JPS6323795B2 - - Google Patents

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JPS6323795B2
JPS6323795B2 JP14234679A JP14234679A JPS6323795B2 JP S6323795 B2 JPS6323795 B2 JP S6323795B2 JP 14234679 A JP14234679 A JP 14234679A JP 14234679 A JP14234679 A JP 14234679A JP S6323795 B2 JPS6323795 B2 JP S6323795B2
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JP
Japan
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fiber
cross
yarn
crimp
ratio
Prior art date
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JP14234679A
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English (en)
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JPS5668108A (en
Inventor
Hideo Isoda
Hiroshige Sugyama
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP14234679A priority Critical patent/JPS5668108A/ja
Publication of JPS5668108A publication Critical patent/JPS5668108A/ja
Publication of JPS6323795B2 publication Critical patent/JPS6323795B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は新規なポリエステル繊維およびその製
造法に関し、特に敷布団用詰綿として好適なポリ
エステル繊維およびその製造法に関する。 近年掛布団用詰綿として合成繊維綿が広く使用
されるようになつたがこれを敷布団の詰綿に使用
すると嵩高過ぎかつ床つき感が大きくなり、寝心
地も悪くなるので敷布団の詰綿としては専ら木綿
が使用されている。しかしながら木綿は嵩が低
く、耐疲労性も乏しく、かつ吸水性が大きいので
しばしば日光に干して嵩の回復と乾燥を行う必要
がある。 これらの欠点を解決するため、合成繊維(特に
ポリエステル)を用いた敷布団用詰綿として、機
械巻縮を用いた提案(特公昭52−5266号公報)が
あるが、立体巻縮特有の充分な嵩高性を付与し得
ないばかりか、製造条件の限定も多く、プロセス
が煩雑で、コストが高くなるなどの問題がある。 本発明者等はかかる現状に鑑み、先に嵩高でか
つ寸法安定性の良好な詰綿用中空巻縮ポリエステ
ル繊維を開発し、特願昭54−75478号(特公昭62
−33915号公報参照)として提案した。上記中空
巻縮ポリエステルは高速で直接紡糸延伸を行う特
殊な方式で製造されるため従来の常速(約
1000m/min前後)紡糸のものにくらべ完成糸の
デニールをあわせると、生産性は単孔吐出量が増
加する分だけ向上するが、紡速が高くなつたこと
による糸ゆれに伴なう融着糸の発生を誘起するた
め、吐出孔間のピツチを広げる必要があつた。か
くて吐出量増加による生産性はノズル単位面積当
りの孔数が減少して相殺され、常速紡糸のものと
単位ノズル面積当り、単位時間の生産性は変らな
くなつた。特性的には常速紡糸の同断面巻縮糸に
比較して飛躍的に向上したが、嵩保持性及び床つ
き感が敷布団用詰綿として理想的な特性には至ら
なかつた。 このため本発明者らは更に敷布団用詰綿として
最適なものとして、特願昭54−71442号(特公昭
57−40244号公報参照)の特殊断面形状巻縮糸を
開発した。しかし、この特殊断面形状巻縮糸は床
つき感は著しく改善されるが、嵩保持特性は先の
発明の中空巻縮ポリエステル繊維よりやや劣り、
容積減少率は先の発明より著しく劣るものであつ
た。更にこの特殊断面形状巻縮糸を製造する場
合、延伸性が悪く、実質延伸倍率を高くすること
が困難であつた。すなわち、断面形状が特殊な異
形断面のため、糸条の強力が低く、延伸時に単糸
切れや断糸が多発して操業性の低下をまねくた
め、高倍率延伸ができず、従つて生産性が高くな
らず、製造コストの高いものとなつた。またこの
ことは、延伸倍率の低下にともない初期引張抵抗
度が低下するため、嵩保持性が悪くなる欠点をあ
わせ持つ結果となつた。 敷布団用詰綿に供する巻縮繊維としては、三次
元立体巻縮に基づく高度の嵩高性に加えて、床つ
き感の優れた、力学的にも熱的にも高度の巻縮堅
牢度を保持しているもので、かつ価格は安価なも
