JP3752445B2 - ポリエステルマルチ繊維 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸水・速乾特性を高めるために高度に異型化された繊維断面を有する、延伸仮撚加工向けのポリエステルマルチ繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルはその優れた特性を生かし衣料用布帛素材として広く使用されている。衣生活の多様化、高級化、個性化と共に、天然繊維が持つ好ましい性能、例えば吸水性能をポリエステル繊維に付与する試みが続けられている。さらに、ランニングシャツあるいはゴルフシャツなどのスポーツ衣料用途においては、汗をかいても快適な状態が維持されるように、吸水性能に加え、速乾性も備えた布帛が使用されるようになり、ポリエステル繊維でも吸水・速乾性能の実現が望まれている。
【0003】
従来、ポリエステル繊維に吸水・速乾性能を付与する方法として、特開昭54−151617号公報に開示されているように、スルホン酸金属塩を含んだポリエステルを用いスロットおよび/またはアーム状の突起を有する繊維断面のポリエステル延伸糸(以下フラットヤーンと称する)を製造し、吸水布帛用に使用する例が提案されている。しかし、このような中空あるいはスロットおよび/またはアーム状の突起を有する繊維断面のフラットヤーンに仮撚加工を施すと、中空部分、スロットおよびアーム状の突起が潰れて、仮撚加工後の繊維断面形状は通常の仮撚加工糸の繊維断面と何ら変わりないものとなる。このようなフラットヤーンから得られたポリエステル仮撚加工糸を使用した布帛では十分な吸水・速乾性能が得られない。
【0004】
特公昭61−31232号公報には芯鞘構造のポリエステル複合繊維を仮撚加工した後、布帛となし、アルカリ処理によって芯部のポリエステルを溶出する方法が開示されている。しかし、このような複雑な構造をもつフラットヤーンの製造は極めて難しく、そのようにして得られたポリエステル仮撚加工糸は極めて高価なものとなり、商業的に広く使用されることはない。
【0005】
また、特開平11−269718号公報には、吸水特性を高めるために高度に異形化された繊維断面、すなわち扁平度が2〜4、W字状繊維断面の各凹部の開口角度が100〜150度の繊維断面形状をなす、部分配向ポリエステル繊維が開示されている。しかし、このような開口角度の大きなW字型繊維断面を有する部分配向ポリエステル繊維を延伸仮撚加工すると、得られる延伸仮撚加工糸のW字開口角度はより拡大し、吸水・速乾性能は充分発現しない。また、このようなW字繊維断面形状は、扁平繊維断面形状に見られるように、繊維同士が密着充填した繊維集合体となりやすく、ますます吸水・速乾性が減退する。
【0006】
このように、延伸仮撚加工時に受ける衝撃に耐え、延伸仮撚加工後も布帛に充分な吸水・速乾性を発現させることができる高度に異形化された繊維断面を有するポリエステルマルチ繊維は今まで提案されていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術を背景になされたもので、その目的は、延伸仮撚加工時に受ける衝撃に耐え、延伸仮撚加工後も布帛に充分な吸水・速乾性を発現させることができ、且つ自然なドライ感をも発現する、高度に異形化された繊維断面を有するポリエステルマルチ繊維を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、結晶化度が30%以下および沸水収縮率が15〜70%の部分配向ポリエステルマルチ繊維であって、その単繊維横断面に、下記式で定義する突起係数が0.3〜0.7の、繊維断面コアー部から外側へ突出したフィン部が3〜6個存在することを特徴とするポリエステルマルチ繊維により達成できることを見出した。
突起係数=(a1―b1)/a1
a1:繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ
b1:繊維断面内面壁の内接円の半径
【0009】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明で用いるポリエステルは、テレフタル酸を主たるジカルボン酸成分とし、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのアルキレングリコールを主たるジオール成分とするポリエステルを80重量%以上、好ましくは90重量%以上含有するポリエステルであり、該ポリエステルには、本発明の目的を損なわない範囲内で、例えばイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸成分や上記とは異なる他のグリコール成分を共重合していても良い。
【0010】
