JPS6340342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は軽トラツク等に擺動自在な荷台を取
付けるダンプ装置に係わり、特に重量物を巻き上
げるために使用するチエーンブロツクを利用して
人手により荷箱を傾斜せしめるダンプ装置に関す
る。

〔従来の技術〕

ダンプ車輌は車枠と、この車枠の後端に枢支さ
れる荷箱間には、荷箱の傾斜用油圧シリンダが連
結されているが、油圧シリンダを利用する為に油
圧ポンプ等の油圧装置が必要となる。しかるに軽
トラツクによつて運搬できる重量物は200〜300Kg
程度であり、油圧機構を用いなくとも人手によつ
て荷箱を傾斜できる範囲のものである。又油圧シ
リンダ、油圧装置を利用する為高価になる。

小型で安価なチエーンブロツクを利用するダン
プ装置としては荷台上方にチエーンブロツクを吊
設し、このチエーンブロツクのロードチエーンを
擺動自在な荷箱に連結するものが考えられるが、
このような構造では車高が高くなると共に、ロー
ドチエーンが吊設している為に傾斜時荷箱が揺れ
る虞れがあり、又ハンドチエーンが自由な吊設状
態となり、トラツクの走行時危険性を生じ、又騒
音も発生する。

〔考案が解決しようとする問題点〕

この考案は車枠又は荷台に載置する架台上に荷
箱を擺動自在に設け、この荷箱を押上げるリフト
アームに車枠、荷台の適所に固定するチエーンブ
ロツクのロードチエーンを連結するダンプ装置に
おいて、車高を低くし、かつ取扱い性に優れたダ
ンプ装置を提供することを目的とする。

〔問題を解決する為の手段〕

本考案は車枠又は荷台に載置する架台上に荷箱
を擺動自在に設け、この荷箱を押上げるリフトア
ームに車枠、荷台の適所に固定するチエーンブロ
ツクのロードチエーンを連結するダンプ装置にお
いて、前記チエーンブロツク内蔵の回転軸にハン
ドル軸を連結し、荷台の下部に鎖車を弾機を介し
て吊設すると共にこの鎖車にチエーンブロツクの
ハンドチエーンを懸吊するものである。

〔作用〕

水平状態の荷台を傾斜するには、ハンドル軸を
廻すことによつてチエーンブロツクの回転軸が回
転してロードチエーンによつてリフトアームを動
かして荷箱は傾斜する。この際カードチエーンの
長短に従つてハンドチエーンは短長となるが、ハ
ンドチエーンは荷台の下部に弾機を介して吊設す
る鎖車に懸吊している為に常に張力が与えられ、
ハンドチエーンを確実に保持することができる。
又ハンドル軸を逆転するとチエーンブロツクの回
転軸が逆転し、ロードチエーンは短長となると共
にハンドチエーンは長短となるが、この長さの変
化は弾機によつて調節され、荷箱の下部で確実に
保持することができる。

〔実施例〕

第１〜３図に示すように１はトラツクの荷台ａ
に載置する架台であり、この架台１は長手方向外
側に配設する縦杆２と、この縦杆２の内側で平行
に配設される左右１対のガイド杆３と、これらを
一体に固定する横杆４からなり、縦杆２の中央に
は上方への支持杆２ａを立設する。

５は荷箱であつて、底板６と煽板７からなり、
後端を架台１に枢着８して擺動自在に設ける。こ
の底板６の下面に補強杆９を添着し、この中央部
に前記ガイド杆３幅を有する左右１対のリフトア
ーム１０の一側を枢着１０ａする。一方このリフ
トアーム１０の他側の外側には前記ガイド杆３の
ローラ１１を装着して、リフトアーム１０の他側
がガイド杆３に沿つて摺動するように設ける。１
２はリフトアーム１０他側間の下部連結材であ
り、１３は上端間の上部連結材である。

