JPS6319259Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分類〉 開示技術は自動車のエンジン下部を保護するア
ンダカバーの構造の技術分野に属する。

〈要旨の解説〉 而して、この考案は自動車等の車輌のエンジン
下部で両サイドメンバと該両サイドメンバに架設
されて溶接されるクロスメンバとに横設される車
輌のエンジンアンダカバー構造に関する考案であ
り、特に、クロスメンバにアンダーハングすると
共に係止されてフロントバランスパネルの下面と
両サイドメンバとに下方からボルト等の締結部材
を介して固設されると共にクロスメンバに対して
はフツクが掛止されている車輌のエンジンアンダ
カバー構造に関する考案である。

〈従来技術〉 周知の如く、自動車等の車輌のエンジンの下方
には該エンジンを保護すべくエンジンアンダカバ
ーが横設されている。

而して、従来該種エンジンアンダカバーは車輌
のフレームを形成する両サイドメンバとそれに横
設固定されているクロスメンバとに締結部材とし
てのボルトを介して組み付けされているのが一般
的であつた。

〈従来技術の問題点〉 したがつて、通常エンジンアンダカバーとフロ
ントバランスパネルとの間には間隙部が形成され
てしまい、走行中に該間隙によつて乱気流が生
じ、負荷抵抗が増大するという難点があつた。

又、該間隙から泥土等がエンジンルームに侵入
し、その結果、クロスメンバやボデー等に錆が誘
発されるという不都合さがあつた。

この考案の目的は上述従来技術に基づく車輌の
エンジンアンダカバーとフロントバランスパネル
との間隙形成の問題点を解決すべき技術的課題と
し、該間隙を無くし、負荷抵抗を減少させるばか
りでなく、エンジンルームの泥土等の侵入を防止
させるようにし車輌産業における車体構造技術利
用分野に益する優れたエンジンアンダカバー構造
を提供せんとするものである。

〈問題点を解決するための手段・作用〉 上述目的に沿い、先述実用新案登録請求の範囲
を要旨とするこの考案の構成は前述問題点を解決
するため、エンジンアンダカバーをサイドメンバ
に架設されたクロスメンバをアンダーハングして
フロントバランスパネルの下面に直接ボルト等の
締結部材を介して固設されると共に両サイドメン
バに対しても同様に該締結部材を介して下側から
固設され、一方、クロスメンバに対してはエンジ
ンアンダカバーの両サイドメンバ間中途位置から
一体延出されたフツクを掛止させるようにした技
術的手段を講じたものである。

〈実施例〉 次にこの考案の１実施例を図面に基づいて説明
すれば以下の通りである。

１はフレームで、図示しない自動車のエンジン
ルームの下部に配設々置された周知のサイドメン
バ２，２（図示の都合上一方のみが示されてい
る。）と該両サイドメンバ２，２の下面に架設し
て溶接されたクロスメンバ３とを有している。

一方、該クロスメンバ３の前面にはウエルドナ
ツト１４が溶接され、該ウエルドナツト１４に対
応する孔部１５を有するフードロツクサポート１
６が図示しないボルトを介して固設され、又、該
フードロツクサポート１６の前面の内側にはウエ
ルドナツト１７が溶接され、而して、該ウエルド
ナツト１７に対し袋状に絞り形成されたフロント
バランスパネル４がその中央上部に穿設形成され
た対応孔部４′を介して図示しないボルトを介し
て螺設され、更に、該フロントバランスパネル４
はその両側のフランジ部に穿設された各孔部４″
が図示しないフロントフエンダに同じく図示しな
いボルトを介して締結されるようにされている。

而して、５はこの考案の要旨を成すエンジンア
ンダカバーで、前端縁部に孔部６，６…が４箇所
横列して穿設され、その後方にフツク７，７が該
孔部６，６…と並行に２箇所エンジンアンダカバ
ー５の板材から切起して一体形成され、更に、そ
の後方はアンダーハングされて、その両側のカバ
ーに立設した各上面フランジ８にはサイド孔部９
が穿設されている。