かかるポリエステルの固有粘度(オルソクロロフェノールを溶媒として使用し35℃で測定)は、通常衣料用布帛素材として使用されるポリエステルと同じ範疇の0.55〜0.80の範囲のものが好ましい。また、必要に応じて適宜艶消し剤、制電剤、安定剤などの添加剤またはアルカリ減量により繊維表面に微細孔やフィブリルを形成させる事の出来る添加剤などを含んでも良い。
【0011】
本発明のポリエステルマルチ繊維は、その結晶化度が30%以下および沸水収縮率が15〜70%であって、かつ、その単繊維横断面に、下記式で定義する突起係数が0.3〜0.7の、繊維断面コアー部から外側へ突出したフィン部が3〜6個存在している必要がある。
突起係数=(a1―b1)/a1
a1:繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ
b1:繊維断面内面壁の内接円の半径
【0012】
このような特性と断面形状を有する本発明のポリエステルマルチ繊維は、延伸仮撚加工時に受ける衝撃に耐え、延伸仮撚加工後も布帛に充分な吸水・速乾性を発現させる性能をもっている。
【0013】
さらに、驚くべきことに、本発明のポリエステルマルチ繊維は、通常の条件下で延伸仮撚を行っても、延伸仮撚加工時の糸切れ(加工断糸)および毛羽の発生が少ない。また得られる延伸仮撚加工糸も、その繊維横断面扁平度合いが繊維軸方向に適度に分散し、繊維軸方向に一様で無い繊維断面をなしており、繊維間空隙が大きな繊維集合体を形成するものとなる。このような大きな繊維間空隙は、さらなる吸水・速乾性能および該性能の洗濯耐久性向上の効果をもたらす。さらに、繊維断面扁平度合いが繊維軸方向に適度に分散する繊維集合体は、布帛での自然なドライ感をもたらすという性能も合わせ持っている。
【0014】
以下、本発明のポリエステルマルチ繊維の各特性とそれらの効果について説明する。
先ず、本発明のポリエステルマルチ繊維の結晶化度は30%以下および沸水収縮率は15〜70%、より好ましくは、結晶化度は15〜30%および沸水収縮率は20〜65%、でなければならない。
【0015】
結晶化度が30%を超える場合あるいは沸水収縮率が15%未満の場合は、該繊維の結晶領域が増大しているため、剛直な繊維構造となって通常の延伸仮撚条件下では延伸仮撚加工糸の繊維断面扁平度が繊維軸方向に適度に分散しがたくなる。その結果、単調な繊維集合体が形成されることになり、吸水・速乾性能および該性能の洗濯耐久性が減退し、また布帛での自然なドライ感も発現し難くなるので好ましくない。一方、沸水収縮率が70%を越える場合は、その繊維構造が不安定となるため、その物性が変化しやすく、延伸仮撚加工用の部分配向ポリエステルマルチ繊維として使用することはできない。
【0016】
次に、本発明のポリエステルマルチ繊維の単繊維断面形状は、先に定義した突起係数が0.3〜0.7、より好ましくは0.4〜0.6である、繊維断面コアー部から外側へ突出したフィン部(図1の1)が3〜6個、好ましくは4〜6個存在する形状を呈している必要がある。
【0017】
該突起係数が0.3未満のフィン部は、延伸仮撚加工後の繊維断面に充分な毛細管空隙を形成する機能がなく、吸水・速乾性能を発現することができない。さらにこのような短小フィン部は、布帛に吸水処理剤を施す場合のアンカー効果が小さくなるため、該処理剤の洗濯耐久性を低下させる傾向にある。また、布帛の風合もフラットなペーパーライクなものとなる。一方、突起係数が0.7を越えるフィン部は、延伸仮撚加工時、該フィン部に加工張力が集中しやすいため、繊維断面の部分的破壊が発生して十分な毛細管形成がなされなくなり、吸水性能が不十分となる。また、延伸仮撚工程での糸切れ(加工断糸)や毛羽も頻発する。
【0018】
なお、突起係数が0.3〜0.7のフィン部であっても、単繊維断面に該フィン部の数が1〜2個では、内側に閉じた繊維断面部分が最大1個しか形成されなくなるので、十分な毛細管現象が発現せず、吸水性能が不十分となる。また、布帛の風合もフラットなペーパーライクなものとなる。一方、6個を越える場合には、延伸仮撚加工時、フィン部への加工張力集中が発生し、繊維断面の部分的破壊が起こり、十分な毛細管形成がなされなくなり、吸水性能が不十分となる。また、延伸仮撚工程での糸切れ(加工断糸)や毛羽が頻発する。なお、突起係数が0.3未満のフィン部は6個を超えて存在しても良い。
【0019】
以上に説明した本発明のポリエステルマルチ繊維は、例えば以下の方法で製造することができる。すなわち、固有粘度が0.55〜0.80のポリエチレンテレフタレートを通常の条件で乾燥し、スクリュウエクストルーダー等の溶融押出機で溶融し、例えば、特許第3076372号に開示されているような、コアー部形成用円形吐出孔(図2の3)の周囲に間隔を置いて配置された3〜6個、より好ましくは4〜6個、の小円状開口部(図2の5)とスリット状開口部(図2の4)とが連結したフィン部形成用吐出孔を配置した紡糸口金(図2)から吐出し、従来公知の方法で冷却、固化後、2000〜4000m/min、より好ましくは2500〜3500m/minの速度で紡糸捲き取りすることにより容易に得ることができる。
