JPS6332423Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用デイスクホイールと自動車の
デイスクブレーキハブ面との間に装着することに
より自動車制動時に飛散するブレーキパツドの粉
を自動車用デイスクホイールの表デザイン面側へ
の付着防止に役立ち、自動車の種々のホイールに
装着することを可能ならしめるための汎用性のあ
る自動車デイスクブレーキの防塵カバーに関する
ものである。

従来のこの種の防塵カバーでは、例えば実開昭
55−59828号公報に開示されているように、防塵
カバーはブレーキのハブのハブボルトに対応する
所定数の取付孔を有するタイプのものであり、取
付孔数、取付孔のピツチ円の相違する場合にはそ
れぞれ対応する孔数、ピツチ円を有するカバーを
使用しなければならないという不便さがあつた。

そこで、本考案においては、ブレーキのハブの
ハブボルトに対応するように所定数の取付孔を形
成していた従来の防塵カバーの欠点を解決するこ
とができ、取付孔の数、取付孔のピツチ円の直径
に関係なくあらゆる種類のブレーキハブに取り付
けることができようにした汎用性のある防塵カバ
ーを提供しようとするものである。

本考案によれば、自動車デイスクブレーキの複
数のハブボルトあるいはハブボルト孔を包絡する
外周円より大きな取付孔を有する平坦な取付部
と、この取付部の周囲に自動車デイスクホイール
の内側形状にほぼ沿うよう湾曲して延長する突出
部とを有し、この突出部の内周部分が前記自動車
用デイスクホイールの前記ハブへの取付凸部側面
の少なくとも一部と密着状態で掛合し、かつ前記
突出部が前記デイスクブレーキの外側の全周を覆
うよう構成することにより、上記目的を達成する
ことができる。

以下、本考案の自動車デイスクブレーキの防塵
カバーを添付図面につき詳細に説明する。

第１図ａおよびｂは従来の防塵カバー１の平面
図および断面図であり、ブレーキのハブに植設さ
れているボルトの数に対応する数の取付孔２（図
示の例では４個）およびハブキヤツプに対応する
孔が設けられており、ハブのボルト上にこれらの
取付孔２を適合させて装着しなければならない
が、ボルトの数と取付孔の個数（例えば５個）が
異なる時、あるいはボルトのピツチ円と取付孔の
ピツチ円D_pが異なる時には装着不能であつた。

そこで、ブレーキハブ上のボルトの数またはピ
ツチ円がいかようであつても、装着することがで
きる防塵カバー３を本考案は提供しようとするも
ので、本考案においては第２図ａおよびｂに示す
ように、点線で示すような従来の取付孔２に代え
て、これらの取付孔２すなわちハブ上のボルトを
包絡する外周円により大きな径の取付孔４を形成
する。現在知られているハブボルトの個数は４〜
５個であり、ピツチ円の直径は100〜140mmである
から、取付孔４の径は例えばピツチ円140mmに使
用するボルトを収納できる程度にしておけば、あ
らゆる種類のハブに本考案のカバーは装着可能と
なる。取付孔４の径はこれに限られず上記範囲内
の直径にすることができる。このように、本考案
の防塵カバー３は取付用の孔４を有する平坦な取
付部５および自動車デイスクホイールの内側形状
にほぼ沿うよう湾曲して延長する突出部６を有す
る。防塵カバーは放熱性に優れたアルミニウム合
金、銅合金等の材料を用いてへら絞り、プレス等
の成型方法で製作するのが好適である。

第３図には第２図ａおよびｂに示す本考案の防
塵カバー３を装着した状態を示す。同図におい
て、７は自動車デイスクブレーキ、８はブレーキ
パツド、９はブレーキデイスク、１０はデイスク
ホイール、１１はハブへの取付凸部、１２はハ
ブ、１３はハブボルト、１４はハブキヤツプ、
D_pおよびＤはそれぞれ複数のハブボルトまたは
ボルト孔が形成するピツチ円の直径および外周円
の直径である。本考案の防塵カバー３はハブボル
ト１３を包絡する外周円より大きい径の取付孔４
を有するから種々のホイールに対してボルトの数
またはボルトのピツチ円の径に無関係に取り付け
ることができる。そして、防塵カバー３の湾曲突
出部６の内周部分１５はホイール１０のハブへの
取付凸部の側面の一部１６に掛合し、かつ前記突
出部が前記デイスクブレーキ外側の全周を覆うよ
う構成する。これにより、制動時に飛散するブレ
ーキパツドの粉をデイスクホイールの表デザイン
面側への散逸を完全に防止することができる。