のが望まれるが、前記したごとく、従来かかる要
求性能を満足する繊維を製造することは困難であ
つた。 本発明者らはかかる現状に鑑み、前記要求性能
を満足する敷布団用詰綿として理想的といえる巻
縮繊維を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、つい
に所期の目的を達する本発明の新規なポリエステ
ル繊維、即ち、詰綿とした場合、従来に見ない詰
綿の嵩の熱安定性と高荷重下巻縮の耐へたり性の
極めて改善された詰綿用ポリエステル繊維を得る
に至つたものである。 即ち、本発明のポリエステル繊維は、エチレン
テレフタレート単位を85モル%以上含有するポリ
エステルからなり、単繊維デニールDが2〜15デ
ニール、横断面形状が彎曲部と少なくとも3個の
突起とを有し、断面変形比Sが5000/√以上で
ある異形断面繊維にして、潜在巻縮能によつて発
現させた波型立体巻縮形態を有し、巻縮数CNが
10〜30個/2.54cm、巻縮率Ciが10%以上、巻縮率
と巻縮数の比Ci/CNが2以下、初期引張抵抗度
Ysが32g/d以上、(100)面結晶サイズACRが
28Å以上、160℃における乾熱収縮率SHDが5%
以下で、かつ単繊維引張試験での荷重−伸長曲線
に変曲点が実質的に存在しないことを特徴とする
詰綿用ポリエステル繊維である。 本発明のポリエステル繊維はエチレンテレフタ
レートを主たる繰返し単位とするエチレンテレフ
タレート系のホモポリエステル、コポリエステル
又はこれらのポリエステルに第3成分を混合した
ポリマー等からなるものであり、特に繊維の骨格
となるポリエステルとしては繰返し単位の85モル
%以上がエチレンテレフタレート単位からなるポ
リエステルである。しかして本発明では就中テレ
フタル酸またはその機能的誘導体とエチレングリ
コールまたはエチレンオキサイドとから製造され
るポリエチレンテレフタレートホモポリマーが最
も好ましく、酸成分としてテレフタル酸またはそ
の機能的誘導体のほかに15モル%未満、好ましく
は10モル%未満のイソフタル酸、アジピン酸、セ
バチン酸、アゼライン酸、ナフタール酸、p−オ
キシ安息香酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、
ビス(P−カルボキシフエノキシ)エタン、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロイソ
フタル酸、3,5−ジ(カルボメトキシ)ベンゼ
ンスルホン酸金属塩またはそれらの機能的誘導体
等の1種又はそれ以上を加えるか、もしくはグリ
コール成分として、エチレングリコールのほかに
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,4−ヒドロキシメ
チルシクロヘキサン、ポリエチレングリコール等
の2価アルコールの1種又はそれ以上を加えたコ
ポリマーがこれに次いで好ましい。ポリエステル
に混合する前記第3成分としては、例えばポリア
ミド系(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6、
10、芳香族ポリアミド等)、ポリエチレン系、ポ
リプロピレン系、ポリスチレン系、ポリオキシエ
チレングリコール系等で代表されるポリエステル
系重合体と混合して溶融紡糸が可能な重合体、酸
化防止剤、制電剤、難燃剤、染色性改良剤、染
料、顔料、艷消剤、螢光増白剤等である。尚、こ
れらの第3成分はポリエステル系重合体と化学的
に結合した状態で紡糸されても勿論よい。ポリエ
ステルの重合度(又は粘度)には特に限定はな
く、溶融紡糸可能であればよいが、フエノール/
テトラクロルエタン=6/4の混合溶媒中、30℃
で測定した固有粘度IVが0.35〜0.70、特に0.45〜
0.65であるのが好ましい。 本発明のポリエステル繊維は、前記の如きポリ
エステルを単独で又は2種以上混合していてもさ
しつかえない。 Ysが32g/d以上、ACRが28Å以上でかつ単
繊維引張り試験での荷重−伸長曲線に変曲点が実
質的に存在しない特性を有する本発明のポリエス
テル繊維は、嵩高性能及び、巻縮安定性が著しく
優れた巻縮糸となり、特に高荷重下でも巻縮がへ
たりにくく、かつ巻縮の弾性回復力が優れた巻縮
特性を有する。 しかし、Ysが32g/dより低い場合、および
ACRが28Åより小さい場合には、例え充分な嵩
高性を有していても、高荷重下で巻縮は容易にへ
たり、巻縮の弾性回復力も悪いものしか得られな
い。Ysが32g/dより低く、ACRが28Åより小
さい場合、巻縮のへたりおよび巻縮の弾性回復力
は著しく劣る。他方、Ysが32g/d以上、ACR
も28Å以上を有してはいるが、単繊維引張り試験
での荷重−伸長曲線に変曲点が存在する従来一般
の巻縮ポリエステル繊維の場合でも、高荷重下で
は巻縮が容易にへたり、かつ巻縮の弾性回復力も
悪い。 単繊維引張試験での荷重−伸長曲線に変曲点が
実質的に存在せずかつ160℃における乾熱収縮率
SHDが5%以下、好ましくは2%以下のポリエ
ステル繊維は、開繊ウエブの熱処理、ドライクリ
ーニング等による容積減少率が非常に少なく、そ
