JP3429491B2 - 車輌用ブレーキディスク - Google Patents
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Description
置に関し、より詳しくは、ブレーキ作動中に生じる熱の
影響を低減させ得る車輌用ブレーキディスクに関する。
動環境下における優れたブレーキ特性の為に、マウンテ
ンバイクなどの自転車や自動二輪車等の車輌に普及して
きている。一般的なディスクブレーキシステムは、ホイ
ールと共に回転するブレーキディスクと、該ブレーキデ
ィスクを挟み、且つ、ブレーキパッドを該ブレーキディ
スクの両側面に向けて押圧するブレーキキャリパーとを
備え、前記ブレーキパッドとブレーキディスクとの間の
摩擦によってブレーキ作用が生じるようになっている。
当然ながら、ブレーキ作動中にブレーキパッドがブレー
キディスクに接触する部分には、相当量の熱が発生す
る。前記ブレーキパッドは、一般的に、ブレーキディス
クの外周縁面を押圧するから、該ブレーキディスクの径
方向外側部分で局所的に熱が発生する。斯かる不均一な
熱の結果、ブレーキディスクの径方向外側部分は膨張す
る一方、ブレーキディスクの径方向内側部分は殆どある
いは全く膨張しない。ブレーキ作動中に極度の高熱が生
じた場合、前述の不均一な膨張によりブレーキディスク
が変形する恐れがある。ブレーキディスクが一方に片寄
って変形すると、一方のブレーキパッドによる一方の側
面への押圧が他方のブレーキパッドによる他方の側面へ
の押圧より生じ易くなり、その結果、さらなる不均一な
熱の発生やブレーキ効率の低下を招く。ブレーキディス
クが波状に変形した場合には、ブレーキ作動中に激しい
振動を生じる。
る不均一な膨張の問題に対処したブレーキディスクが開
示されている。該米国特許明細書には、間隙を有する複
数のアームによって連結されたインナーリング及びアウ
ターリングを備えたブレーキディスクが開示されてい
る。前記アームのそれぞれは湾曲されたL形状を有して
おり、アウターリングに生じる熱に起因するディスク内
のストレスが、該アームの径方向に沿った拡張及び縮小
によって軽減され得るようになっている。しかしなが
ら、斯かる構成には下記問題点がある。即ち、湾曲アー
ムは、曲線部分における片持ち構造の影響によって、ブ
レーキ作動中に生じるブレーキディスクの回転方向の力
に対抗する許容量が十分でないという問題である。さら
に、前記湾曲アームは、横方向の衝撃力が付加された際
に前記湾曲部分がインナーリングに対するアウターリン
グの揺動支点として作用する為に、該横方向衝撃力に対
する耐性が低いという問題も有している。
された複数のアームによって連結された内側環状部及び
外側環状部を有するタイプのブレーキディスクであっ
て、回転方向及び横方向剛性に妥協することなく、前記
外側環状部の膨張に起因するディスク内のストレスを軽
減させ得るブレーキディスクを提供することを、一の目
的とする。
は、装着円を画する装着孔が周方向に複数配設された径
方向内側環状部と、対向する一対の制動面を有し、前記
径方向内側環状部と同心上に配設された径方向外側環状
部と、前記径方向外側環状部の内周面から前記径方向内
側環状部の外周面まで延びる複数の連結アームとを備え
た車輌用一体型ブレーキディスクが提供される。前記複
数の連結アームのそれぞれは、直線状の中間部を有し、
前記装着円と同心上に位置する有効円の接線方向を向い
ており、前記有効円は前記装着円の半径より大きい半径
を有している。
側環状部の内周面は外側アーム連結円を画し、且つ、前
記径方向内側環状部の外周面は内側アーム連結円を画し
ている。前記複数の連結アームのそれぞれにおいて、前
記外側アーム連結円上における連結アームの外側中央点
と、内側アーム連結円上における連結アームの内側中央
点とを結ぶ仮想直線は、対応する連結アームをその長手
方向の全長に亘って二分している。ディスクの通気性を