第４図ａおよびｂは本考案の防塵カバー３の他
の構成例である。本例においては、カバー３の突
出部６にハブへの取付凸部１１との接触部におい
て取付け押え１７を内方に突出させて設け、カバ
ー３が取付部１１上にしつかりと固定されるよう
にする。第５図には第４図ａおよびｂに示す例の
装着状態を示す。なお、カバー３の突出部６に形
成する取付け押え１７は図示の例に限られず、突
出部６および対応する取付凸部１１にその全周ま
たは一部に亘つて少なくとも一方が凸状をなし、
他方が対応する凹状または平面をなすように形成
すれば良い。

第６図ａおよびｂには本考案の防塵カバー３の
他の構成例を示す。この例は、ハブボルトまたは
ボルト孔数が４で、ピツチ円直径および外周円が
D_p1およびD_p2、D₂の２種の自動車用デイスクホ
イールに装着可能なよう構成したものである。す
なわち、異なる直径で一つおきに４個づつ配位す
る２種類のボルトまたはボルト孔を包絡するよう
に連結した取付孔１８を取付部５に形成したもの
で、小径の外周円を有するものには取付孔１８の
小径の孔部分１９を、大径の外周円を有するもの
には取付孔１８の大径の孔部分２０を装着に用い
る。この場合、ボルトと取付孔部分１９または２
０とは堅固に装着されるから、第４図ａおよびｂ
および第５図で説明したようなカバー３の突出部
６と取付凸部１１との間の堅固な装着状態は必ず
しも必要としない。

以上説明した処から明らかなように、本考案に
よる自動車デイスクブレーキの防塵カバーは、ハ
ブボルトまたボルト孔の数、これらが形成するピ
ツチ円直径の大きさが異なる種々の自動車デイス
クブレーキに適用でき、ブレーキパツドの粉の自
動車デイスクホイールへの付着をほぼ完全に防止
できる自動車デイスクブレーキの防塵カバーが得
られる。なお、本考案の防塵カバーに設ける取付
孔はハブボルトまたはハブボルト孔を包絡する形
状とすれば良いのは勿論のことである。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは従来の自動車デイスクブレーキの防
塵カバーの平面図および第１図ｂは第１図ａの
−線での断面図、第２図ａは本考案の自動車デ
イスクブレーキの防塵カバーの平面図および第２
図ｂは第２図ａの−線での断面図、第３図は
第２図ａおよびｂに示す本考案の防塵カバーの装
着状態を示す部分断面図、第４図ａは本考案の防
塵カバーの他の構成例の平面図および第４図ｂは
第４図ａの−線での断面図、第５図は第４図
ａおよびｂに示す防塵カバーの装着状態を示す部
分断面図、第６図ａは本考案の防塵カバーの他の
構成例の平面図および第６図ｂは第６図ａの−
線での断面図である。 符号の説明、１……従来の防塵カバー、２……
取付孔、３……本考案の防塵カバー、４……取付
孔、５……取付部、６……突出部、７……デイス
クブレーキ、８……ブレーキパツド、９……ブレ
ーキデイスク、１０……デイスクホイール、１１
……ハブへの取付凸部、１２……ハブ、１３……
ハブボルト、１４……ハブキヤツプ、１５……突
出部の内周部分、１６……取付凸部の側面部分、
１７……取付け押え、１８……取付孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車デイスクブレーキのハブの複数のハブボ
   ルトあるいはハブボルト孔を包絡する外周円より
   大きな取付孔を有する平坦な取付部と、この取付
   部の周囲に自動車デイスクホイールの内側形状に
   ほぼ沿うよう湾曲して延長する突出部とを有し、
   この突出部の内周部分が前記自動車デイスクホイ
   ールの前記ハブへの取付凸部側面の少なくとも一
   部と掛合し、かつ前記突出部が前記デイスクブレ
   ーキ外側の全周を覆うことを特徴とする自動車デ
   イスクブレーキの防塵カバー。