の上床つき感がなく、かつ嵩保持性に優れている
ため、敷布団用詰綿として特に好適である。 一方、本発明の他の構成要件を満たしているが
単繊維引張試験での荷重−伸長曲線に変曲点が存
在する従来一般の巻縮ポリエステル繊維の場合に
は、160℃における乾熱収縮率SHDがたとえ5%
以下であつても、開繊ウエブの熱処理、ドライク
リーニング等による容積減少率が大きく、嵩保持
性に劣ることを本発明者等は知見した。 第1図は単繊維引張試験での荷重−伸長曲線の
数例を示すグラフであるが、第1図中、曲線Aは
変曲点が存在する例(従来例)、曲線B及びCは
変曲点が存在しない例(本発明例)である。 第2図は単繊維引張試験での荷重−伸長曲線の
1次微分係数を示すグラフの一例であり、縦軸は
荷重−伸長曲線の荷重をy(g/d)、伸長度をx
(%)としたときの1次微分係数dy/dx値で、横
軸はx値で示してある。しかして、本発明におけ
る“単繊維引張試験での荷重−伸長曲線に変曲点
が実質的に存在せず”とは、変曲点を全く有しな
いか有するとしても変曲域における荷重−伸長曲
線の1次微分係数(第2図のa値)が7(g/d)
以上のものとして定義されるものである。 本発明におけるポリエステル繊維の単繊維デニ
ールは、2〜15dのものが巻縮特性及び風合の面
から敷布団用詰綿として好ましく、これが2d以
下では、三次元立体巻縮の優れた繊維を得がた
く、寝心地もやゝ悪くなる。逆に15dを超える場
合は、風合が硬くなり、いずれも敷布団用詰綿と
しては不適当である。 本発明のポリエステル繊維は、横断面に彎曲部
と少なくとも3個の突起とを有し、断面変形比S
が5000/√以上の異形断面繊維である。そして
かかる本発明の異形断面繊維は、繊維の長さ方向
の全長に亘つて少なくとも1個の突起を有するよ
うな中空繊維の母体繊維壁の一部を繊維の長さ方
向にある小幅をもつて切開して中空内壁と繊維外
壁とを連続化させた形態の繊維と同等のものとし
て理解することができる。そしてこの場合、該切
開により形成された中空内壁と繊維外壁との連続
部(2カ所)がそれぞれ独立の2個の突起として
認識される。従つて当初から存在していた少なく
とも1個の突起と該切開によつて形成された2個
の突起とを合せると少なくとも3個の突起が存在
することになる。又切開により中空繊維の内壁が
彎曲部として認識されることも明らかであろう。
本発明のポリエステル繊維の彎曲部はU字形であ
るものを基本形とするが、奥に行くほど広がつた
トツクリ型や奥に行くほど狭くなる吊鐘型であつ
ても勿論よい。 しかして横断面形状が本発明の定義に入らない
もの、例えば突起が2個以下のものとか、彎曲部
のないものなどは、本発明の繊維にくらべ高荷重
下での嵩高性能が低く、布団わたとしたときの床
つき感が大きく、嵩高保持性が低下する。 断面変形比Sとは、繊維断面積(cm2)に対する
断面外周辺の長さ(cm)(中空部を有する繊維の
場合、中空内部は周辺の長さに含めない)で定義
されるものであり、上記断面変形比Sの値は断面
の異形度が大きいほど高い値を示す。そして本発
明において、断面変形比Sは5000/√以上、好
ましくは5200/√以上である。Sが5000/√
未満であると敷布団綿として床つき感が大きく、
嵩高保持性が低下する。断面変形比Sと敷布団綿
としての性能との関係については明らかでない
が、Sが大きいと専有面積が大きくなるとともに
断面二次モーメントも大きくなり、突起部がスプ
リング効果を奏し、しかも複数個の突起によつて
繊維が相互に引つ掛かるために、床つき感が改良
され、嵩高保持性が優れたものになると考えられ
る。 第3図は異形断面形状の諸種の例を示すもの
で、矢印で指摘された部分は突起である。そして
第3図のa〜cは本発明の横断面形状であり、イ
〜ホは比較例の横断面形状である。上記aのSは
5800/√、bのSは6450/√、cのSは
5390/√であるが、比較例のイは3個の突起を
有するも彎曲部のないものでSは4920/√、ロ
は2個の突起を有し彎曲部のないものでSは
4360/√、ハは突起も彎曲部もないものでSは
4580/√、ニは4個の突起を有するも彎曲部が
殆んど認められないものでSは4900/√、ホは
彎曲部を有するも突起が2個のものでSは5240/
√である。 本発明のポリエステル繊維の巻縮形態は潜在巻
縮能によつて発現させた三次元波型立体巻縮形態
であり、単繊維の巻縮数CNは10〜30個/2.54cm、
巻縮率Ciが10%以上であり、かつCi/CNが2以
下である。CN、CiはJIS−L1074の測定法による
ものである。上記CNが10個/2.54cm未満の場合
は、布団綿としての嵩高性が小さくなり、これに
反しCNが30個/2.54cmを越える場合は、巻縮が
細か過ぎて立体性を失い、敷布団に使用したとき
嵩が小さくなるとともに、敷布団の風合いが硬く
なる。またCiが10%未満の場合は、敷布団の床つ
き感が著しく大きくなつて敷布団綿として好まし
くない。更にCi/CNが2を越える場合は、立体
性が大き過ぎて床つき感が大きくなる。 上記のようなCN、Ci、Ci/CNと、布団綿と
しての性能との関係については十分に解明されて
