JPS6328223Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は織機用よこ糸把持器駆動装置に関し、
よこ糸は、フレキシブルベルトの一端に固定され
た少くとも１個のよこ糸把持器により匕口を通つ
て牽引され、該フレキシブルベルトは揺動歯車に
よつて前後に駆動される。

フレキシブルベルトを備えた周知のよこ糸把持
器駆動装置は、ベルトが歯のない駆動輪により駆
動されるか、又は歯車により駆動されるかによつ
て２つの大きいグループに分けることができる。
本考案は第２グループに属する。

両グループは共通して、なかんづく、よこ糸把
持器の十分に精密な運動を実現するために、最小
の摩耗と発熱を以てベルトと駆動輪の間の効果的
接触を実現するという問題を有している。

第１グループにおいては、スチールベルトが使
用されかつ重い歯のない駆動輪により駆動され
る。剛いスチールベルトをむしろ錯綜した駆動輪
の周りに保持し常時接触させて案内するために、
ホールドダウン（hold−down）ローラ及び減摩
ローラ（英国特許第342253号，第424966号；米国
特許第2604123号；フランス特許第2217541号）磁
石（米国特許第2810903号）；弓形シユーブロツク
（米国特許第2888956号）、空気圧装置（第1277766
号）等のごときあらゆる種類の複雑な装置が競つ
て試みられた。これら諸装置は摩耗及び発熱を減
少するためには、潤滑油及び冷却剤の使用を必要
とし、それに伴う欠陥があつた。

第２グループにおいては、プラスチツク製の有
孔ベルトと歯車を使用し、これらは相互に噛み合
つている。ベルトを歯車の円周の一部の周囲を案
内することについては、別の装置が提案されてい
る： −減摩ローラ（スイス特許第585293号）； −例えばグラフアイトより成る円筒形自動給油セ
グメント（米国特許第3490498号）； −二重ベルトを歯車の円周±180゜に沿つて、ベル
トが歯車から離れる両地帯において案内装置に
よつて案内すること（ドイツ特許第202765
号）； −ベルトと50゜〜180゜に沿つて噛合う特殊歯車
（英国特許第1510791号，第1510792号）。

−孔の両側でベルトと噛合う２対のホールドダウ
ンローラ（オランダ国第7714245号）； −水平歯車及び３個のホールド−ダウンローラ
（英国特許第1396492号）； −長い湾曲したブレーキ状シユー（欧州特許第
65231号）。

これらの周知の装置は特に現在要求される高速
製繊速度においては真に満足すべき動作を行えな
いことが明らかとなつた。

発熱及び摩耗の問題は常に存在し、よつてベル
トは比較的早く交換しなければならず、これは生
産性を害する。

本考案の目的は上記諸問題を完全に除去するよ
う、摩擦熱によるベルトの温度上昇を極力低い値
に留め、温度上昇により著増するプラスチツクよ
り成るベルトの摩耗を減少させたよこ糸把持器駆
動装置を提供するにある。

本考案によればこの目的を達成するため本考案
は一端によこ糸把持器が固定されたフレキシブル
有孔ベルトと、円周の一部に沿つて上記ベルトと
噛合う揺動歯車より成り、該ベルトが該揺動歯車
から離れる場所に上記ベルトと摺動可能に接触す
る案内装置が設けられた織機用よこ糸把持器駆動
装置において、該フレキシブル有孔ベルトはプラ
スチツクよりなること、該揺動歯車の歯の高さが
該ベルトの厚さより小さいこと、及び該歯及び孔
の形状及び寸法がかろうじて相互の噛合いを可能
とし、かつ該揺動歯車へ向いているベルトの面
が、上記の噛合いが行なわれている部分におい
て、該揺動歯車の歯元円への接線をなすことを特
徴とする。

さらにこの目的を達成するため上記案内装置が
それぞれ、硬くかつ熱伝導の高い材料より成るブ
ロツクより構成されることを特徴とする。

なおさらこの目的を達成するため、上記案内装
置のブロツクが該ベルトの巾と略等しい巾を有す
ることを特徴とする。

本考案を実施例につき図面を参照しながら一層
詳細に説明しよう。

よこ糸把持器１は有孔フレキシブルベルト２の
一端に固定される。

該ベルト２は揺動歯車３により前後に駆動され
る。該ベルト２を揺動歯車３の一部に沿つて案内
するため２個の案内装置４が協働する。ベルト２
の他端はスリーブ５等の中へ案内される。かよう
な配列は一般に周知である。