【0020】
この時、コアー部形成用円形吐出孔の半径(図2のb2)、該円形吐出孔の中心点からフィン部形成用吐出孔の先端部の長さ(図2のa2)等を変えることにより、繊維断面の突起係数が0.3〜0.7となるように任意に設定することができる。また、スピンブロックの温度および/または冷却風量を変えることによっても、繊維断面の突起係数をある程度コントロールすることができる。なお、冷却風は、紡糸口金から5〜15cm下方が上端となるように設置された長さ50〜100cmのクロスフロータイプの紡糸筒から送風するのが望ましい。
【0021】
このような繊維横断面形状を有するポリエステルマルチ繊維は、紡糸捲取速度が4000m/minを超えると急激な配向結晶化が起こり、結晶化度が30%を超えてしまいやすい。一方、2000m/minを下回る紡糸捲取速度では、該ポリエステルマルチ繊維の沸水収縮率が70%を超えてしまいやすい。
【0022】
このようにして得られる本発明のポリエステルマルチ繊維は、延伸仮撚工程に供給され、ポリエステルマルチ繊維の繊度、紡糸捲取速度などに応じて、適切な条件を設定し延伸仮撚される。このようにして得られる延伸仮撚加工糸は、定法に従って織編物等の布帛とすれば、優れた吸水・速乾性能を有する布帛が得られる。また、該布帛は自然なドライ感に富んだ風合を呈し、衣料用布帛として極めて有用なものとなる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)結晶化度
広角X線回折法による。理学電気社製X線発生装置(ローターフレックスRU−200)を用い、ニッケルフィルターで単色化したCu−Kα線で散乱強度を測定し、次式で結晶化度を計算する。
結晶化度=結晶部の散乱強度/全散乱強度×100(%)
(2)沸水収縮率
枠周1.125mの検尺機で捲数20回のカセを作り、0.022cN/dtexの荷重を掛けて、スケール板に吊るして初期のカセ長L0を測定する。その後、このカセを65℃の温水浴中で30分間処理後、放冷し再びスケール板に吊るし収縮後の長さLを測定し次式で沸水収縮率を計算する。
沸水収縮率=(L0−L)/L0×100(%)
(3)突起係数
ポリエステルマルチ繊維の断面顕微鏡写真を撮影し、単繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ(a1)および繊維断面内面壁の内接円の半径(b1)を測定し、下記式で突起係数を計算した。
突起係数=(a1―b1)/a1
(4)吸水速乾性(ウイッキング値)
吸水・速乾性能の指標として、JIS L1907繊維製品の吸水試験法、5.1.1項吸水速度(滴下法)に準じて、落下水滴が、ポリエステル仮撚加工糸からなる試験布表面から表面反射をしなくなるまでの秒数(ウィッキング値)を採用した。なお、L10は、JIS L0844−A−2法により10回洗濯を行った後のウイッキング値(秒)を表す。
(5)加工断糸率
スグラッグ社製SDS−8型延伸仮撚加工機で、10kg巻ポリエステルマルチ繊維パッケージを延伸仮撚加工し、5kg巻ポリエステル仮撚加工糸パッケージを2個作成する方法で運転した時、断糸回数を記録し、下記式で加工断糸率を計算した。
加工断糸率=断糸回数/(稼動錘数×2)×100
(6)加工毛羽
東レ(株)製DT−104型毛羽カウンター装置を用いて、仮撚加工糸を500m/分の速度で20分間連続測定して発生毛羽数をカウントした。
(7)織物風合
延伸仮撚加工糸に600回/mの撚りを施し、たて糸・よこ糸使い綾織の布帛とした。次いで、100℃で精錬・リラックス処理、180℃・45秒でプレセット乾熱処理、15%のアルカリ減量処理、130℃・30分で染色を行い、自然乾燥した後、170℃・45秒でファイナルセットを行い、織物を作成した。この織物を検査員が触感判定し下記基準で格付けした。
レベル1:自然でドライな感触がある
レベル2:ドライ感がやや少なく感じられる
レベル3:フラットでペーパーライクな感触がある。
【0024】
[実施例1〜3、比較例1〜2]
予め、図2示す吐出孔形状と同じタイプの吐出孔をベースとして、スリット幅が0.10mmおよび該円形吐出孔中心点から先端部までの長さ(図2のa2)が0.88mmのフィン部形成用吐出孔をおのおの表1に示す個数有し、コアー部形成用円形吐出孔の半径(図2のb2)が0.15mmの吐出孔群を24群穿設した紡糸口金を準備し、スピンパックに組み込み、各々例No.毎に表1に従って選択し、スピンブロックに装填した。以下、例No.毎に次の操作を実施した。
【0025】