いないが、CN、Ci、Ci/CNが上記の範囲であ
ると、細かい立体巻縮によつて繊維同士の接点が
増加すること、および繊維同士の絡み合いによつ
て巻縮のはまり込みが多くなるとするいわゆるフ
エルト化現象が減少されることの効果を生じ、こ
の効果が上記繊維の物性効果および断面形状効果
と相まつて相乗的に作用して、敷布団用詰綿に最
適な嵩高で床つき感が少なく、かつ、嵩保持性の
優れた特性を有すると推測される。 上記各種特性を保有する本発明のポリエステル
繊維は、繰返し圧縮を受けた場合嵩の回復性が優
れているため嵩保持性も極めて優れ、かつ力学的
にも、熱的にも高度の巻縮堅牢度を保有し、更に
床つき感が著しく小さく、常に嵩高であるという
敷布団用詰綿として理想的な繊維である。 しかして、繰返し圧縮を受けた場合の嵩保持性
能は、特に(イ)(100)面結晶サイズACRの大小、
(ロ)単繊維引張試験での荷重−伸長曲線における変
曲点の有無、(ハ)初期引張抵抗Ysの大小及び(ニ)横
断面形状における彎曲部の有無、突起数および断
面変形比の大小により大きく左右され、これらの
諸物性が前記本発明で特定する要件を満足する場
合に特に優れた嵩保持性能が得られ、これら諸物
性の中のいずれか1つでも本発明で特定する要件
を満足しない場合には嵩保持性が劣つたものとな
る。 なお、本発明で特定する各種繊維物性は、以下
に記述する方法に従つて測定した値である。 (1) 初期引張抵抗度Ys JIS−L1074(1965)に従つて測定 (i) 引張試験機 東洋測器製テンシロン Model UTM (ii) 初試料長 2cm (iii) 引張速度 2cm/min (iv) チヤートスピード 20cm/min (v) 測定雰囲気 22℃、65%RHの恒温恒
室 (2) 荷重−伸長曲線における変曲点 初期引張抵抗度の測定において得られた荷重
−伸長曲線(SSカーブ)またはその第1次微
分係数の変化曲線より判定 (3) 巻縮数CN、巻縮率Ci、巻縮率と巻縮数の比
Ci/CN及び単糸デニール JIS−L1074(1965)に従つて測定 (4) 160℃における乾熱収縮率SHD 長さ約25mmの試料巻縮糸単繊維の上端を紙枠
に固定し、その下端に0.2g/dの荷重をかけ
て室温で懸吊したときの長さをacm、当該荷重
を除重後、該試料を乾熱160℃で15分間無緊張
下で熱処理した試料につき同様に0.2g/dの
荷重をかけて室温で懸吊したときの長さをbcm
として、下式により算出(測定回数n=20とす
る) SHD(%)=1/N〓(a−b/a)×100 (5) (100)面結晶サイズACR 広角X線の赤道回折曲線の(100)面の強度
の半価巾よりSherrerの式を用いて算出〔詳細
は丸善株式会社発行「X線結晶学」(仁田勇監
修)上巻第140頁参照〕 Sherrerの式とは、次式で表わされる。 〔ただし、上式中、λはX線の波長(Å)、B
は半価巾(rad)、αは補正角(6.98×
10-3rad)、θは回折角(度)〕 本発明の実施例において用いたX線は、管電圧
45KV、管電流70mA、銅対陰極、Niフイルタ
ー、波長1.54Åであり、デイフラクトメーターと
して、理学電気株式会社製のSG−7型ゴニオメ
ーター、X線発生装置としてローターフレツクス
RU−3H型を使用した。 本発明のポリエステル繊維は、前記の如きポリ
エステルを横断面形状が彎曲部と少なくとも3個
の突起とを有する繊維を形成することが可能な紡
糸孔を有する紡糸口金を用いて溶融紡出し、紡出
糸条を紡糸口金直下で冷却気流を吹き当てて繊維
横断面方向に非対称的に冷却することによつて繊
維横断面方向に構造異方性を付与し、次いで該糸
条を引取装置に到達するまでの間に設けた80℃以
上の加熱帯域中を通過させて温度勾配下で空気と
の摩擦力によつて3000m/min以上の引取速度で
引き取りつつ一挙に延伸し、必要により該引取
前、引取中または引取後機械巻縮および/または
熱処理を施すことにより製造する。 そしてその製造法の最も特徴とするところは、
特殊な横断面形状を有する紡糸口金を用いてポ
リエステル系重合体を溶融紡糸し、紡出糸条を紡
糸口金直下で冷却気流によつて、繊維軸横断面方
向に非対称冷却することによつて繊維横断面方向
に構造異方性を与えることと、紡糸糸条を引取
装置に到達するまでの間に設けた加熱帯域中を通
過させて温度勾配下で空気との摩擦によつて
3000m/min以上の引取速度で引きとりつつ一挙
に延伸すると言つた特殊な直接紡糸延伸方法を組
合せたところにある。 本発明のポリエステル繊維を製造することが可
能な紡糸孔の孔形状(紡糸口金面部の平面図で示
す)の数例を第4図に示した。第4図a′〜c′はそ
れぞれ第3図a〜cに対応する紡糸孔である。紡
糸孔のスリツト幅lは完成糸の繊度にもよるが、
通常約0.1〜0.3mmとするのが好ましい。 紡出糸条の冷却は所謂非対称冷却法を採用し、
繊維横断面方向に高度の構造異方性(特に複屈折
率差)を付与する。この紡出糸条の冷却の仕方如
何によつて潜在巻縮能に差異が生じるが、本発明
の繊維を製造するためには、極力冷却条件を強化
するのがよい。そのためには、冷却気流は紡出糸
条にほぼ直交して一方側から吹き当てるのがよ