本考案によれば、歯車３の歯６の高さｈはベル
ト２の厚さｄより小さく、歯６及びベルト２の孔
の他の寸法及び形状は、歯及び孔がかろうじて噛
み合うことができるが、噛合中は歯車へ向いたベ
ルト２の側面８は歯車３の歯元円ｃに接線となる
ように選定される。

案内装置４はそれぞれ、例えば硬鋼のごとき、
硬く高い熱伝導率の材料より成る２個のブロツク
９より成る。各ブロツク９の巾は、ベルト２のそ
れに略等しい。

かかる構成により本考案においては次の利点を
有する。

−ベルトの厚さより歯の高さが小さく従つて、噛
合い表面の半径方向寸法が小さいため、そして
ベルトの側面が歯車の歯元円への接線をなすた
め、これらの表面間の相互摩擦従つて摩耗はご
く僅かである。

−歯車とベルトの間の精密な噛合のため、このベ
ルトは何等余分の横方向案内を必要とせず；さ
らに駆動力は作動している複数の歯６に等しく
配分される。その結果の１つとして、歯及び孔
の寸法は、比較的小さくできる。

−またベルトを案内する案内装置はベルトの上か
ら巾全体にわたつて接触することができ、従来
の歯がベルト面より突出したためにベルト側面
しか接触させることができなかつたものに比
し、接触面積は大きくなつて接触圧力即ち局部
圧力は小さくなり摩擦による温度上昇は低くで
き、ベルトの摩耗は小さくかつより一様にな
り、ベルトの寿命も長くなる。

−また本考案の案内装置のブロツク９とベルトの
接触面積は通常のローラとの接触面積（線接触
に近い）より大きく、同じ曲げ力によりブロツ
クがベルトに及ぼす圧力は小さいのでベルトの
材料の変形は小さく、また歯と孔との正確な噛
合のため局部に発生する熱は小さくなり温度上
昇は低い。

−またブロツクの材料を硬くかつ熱伝導の良好な
材料とすることにより、ベルトの耐摩耗性は大
きくなりかつベルトとブロツクの接触面に発生
した熱は容易にブロツクに吸収されかつ放散さ
れる。従つてベルトの温度上昇は低い。

これらの結果、ベルトの運転中の発熱は小さく
従つて温度上昇は低く留められるので、摩耗は極
めて僅かであるという効果を有する。

本考案の範囲を逸脱することなく多くの変形を
なし得ることは云うまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るよこ糸把持器駆動装置の
関連部品を示す図、第２図は第１図においてＦで
示した部分の部分断面拡大図、第３図は第２図に
おいて−線に沿つた断面図、第４図は上方よ
り見たフレキシブルベルトの部分図。 １……よこ糸把持器、２……ベルト、３……歯
車、４……案内装置、５……スリーブ、６……
歯、７……孔、８……ベルトの側面、ｃ……歯元
円、９……ブロツクである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 一端によこ糸把持器が固定されたフレキシブ
   ル有孔ベルトと、円周の一部に沿つて上記ベル
   トと噛合う揺動歯車とより成り、上記ベルトが
   上記揺動歯車から離れる場所に上記ベルトと摺
   動可能に接触する案内装置が設けられた織機用
   よこ糸把持器駆動装置において、 上記フレキシブル有孔ベルトはプラスチツク
   より成り、上記揺動歯車の歯の高さが上記ベル
   トの厚さより小さく、上記歯及び孔の形状及び
   寸法がかろうじて相互の噛合いを可能とし、よ
   つて、上記揺動歯車へ向いたベルトの側面が、
   上記噛合いが行われている部分において、上記
   揺動歯車の歯元円への接線をなすことを特徴と
   する織機用よこ糸把持器駆動装置。 ２ 上記案内装置がそれぞれ硬く且つ熱伝導の高
   い材料より成るブロツクにより構成された実用
   新案登録請求の範囲１項記載の織機用よこ糸把
   持器駆動装置。 ３ 上記案内装置のブロツクが上記ベルトの幅と
   ほぼ等しい幅をもつ実用新案登録請求の範囲２
   項記載の織機用よこ糸把持器駆動装置。