむやみに強く締めつけること
はできない。また各ボルト７の締めつけ方及び端
子盤２の剛性によつては取付孔６の間の部分で端
子盤２がそることがあり、これによつて気密性が
劣化される恐れがある。

以上のような恐れを少なくするために端子盤２
の厚さを大きくしたり、取付孔６の数を増して取
付ボルト７の数を増やさなければならないが、こ
れではコスト高とり、作業工数も増加する。しか
しこれでも上述の恐れを確実に除去することはで
きない。

本考案は上述の点に鑑みてなされ、低コストで
確実に気密性を得ることのできる回転電機の端子
構造を提供することを目的とする。この目的は本
考案によれば、気密性を要する回転電機の端子構
造において、一本の外部リード線の導体露出端と
一本の内部リード線の導体露出端とを両端部に固
定させた単一の接続金具及び前記外部リード線又
は内部リード線を挿通させる中心貫通孔を有する
テーパねじを備えた取付金具を樹脂モールドで一
体成型し、前記取付金具のテーパねじを回転電機
のケーシング又は端子取付部材のテーパねじ孔に
螺着させることを特徴とする回転電機の端子構造
によつて達成される。

以下、本考案の詳細につき図示した実施例に基
づき説明する。第３図は本考案の実施例による回
転電機の端子構造の正面図であり、第４図は第３
図における−線方向の断面図であるが、図に
おいて１０は回転電機のケーシングの一部を表わ
し、これに対し本考案に係わる端子ブロツク１１
が３個、後述するように螺着される。すなわち図
の端子構造は３端子用であつて、これを備えた回
転電機は例えば冷凍機用に使用され、第４図にお
いてケーシング１０の左側が外側であり、右側が
内側であつて、例えば冷媒としてのフレオンガス
が内側に通されている。

端子ブロツク１１はほゞ円筒形状であつて、エ
ポキシ樹脂１２で接続金具１３、取付金具１４、
及び接続金具１３の両端部に固定された内部リー
ド線４と外部リード線５の端部が一体的に成型さ
れて構成される。図示せずとも接続金具１３の両
端部には小孔があけられ、これにリード線４，５
の導体露出端が嵌め込まれ、例えば半田により固
定されている。取付金具１４のエポキシ樹脂１２
の端面から突出している部分の外周面にはテーパ
ねじ１４ａが形成され、中心線に沿つて貫通孔１
４ｂが形成されている。すなわち、取付金具１４
はいわゆるPTねじ（taper pipe thread）であつ
て、貫通孔１４ｂには内部リード線４が挿通され
ている。

以上のような構成を有する端子ブロツク１１が
そのテーパねじ１４ａをケーシング１０の一部に
形成されたねじ孔１０ａに螺着させることにより
ケーシング１０に対して固定される。この場合、
取付金具１４としてPTねじが用いられているの
で、内部を確実に、かつ簡単に気密とすることが
できる。またリード線４，５の接続金具１３との
接続部はエポキシ樹脂１２中に埋設されているの
で、他の端子ブロツク１１との間は充分に電気的
に絶縁されており、従つて各ブロツク１１をケー
シング１０に対して螺合させる作業さえできれ
ば、これらは相互にいくら接近させてもよい。然
るに従来の端子構造では第１図に示すようにリー
ドボルト３の端部がエポキシ樹脂２から露出して
いるので、これらの間の電気的絶縁を充分に得る
ためには、相互間の距離を充分大きくしなければ
ならず、しかも沿面放電を避けるために図示する
ように膨出部２ａを端子盤２の両側に形成しなけ
ればならない。従つて、本考案の端子構造は従来
のものに比べて、大巾に小型化することができ
る。また、組立工数も明らかに本考案の端子構造
の方が少ない。

本考案の実施例は以上のように構成されるが、
勿論、本考案はこれに限定されることなく本考案
の技術的思想に基づいて種々の変形が可能であ
る。

例えば以上の実施例では３端子用の端子構造に
ついて説明したが、本考案は端子の数には限定さ
れない。

また以上の実施例では冷凍機用の回転電機につ
いて説明したが、これに限定されることなく、一
般に気密性を要する回転電機に適用可能である。
例えば端子盤の内側が外気に対して高圧か低圧で
あるような回転電機に対しても本考案は適用可能
である。

以上述べたように本考案による回転電機の端子
構造は、外部リード線と内部リード線とを固定さ
せた接続金具及びテーパねじを備えた取付金具を
樹脂モールドで一体成型し、前記取付金具を回転
電機のケーシング又は端子取付部材に螺着させる
ようにしたので、確実かつ簡単に回転電機内に対
する気密性を得ることができ、しかも従来の端子
構造と比べ部品点数を減少させることができ、小
型化し組立ての作業工数も減少させることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例の回転電機の端子構造の要部の
造面図、第２図は同端子構造の端子盤の正面図、
第３図は本考案の実施例による端子構造の要部の
正面図、及び第４図は第３図における−線方
向断面図である。 なお図において、４……内部リード線、５……
外部リード線、１１……端子ブロツク、１２……
エポキシ樹脂、１３……接続金具、１４……取付
金具、１４ａ……テーパねじ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 気密性を要する回転電機の端子構造において、
   一本の外部リード線の導体露出端と一本の内部リ
   ード線の導体露出端とを両端部に固定させた単一
   の接続金具及び前記外部リード線又は内部リード
   線を挿通させる中心貫通孔を有するテーパねじを
   備えた取付金具を樹脂モールドで一体成型し、前
   記取付金具のテーパねじを回転電機のケーシング
   又は端子取付部材のテーパねじ孔に螺着させるこ
   とを特徴とする回転電機の端子構造。