く、冷却気流の吹当は、紡糸口金面から20〜60mm
下方から少なくとも20cm、好ましくは25〜100cm
の吹当長で、かつ流速0.3m/sec以上、好ましく
は0.5〜2.0m/secを採用するのがよい。冷却気流
は室温の空気を使用するのが最も経済的である
が、空気以外の気流(例えば窒素ガス、炭酸ガス
等)を用いても勿論よい。 本発明では次いでこの潜在巻縮性糸条を引取装
置に到達するまでの間に設けた80℃以上、好まし
くは120℃以上の加熱帯域中を通過させて温度勾
配下で空気との摩擦力によつて延伸し一挙に延伸
糸とする特殊な直接紡糸延伸法を採用する。加熱
帯域を形成するものとしては特に限定されず、糸
条を加熱する手段であればいずれでもよいが、特
に引取速度が速い場合は非接触タイプが好まし
い。但し糸条を加熱するに必要な熱量は接触タイ
プの方が少なくてすみ、接触タイプの糸条加熱手
段を用いる場合は表面の材質に摩擦係数が低くか
つ耐摩耗性の高いものを選択するのがよい。加熱
帯域の温度は糸条の温度が120℃以上、特に150℃
以上融点以下の温度になる温度とするのが好まし
い。 加熱の手段としては電気加熱、火焔による加熱
加熱空気、加熱蒸気等が採用できる。しかして本
発明では就中特願昭54−79376号明細書(特公昭
60−24843号公報参照)に記載の熱風向流循環加
熱方式を採用するのがよい。なお糸条に同伴され
る空気による糸条の乱れ、加熱効率の低下を防止
するため、加熱帯域に導入する直前で糸条の同伴
流を分離するのが好ましい。 加熱帯域に導入される直前の温度は特に限定は
されないが同伴流分離装置などに接触することに
より糸条の溶断が生じない温度までには充分に冷
却されている必要があり、特に糸条の二次転移温
度以下の温度にまで冷却されているのがよい。糸
条はこの加熱帯域中において温度勾配下で延伸さ
れる。この延伸は、糸条と糸条を取りまく雰囲気
(空気)との摩擦力によつて生じる力によつて行
なわれる。 かくして延伸された糸条は次いでオイリングロ
ーラーにより油剤を付与された後紡糸口金の鉛直
下方に設けられた引取ローラーにより引き取られ
る。糸条を引取る装置としては糸条走行速度を規
制し得るものであればいずれでもよく、通常はゴ
デツトロールと称する引取りローラーが用いられ
るが、ステープルフアイバーとして使用する場合
が殆んどである詰綿用の場合には、糸条速度を規
制しつつ糸条を所定の長さに切断するように設計
されたトウカツターを引取装置として用いるのが
よい。この場合は糸条の総デニールが1000デニー
ル以上であると非常に有効となる。又機械巻縮賦
与を付加的に行なう場合には、糸条速度を規制し
つつ糸条に機械巻縮を賦与する機械巻縮賦与装置
を引取装置として用いることもでき、引取ローラ
ーに引き続いて機械巻縮賦与装置を設けることも
できる。又切断してステープルとなした後必要な
ら機械巻縮を賦与してもよい。 本発明のポリエステル繊維を得るにはかかる特
殊直接紡糸延伸法において、3000m/min以上、
好ましくは4000〜6000m/minの引取速度が必要
となる。糸条の引取速度が3000m/min未満の場
合には、初期引張抵抗度Ysが32g/d以上、
(100)面結晶サイズACRが28Å以上でかつ単繊
維引張試験での荷重−伸長曲線に変曲点が実質的
に存在しないポリエステル繊維を得ることができ
ない。 かくして得られた潜在巻縮を有するポリエステ
ル延伸繊維は、これが長繊維状で巻取られたもの
である場合には、要すれば機械巻縮を賦与し、ス
テープル状に切断した後、巻縮発現処理される。
又、既にステープル状に切断された状態で得たも
のは、直接巻縮発現処理される。巻縮発現処理は
前記ステープル状の潜在巻縮ポリエステル繊維を
100℃以上、好ましくは130〜180℃の乾熱でフリ
ーの状態で数分間熱処理することにより有利にお
こなうことができる。 上記ポリエステル延伸繊維のSHDは3〜8%
と従来法による延伸繊維にくらべ著しく低いにも
かかわらず、巻縮の発現力は強く、熱処理により
著しく良好な巻縮繊維が得られる。しかも力学的
特性の変化は非常に少ない。 なお、潜在巻縮性が特に大きい糸条の場合には
潜在巻縮性に比例して充分な弾性巻縮が発現する
ため、上記巻縮発現処理をしなくても、ステープ
ル状に切断するだけで充分良好な三次元波型立体
巻縮糸とすることができる。 以上述べた方法により、エチレンテレフタレー
ト単位を85モル%以上含有するポリエステルから
なり、単繊維デニールDが2〜15デニール、横断
面形状が彎曲部と少なくとも3個の突起とを有
し、断面変形比Sが5000/√以上である異形断
面繊維にして、潜在巻縮能によつて発現させた波
型立体巻縮形態を有し、巻縮数CNが10〜30個/
2.54cm、巻縮率Ciが10%以上、巻縮率と巻縮数の
比Ci/CNが2以下、初期引張抵抗度Ysが32g/
d以上、(100)面結晶サイズACRが28Å以上、
160℃における乾熱収縮率SHDが5%以下で、か
つ単繊維引張試験での荷重−伸長曲線に変曲点が
実質的に存在しないポリエステル繊維を良好な操
業性でかつ高生産性のもとで得ることができる。 本発明の方法は高速紡糸を実質的に行うことで