0.35重量%の酸化チタンを含む固有粘度0.630のポリエチレンテレフタレートを160℃で乾燥した後、スクリュウ押出機にて溶融しポリマー導管を通して、例No.毎にスピンブロックに装填された前記のスピンパックに導入し、紡糸口金より吐出量40g/minで吐出した。引き続き、紡糸口金吐出面から下方10cmの位置が上端となるように設置された長さ60cmのクロスフロータイプの紡糸筒から25℃の冷却風を、5Nm3/minの割合で、ポリマー流に吹き付つけて、冷却・固化し、紡糸油剤を付与し、3000m/minの速度で捲き取り、各々表1に示す結晶化度、沸水収縮率、フィン部個数および突起係数を有するポリエチレンテレフタレートマルチ繊維を得た。
【0026】
【表1】
【0027】
このポリエチレンテレフタレートマルチ繊維をスクラッグ社製のSDS−8型延伸仮撚機(3軸フリクションディスク仮撚ユニット、216錘)に掛けて、延伸倍率1.65、ヒーター温度175℃、撚数3300回/m、延伸仮撚速度600m/minで延伸仮撚加工を実施し、繊度84dtexのポリエチレンテレフタレート延伸仮撚加工糸を得た。実施例1〜3、比較例1〜2におけるウィッキング値(L0およびL10)、織物風合い、加工断糸率および加工毛羽の結果をまとめて表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
[実施例4〜5、比較例3]
半径0.15mm(図2のb2)のコアー部形成用円形吐出孔1個およびスリット幅が0.10mmでおのおの表3に示す該円形吐出孔中心点から先端部までの長さ(図2のa2)のフィン部形成用吐出孔が4個ある吐出孔群を24群穿設した紡糸口金を使用し、おのおの表3に示すスピンブロック温度および冷却風風量の条件とする以外は実施例1〜3と同じ条件および方法で溶融紡糸を行い、各々表3に示す結晶化度、沸水収縮率、および突起係数を有する、フィン部個数4個の断面のポリエチレンテレフタレートマルチ繊維を得た。
【0030】
【表3】
【0031】
このポリエチレンテレフタレート繊維を、実施例1〜3と同じ条件および方法で延伸仮撚加工を実施し、繊度84dtexのポリエチレンテレフタレート延伸仮撚加工糸を得た。実施例4〜5、比較例3におけるウィッキング値(L0およびL10)、織物風合い、加工断糸率および加工毛羽の結果をまとめて表4に示す。
【0032】
【表4】
【0033】
[実施例6〜7、比較例4〜5]
ポリマー吐出量および紡糸速度をおのおの表5の条件とする以外は実施例2と同じ条件および方法で溶融紡糸を行い、各々表5に示す結晶化度、沸水収縮率および突起係数を有する、フィン部個数4個の断面のポリエチレンテレフタレートマルチ繊維を得た。
【0034】
【表5】
【0035】
このポリエチレンテレフタレート繊維を、延伸倍率および撚数をおのおの表6の条件とする以外は実施例1〜3と同じ条件および方法で延伸仮撚加工を実施し、繊度84dtexのポリエチレンテレフタレート延伸仮撚加工糸を得た。
【0036】
実施例6〜7、比較例4〜5におけるウィッキング値(L0およびL10)、織物風合い、加工断糸率および加工毛羽の結果をまとめて表6に示す。
【0037】
【表6】
【0038】
【発明の効果】
本発明のポリエステルマルチ繊維によれば、適切な繊維断面形状が保持され、かつ適切な繊維間空隙を持った延伸仮撚加工糸が得られるので、その延伸仮撚加工糸を使った布帛は優れた吸水・速乾性能を持つ。さらにその布帛は自然なドライ感に富んだ風合を持つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のポリエステルマルチ繊維断面の1実施態様を示した模式図。
【図2】 本発明で使用する紡糸口金吐出孔の1実施態様を示した模式図。
【符号の説明】
1 :繊維断面フィン部
2 :繊維断面コアー部
3 :コアー部形成用円形吐出孔
4 :フィン部形成用吐出孔のスリット状開口部
5 :フィン部形成用吐出孔の小円状開口部
a1 :繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ
b1 :繊維断面内面壁の内接円半径
a2 :コアー部形成用吐出孔中心点からフィン部形成用吐出孔先端部までの長さ
b2 :コアー部形成用吐出孔の半径
Claims (1)
- 結晶化度が30%以下および沸水収縮率が15〜70%の部分配向ポリエステルマルチ繊維であって、その単繊維横断面に、下記式で定義する突起係数が0.3〜0.7の、繊維断面コアー部から外側へ突出したフィン部が3〜6個存在することを特徴とする延伸仮撚加工用ポリエステルマルチ繊維。
突起係数=(a1―b1)/a1
a1:繊維断面内面壁の内接円中心からフィン部頂点までの長さ
b1:繊維断面内面壁の内接円の半径
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