向上させる為に、前記径方向内側環状部には、前記複数
の装着孔の径方向外側に複数の開口を配設してあり、前
記有効円が該複数の開口と交差するように構成してあ
る。さらに、前記径方向外側環状部には、複数の通気孔
が周方向に配設され、該複数の通気孔は複数のL字を形
成するように配設してある。
ー16を備えた本発明の一実施の形態に係るブレーキデ
ィスク10の側面図であって、自転車ホイールハブ14
に装着された状態を示している。又、図2は自転車ハブ
14に装着されたブレーキディスク10の部分断面正面
図であり、図3はブレーキディスク10単体の側面図で
ある。これらの図、特に図3に示すように、ブレーキデ
ィスク10は、装着円MCを画する,周方向に配設され
た複数の装着孔24を有する径方向内側環状部20と、
対向する制動面32,32(図2参照)を有し、前記径
方向内側環状部と同心上に配置した径方向外側環状部2
8と、前記径方向外側環状部28の内周面42から前記
径方向内側環状部20の外周面43まで延びて、互いに
等間隔に配設した複数の連結アーム38とを備えてい
る。後述するように、前記複数の連結アーム38のそれ
ぞれは、前記装着円MCと同心上に配された有効円EC
の接線方向を向いている。該有効円ECは、前記装着円
MCの半径MCRより大きい半径ECRを有している。
ブレーキディスク10は、装着孔24を貫通し且つホイ
ールハブ14の装着フランジ44のネジ孔48内に螺入
されるボルト46によって、該装着フランジ44に装着
される。キャリパー16は、周知の方法で、対抗する2
つのピストン(図示せず)が各ブレーキパッド(図示せ
ず)を押圧して制動面32,34に制動力を付加する4
ピストンタイプである。
交差する円により定義している。外側アーム連結円OA
Cは径方向外側環状部28の内周面42で定義し、且
つ、内側アーム連結円IACは径方向内側環状部20の
外周面43で定義している。各連結アーム38上の仮想
直線Pは外側アーム連結円OAC上における連結アーム
38の外側中央点OMと内側アーム連結円IAC上にお
ける連結アーム38の内側中央点IMとを通過してい
る。有効円ECは図3に示したように複数の前記仮想直
線Pと接する円である。本実施の形態において、有効円
ECの半径は装着円MCの半径の2倍までならばよい。
本実施の形態において、各仮想直線Pは、対応する連結
アーム38をその長手方向の全長に亘って二分してい
る。この構成は、各連結アーム38の中間部分を側面5
2,54を有する直線部48として形成することにより
容易に得られる。
効果を向上させる為に、径方向内側環状部20における
装着孔24の径方向外側部分には、複数の開口60が形
成されている。本実施の形態においては、各開口60は
角部が丸められた略三角形状を有しており、有効円EC
は各三角形の幅厚部分と交差している。
面52,54、外側環状部28の内周面42及び内側環
状部20の外周面43は円周方向に配設された比較的大
きな複数の開口64を定義する。開口60と同様に、各
開口64は角部が丸められた略三角形状を有している。
従って、各連結アーム38の側面52は外側環状部28
と内側環状部20とに合流し、合流部分は、それぞれ、
例えば7mmの曲率半径を有する曲線部70と、例えば
4.5mmの曲率半径を有する曲線部74とを備えてい
る。各連結アーム38の側面54は外側環状部28に合
流し、合流部分は例えば3.5mmの曲率半径を有する
曲線部78を備えている。連結アーム38の配置方向の
ため、側面54と内側環状部20との合流部分には、斯
かる曲線部は形成されない。代わりに、側面54と内側
環状部20との合流部分近傍には、例えば10mmの曲
率半径を有する緩やかな曲線部82を形成し、矢印Aで
示した回転方向におけるブレーキディスク10の剛性を
向上させている。
8の全周に亘って形成されている。該複数の通気孔84
は複数のL字が形成されるように配置されている。より
詳しくは、3つの通気孔84がL字の垂直部分を形成