１４は重量物を支えるための鎖とそれにかみ合
う鎖車１４ａとを用い、さらに歯車による減速装
置を設けてなるチエーンブロツクであり、架台１
の後端寄りに固定する。このチエーンブロツク１
４のロードチエーン１５を前記下部連結材１２に
連結し、一方ハンドチエーン１６は前記上部連結
材１３より弾機１７を介して吊設する鎖車１８に
懸架する。弾機１７は上端１７ａを上部連結材１
３に連結し、弾機１７の下端に保持材１７ｂを連
結して、この保持材１７ｂに鎖車１８を回転自在
に軸着する。

１９は操作ハンドル軸であつて、前記チエーン
ブロツク１４内蔵回転軸（図示せず）に連結す
る。２０は降下用ハンドル軸であつて、前記操作
ハンドル軸１９と平行に設けられ、各々は大スプ
ロケツト２１、小スプロケツト２１ａが設けら
れ、両スプロケツト２１，２１ａ間にチエーン２
２を設ける。

しかして、水平状態にある荷箱５を傾斜するに
は、操作ハンドル軸１９をハンドル１９ａを取付
けて回転することにより、ロードチエーン１５を
引き寄せると、リフトアーム１０の下端はローラ
１１がガイド杆３に沿つて後方へ摺動すると共
に、リフトアーム１０によつて荷箱５の枢着部１
０ａを押し上げると、枢着部８を回転中心として
後方へ擺動する。この擺動によつて煽板７が開い
て運搬物を排出するものである。

一方傾斜している荷箱５を水平に降下させると
きは、ハンドル１９ａを降下用ハンドル軸２０に
移し換えて、降下用ハンドル軸２０を逆転する
と、ロードチエーン１５が荷備５の自重作用によ
つて押し戻され、荷箱５は枢着部８を中心にして
水平状態へ回転するものである。

この際ロードチエーン１５の長短に従つてハン
ドチエーン１６は短長になるが、この長さの変化
は弾機１７の伸縮によつて調節され、常にハンド
チエーン１６は鎖車１８によつて張力が与えられ
続けて懸吊される。

尚、実施例ではリング状に形成されるロードチ
エーン１５の固定側をはずしてリフトアーム１０
の下端寄りに連結したものを示しているが、リフ
トアーム１０の他側寄りに鎖車を設け、この鎖車
にリング状ロードチエーンを張架しても良い。

〔考案の効果〕

この考案ではチエーンブロツクの回転軸にハン
ドル軸を連結することによつて、ハンドルの回転
力をロードチエーンに伝達し、荷箱を擺動するも
のである為に、チエーンブロツクを荷箱の上方に
設ける必要がなくなり、車高を低くすることがで
きる。

又、荷台の下部に鎖車を弾機を介して吊設する
と共に、この鎖車にチエーンブロツクのハンドチ
エーンを懸吊するものである為に、ロードチエー
ンの長短に従つて短長となるハンドチエーンに張
力を与えて保持することができ、ハンドチエーン
が自由に動いたり、或いはからまつたりする虞れ
がなくなり、操作性が向上する。さらに、ハンド
チエーンは保持状態となる為に、定行時の危険性
がなくなり、又騒音発性しない。

【図面の簡単な説明】

第１図は要部の斜面図、第２図は取付状態を示
す正面図、第３図は使用状態を示す要部の正面図
である。 １……架台、５……荷箱、１０……リフトアー
ム、１４……チエーンブロツク、１５……ロード
チエーン、１６……ハンドチエーン、１７……弾
機、１８……鎖車、１９……ハンドル軸、ａ……
荷台。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車枠又は荷台に載置する架台上に荷箱を擺動自
   在に設け、この荷箱を押上げるリフトアームに車
   枠、荷台の適所に固定するチエーンブロツクのロ
   ードチエーンを連結するダンプ装置において、前
   記チエーンブロツク内蔵の回転軸にハンドル軸を
   連結し、荷台の下部に鎖車を弾機を介して吊設す
   ると共にこの鎖車にチエーンブロツクのハンドチ
   エーンを懸吊することを特徴とするダンプ装置。