而して、フロントバランスパネル４の下部延出
端には孔部１０，１０…がエンジンアンダカバー
５の孔部６，６…の各々に対応して穿設され、一
方、第２図に示す様にクロスメンバ３の下端部に
はフランジ１１が後向に延出され、フツク７，７
を掛止自在にされており、又、サイドメンバ２に
はウエルドナツト１２が各サイド孔部９に対応し
て溶着されている。

尚、１３は締結具としてのキヤツチクリツプ
で、ストライカ１３′とクリツプ１３″とから成
り、第２図に於いてフロントバランスパネル４と
エンジンアンダカバー５の対応する孔部１０，６
とを共締めして固定するようにされている。

上述構成において、フレーム１のクロスメンバ
３の前面のウエルドナツト１４にフードロツクサ
ポート１６をその孔部１５をして図示しないボル
トにより締結し、更に、該フードロツクサポート
１６の前面のウエルドナツト１７に対し前面から
フロントバランスパネル４をその孔部４′を介し
てボルトにより締結する。

又、フロントバランスパネル４の両側の各孔部
４″は図示しないフロントフエンダにボルトによ
り締結する。

次いで、エンジンアンダカバー５をフレーム１
の下方から、先ず、フツク７，７をクロスメンバ
３のフランジ１１に掛止させることにより自重に
よる垂れさがりが防止すると共に位置決めし、し
たがつて、前端縁部に各孔部６がフロントバラン
スパネル４の下部から延出した端縁の面の孔部１
０に対し同心状に臨まされ、一方、各サイド孔部
９も同様にサイドメンバ２に溶着されたウエルド
ナツト１２に臨まされる。

そこで、キヤツチクリツプ１３のストライカ１
３′を各孔部６，１０に挿通して嵌着させ、エン
ジンアンダカバー５をフロントバランスパネル４
の下面、及び、クロスメンバ３の中途部に仮付け
する。

その後、各サイド孔部９に対し図示しないボル
トを挿通させてウエルドナツト１２に螺入させ、
上面フランジ８をサイドメンバ２に当接固着さ
せ、又、ストライカ１３′に対してはクリツプ１
３″を押圧挿入させて本締めする。

したがつて、エンジンアンダカバー５はクロス
メンバ３をアンダーハングしてフロントバランス
パネル４と一体に連結される。

尚、この考案の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、例えば、エンジンア
ンダカバーの先端部とフロントバランスパネルと
の間にパツキンを介装して防水性を高めるように
しても良く、又、締結具はキヤツチクリツプに限
らずブラインドリベツトでも良い等、種々の態様
が採用可能である。

〈考案の効果〉 以上、この考案によれば、車輌のエンジンアン
ダカバー構造において、フロントバランスパネル
の下面とクロスメンバを溶接するサイドメンバと
に締結部材を介して固設されていることにより、
基本的にフロントバランスパネルとエンジンアン
ダカバーとは連続的に一体組み付けされるので、
両者間に間隙が無く、その分だけ走行中に乱気流
が生じず、スムースな空気流が現出され、その限
り、空力特性が良く負荷抵抗の低減が図れという
優れた効果が奏されるばかりでなく、剛性もアツ
プするという利点がある。

更に、泥土等の侵入が防止され、その結果、フ
レーム、ボデー等の防錆を一段と向上させること
が出来るという効果も奏される。

一方、クロスメンバに対してはフツクを介して
掛止されているので、組み付け時の位置決め、仮
止めが安易になされるメリツトがあるばかりでな
く、組み付け後は自重による垂下を防止し、確実
に保持されるという効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の１実施例の説明図で、第１図
は実施例の全体部材の概略説明斜視図、第２図は
要部の組み付け状態の断面図である。 ２……サイドメンバ、４……フロントバランス
パネル、３……クロスメンバ、５……エンジンア
ンダカバー、１３……締結部材、７……フツク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両側のサイドメンバと該各サイドメンバに溶接
   されるクロスメンバとに固設される車輌のエンジ
   ンアンダカバー構造において、フロントバランス
   パネルの下面に前端縁を締結部材を介して固定さ
   れ、又上記両サイドメンバに締結部材により両側
   端を固設され、一方上記クロスメンバに対しては
   上記両サイドメンバ間に位置される中途部がフツ
   クを有して掛止されていることを特徴とする車輌
   のエンジンアンダカバー構造。