し、2つの通気孔84が該L字の水平方向部分を形成し
ている。
てきたが、本発明の要旨及び範囲を逸脱することなく、
さらなる変形態様が適用可能である。例えば、種々の構
成要素の大きさ,形状,位置又は姿勢は、所望により変
更され得る。一つの構成要素による作用を2つの構成要
素によって奏されるように構成することもできるし、
又、その逆も可能である。全ての作用効果が特定形態に
おいて同時に奏されることは必要ではない。即ち、従来
技術に対して新規な構成は、それ単独又は他の構成と組
み合わせた態様に包含される構成的及び/又は作用的概
念を含み、本発明者によってなされた個別の発明と解釈
されるべきである。従って、本発明の範囲は、開示した
特定構成によって限定されるものではない。
スクによれば、回転方向及び横方向剛性の劣化を有効に
防止しつつ、外側環状部の膨張に起因するディスク内の
ストレスを軽減させることができる。
発明の一実施の形態に係るブレーキディスクのホイール
ハブに装着された状態の側面図である。
るブレーキディスクの部分断面正面図である。
ある。
Claims (11)
- 【請求項1】 車輌用の一体型ブレーキディスクであっ
て、 装着円を画する周方向に配設された複数の装着孔を備え
た径方向内側環状部と、 対向する制動面を有し、前記径方向内側環状部と同心上
に配設された径方向外側環状部と、 前記径方向外側環状部の内周面から前記径方向内側環状
部の外周面に延びる複数の連結アームとを備え、 前記複数の連結アームは、それぞれ、直線状の中間部を
有し、前記装着円と同心上であって且つ該装着円の半径
より大きな半径を有する有効円の接線方向の回転方向の
みを向いていることを特徴とするブレーキディスク。 - 【請求項2】 前記径方向外側環状部の内周面が外側ア
ーム連結円を画し、且つ、前記径方向内側環状部の外周
面が内側アーム連結円を画していることを特徴とする請
求項1に記載のブレーキディスク。 - 【請求項3】 複数の連結アームのそれぞれにおいて、
前記外側アーム連結円上における連結アームの外側中央
点と、内側連結円上における連結アームの内側中央点と
を結ぶ仮想直線は、対応する連結アームをその長手方向
の全長に亘って二分していることを特徴とする請求項2
に記載のブレーキディスク。 - 【請求項4】 前記複数の連結アームのそれぞれの側面
と、前記径方向外側環状部の内周面と、前記径方向内側
環状部の外周面とは、周方向に配設された複数の開口を
形成していることを特徴とする請求項2又は3に記載の
ブレーキディスク。 - 【請求項5】 前記径方向外側環状部は、周方向に配設
された複数の通気孔を有していることを特徴とする請求
項1から4の何れかに記載のブレーキディスク。 - 【請求項6】 前記複数の通気孔は、複数のL字状を形
成するように配設されていることを特徴とする請求項5
に記載のブレーキディスク。 - 【請求項7】 前記通気孔の3つが前記L字状の垂直部
分を形成し、且つ、前記通気孔の2つが前記L字状の水
平部分を形成していることを特徴とする請求項6に記載
のブレーキディスク。 - 【請求項8】 前記径方向内側環状部は、前記複数の装
着孔の径方向外側に配設された複数の第1開口を備えて
いることを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の
ブレーキディスク。 - 【請求項9】 前記有効円は、前記複数の第1開口と交
差していることを特徴とする請求項8に記載のブレーキ
ディスク。 - 【請求項10】 前記径方向外側環状部の内周面が外側
アーム連結円を画し、且つ、前記径方向内側環状部の外
周面が内側アーム連結円を画していることを特徴とする
請求項9に記載のブレーキディスク。 - 【請求項11】 前記複数の連結アームは、等間隔に配
設されていることを特徴とする請求項1から10の何れ
かに記載のブレーキディスク。
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