より効果的に非対称性を付与するため低冷却気流
速度でも繊維横断面方向に充分高度の構造異方性
を容易に付与できるものである。 従来の方法、例えば1000m/sec前後の引取速
度での常速紡糸法を用いて本発明のものと同一の
構造異方性を付与するには、著しく高風速、例え
ば2.5m/秒以上の冷却風速が必要なため、融着
糸の発生や糸切れを生じ、紡糸操業性が低下す
る。これは吐出された糸条が高風速によりたわ
み、糸ゆれが大きくなるために起こる。このため
紡糸孔間ピツチを広く取つて、操業性を維持して
いる。 他方高速紡糸においても横断面形状が本発明で
特定する条件を満足しないもの例えば第3図の比
較例イ〜ニのものは、充分な潜在巻縮能を付与す
るためには冷却風速を著しく高くしなければなら
ず、例えば、第3図aの繊維の場合の冷却気流速
度1.0m/secと同等の潜在巻縮性能を得ようとす
ると、第3図イの繊維では冷却気流吹当速度を
2.5m/sec以上にしなければならない。このよう
な高冷却気流速度を採用すると融着糸や糸切を生
じ易くなる。なお、第3図ロ〜ホの繊維の場合は
第3図イの場合よりも更に高い冷却気流吹当速度
を採用する必要が生じる。 これは表面積が断面積に比較して著しく大きい
とき、冷却が早く行なわれ、張力が高くなつて、
タワミが少なくなり、融着等の問題を生じないも
のと推測される。 かくして本発明の方法では、糸切れ、融着など
のトラブルが皆無なため、紡糸操業性は著しく良
好である。このことは更に紡糸孔間ピツチを狭く
することが可能となるため、例えば本発明以外の
紡糸方法では良好な操業性を確保しつつ充分高度
な潜在巻縮性を付与するには紡糸孔間ピツチは9
〜10mmが限界となるのに対し、本発明の方法では
紡糸孔間ピツチは4〜5mmで充分良好な操業性を
確保しつつ、高度の潜在巻縮能を付与できるた
め、同一紡糸口金面積当り、3倍以上の増孔が可
能となり、このことは単孔当りの吐出量が同一な
ら生産量を3倍以上増やせることが可能である。 更に本発明では、高速で引取るため、例えば
4000m/minの引取り速度で単繊維デニールが6d
のものを求めるとすれば、同一孔形状で常速紡糸
のものと比較すれば、延伸倍率が2.1倍前後で延
伸されるため単孔当りの吐出量は1.4g/minと
なるが、本発明の方法では、単孔当りの吐出量が
2.67g/minとなるため、同一ノズル面積当りの
生産量は、本発明の方法では従来の常速紡糸にく
らべ約6倍の生産量増とすることができる。 なお、同一紡速における本発明以外の断面糸で
も、紡糸孔間ピツチは、同一潜在巻縮レベルに達
するに必要な風速2.5m/secでは9mm以上必要な
ため、本発明の方法の生産性は約3倍増加でき
る。 なお、本発明の方法は従来の低速紡糸方式のよ
うに、一旦引取つた未延伸糸をトウ缶にふり落と
し、未延伸糸を再び数100本引揃え低速で延伸し
て延伸糸を得る方法にくらべて高速化され、か
つ、工程が著しく省略されているため作業の煩雑
さもなく、かつ設備投資も少なくてすむので、前
記のごとく良好な操業性と高生産性とも相まつ
て、製品コストは著しく安価なものとすることが
できる。 以下に実施例によつて本発明をより具体的に説
明する。なお実施例中布団綿としての性能を下記
のように評価した。 (1) 床つき感および寝心地 幅100cm、長さ190cmの布団がわに、上級印度
綿の開繊ウエブ6Kgを中入綿とした布団を基準
とし、ポリエステル繊維の開繊ウエブ4Kgを中
入綿とした布団について床つき感および寝心地
を比較し、上記基準品より優れたものを◎印、
基準品と同程度のものを〇印、基準品より稍劣
るものを△印、非常に劣るものを×印とした。 (2) 布団の嵩高性 上記(1)の布団を平面状に敷いた状態での厚さ
を比較した。基準品より厚さが大きいものを◎
印、ほぼ同程度のものを〇印、基準品より稍薄
いものを△印、著しく薄いものを×印とした。 (3) 嵩保持性 上記の布団を三つ折りにした上に、60×100
cm、重さ2Kgの平板を載置し、1時間放置後の
厚さをl0として、布団着用6ケ月後に上記と同
様に厚さl1を測定し、l1/l0の百分比をもつて
示した。なお、通常の綿花の布団の嵩保持率は
約54%である。 (4) 容積減少率 容積減少率VRは、試料巻縮繊維ステープル
の開繊ウエブを、20cm×15cmの長方形に切断
し、これを全重量が20gとなるように適宜枚数
積層して積層ウエブとなし、該積層ウエブの初
期容積V0(cm3)と該積層ウエブを乾熱100℃で
10分間熱処理し次いで室温で1時間放置した後
の容積Va(cm3)とから、次式により算出する。 VR(%)=V0−Va/V0×100 実施例 1 常法によつて製造した固有粘度0.65(フエノー
ル/テトラクロルエタン=6/4の混合溶媒中30
℃で測定)のエチレンテレフタレートを、紡糸温
度285℃にて第4図a′に示すと同様の紡糸孔(ス
リツト幅l=0.2mm)を2400個穿設した紡糸口金
(隣接する各紡糸孔の中心間間隔=5mm)より吐
出量6400g/minで紡出し、紡糸された糸条を紡
糸口金直下で室温の冷却空気流を該糸条に直交し
て1.0m/secの速度で片側から吹き当てて非対称
