JPS6321047Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車等の車輛の後部に取付けられ、
テールランプを兼ねたアクセサリーランプとして
使用され、非点灯時と点灯時の色を異にした灯具
に関するものである。

（従来例） この種の色の異なる灯具として、実公昭57−
51146号公報に開示されたものが公知である。こ
の公知の灯具においては外側に位置するアウター
レンズがスモーク色であり、内側に位置するイン
ナーレンズが赤色、つまり灯光色であつて、両レ
ンズを適宜の間隔をもつてビス等により固定した
構造のものである。従つてこの公知の灯具は、ア
ウターレンズとインナーレンズとを単に重ねただ
けの構造であるためバルブからの光が、拡散され
ずに投光され、輝度むらがあつて好ましくない。
つまり、バルブに近い位置においては明るく、遠
くなるに従つて暗くなり、中心部分だけが高輝度
の発光面になることになる。又、このような構造
では前記アウターレンズ或はインナーレンズに文
字又はマークなどを印刷しアクセサリーランプと
して使用を図るときにもスモーク色、灯光色いず
れのレンズも透明な暗色であるので反射機能に乏
しく、このためにバルブを点灯しない昼間時には
前記マーク、文字などが読み取れず使用できない
ものとなる。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は従来例における輝度むらが生ずる問題
点と、文字又はマーク等の表示をする際に、これ
ら文字又はマークが昼間時には読み取れないとい
う問題点を解決しようとするものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記問題点を解決する具体的手段とし
て、スモーク色フイルターの内面側に白色系拡散
性フイルターと灯光色フイルターとを前記白色系
拡散フイルターが前記スモーク色フイルター側と
成るように重ねて配設し、更に前記スモーク色フ
イルターの表面側にクリア色フイルターを配して
その周縁を溶着して一体化し、この一体化された
ものをバルブを備えたハウジングの前面に配設し
てガーニツシユにより固定したことを特徴とする
車輛用灯具を提供するものであつて、スモーク色
フイルターの内面側に白色系拡散性フイルターを
配設することにより、バルブからの光を拡散させ
て発光面全体が輝度差の少ない略均一な発光面と
することができ、又、この白色系拡散性フイルタ
ーによつて昼間時は外光を反射し、前記スモーク
色フイルターの表面などに施された文字又はマー
クを読み取れるようにして問題点を解決するもの
である。

（実施例） 次に本考案を図示の実施例により更に詳しく説
明すると、１はスモーク色フイルターであり、該
フイルターの表面側に文字又はマーク等の表示部
２が形成されている。この表示部は例えばホツト
スタンプ又は光輝アルミニウム等の不透明体で形
成しても良く、要は外側から見える状態に施され
る。このスモーク色フイルター１の内面側に、打
抜成形可能な樹脂又は紙材等で形成された白色系
拡散性フイルター３と、ポリカーボネート等で形
成された赤色などの灯光色フイルター４とを、前
記白色系拡散性フイルター３が前記スモーク色フ
イルター１の側となるように重ね合せて配設する
と共にスモーク色フイルター１の表面側にはクリ
アー色フイルター５を配設し、このクリアー色フ
イルター５とスモーク色フイルター１との周縁部
を超音波溶着等の手段で一体的に合着させる。

この一体的に合着されたスモーク色フイルター
１を前記した通り内面側に白色系拡散性フイルタ
ー３と灯光色フイルター４とを重ね合せた状態で
ハウジング６にその周縁部を溶着固定させ、更に
枠状のガーニツシユ７をクリアー色フイルター５
の周縁に当接させ保持するようにしてハウジング
６に溶着固定させる。

前記ハウジング６は通常の灯具と同じように放
物反射面６ａを有し、図示の実施例のように細長
い長方形の灯具にあつては、２個のバルブ８が取
付けられる。このバルブ８はソケツトホルダー９
のソケツトに挿着され、該ソケツトホルダー９は
ハウジング６の背面側から着脱自在に取付けられ
るものであつて、バルブの交換が容易に行えるも
のである。尚、バルブ８には放射される光の拡散
性を高める目的で例えば耐熱性が高く半透明のSi
ゴム等で前記灯光色フイルター４と同色に形成さ
れたキヤツプ１０が被着されている。

（作用） 前記構成を有する本考案の車輛用灯具は、バル
ブ８から発せられた光がキヤツプ１０により灯光
色フイルター４と同色で且つ適度に拡散された光
となり灯光色フイルター４に入射する。この灯光
色フイルターから出射した光は白色系拡散性フイ
ルター３により拡散され、全面的に輝度差の少な
い均一光となつてスモーク色フイルター１及びク
リアー色フイルター５を通して外部に至る。この
場合の光は赤色光等の灯光色であつて発光面が均
一であり、表示部２が不透明であるため、光を通
さず黒くはつきりと見えるようになる。又、昼間
の非点灯時においては、拡散性フイルター３が白
色であるため外光を反射し、外部から見た時には
スモーク色フイルター１の色が見えるのみで内部
の灯光色が見えず点灯時と非点灯時の灯具の色が
異なつて見える。更に、表示部２は非点灯時にお
いてクリアー色フイルター５を介して透視できる
と共にクリアー色フイルターによつて保護されて
いるので外部から触れないばかりでなく、泥又は
ほこり等で汚れることもない。

（考案の効果） 以上説明したように本考案に係る車輛用灯具
は、スモーク色フイルターの内面側に白色系拡散
性フイルターと灯光色フイルターとを、白色系拡
散性フイルターがスモーク色フイルターの側とな
るように重ねて配設した構造としたことで、夜間
時には点灯したバルブからの光が先ず灯光色フイ
ルターで所定の色に着色され、更に白色系拡散性
フイルターにより均等に拡散され、発光面全体が
灯光色で且つ輝度差の少ないものとなつて良好な
視認性が得られ、又バルブが非点灯の昼間時には
前記白色系拡散性が外光を反射して発光面全体が
白色系に均一に明るくなり内部の灯光色を見えな
いものとし、点灯時と非点灯時とでは異なつた色
で発光する灯具となり、例えば前記スモーク色フ
イルターの表面側に文字又はマーク等の表示部を
設けたときにも点灯時、非点灯時いずれでも明確
に読み取れるようにするという優れた効果を奏す
る。

更に、このスモーク色フイルターの表面側に文
字又はマーク等の表示部が設けられたときには、
更にそれら表面側を覆うようにしてクリヤー色フ
イルターが取付けられているので、表示部を外部
から触つて脱落させたり、或はほこり及び泥等で
汚れることがない等の優れた効果も奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車輛用灯具の断面図、第
２図は同灯具の正面図である。 １……スモーク色フイルター、２……表示部、
３……白色系拡散性フイルター、４……灯光色フ
イルター、５……クリア色フイルター、６……ハ
ウジング、７……ガーニツシユ、８……バルブ、
９……ソケツト、１０……キヤツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スモーク色フイルターの内面側に白色系拡散性
   フイルターと灯光色フイルターとを前記白色系拡
   散フイルターが前記スモーク色フイルター側と成
   るように重ねて配設し、更に前記スモーク色フイ
   ルターの表面側にクリア色フイルターを配してそ
   の周縁を溶着して一体化し、この一体化されたも
   のをバルブを備えたハウジングの前面に配設して
   ガーニツシユにより固定したことを特徴とする車
   輛用灯具。