冷却し、次いで冷却された糸条を、紡糸口金の鉛
直下方3mの位置に設けた長さ80cmの縦型円筒ヒ
ーター内を通過させた後4000m/minの速度で引
き取り、14400デニール/2400本のマルチフイラ
メント糸(固有粘度=0.63)を製造した。 円筒ヒーター内の雰囲気温度を22℃、250℃お
よび400℃の3段階に変更した。なお、この場合
の円筒ヒーター出口部での糸条の表面温度はそれ
ぞれ22℃、132℃および205℃であつた。 かくして得た3種のマルチフイラメント糸をそ
れぞれ引揃えて各100万デニールのトウとなし、
スタフイングボツクス式押込クリンパーにより機
械巻縮を賦与した後65mmの長さに連続的に切断し
てステープルとなし、該ステープルを金網コンベ
ア上に供給して乾熱135℃の熱風にて3分間弛緩
熱処理して潜在巻縮を顕在化し、三次元波型立体
巻縮ステープル綿を得、次いで該ステープル綿を
カーデイングして開繊ウエブとなし、これを用い
て布団を作成し、敷布団としての特性を評価し
た。 本例における三次元波型立体巻縮ステープル綿
の各種物性および敷布団としての特性を第1表に
実験No.1〜3で示した。 第1表から明らかなように、本発明のポリエス
テル繊維(実験No.1)は、布団の嵩、床つき感、
寝心地および嵩保持性とも良好であり、容積減少
率も小さいが、本発明に属さない実験No.2のポリ
エステル繊維は布団の嵩、床つき感および寝心地
は良いが嵩保持性がやや劣り、かつ容積減少率も
大きく、又実験No.3のポリエステル繊維は、布団
の嵩、床つき感、寝心地および嵩保持性ともに劣
つていることがわかる。 比較例 1 実施例1と同一のポリエチレンテレフタレート
を、隣接する各紡糸孔の中心間間隔が9mmである
以外は実施例1と同一の紡糸口金を用いて、ポリ
マー吐出量4500g/min、引取速度1300m/min、
冷却空気流流速2.5m/sec、円筒ヒーター内雰囲
気温度22℃とする以外は実施例1と同一紡糸条件
で溶融紡糸し、31160デニール/2400本のマルチ
フイラメント糸(固有粘度=0.63)を製造した。 次にこのマルチフイラメント糸を多数本集束し
て100万デニールのトウとなし、該トウを延伸温
度130℃で延伸し、引き続いて実施例1と同一方
法で機械巻縮賦与、切断および弛緩熱処理して得
た立体巻縮ステープル綿の各種物性およびこれを
用いて作成した布団の敷布団としての特性を第1
表に実験No.4で示した。 本例のステープル綿は、単繊維引張試験での荷
重−伸長曲線に変曲点が存在しており、敷布団と
した場合の嵩保持性がやや劣り、特に容積減少率
が大きく熱安定性が悪い。 実施例 2 機械巻縮賦与および弛緩熱処理を施さない以外
は実施例1の実験No.1およびNo.2と同一条件で製
造したステープル綿の諸物性および敷布団として
の性能を第1表に実験No.5〜6で示した。 実験No.5のステープル綿はSHDが5%より大
きいため嵩保持率がやや劣り、容積減少率が大き
く熱安定性に劣ることがわかる。 これに対し本発明に属する実験No.6のステープ
ル綿は敷布団としての諸特性が十分満足し得るも
のであることがわかる。 実施例 3 ポリマーの吐出量を2100g/min、13900g/
minおよび16500g/minとし、かつ機械巻縮賦
与を行なわない以外は実施例1の実験No.1と同一
条件で製造したステープル綿の諸物性および敷布
団としての特性を第1表に実験No.7〜9で示し
た。 第1表より、本発明に属する実験No.7のステー
プル綿は敷布団としての諸特性が優れているが、
実験No.8の単繊維デニールが2d以下のステープ
ル綿は布団の嵩が低くて寝心地もあまりよくな
く、嵩保持性もやや劣り、又実験No.9の単繊維デ
ニールが15dを超えるステープル綿は布団の嵩が
低くなり、風合がゴワゴワした感触を有し、寝心
地はよくなく、嵩保持性も悪い。 比較例 2 冷却空気流の流速を3.5m/sec、1.0m/secお
よび0.2m/secとし、かつ機械巻縮賦与を行なわ
ない以外は実施例1の実験No.1と同一条件で製造
したステープル綿の諸物性および敷布団としての
性能を第1表に実験No.10〜12で示した。 CNが30個/2.54cm以上である実験No.10のステ
ープル綿は布団の嵩が低くなり、硬い感じで寝心
地がやや悪く、Ci/CNが2を超える実験No.11の
ステープル綿は床つき感が悪くなり、クツシヨン
性がありすぎて寝心地が悪くなる。またCiが10%
以下の実験No.12のステープル綿は床つき感、寝心
地ともに悪い。 実施例 4 紡糸口金として第4図c′に示すと同様の紡糸孔
(スリツト幅l=0.2mm)を2400個穿設した紡糸口
金(隣接する各紡糸孔の中心間間隔=5mm)を使
用し、かつ機械巻縮賦与を行なわない以外は実施
例1の実験No.1と同一条件で製造したステープル
綿の諸物性および敷布団としての性能を第1表に
実験No.13で示した。 本例のステープル綿は敷布団として良好な性能
を保有している。 比較例 3 紡糸口金として第3図イ〜ニに示す如き横断面
形状の異形断面繊維を製造することが可能な紡糸
孔(隣接する各紡糸孔の中心間間隔=9mm)を有
するものを使用し、冷却空気流の流速を2.5m/
secおよび3.0m/secとし、かつ機械巻縮賦与を
行なわない以外は実施例1の実験No.1と同一条件
で製造したステープル綿の諸物性および敷布団と
しての性能を第1表に実験No.14〜17で示した。 本発明に属さないこれらのステープル綿はいず
れも床つき感および寝心地が悪く、嵩保持性も劣
つていた。 実施例 5 冷却空気流の流速を2.5m/secとする以外は実
施例1の実験No.1と同一紡糸条件で溶融紡糸を連
続的に行なつて(実験No.18)紡糸時の融着糸の発
生状況および断糸回数を観察し、紡糸操業性の総
合判定を行ない、結果を実験No.18で第2表に示し
た。なお比較のために、比較例3の実験No.15の場
合(ただし、隣接する各紡糸孔の中心間間隔は5
mmの紡糸口金を使用した)の紡糸操業性も同様に
観察し、結果を実験No.19で第2表に示した。 第2表より明らかな如く、本発明の製造法の場
合、良好な紡糸操業性を示すが、本発明に属さな
い製造法の場合は紡糸操業性が著しく悪いことが
わかる。
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
第1図は単繊維引張試験での荷重−伸長曲線の
数例を示すグラフ、第2図は単繊維引張試験での
荷重−伸長曲線の1次微分係数を示すグラフの一
例、第3図は種々の異形断面繊維の横断面図であ
り、a〜cは本発明の繊維の数例を示す図、イ〜
ホは比較例の繊維の数例を示す図、第4図は第3
図の繊維を製造するための紡糸孔の紡糸口金面部
の平面図であり、第4図のa′〜c′はそれぞれ第3
図のa〜cに対応した紡糸孔である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 エチレンテレフタレート単位を85モル%以上
    含有するポリエステルからなり、単繊維デニール
    Dが2〜15デニール、横断面形状が彎曲部と少な
    くとも3個の突起とを有し、断面変形比Sが
    5000/√以上である異形断面繊維にして、潜在
    巻縮能によつて発現させた波型立体巻縮形態を有
    し、巻縮数CNが10〜30個/2.54cm、巻縮率Ciが
    10%以上、巻縮率と巻縮数の比Ci/CNが2以
    下、初期引張抵抗度Ysが32g/d以上、(100)
    面結晶サイズACRが28Å以上、160℃における乾
    熱収縮率SHDが5%以下で、かつ単繊維引張試
    験での荷重−伸長曲線に変曲点が実質的に存在し
    ないことを特徴とする詰綿用ポリエステル繊維。 2 断面変形比Sが5200/√以上である特許請
    求の範囲第1項記載の詰綿用ポリエステル繊維。 3 エチレンテレフタレート単位を85モル%以上
    含有するポリエステルを横断面形状が彎曲部と少
    なくとも3個の突起とを有する繊維を形成するこ
    とが可能な紡糸孔を有する紡糸口金を用いて溶融
    紡出し、紡出糸条を紡糸口金直下で冷却気流を吹
    き当てて繊維横断面方向に非対称的に冷却するこ
    とによつて繊維横断面方向に構造異方性を付与
    し、次いで該糸条を引取装置に到達するまでの間
    に設けた80℃以上の加熱帯域中を通過させて温度
    勾配下で空気との摩擦力によつて、3000m/min
    以上の引取速度で引き取りつつ一挙に延伸し、必
    要により該引取前、引取中または引取後機械巻縮
    および/または熱処理を施すことによりエチレン
    テレフタレート単位を85モル%以上含有するポリ
    エステルからなり、単繊維デニールDが2〜15デ
    ニール、横断面形状が彎曲部と少なくとも3個の
    突起とを有し、断面変形比Sが5000/√以上で
    ある異形断面繊維にして、潜在巻縮能によつて発
    現させた波型立体巻縮形態を有し、巻縮数CNが
    10〜30個/2.54cm、巻縮率Ciが10%以上、巻縮率
    と巻縮数の比Ci/CNが2以下、初期引張抵抗度
    Ysが32g/d以上、(100)面結晶サイズACRが
    28Å以上、160℃における乾熱収縮率SHDが5%
    以下で、かつ単繊維引張試験での荷重−伸長曲線
    に変曲点が実質的に存在しない詰綿用ポリエステ
    ル繊維の製造法。 4 冷却気流を0.3m/sec以上の速度で紡出糸条
    にほぼ直交して吹き当てる特許請求の範囲第3項
    記載の詰綿用ポリエステル繊維の製造法。 5 冷却気流を0.5〜2.0m/secの速度で紡出糸条
    にほぼ直交して吹き当てる特許請求の範囲第3項
    記載の詰綿用ポリエステル繊維の製造法。 6 加熱帯域の温度を糸条の温度が120℃以上に
    なる温度にする特許請求の範囲第3項記載の詰綿
    用ポリエステル繊維の製造法。 7 糸条の引取速度を4000m/min以上とする特
    許請求の範囲第3項記載の詰綿用ポリエステル繊
    維の製造法。
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